ヒロアカ世界に転生した者が千手を背負い過ごしていく。   作:名も無き住人

16 / 16
日常回ですが少しだけ恋愛要素あり?な話となります。


十六話

 放課後。

 学校から出ると、ねじれが校門の前で待っていた。

 水色のロングヘアが風に揺れている。今日は普通の私服だ。雄英近くの寮から直接登校したから、学校が終わり一度帰ってから待っていたのだろう。

 (結構足止めされたから待たせてしまったか……)

 

「悠太!! 透ちゃん!!」

 ねじれが手を振った。

 

「待ってたのか」と俺は言った。

 

「待ってた!! 昨日のUSJのこと、ちゃんと顔見て話したくて!! 二人が無事なのはわかってたけど、でも会わないと気が済まなくて……」

「ねじれ先輩……」と透が言った。

 

「変?」

「変じゃない」と俺は答えた。「ありがとう」

 ねじれが少し止まった。

 

「……悠太が素直に「ありがとう」って言った」

「言わない方が良かったか」

 

「ううん!! 嬉しい!! ちょっとびっくりしただけ!!」

 ねじれが照れたような声で言った。水色の髪が夕日を受けてきらきらと光っている。

 

「どこか行く? 今日はうちに来るか?」

「うん! 行く!! ていうか今日は私が何か作ろうか? いつも悠太に作ってもらってばかりだし」

 

「ねじれが作るのか」

「作れるよ!? 得意じゃないけど!!」

 

「……じゃあ一緒に作るか」

 

「え、一緒に?」

「料理は教えると覚える。一人でやるより二人でやった方が早い」

 ねじれが少し黙った。それから「……一緒に作るの、なんか嬉しい」と小さく言った。

 

「私も一緒に作りたい!」と透が言った。

「三人で作るか」

「やったーー!!」とねじれ。

「……やった」と透。

 三人で並んで歩き始めた。

 

  台所に三人が入ると、狭い気がした。でも不思議と悪くなかった。

「今日は何にするの?」とねじれが聞いた。

 

「材料を見てから決める。冷蔵庫開けてくれ」

「はいはい! えーと……鶏肉、卵、白菜、しめじ、長ねぎ、豆腐……あとはじゃがいもが少し」

 

「鶏と白菜の鍋にするか。寒い時期じゃないが、昨日いろいろあったからな。温かいものが良い」

「それ最高じゃん……!!」

 

「ねじれは白菜を切れるか」

「切れる!! 太さはどのくらい?」

「三センチくらいの短冊切り。芯は少し薄めに」

「わかった!!」

 

 ねじれがまな板の前に立った。包丁の持ち方が少し危なっかしかったが、俺が「持ち方はこう」と後ろから手を添えて教えると、ねじれが「あっ、こう? 切りやすい!!」と声を上げた。

 

「透は長ねぎを斜め切りに」

「うん、やってみる」

 

「包丁は引きながら使う。押さない方が安定する」

「……こう?」

 

「そう。上手い」

「……本当に?」

「本当だ」

 透の動きが少し軽くなった。

 

 俺は鶏肉を一口大に切りながら、鍋の準備をした。だしは昆布とかつおを合わせる。鍋の汁は出汁が命だ。薄口醤油と塩と、少しだけみりん。

 

「悠太ってさ、料理するとき楽しそうだよね」とねじれが切りながら言った。

「そうか?」

「うん。目が違う気がする。普段と」

「普段は目が違うのか」

「違うっていうか……普段は落ち着いてるけど、料理してるときはもっとなんか……生き生きしてる感じ?」

 俺は少し考えた。

 

「好きなことをしてるからだろう」

「料理が好きなの?」

「好きだ。素材が変わっていく過程が面白い。考えた通りに味が出たとき、それが一番気持ちいい」

 

「……悠太って、自分の好きなこと、ちゃんと知ってるよね」

「そうか?」

 

「うん。料理が好き、歌が好き、戦闘が好き——って、全部ちゃんと言える。私、自分が何が好きかってぱっと言えないから、羨ましいな」

「ねじれはヒーローになりたいだろ。それが好きということじゃないか」

「……そうか。そうだね」

 ねじれが少し黙って、白菜を切り続けた。

 

「悠太に言われると、なんかすっきりする」

「なんでだ」

「わかんない。でも、すっきりする」

 透が「私もそう思う」と長ねぎを切りながら言った。

 

「悠太に言われると、なんかそれが正解な気がしてくる」

「俺が正解を言ってるわけじゃないぞ」

「でもそう感じる」

「……そうか」

 俺はだし汁を鍋に入れながら、少し思った。

 こういう時間が——好きだ。

 

 台所に三人がいて、それぞれが何かをしていて、会話が続いている。

 

 前世ではこういう時間がなかった。あってもよかったんだろうが、俺の方が作れなかった。

 

 今世ではある。透とねじれがいるから、ある。

(大事にしないといけない)

 俺はそう思った。

 

  鍋が完成して、三人でテーブルについた。

 

「いただきます!!」

 

「いただきます」

 

「……いただきます」

 

 ねじれが一口飲んで「おいしい……!!」と言った。

 

「私も切ったのに!! なんか嬉しい!!」

「透も上手く切れてたぞ」

「……本当に?」

「本当だ。長ねぎが均等な厚さで切れてた」

 

「……やった」

 透が小さく喜んだ。

 

「ねじれも白菜の切り方が良かった。芯がちゃんと薄くなってた」

 

「えっ、褒められた!! 悠太に料理褒められた!!」

 

