レイブンの活躍によりグアテマラシティの攻略は成功した。そんなレイブンに新しい任務が来た。任務は、ジオンの新型モビルスーツの調査だった。
北米のニューヤークあたりで新型モビルスーツのプロトタイプらしき機影をスパイが発見。そのモビルスーツを調査し鹵獲及び破壊のミッションが出されたのだ。レイブンは、北大西洋上空から大回りをしてニューヤーク北部から気づかれないようにニューヤークへ潜入した。
山の中にプロトタイプガンダムを隠し馬を使って目撃現場に向かった。
現場に到着したレイブンは、双眼鏡を使って周囲の偵察を確認した。
「・・・・・」
レイブンは、試しに無線機の電源を繋げてみるとひどいノイズが走った。
「ミノフスキー粒子か」
キャリアンとの通信は難しいと判断したレイブンは、周囲を警戒しながら通信可能領域まで一旦後退した。
「キャリアン、聞こえるか?」
『こちら、キャリアン。何か発見したのですかレイブン?』
「あぁ、現場はミノフスキー粒子が散布されていた」
『!それって』
「どうやらデマ情報ってわけではなさそうだ。まだ、モビルスーツもテスト跡も確認できてないから100パーセントの保証はないが少なくともあそこでジオンが何かをしているのは確かなようだ」
『レイブン、こちらも北米に滞在しているスパイから情報を送られました。解析に回したところ現場周辺の地図でした』
「地図?ジオンの秘密基地でも書かれているのか?」
『それに近い情報ですね。古い地図と重ね合わせたところ、西の方角に新しい施設が作られています』
「新しい施設?」
『はい、プロトタイプガンダム《ガンダム》にデータを送りますので一旦ガンダムまで戻ってください』
「了解だキャリアン」
通信を終了しレイブンは、プロトタイプガンダムのところまで戻るとさっそく、コックピットに入り送られたデータを確認した。
「ここか。ここら辺で潜伏に適した土地は・・・・・・この一箇所だけか」
レイブンは、プロトタイプガンダムを起動して立ち上がると新しい潜伏エリアに向かった。
潜伏エリアに到着するとレイブンは、再度プロトタイプガンダムを隠し施設がある場所に向かった。
「あの施設か」
レイブンはそう呟いて双眼鏡で偵察を始めた。
「ザクやマゼラアタックが無い?」
レイブンは、自分の目を疑った。秘匿されてるとはいえマゼラアタックじゃなくても装甲車などが護衛についていると思っていたがあの施設には、護衛が何もついていなかったのだ。
「本当にあそこなのか?」
レイブンは、情報を疑ったが実際にミノフスキー粒子は、散布されている。確かにあの施設は怪しいのだ。レイブンは疑いながら偵察を続けていると。
「ん?」
施設から人が出てきた。確認してみるとレイブンは、目を疑った。
「ッ!?」
レイブンは、目を擦りもう一回確認した。レイブンの視界に入っているのはザビ家の末弟、ガルマ・ザビだったからだ。
「ガルマ・ザビ?なぜ奴がこんなところに?」
ガルマの周りには、ガルマの親衛隊と思われる若い兵士達がガルマを護衛しておりガルマの前には、新型モビルスーツの開発者か整備長と思われる老人がいた。2人が何かを話していると。
「!!」
エンジン音が聞こえた。上空を見るとジオンの輸送機、ファット・アンクルが、来た。
レイブンは、しばらく偵察を続けていると施設の倉庫からモビルスーツが1機だけ出された。
「!!あれか?」
モビルスーツは、ゆっくりと立ち上がりファット・アンクルに乗ろうとしていた。
「これって・・・・・モビルスーツよりもガルマ・ザビの方が手柄じゃないのか?」
レイブンは、今、ガルマ討伐という連邦軍史上最大のチャンスにいた。ここで、ガルマを殺せば多少戦局に影響を与えるかもしれないし並の兵士なら出世の大チャンスと考えてしまうほどだった。
