ヒロアカ世界に転生した者が千手を背負い過ごしていく。 作:名も無き住人
次の日……
HRにて相澤先生から昨日の死柄木弔と黒霧の事もあり、ある事を言い渡される。
「……とまぁそんな事があって、ヴィランの動きを警戒し、例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセルして。行き先は当日まで明かさない運びとなった」
『えーー!!』
相澤先生が林間合宿の元あった筈の予定表を破りながら皆にそう言い告げるとクラスに驚愕の声が響き渡る。いきなり変更だもんな、無理も無い。
「もう親に言っちゃってるよ……」
「故にですわね……話が誰にどう伝わっているのか学校が把握出来ませんもの」
「合宿自体をキャンセルしねぇの英断すぎんだろ!」
峰田が高らかにそう言うのを聞いて確かにとも思ったが
(峰田、お前は絶対違う目的だろ……)
すると前の席にいる爆豪が緑谷にボヤく。
「てめェ、骨折してでも殺しとけよ」
「ちょっと爆豪、緑谷がどんな状況か聞いてなかった!?そもそも公共の場で個性は原則禁止だし」と透が抗議する、そうすると爆豪が……
「知るか、とりあえず骨折れろ」
「かっちゃん……」
(緑谷……)
この発言で教室内が騒がしくなり、相澤先生のこめかみがヒクつき黙れと言われるまで後数秒……
こうしてあまりに濃密な前期は幕を閉じ、夏休み、林間学校当日!!
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林間合宿の朝。
俺は五時に起きた。
荷物の最終確認をした。替えのタオル、訓練用の手袋、常備薬、着替え。必要なものは全て揃っている。
台所に下りて、今日は白飯と卵焼きを作った。今日は長い移動がある。しっかり食べておく。
暫くすると透が来た。
「おはよう、悠太。今日から林間合宿だね!!」
「ああ」
「お互い怪我しないよう気をつけながら一緒に頑張ろう!」
「ああ」
「その台詞が一番心配なんだよ」と透が言った。
するとねじれからLINEが来た。
「気をつけてね!!帰ってきたら全部話して!!絶対無事で帰ってきてね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ねじれ先輩から?」
「ああ」
「いつも通りの感じ?」
「いつも通りだ」
透が少し笑った。
「ねじれ先輩、いがいと心配性だよね」
「気にかけてくれてる」
「うん。良いことだよ」
俺は短く返信を打った。『行ってくる。一週間後に帰る』。
すぐに返信が来た。
「絶対!!絶対無事で!!帰ってきたら肉じゃが作る!!!!!!!!」
俺は少し笑った。
「何?」と透が言った。
「肉じゃがを作ってくれるそうだ」
「ねじれ先輩、料理が上手くなってきてるもんね」
「ああ」
これから林間合宿が始まる。ヒーロー科1年生全員校門前に集合する。すると早速……
「え?A組補習いるの?つまり赤点取った人がいるって事!?えぇ!?おかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!?あれれれれぇ!?」
B組の物間がA組の俺達をいつものごとく目の敵にするかのような発言をして嫌味を言ってくる。本当にこいつも懲りんな……
案の定というか、拳藤から制裁手刀を喰らい気絶させられる。(もはや一芸になってんな……)
因みにB組女子達がこちらに話しかけて来た後に全員バスに乗り込む。
その際に峰田がうるさかった。
「B組もよりどりみどりかよ……!!」
「……お前そろそろいい加減にしろよ」
「はい」
そろそろ一発どつくか……それとも拳藤みたいに手刀して黙らすか……
そう考えていると飯田が声を出す。
「A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!!」
飯田が指示を出しているのを聞き皆バスに乗り込む……
「1時間後に1回止まる。その後はしばらく……」
「音楽流そうぜ!夏っぽいの!」
「しりとりのり!」
「席は立つべからず! べからずなんだ皆!」
「り……。りそな銀行!」
こういう行事だからなのか仕方ないが、当然のように騒がしくなる。この中で静かなのは、常闇、爆豪、通路を挟んで、轟と障子くらいか……てかうるさっ
相澤先生も緊張感の全く無いクラスの様子を見て愕然とした表情を浮かべている。
にしても流石に、危機感無さ過ぎじゃ…そう考えながら相澤先生の方を見ると、何も注意せず、そのまま前を向いてしまった。
(まァいいか……わいわい出来るのも……今の内だけだ)
あれは何かあるな……
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一時間後……
「ここで一旦休憩だ」
バスが停車して相澤先生がそう声を皆にかけ、全員バスの外に出る。
「いい眺めだ……」
ふと口からそう出てしまった。辺りを見渡すと緑が広がる大自然が目に映る。こういう景色を見ると、やっぱり口から出てしまうな。しかし……
