ヒロアカ世界に転生した者が千手を背負い過ごしていく。 作:名も無き住人
透が台所から出てきた。
「……話、聞こえてた」
「そうか」
「ごめん」
「いい。隠す気はなかった」
透が少し黙った。
「悠太って、ねじれ先輩のこと……」
「好きかどうかはまだわからない。ただ、大事だということは本当だ」
「……ねじれ先輩、すごく嬉しそうだったよ」
「そうか」
「うん。私には見えないけど、声でわかる。今日のねじれさんの声は、今まで聞いた中で一番嬉しそうだった」
俺はそれを聞いて、少し考えた。
「俺のせいで傷つけることにならなければいいが」
「……悠太がちゃんと向き合うって言ったんだから、傷つけることにはならないよ」
「そうかな」
「そう」と透は言った。「悠太が約束したことは、ちゃんとする。私はそれを知ってるから」
俺はその言葉を受け取った。
「透」
「なに?」
「ありがとう」
「……うん」
透が静かに言った。
夜、部屋に戻った。
スピーカーをつけた。小さな音量で、音楽を流した。
ベッドに横になって、天井を見た。
さっきのことを整理した。
ねじれとの廊下での会話。
(俺は、ねじれのことが好きなのかもしれない)
もう一度、その言葉を頭の中で転がした。
よくわからない。恋愛というものが何なのか、俺にはまだぴんとこない。
でも——ねじれがいると何かが動く、というのは本当だ。それを正直に言えた。
それで良かったと思う。
何か書きたかった。
今日のことを。ねじれの水色の髪が電灯に照らされていた光景を。透の
「悠太が約束したことは、ちゃんとする」という言葉を。
ペンを取って、少し書いた。
歌になるかどうかはわからない。でも、書いておきたかった。
ペンを置いて、目を閉じた。
体育祭が来る。
自分の個性の上限を知る機会。クラスメイトと本気でぶつかれる場。
(楽しみだ)
俺は思った。
眠りについた。
そして二週間はあっという間に過ぎ去った。そして雄英体育祭、本番当日がやってきた。
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「皆! 準備はできてるか!? もうじき入場だ!!」
飯田が委員長らしく声を張る。
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期すため着用不可なんだよ」
控え室で全員ジャージに着替えて入場の時間になるまで待つ。
「─────緑谷」
「轟くん……何?」
すると部屋の隅の方で轟が緑谷に声をかけているのが見えた。
「……緑谷、客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」
「え!? う、うん……」
「……お前オールマイトに目ぇかけられてるよな」
「っ!!」
(……いくらオールマイトに目をかけられてるとはいえあの反応……何か他にあるのか?)
すると……
「……轟くんが何を想って僕に勝つって言ってんのかはわからないけど……でも……皆、他の科の人も本気でトップを狙ってる。僕だって……前に進む覚悟はできてるんだ。僕も本気で獲りに行く!!」
「……おぉ」
(少し……いや、変わったな緑谷……)
すると今度は轟がこっちに歩いてきた。
「……千手」
「うん?」
「……今までお前の戦いぶりを見てきたが、全然勝てるヴィジョンが見えてこねぇ。だが、絶対お前に勝つ」
「あぁ……楽しみにしてるよ、轟」
「あぁ」
「入場の時間だ!! よし、行くぞA組!!!」
『おおーーーーー!!!!』
話し終えると丁度良いタイミングで飯田の声を合図があり、俺達は会場へ向かった。
「どうせてめーらアレだろこいつらだろ!? ヴィランの襲撃を鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!! ヒーロー科!! 一年‼︎A組だろぉぉぉ!!?」
プレゼント・マイクのアナウンスで沸き上がる場内に入場した。
(凄い数の人だな。さすが雄英体育祭といったところか。)
『選手宣誓!! ……静かにしなさい!! 選手代表、1-A爆豪勝己!」
ミッドナイトの声が会場に響く。
『せんせー』
『俺が一位になる』
『絶対やると思った‼︎』
(やりやがったな……爆豪……)
障害物競走と騎馬戦どうやって書こう……もしかしたら……もあります。因みにファンの方には申し訳ありませんが青山君の予選落ちは確定してます。