ヒロアカ世界に転生した者が千手を背負い過ごしていく。 作:名も無き住人
障害物競走二十位……騎馬戦三位……
トーナメント表が発表され。
俺は控室でその撮ったトーナメント表を眺めた。
一回戦。千手悠太 vs 芦戸三奈。
二回戦の相手は組み合わせ次第だが——おそらく常闇踏陰が来る。
準決勝まで行けば、爆豪勝己。
俺はその名前を見て、少し息を吐いた。
(あいつが来ると確信しているのか)
素直にそう思った。爆豪とやれるなら、それは楽しみだ。あいつの爆発と、俺の真数千手がぶつかったとき、どうなるか——考えるだけで頭が動く。
ただ、まず目の前の相手だ。
芦戸三奈。酸の個性。物が溶ける。
俺は控室の壁に背を預けて、目を閉じた。
暫くして透が来た。
「悠太、準備できた?」
「できてる」
「……緊張してる?」
「してない」
「本当に?」
「本当だ。ただ、考えてることはある」
「何を?」
「芦戸の酸の射程と濃度だ。接触型か投射型かで動き方が変わる」
透がしばらく黙った。
「……悠太は試合前もそういうことを考えてるんだね」
「それ以外に何を考える」
「普通は緊張するんだよ」と透は言った。「私は今、めちゃくちゃ緊張してる。悠太の試合、見てるだけなのに」
「見てるだけの方が緊張するかもしれない。自分で動けないから」
「……そうかも」
透が俺の隣に座った。
「頑張ってね」
「ああ」
「ちゃんと言葉にして」
「……頑張る」
「よし」と透は言った。少し笑った声がした。
スタジアムに出ると、大きな歓声が上がった。
雄英体育祭のトーナメントの観客席にはスカウトやマスコミが多い。プロヒーロー来ている。
俺はその雰囲気を感じながら——特に飲まれなかった。
人が多い場所は苦手じゃない。ただ、必要以上に意識しない。今日この場で俺がやることは、対面した相手と向き合うことだけだ。
芦戸三奈がステージに上がってきた。
明るい雰囲気の女子だ。クラスが違うから直接話したことは少ないが——体育祭の前日に少し話した。真っ直ぐな目をしている。
「千手くん! よろしくね!」
芦戸が大きな声で言った。
「ああ。よろしく」
「本気でいくよ! 遠慮しないから!」
「それでいい」
芦戸が少し驚いたような顔をした。それからにっと笑った。
「……なんか、やりやすい。変な遠慮されるより」
「遠慮する理由がない。お前は強い」
芦戸の目が真剣になった。
「……うん。全力でいく」
「来い」
「試合開始‼︎」
開始の合図が鳴った。
芦戸が即座に動いた。
両足から酸が噴出した。投射してくると思ったが、滑りながら近づいてくる——また手からも酸を出して地面を溶かしていき、少しずつだが足場が無くなっていく。
俺は後ろに跳びながら、真数千手を顕現した。
黄金の光が広がった。千の腕が展開する。
「っ——! やっぱりあれが……!」
芦戸が一瞬止まった。
観客席から驚きの声が出る。
クラスの皆んなもUSJを知ってるからか決着はついた。という表情で見ているのが気配でわかるようになってきた。
——真数千手——
——壱乃掌——
瞬間酸の霧が——吹き飛んだ。
そして芦戸の体が後方に吹き飛んだ。
ドォン!!
音が遅れて聞こえるように感じた。
芦戸がステージ白線側まで転がる。
俺はその瞬間、真数千手の腕を一本伸ばして——芦戸の体を優しく押さえた。
「……降参するか?」
芦戸が動こうとした。でも俺の腕の圧力を感じて——少し考えた。
「……降参!」
ミッドナイトの声が上がった。
「勝者、千手悠太!!」
観客席から歓声が上がったのが聴こえる。
戦闘描写……本当に難しいですね。因みに騎馬戦は心操チームに入っており流れは原作通りとなっています。ただ洗脳は受けてません。派手な動きはしてないため観音を出すのはこれが初めてとなります。後遅くなりましたが、UA2万越え本当にありがとうございます、本当に励みになります。