「料理は素直に伸びるやつが上手くなる。ねじれは素直だから向いてる」

 

「……なんかそれ、すごく嬉しい」

 

 ねじれが少し静かな声で言った。いつもの全力の大きな声じゃなく——本当に嬉しいときの、静かな声だ。

 

 俺はそれを聞いて、何も言わなかった。

 

 でも、ちゃんと届いているのはわかっていた。

 

 ねえ、体育祭の話聞いた?」とねじれが食べながら言った。

 

「今日告知があった」と俺。

「三年生も同じ日程だよ! 全学科が出るから、普通科やサポート科も出るんだよね」

 

「そうなのか」

 

「うん! 去年の体育祭、すごかったよ。二年と三年の人たちが本気でやってて、プロから声かかってる人もいたし」

 

 「そうか」

 

「悠太は体育祭、どんな感じでやる?」

 

「個性の上限を確認する。それが一番の目的だ」

 

「……スカウト狙いとかじゃないの?」

 

「俺の将来の目標は歌い手だ。スカウトされてもヒーロー事務所には入らない」

 

「じゃあどんな目的で体育祭出るの?」

 

「自分の個性を知るため。あとは——」

「あとは?」

 

「クラスメイトと本気でぶつかれる機会は貴重だから」

 

 ねじれが「……悠太って、クラスメイトのこと、好きになってきてる?」と聞いた。

 

 俺は少し考えた。

「好きというか——面白い人間が多い、と思ってる」

 

「それが悠太の「好き」だよね」と透が言った。

 

「そうか?」

 

「うん。悠太が「面白い」って言うのは、「好き」と同じ意味だと思う。私はそう感じてる」

 

 俺はそれをしばらく考えた。

「……そうかもしれない」

 

「でしょ」と透。

 

「でしょ!!」とねじれ。

 

「そうすると、俺はこのクラスが好きということになるな」

 

「そうだよ!!」とねじれが元気よく言った。

 

「良かった」と透が静かに言った。

 俺はその二人の反応を見て——また少し笑った。

 

 ねじれが帰る前に、廊下で少しだけ二人になった。

 透は台所で片付けの続きをしていた。

 ねじれが俺を見た。

 

「さっきの話」

 

「ああ」

 

「……嬉しかった」

 

「そうか」

 

「悠太が「何かが動く」って言ってくれたこと。それだけで、なんか……充分な気がした」

 

「充分か」

 

「充分。欲張りじゃないから」

 

 俺はねじれの顔を見た。

 水色の髪が廊下の電灯の下で、やわらかく光っていた。いつも元気で、おしゃべりで、全力で——でも今は、静かな顔をしていた。

 

「ねじれ」

 

「なに?」

 

「俺のことを待ってくれてるなら、今すぐ答えは出せないが——」

 

「わかってる」

 

「出せないが……いつかちゃんと向き合う。それは約束する」

 ねじれが少し目を見開いた。

 

 それから、ゆっくりと「……うん」と言った。

 

「ありがとう、悠太」

 

「どういたしまして」

 

 ねじれが「じゃあね!!」と言って、玄関から出ていった。

 

 水色の髪が、扉の向こうに消えた。

 

 俺はしばらくそこに立っていた。




如何でしょうか?AI君に書かすと所々?となる文章を作るので修正に手間取りました。変なところがあればお教え下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

シューターのヒーローアカデミア(作者:なかりょた)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ハイスぺの体と個性『射手』で転生した主人公がおくる物語。なお全方位にさわやかスマイルを振りまいて、脳破壊をしていく模様。


総合評価:575/評価:6.06/連載:24話/更新日時:2026年05月18日(月) 07:01 小説情報

赤き血の英雄、悪を穿つ。(作者:ただねこ)(原作:僕のヒーローアカデミア)

赤血使いのヒーローアカデミア。転生特典とかはないです。たまたま赤血に凄く似た個性を持って生まれたよってだけ。▼突発だけどできる限り頑張ります。


総合評価:580/評価:7/連載:12話/更新日時:2026年05月24日(日) 17:28 小説情報

個性:斬魄刀ガチャ(作者:らいこう)(原作:僕のヒーローアカデミア)

 『BLEACH』と『ヒロアカ』のクロスオーバーです。▼ 能力だけクロスオーバーしてます。▼ 名前:玩真 漂白(がんまひょうはく)▼ 個性:『斬魄刀ガチャ』▼ 魂石というエネルギーを消費して、斬魄刀をランダムで獲得する能力。▼※更新停止します。▼


総合評価:273/評価:5.33/未完:12話/更新日時:2026年03月08日(日) 20:53 小説情報

普通科ですが(作者:リクルート7)(原作:僕のヒーローアカデミア)

有名な雄英高校に入学ししたが、引寄蓄真(ひきよせ たくま)はあえて普通科に入学した。▼ヒーローに興味がなく、今後の進路に有利だと判断していた。▼ヒーロー科の派手な活躍を横目に、特に大きな夢もなく、淡々と日常を過ごし一年の月日が流れようとしていた。▼しかし、超常解放戦線による大規模な戦いの最中、彼の起こした行動により、運命は大きく一変することになる。


総合評価:283/評価:5.62/連載:24話/更新日時:2026年05月13日(水) 11:00 小説情報

適応って強すぎんか?(作者:マーボーマコマコ)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ヒロアカ世界に生まれ変わった男が手にした個性は『適応』だった!▼彼はこのチート個性でヒーローを目指す!


総合評価:209/評価:4.43/連載:6話/更新日時:2026年05月23日(土) 12:18 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>