新型モビルスーツの破壊には、成功したが鹵獲には失敗し何かしらのお咎めが来ると思っていたレイブンだったが意外なことにお咎めはなし。それどころか昇任することになった。
「これからも頼むよ。ヴェルヌ・ベルゼルガ中尉」
レイブンクロウ隊の隊員達も含めレイブン達は、1階級ずつ昇格しレイブンは、中尉となったのだ。ゴップから中尉の階級章とこれまでの功績を讃え勲章まで受け取った。
「貰えるものは貰っておくが何か企んでるのかゴップ?」
ゴップの部屋でソファーにもたれかかるように座りながらレイブンは、葉巻を味わっていた。
「何も企んでないさ。ただ、レイブンにはこれからも色々と働いてもらうから前金として用意したのだよ」
ゴップも革製の仕事椅子に座り答えた。
「それよりも俺のガンダムのデータはちゃんと確認したのか?」
「しっかり確認させてもらったさ。君のおかげでガンダムの量産化計画も決定された」
「いよいよ、連邦軍も本格的にモビルスーツの量産に入るのか」
レイブンは、紫煙を吐くと。
「それともうひとつ、サイド7にあるガンダムの最終テストが完了しついにガンダムが完成した」
レイブンにサイド7で開発されているガンダムがついに完成したこと伝えた。
「思ってたより早いな。もう少し時間がかかると思ってたんだが」
「回収任務を任されたのはパオロ中佐だ。新造艦【ホワイトベース】に乗りガンダムの回収任務を任せるようだ」
「護衛に俺達がつくのか?」
「その必要はない。表向きの任務はサイト7への物資配給の為ということになっている」
「民生用の補給艦ということにしたのか?」
「その方がガンダムの回収任務もスムーズに進めるはずだ。・・・・・もっとも、民生用の補給艦を攻撃しても恥じない者なら話は別だがね」
・・・・・・なにかとてつもなく嫌な予感がしたような気がしたがレイブンは、気のせいだと考えた。
「そういえば例の新型のプロトタイプ。あれはどう考えている?」
「それは、戦場で戦った君が1番分かっているのではないか?レイブン」
そう言われてレイブンは、嫌そうな顔をした。
「あの機体は、対モビルスーツ戦を想定したタイプだろう」
「そのこころは?」
「スピードがザク以上の速さだった。しかも、陸戦に特化していてアンカーのような新兵装もあった。ガンダムの頭部バルカンと同じ固定兵装だ。この時点でザクとは全く違うタイプになっていた。あの、アンカーがどういう理由で付けられているのかは分からないが俺は兵装を奪うだけのものだとは到底思えない。それに」
「なんだね?」
「連邦が極秘で開発しているモビルスーツ開発計画。いくら、ザニーや陸戦型ジムが前線に出てるとはいえ、ザクタイプとは違うニューモデルのモビルスーツを開発するのも違和感がある」
「つまり、情報が漏れてるって言いたいわけね〜」
突然、話に割り込んできたのはミンシュェンだった。
「ミンシュェン。いきなり割り込んでくるな」
ミンシュェンは、ヘラヘラと笑いながらソファーに座った。
「本当に大変だよ〜。連邦のほとんどの政治家は、自分の保全と権力争いにしか興味がないからね〜。物資や戦争資金確保などの交渉に出てるのは我《ぼく》みたいな数少ないまじめな政治家ばかり。なんだか貧乏くじを引いたような気がするよ〜」
ミンシュェンは、疲れ切った声でダラーっとソファーにもたれた。レイブンは、話を戻しミンシュェンの言う通りV作戦の情報が漏れてる可能性をゴップに伝えた。
「どうするんだ?将軍に報告するのか?」
「いや、レビル君もジオンに情報が漏れているのは分かっているはずだ。その上で何も対策をしていないのは、あえて泳がせているのだろう。スパイがどの程度近くにいるのか。スパイが誰なのかすべてを突き止めるために」
レイブンは、葉巻を吸い終えると灰皿に葉巻を押しつけ火を消した。
「そう言えば、新型機のプロトタイプ。あの情報は、将軍達に報告してるのか?」
「もちろんさ。それよりも次の任務だ。頼んだよレイブン」
ゴップは、そう言って任務の書類を受け取るとそのまま部屋を出て行った。
「ミンシュェン君。頼んでいた仕事はどうなったんだね?」
「完璧ですよ〜。金を握らせて新型機のプロトタイプの情報は完全に闇に葬りましたよ〜。だけど、いいんですか〜?せっかくレイブンが命をかけて手に入れた情報なのに」
「構わんさ。これからの事を考えればジオンにはもっと頑張ってもらわねばならんからな。連邦は戦争に勝利しそしてジオンのモビルスーツをレイブンが運用する。・・・・・クククッ、考えただけで・・・・無くしていた野心が蘇りそうだ」
ゴップは、悪い笑みを浮かべながら自身とレイブンの未来を想像するのだった。