だが、レイブンは、そこらの兵士と同じではない。
「いや、ガルマを殺すよりあの新型モビルスーツの方が重要か」
そう言って、モビルスーツの方を見た。右手にはザクマシンガンを持っており左手には、シールドを装備した機体。一見、ザクタイプに見えもするがレイブンには、何か違和感を感じていた。
「どちらにしてもあの機体は間違いなくエースに回されてテストデータをもとに量産されるかもしれない。だったら、量産を遅らさるために破壊するしかないか」
レイブンは、そう言って急いでプロトタイプガンダムの所に戻り乗り込むと起動させて立ち上がった。
地球方面軍司令官であり北米を支配下に置いているザビ家の末弟、ガルマ・ザビは、ニューヤークにある秘密の研究施設に訪れていた。ここに来たのはドズルから預かったジオニック社の新型モビルスーツ【グフ】のプロトタイプがあるからだ。
連邦軍のV作戦、新型モビルスーツの開発計画を知ったジオン軍は、ザクを超えた新たな主力モビルスーツを開発する必要が生まれた。ザクのコピー機であるザニーや一部の地域にのみ配備された陸戦型ジムの目撃報告もあり白兵戦を想定したモビルスーツが開発されたのだ。
「しかし、見た目はザクと同じように見えるがこの機体どのように変わったのだ?」
ガルマが訊ねると責任者である老人が答えた。
「J型のデータをたっぷりと使わせていただきました。おかげで足回りが強化され機動性は、ザク以上の性能になりました」
「それならザクの高性能機って扱いでも良かったのではないか?左腕部に盾が付いたとはいえ武装は、ザクマシンガンとヒートホーク、ザクと何も変わってないようだが?」
「おためしになられてるのですかガルマ様?ガルマ様も理解しておられるはずです。この機体の隠された武器を」
「資料は、もちろん読んでいるさ。確かヒート・・・」
その時だった。
グフ・プロトタイプを受領する為に来たファット・アンクルが狙撃された。左エンジンを破壊されファット・アンクルは、墜落し爆発した。突然のことにガルマも驚いていたがすぐに状況を理解し。
「敵襲!非戦闘員は、トラックに乗り戦闘区域から離脱せよ!」
ガルマは、すぐに指示を出した。
「私達もすぐにこの場から離れるぞ!グフは、私達の護衛だ!」
ガルマが、テキパキと指示を出していると。
「お待ちくださいガルマ様!相手は連邦の盗人野郎です!連邦が使っているあのザニーとか言う機体なんかにこのグフがやられる訳がありません!俺にやらせてください!」
「バカを言うな!その機体はドズル兄さんから預かった大切な機体なんだぞ!そうやすやすと戦闘に出せるわけがないだろ!」
ガルマがそう言ってると。
「!!ガルマ様危ない!!」
グフ・プロトタイプが前に出てシールドを構えると狙撃をガードした。強烈な爆発音と爆風がガルマを襲った。
「大丈夫か!?」
「心配ありませんガルマ様!見てください!さっきの狙撃を受けたのにコイツはびくともしてませんよ!」
グフ・プロトタイプのパイロットは、そう言うと。
「やらせてみてはいかがでしょうかガルマ様」
責任者の老人が言った。
「データは少しでも多く持ち帰るべきです。ここでグフの性能を試すのも悪くないでしょう」
ガルマは、少し考えるとすぐに答えを出した。
「いいか!さっきも言ったがそれはドズル兄さんから預かったものだ!絶対に壊さず確実に持って帰ってくるんだ!」
そう言ってガルマも車に乗り護衛の兵士達と共に戦闘エリアを離脱した。
「まずは、ファット・アンクルを撃破」
レイブンは、ザニーに乗っていた時に使った120mm低反動キャノン砲を構えファット・アンクルを狙撃。左エンジンを破壊するとそのまま墜落し大きな爆発を起こした。
