連邦軍は遂に連邦製モビルスーツの開発に成功した。陸軍の要望もあり前線には、ザクのコピー機である【ザニー】や先行量産機として開発された【陸戦型ジム】が積極的に前線に送り込まれたがV作戦の本命機ではなかった。
本命機は、ジャブローの演習場にあった。
演習場には、すでに政治家達や軍の上層部が開発されたモビルスーツを見ようとしておりそこには、最高責任者であるレビル将軍はもちろん、賛成派のミンシュェンとゴップもいた。
まず、出されたのは長距離支援砲撃ができるガンタンクから始まり、次は中距離支援型のガンキャノンがお披露目された。開発主任のテム・レイ博士がガンタンクの性能とガンキャノンの性能を説明しそれを聞いたギャラリー達は、感嘆の声を上げた。
「これが我が軍のモビルスーツか」
「すごい火力だな」
「だが、V作戦の予算があれば戦力の回復はもっと迅速にできたのではないのですか?レビル将軍」
中には、未だに反対派の連中も存在し嫌みたらしく言った。しかし、ゴップとミンシュェンは、つまらなそうな顔をしていた。
「なにか不満があるのかねゴップ提督?」
「私は、ガンタンクやガンキャノンなどに興味がない。私が見たいのは新型モビルスーツ【ガンダム】の試作機を見たいのだが?」
ゴップがそう言うと。テム・レイ博士は、興奮した顔で「すぐに用意します」と、言うと演習場に黒いモビルスーツ【プロトタイプガンダム】が現れた。
右手には試作型の100ミリマシンガンを持ち左手には、ヒートナイフを逆手で持っていた。
「あれこそ!わたしの最高傑作機【ガンダム】です!まだ、プロトタイプなので本来の性能ではありませんが2号機からは、ザクを超えた性能をお見せできます!」
「ということは、あの機体はまだザク以下なのかい?」
「それはご覧いただけば分かります」
ブザーがなり演習が始まった。
ガンダムは、ブースターを吹かして高速移動をするとまずは障害物となる壁が現れた。ガンダムは、壁を簡単に乗り越えると今度は壁の内側からザクの絵が描かれた標的が現れた。
しかし、ガンダムは、ザク以上の反射能力を見せた。
標的が出た瞬間には、ガンダムは、100ミリマシンガンを構えており100ミリ弾を1発撃ち命中した。そして更にマゼラアタックの形をした標的が現れると今度はブースターを吹かして空を飛ぶと上から100ミリ弾を命中させてそのまま飛び越えた。
ガンダムが着地をするとそこを狙ったかのようにザクの標的が出現したが左手のヒートナイフで標的を突き刺した。
「こ、これが本命機のプロトタイプなのか!?」
「ザク以上の機動力じゃないか!」
政治家達も軍の上層部も驚きすぎて思わず立ち上がった。
「まだプロトタイプなので本来の性能を披露できませんでしたが【ガンダム】を完成させれば連邦軍の勝利は、確実であることを保証します」
演習が終わりミンシュェンとゴップがレビル将軍に面会した。
「プロトタイプガンダムを彼に任せたいと?」
「その通りだレビル将軍」
レイブンにプロトタイプガンダムを任せたいとゴップから聞いてレビル将軍は、驚愕した。
「彼の実績はレビル将軍の耳にも入っているはずですよね〜?」
「もちろんだ。他の兵士達もモビルスーツの破壊や鹵獲を頑張ってくれていたがだいたいの部隊は、全滅し鹵獲失敗の確率が高い。その中でもベルゼルガ少尉は、鹵獲数も破壊数もトップであることは理解している」
「それなら、彼に任せてみませんか?レイブンは、あのガンダムを誰よりも使いこなせますよ〜」
「私からも彼を推薦しよう」
レビル将軍は少し考えると。
「ワン君。君は、かなりベルゼルガ少尉を気に入っているようだが政治家の君がなぜそこまで一兵士に肩入れをする?」
と、訊ねた。
「そんなの決まってるじゃないですか〜」
そう言ってミンシュェンは、悪い笑みを浮かべ。
「我〈ぼく〉が彼のファンだからですよ」
と、答えた。
「我〈ぼく〉から見ればレイブンは、黄金の羽を持ったワタリガラスなんですよ。もちろん、最初は興味などありませんでした。ですが、不可能だと思われていた将軍の救出作戦。彼は単独でジオンに潜入し将軍を助け出しました。そして困難な任務も次々と成功させました。だから、思ったんですよ。彼の能力を利用すれば我〈ぼく〉はもっと上に行けるって」
それを聞いたゴップは意外そうな顔をした。
「意外だなミンシュェン君。君が政治家としてそこまで上に行きたがっていたなんて」
「出世は、男のロマンですよ〜」
この時、レビル将軍はある事を考えていた。
(防御力が高いから諦めて爆撃による破壊を考えていたがベルゼルガ少尉に任せてみるか)
「分かった。彼には、借りもある。ベルゼルガ少尉がプロトタイプガンダムのパイロットにするよう取り計らってみよう。ただし、条件がある」
「どんな任務なんだレビル将軍」
ゴップが訊ねた。
「アフリカ地方中部の鉱山基地。そこを奪還してきてほしい」