ヒロアカ世界に転生した者が千手を背負い過ごしていく。   作:名も無き住人

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今回は体育祭に向けて殆ど原作通りの流れとなります。


十五話

学校に着くと、教室の空気が少し違った。

 USJの事件明けだから当然といえば当然だ。あちこちであの時の話をしているのが聞こえた。

 

「一昨日、本当に怖かった……」

「先生が怪我したのがさ……」

「千手くん、あの化け物を一人で倒したんだよね?」

 最後の声は麗日だった。俺の席のそばで、透と話している。

 

「知ってる! 九十九の掌って言って、一気に……! 地面が割れたんでしょ!」

「怖かったけど、かっこよかったよね」と透が言っていた。

 

 俺は席に着きながら、その会話を横目で聞いた。

 特に何か言うつもりはなかったが——麗日がこちらを向いた。

 

「千手くん! 昨日、ありがとね! あのヴィラン止めてくれなかったら、私たちどうなってたか……」

 

「俺は当たり前のことをしただけだ」

 

「当たり前じゃないよ!!」

 麗日の声がはっきりしていた。

 

「私、千手くんがいてくれてよかったって思ってる。本当に」

 俺はその言葉を受け取った。

 

「……ありがとう」

 

「お礼言うのはこっちだって!」

 麗日がぱっと笑った。俺はその笑顔を見て、少し思った。

 

(こういう人間がいるクラスは、確かに良いな)

 

 ガラッという音と共に緑谷が来た。今日は右中指に包帯が巻かれている。

(確か飛ばされた場所でヴィラン相手に指を折りながら撃退したと峰田が言っていたな……)

 

 「おはよう、千手くん……」

 

 「おはよ。指は?」

 

 「リカバリーガールに治してもらった。……でも、まだ少し痛く

て……」

 

「無理するなよ」

 

「はい……」

 

「ああ。よくやった」

 緑谷が少し目を細めた。

 

「千手くんって……褒め方が、先生みたいだよね」

 

「よく言われる」

 

「えっ、言われたことあるの?」

 

「透にも麗日にも言われた」

 

「……かっこいいと思うよ、僕は」

 緑谷が少し照れたように言った。俺は「そうか」と答えた。

 

 近くで爆豪が「気持ち悪い会話してんな」と言っていた。

 

「かっちゃん!!」と緑谷が叫んだ。

 

「うるせー!てかかっちゃんて呼ぶんじゃねぇ!!死ねクソデク!!」

 俺はその様子を見ながら、少し笑った。

 

 ホームルームの時間になり扉が開いた。

 入ってきたのは——相澤先生だった。

 教室がざわっとした。

 先生の腕には包帯が巻かれていた、一昨日死柄木に掴まれて崩壊を受けた部分だ。

 

 「大丈夫なんですか!?」

 

 「いくらほぼ腕だけとはいえ、あんな肉とか骨が見えてたのに!」

 と言った声が上がる中

 

 

「……俺の安否は良い。それよりも、新たな戦いが始まろうとしている――」

 

 「戦い?」

 「まさか……」

 「またヴィランが!!?」

 

 

 「雄英体育祭が迫っている!」

 

 

 『クソ学校っぽいの来たあああ!!』

 

 

 (ホントに打ち合わせとかしてないんだよな?仲良いな皆んな)

 とか思っていると。

 

 「体育祭!?敵に侵入されたばっかなのにそんなのやって大丈夫なんですか?」

 「また襲撃とかされたら...」

 

 「逆に開催する事で雄英の危機管理体制が磐石だと言うことを示すらしい。警備も例年の5倍に強化するそうだ。何よりうちの体育祭は最大のチャンス、ヴィラン如きで中止していいイベントじゃねぇ。」

 

 「いやそこは中止しろよ...体育の祭りだぞ...??」

  峰田がぶつくさと文句を言う。

 

 「えぇ!?峰田くん雄英体育祭見た事ないの!?」

 

 今の言葉は緑谷にとってちょっとした地雷だったらしく、緑谷が語り出そうとし始めた。

 

 「あるに決まってんだろ?...そういうことじゃなくてよォ.....」

 

 「うちの体育祭は日本のビッグイベントのひとつ。かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ、全国が熱狂していた。今は知っての通り人口は縮小し形骸化した。日本において今かつてのオリンピックに変わるのが、雄英体育祭だ!」

 

「当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が切り拓かれる訳だ。年に1回、計3回だけのチャンス。ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ。その気があるなら準備は怠るなっ!!」

 

『はいっ!!!』

 

 

 

————————————

 

 ザワ……ザワ……ザワザワ……

 

 「うおおぉ」

 「何ごとだあ!!??」

 麗日が叫んだ。

 

 

「何しに来たんだよォ!」

と峰田が言うと

 

「敵情視察だろ、雑魚。ヴィランの襲撃を耐え抜いた連中だもんなぁ……体育祭の前に見ときたいんだろ。そんなことしたって意味ねぇから。……どけ、モブ共」

 

 ……爆豪、相変わらず口悪いな。

 

 「噂のA組、どんなもんかと見に来たが...随分と偉そうだな?ヒーロー科に在籍するヤツらはみんなこんななのか?」

 

「アァ゙?」

 

 廊下にいる紫髪の生徒が前に出てきた。

 

「こういうの見ちゃうと幻滅するなぁ...普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったて奴結構居るんだよ。知ってた?」

 

(そうなのか……という事はコイツは……)

 

「体育祭のリザルトによっちゃあヒーロー科編入も検討してくれるんだって……その逆もまた然りらしいよ。敵情視察...?少なくとも俺はいくらヒーロー科とはいえ調子に乗ってっと足元ごっそり掬っちゃうぞっつう宣戦布告しに来たつもり」

 

 『(この人も大胆不敵だな‼︎)』

その後B組の生徒も来て更にヒートアップした時爆豪が放った一言……

 

 「上に上がりゃ……関係ねぇ」

 

 (言うね……)

 




次はオリジナルになります(ほぼ料理回)
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