「つか何ここ、パーキングじゃなくね?」
「ねぇアレ、B組は?」
「おしっこ…」
この場所はパーキングエリアでは無く、ただ広大な景色が見える見晴らしの良い場所である事と1台の車がある事以外は分からず、こんな所で休憩をする意味がよく分からない。
「先生、ここは?」
「何の目的も無くでは、意味が薄いからな」
「トイレは?」
相澤先生に聞いてみるが、言ってる意味がよく分からない。因みに峰田は尿意が限界の様子だ。
「よーう、イレイザー!!」
「ご無沙汰してます」
すると、停車してあった車の中から猫耳が特徴的なヒーローコスチュームを身に着けた2人の女性と1人の小さな子供が出てきて、その内の1人の女性が相澤先生をヒーロー名で呼びかけ、先生も丁寧に返す。えーと、あの2人は確か……
「煌めく眼まなこでロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!』
2人の女性はプロヒーローのピクシーボブとマンダレイだった。ポーズを決めながら、このヒーロー達特有の決まり文句を言う。
「今回お世話になるプロヒーロー、「プッシーキャッツ」の皆さんだ」
相澤先生が淡々とそう言うと、突然緑谷が拳を握り、興奮しながら解説してくれる。
「連名事務所を構える四名一チームのヒーロー集団!!山岳救助等を得意とするベテランチームだよ!!キャリアは今年で十二年にもなる……」
緑谷がそう言いかけると、プッシーキャッツの1人のピクシーボブが緑谷の顔を鷲掴みにする。
「心は十八!!」
「へぶっ!!」
「心は?」
「じゅ、十八!!」
緑谷を脅すようにしながら、言い聞かせた。やはり歳を気にしてるようだ……十八でデビューしてキャリア十二年ならもう三十路か……
「ギロッ!!」
怖っ!どうやら年齢は禁句のようだ……
するともう1人のマンダレイが山を見ながら口を開く。
「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね、あんた達の宿泊施設はあの山の麓ふもとね」
『遠っ!!』
マンダレイが山の麓に指をさしながらそう言うと、皆の声が揃う。では何故こんなとこ……あぁそういうことね……
「え……?じゃあ何でこんな半端なとこに……」
「いやいや……」
「バス、戻ろうか。な?早く……」
他の皆も危機感を感じたようだ、皆不安な表情を浮かべている……さてと。
「今はAM9:30、早ければ十二時前後かしらん」
マンダレイのその言葉を聞いて皆の不安は確信に変わる。皆次に起こる事が予想が着いて、切島が皆に声をかけて、全員バスを目指した。
「バスに戻れ!!」
「十二時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね」
「……悪いね諸君、合宿はもう始まってる」
次の瞬間地面が盛り上がり地面の形が雪崩のように変わり皆下に落ちていく……二人を除いて……
「……やはりお前は避けるか……」
と相澤先生が言うと何が?と不思議そうに思っているプッシーキャッツの二人は。
「えっ!嘘でしょ!」
土流を躱してバスの屋根の上に座っている俺と脇に抱えられてる透を見て驚く。
「えっえっ何これ何これ!どうなってるの!?」とあまり理解できてない透を他所に
「相澤先生、これ躱しちゃダメなやつでしたか?」とわかりきった質問を投げる。
「……はぁ」相澤先生は大きく溜息をつき早く下行けとジェスチャーをだす。
「はぁい」と透を抱え降りようとすると。
「……いや待て、千手、お前は降りるな、葉隠だけ降ろせ」
「……何故です」俺は少し不機嫌になる。すると理由を説明してくれる。
「お前は強い、あのオールマイトさんを演習とはいえ倒す程にな、だからこの試練の障害をお前がいると皆追い込まれることなく突破してしまう、だから葉隠だけ腕を使って降ろしてお前はこっちだ。」
「はぁ……だそうだ、透、頑張れるか?」と聞くと。
「大丈夫!皆もいるしそれに私もヒーロー科の一人だよ!」と力強く言う。それを聞き……
「そうか……よし!じゃあ頑張って来い!」
「うん!」
俺は腕だけ出して透を乗せて下に降ろす。因みに俺達のやり取りを見てたピクシーボブが凄い顔をしてたが俺は無視した。
(何で学生に嫉妬してるの?あの人……)
するとマンダレイが
「少し遅くなったけど私有地につき、個性の使用は自由だよ!今から三時間、自分の足で施設までおいでませ!この、魔獣の森を抜けて!!」
するとすぐに破壊音が聞こえてくる……皆、頑張れよ。
「おい、何してる千手、行くぞ」
「わかりました」
相澤先生に声をかけられバスに乗り込む
(てっきりお前はこっから走れと言われるかと思ったが……)
「俺は着いたら先に訓練ですかね」と質問すると
「そうなるな、お前にはクラス全員が来るまでの間先に訓練をやってもらう」
とバスに乗り振り返る、するとまだ近くで土煙と破壊音が聞こえている。
長くなりそうなのでここで切ります。