続いて新型モビルスーツの方に120mm低反動キャノン砲を向けると新型モビルスーツは、レイブンの存在に気づいたのかガルマの前に立ちガルマの盾になった。
「別にガルマを狙ったわけじゃないがな!」
そう言って狙撃をした。新型モビルスーツに命中はしたが爆煙が晴れるとちゃんとシールドで防ぎほぼ無傷の新型モビルスーツが立っていた。
「なるほど、ザクとは違うってことか」
レイブンは、葉巻を咥えて火をつけるとガルマは、戦闘エリアから離脱した。新型モビルスーツは、バックパックのブースターで大ジャンプをしレイブンに向けてザクマシンガンを連射した。レイブンも120mm低反動キャノン砲を構え攻撃をした。しかし、砲弾は、シールドで滑らせるように防がれ後ろ流されると新型モビルスーツの後ろで爆発した。
レイブンは、バックステップを取り着地した瞬間を狙おうとした。
「えっ?」
その瞬間、新型モビルスーツの左腕から何かが飛び出した。それは、120mm低反動キャノン砲を巻きつかれ。
「没収だ!」
120mm低反動キャノン砲を取り上げられてしまった。
「くっ!」
レイブンは、頭部バルカンで牽制を入れるが新型モビルスーツは、シールドでガードしながらちゃんとザクマシンガンで反撃をしてきた。
「!?ザクマシンガンが効かないだと!?」
新型モビルスーツのテストパイロットは、驚いて攻撃が止まった。
「それに見たことがない機体、まさか連邦軍は新型モビルスーツの開発に成功したのか?あんなコピー機とかじゃなくちゃんとした連邦製モビルスーツを!?」
新型モビルスーツは、ザクマシンガンを捨ててヒートホークを構えた。レイブンもヒートナイフを逆手に持って構えた。
「ザクマシンガンが効かないなら接近戦だ!」
新型モビルスーツは、そう言って突進しレイブンは、迎え討とうとした。すると新型モビルスーツは、左手から何か・・・・いや、アンカーのようなものを発射するとレイブンの横を通り過ぎた。
「見たことがない兵装だ。たが、直線的な動きしかできないみたいだな。これなら脅威はない!」
「はずした!クソ、このヒートロッドとか言う試作兵装、めちゃくちゃ使いずらい!」
新型モビルスーツは、ヒートホークでレイブンを叩っ斬ろうとしたがレイブンは、ヒートナイフでガードしそのまま左フックで新型モビルスーツの顔面を殴った。
「この!」
レイブンは、ヒートホークを躱しタックルをして新型モビルスーツを吹っ飛ばした。そして更に左の回し蹴りで新型モビルスーツの顔面を蹴り飛ばした。新型モビルスーツの頭についていたパイプは、衝撃でちぎれた。
「調子のってんじゃねーぞ!!」
新型モビルスーツは、再びアンカーのようなものを発射したがレイブン簡単に躱し新型モビルスーツの顔面を掴むとそのまま地面に叩きつけた。
ヒートナイフを振りかぶり一気に振り下ろし新型モビルスーツ胸を刺した。火花が散りモノアイが消えた。
だが、機体は死んでいなかった。シールドを叩きつけられレイブンは、後ろに吹っ飛ばされると新型モビルスーツは、鈍い音を出しながらなんとか立ち上がった。
ヒートホークを振りかぶりカメのように遅いスピードでレイブンを殺そうとしたがレイブンは、ブースターを吹かし高速移動で懐に入ると人間で言う右脇腹あたりからヒートナイフを刺した。
新型モビルスーツは、そのまま横に倒れると動かなくなった。
「任務完了。後はこいつを持って帰れば」
そう言った瞬間、新型モビルスーツが突然爆発した。
「!?融合路はていししたんじゃなかったのか?」
爆発した新型モビルスーツを見つめため息を吐くとレイブンは、葉巻を咥え火をつけるのだった。