任務を終えたレイブンは、拠点にしている村に戻りキャリアンに頼んでゴップと通信をしていた。
『助かったよレイブン。あそこは、デモも激しかっただろ?』
「そういうことはちゃんと伝えとけよ」
レイブンは、不機嫌そうな顔で言った。
『すまないすまない。ところでレイブン。刑務所では何か情報は手に入ったか?』
「特にこれといった情報はない・・・・・・・ただ」
『?どうした?』
「気になることがあった」
『そうだ!自由になりたかったら協力しろって!ジオンが近いうちにこの町を制圧するから滞在してる連邦軍を可能な限り引きつけろって言われんだよ!その後は、俺達をジオン軍人として雇うって話だったんだよ!なのに、全然ジオンの奴らは攻撃してこねーし!!』
『新人の看守だ。年齢は4、50代くらいの男だ』
あの時、囚人のリーダーが言っていた事をそのまま報告した。
『なるほど、内通者かと思っていたがスパイ・・・・というより君のような潜入工作員なのかもしれんな』
「おそらく、ジオンの特殊部隊だ。なぜ、そいつらがあの囚人達に近づいたのかは知らねーが少なくとも何の意味もなく近づいたとは思えない。情報収集に向かった仲間も防衛体制を敷いてはいるが進軍準備をしている様子はなかったらしい」
『つまり、囚人達はジオンから最低限の支援を受けた上で嘘の情報に踊らされていたわけか』
「そうなりますね」
この時、レイブンもゴップも訳が分からなくなっていた。
アドゥタールタウンを攻略する気がなかったのならなんのために刑務所に銃を送ったのか。そのまえにどうやって銃を届けることができたのか。
「ゴップ、囚人のリーダーが言っていた4、50代の新人。こいつについて調べることはできるか?」
『難しくはあるがやってみよう。レイブン、君は引き続き鉱山奪還の任務に集中してくれ』
「了解したゴップ」
そう言って通信は終了した。
「レイブン、あなたはどう考えてますか?」
「まず、刑務所の件は囮だった考えるべきだろうな。だけど、刑務所を囮にしたのならどこを攻略しようとしていたんだ?」
「情報では、他に進軍した部隊も場所もありません。どうします?少し様子を見ますか?」
レイブンは、少し考えると。
「万全の準備を考えたら偵察に向かった仲間を待つのがいいが・・・・キャリアン、ザニーの準備は?」
「とりあえず100ミリマシンガンとヒートナイフは、整備済みです。ですが、現在の情報で考えると戦闘はかなり難しいかと」
鉱山基地の戦力は、ザク・デザートタイプが3機、マゼラアタックが9台、そして対空兵器が12台とかなりの防御力だった。
すると。
「!?暗号通信が来ました!!」
「偵察隊からか!?」
「はい!」
キャリアンは、暗号通信を解読すると彼女は信じられないものを聞いたような目をした。
「どうした?」
「れ、レイブン。こ、鉱山基地の戦力が」
「まさか、増えてるのか?」
「違います。減ってるようなんです!確認できた戦略は、マゼラアタック3台と対空兵器だけのようなんです!」
「なんだと!?」
情報を聞いてレイブンは、キャリアンが聞き間違えたのか或いは、偽情報を送られたと考えた。だが、レイブンはすぐにその考えは間違いだと気がついた。
「!!ま、まさか」
レイブンは、慌ててザニーに乗り込むと。
「キャリアン!!もう、遅いと思うが鉱山基地に向かうぞ!!俺の勘が正しければおそらくもう」
「はい!了解しましたレイブン!!」
キャリアンは、仲間達に急いで戦闘準備をして進軍命令を出した。レイブンは、先行して急いで鉱山基地に急行した。
鉱山基地は、情報通りマゼラアタック3台と対空兵器しかなかった。レイブンは、100ミリマシンガンですぐにマゼラアタック3台を破壊して対空兵器も無力化した。
レイブンは、ザニーから降りるとアサルトライフルを構えて鉱山基地に乗り込んだ。待ち伏せを警戒しながらレイブンは、奥に進むが抵抗らしきものはなにもなかった。罠を仕掛けられてるわけでもない。本当になにもなかった。
レイブンは、基地司令の部屋と思われる場所を見つけ何か重要な書類がないか確認をしているが重要書類は全て破棄されたのかなにもなかった。
いや、なにもなかったは訂正する。1枚だけ書類があった。それを確認するとそこに書いてあったのはジオンの戦争資金資源として手入れていたダイヤモンドを産出するこの鉱山からもうダイヤモンドは出てこなかったこと。
ジオンの司令部は、もはや無価値と判断し鉱山基地を放棄することが決定していたことが書かれていた。レイブンは、顔を上に向けて手を置くとそのまま机に座り葉巻に火をつけた。
無線機を使いキャリアンに連絡を入れた。
「キャリアン。俺の予想があたった。ジオンはすでにとれるものは全てとってここを放棄していた」
『!!それなら刑務所の件は』
「撤退のための時間稼ぎだったのかもな。今の連邦軍は地球のあちこちで戦争をしている。いくら、俺達が少数戦力とはいえ連邦軍は、無駄な戦闘に金をかけてしまったようなものだからな」
『レイブン、いつから戦争を金勘定するようになったんですか?』
「そのつもりはない。ゴップや他の上層部に色々と言われるのが面倒だと思っただけだ」
『そうですか』
「とりあえず、ゴップに報告しろ。今回の作戦はある意味で全て無題終わったって」
レイブンはそう言って通信を切った。
アフリカ上空を飛んでいるコムサイがいた。
「ほぉ、これは面白い情報だな」
「どうしたのです隊長?」
「アドゥタールタウンに仕込んでいたデコイが制圧されたみたいだ」
操縦しているジオン兵驚いた顔をした。
「意外ですね。たかが囚人ごときに手こずってたんですからもう少しデコイの効果あると思ったんですがね」
「制圧の架け橋になったのは【伝説の連邦兵】らしい」
「!?それって最近、ジオンでも噂になってる奴じゃ?」
「そうだ。対モビルスーツ特技兵も存在はしているが彼はそれを単独で行い幾つものザクを破壊し鹵獲した男だ。まさか、こんなところでお目にかかれるとは」
隊長と呼ばれた男はそう言ってタバコを吸った。
「悔しいでしょうね。せっかく奪還しようとした鉱山基地は、すでにもぬけのからなっていたら」
「オマケに情報も資源もなにもない。あったとしてももう、それは搾りカスだ。伝説の連邦兵も可哀想だな。無駄な戦闘に派遣されたのだから」
そう言って隊長達の肩のエンブレムには、ジオンの特殊部隊【サイクロプス隊】のエンブレムが輝いたような気がした。