勝手に【ラブライブ 第3期、4期】を作ってみた。 作:スターダイヤモンド
二次予選の当日。
天気は快晴。
昨年の大雪を思えば、嘘のように穏やかな朝を迎えた。
準備万端。
メンバーの体調もすこぶる良い。
あとは本番で自分たちの力を出し切るだけ。
「楽しもう!結果はあとからついてくる!!」
会場入りを前に円陣を組むメンバー。
そこにUTXのチームが現れた。
『HOT SPICE(ホットスパイス)』と言う5人組だ。
その中のひとりに…天野織音…がいた。
「おはようございます…ν'sの皆さん」
彼女が近寄り、声を掛ける。
「おはようございます」
「確か…あなたたちがトップバッターだったわよね?しっかり頼むわよ。初めがコケると、連鎖反応でみんな失敗したりするから」
「そうね…頑張るわ」
代表して和香が答えた。
「じゃあ…またあとで…」
「まったく…嫌味しか言えないのかしら」
奈美が呆れるようにして、肩をすぼめる。
「そう言うなって…あれは織音なりの激励だよ」
「ダトシタラ 素直ジャ ナイネ」
デルフィナは、そう言って苦笑した。
…
ν'sのパフォーマンスは終わった。
ノーミスの完璧なステージ。
舞台袖で見守った花陽たちの目に、うっすらと涙が浮かぶ。
あとは…結果を待つのみ。
そして…いよいよ…
…
「第3位…UTX…『HOT SPICE(ホットスパイス)』」
司会者の声に、会場が』どぉ』っと、どよめく。
優勝候補がまさかの3位通過となった。
「第2位…横浜湾岸高校…『Seagull girls(シーガルガールズ)』」
準優勝は前評判通り、神奈川代表のチームが入った。
順位はともかくとして…誰もが納得の通過だった。
「そして1位通過は…群…」
歓声と悲鳴…。
この瞬間、音ノ木坂の連覇は消えた。
…
泣いて…泣いて…泣いて…泣き疲れたのだろう。
桃子とデルフィナは、自宅に戻ったあと、制服を着替えることもなく、ベッドで抱き合いながら寝ていた。
…
「最高だったよ!結果は残念だったけど…私の中の順位は奈美たちのステージが1番だったよ!」
家に帰った奈美は、姉の言葉にまた泣いた。
「あのステージに立てただけでも、凄いことじゃない。私は、あそこまでさえいけなかったんだから…」
うん…と彼女は千代の胸の中で、小さく頷いた。
…
「おめでとう」
和香はスマホの向こうにいる相手に、賛辞を送った。
「ふん…あんまり嬉しくないね…」
「3位だから?贅沢言うなよ…」
「違うよ…お前たちが通過しなかったからさ」
「!!」
「当たり前だろ?…アンタたちはここで落ちるようなチームじゃないって…それは私たちが一番わかってるから…あんな異質なチームに負けるようなチームじゃないから!」
「織音…」
「正直、納得いかないよ…いや、私が怒っても意味ないけどさ…お前が一番悔しいのにな…」
「…変な気遣いはいらないよ…」
「気遣い?…確かに…」
彼女はそう言うと、一度大きく息を吸い込んで
「ふざけんじゃねーぞ!こんなとこで落ちやがって!私を裏切って音ノ木坂に行ったんだ!根性見せろよなぁ!這い上がってこいよ!来年も待ってるからなぁ!」
と一気に捲し立てた。
「おぉ!言われなくてもそのつもりだ!…その前に…全国大会…優勝しろよ!リベンジしてこいよ!!」
和香もスマホに向かって、叫び返した。
…
「ほら、花陽…あなたがいつまでもグズグズしてちゃダメじゃない…」
「だっでぇ…花陽のぜいでぇ…花陽がぁ…もっど上手にぃ 指導じでればぁ…うぅ…うぅ…」
「かよちんが悪いわけじゃないよ!投票者の見る目がなかっただけにゃ!」
「うぅ…うぅ…」
「花陽ちゃん…一旦、落ち着こう…」
「はい…悔しい気持ちはわかります。私だって信じられない気持ちでいっぱいです。…ですが…今、ここで泣いていても結果はかわりません」
「アナタは精一杯やったわ。1年生だって、花陽がせいだなんて思ってる娘はいないわよ…」
「そうにゃ!そうにゃ!」
「でぼ…でぼ…」
「あ、花陽ちゃん!お腹空いてるようね!あそこにGOHAN-YAさんがあるよ!みんなで食べに行こう!」
「ご…ごはん…」
「はい、そうしましょう」
「いや…今の花陽は…それくらいで…気持ちは収まりません!」
「まぁまぁ…」
「行くにゃ」
「レッツ…ゴー!!」
花陽はことりと海未に小脇を抱えられ、引きづられながら店へと入って行った。
…
「おかわりです!」
「今、何杯目?」
「5杯目…かにゃ」
「さっきの話はなんだったのでしょうか?」
「花陽ちゃんはこうでなくっちゃ♡」
「むふ♡おいひぃ♡」
花陽に生気が戻り音ノ木坂の平和が保たれた。
〜つづく〜