「ドミニカに偵察ですか?」
キャリアンがレイブンクロウ隊専用のミデアに整備されたプロトタイプガンダム、両翼に新型戦闘機【コアファイター】を搭載しながら任務内容を聞いていた。
「失礼ですがレイブン、確かに北米はジオンの支配領域に入っていますが海に関してはメキシコ湾こそ制海権を奪われていますしキューバも奪われていますがカリブ海は完全にジオンの領域というわけではありません。ドミニカには、確かに海軍の補給基地がありますが必死の抵抗でジオンを追い返しています。ドミニカに救援に向かうのなら理解できますがなぜ偵察なのですか?」
「新型の水陸両用モビルスーツがカリブ海近海で確認されたらしい」
「!?また、新型ですか?」
「そうだ。だが、今回のモビルスーツは、主力に選ばれたわけじゃない。あくまでもジオン海軍の為に開発されたモビルスーツだ」
そう言ってレイブンは、葉巻を咥えて火をつけた。
「連邦海軍がキューバ奪還の為に潜水艦を3隻送って奇襲をかけるつもりだったが見事に返り討ちにあったらしい。生き残りの乗員によると水中型のザクでも魚雷でもないまったく別の何かがいたらしい」
「それじゃ、今回の任務はその新型モビルスーツの調査という事でしょうか?」
「調査と言ってももう遅いかもしれんけどな」
レイブンは、そう答えるとミデアに乗りドミニカへ向かった。
ジャブロー上空を過ぎるとレイブンは、キャリアンに命令してコアファイターを2機発進させ空からの偵察を開始した。
「ドミニカ補給基地から通信が来ました。レイブンクロウ隊の受け入れを許可するとのことです」
通信を聞いたキャリアンがレイブンに報告をするとコアファイターによる偵察はどうか訊ねた。
「今のところ、ジオンの軍艦、潜水艦らしき艦影も軍艦もらしき艦影も見当たらないとのことです」
ジオン海軍が見当たらないとの分かるとレイブンは、連邦海軍の補給基地、ドミニカ基地に向かった。
ドミニカ基地が見えるとすぐに信号を送りキャリアンは、通信を繋いだ。
「こちら、連邦軍特殊部隊、レイブンクロウ隊です。着陸の誘導を願います」
すると。
『こちら、ドミニカ基地滑走路司令部。ビーコンの誘導に従って着陸願います』
と、返答が来た。
ビーコンの誘導に従いレイブンは、着陸しミデアから降りると出迎えたのはドミニカ基地の司令官だった。
「お疲れ様です、ベルゼルガ中尉」
基地司令官が敬礼をするとレイブンも敬礼をした。
「さっそくですがベルゼルガ中尉、来て早々なのですがベルゼルガ中尉に頼みたい作戦があります」
「来て早々だな司令官。一服する暇もないのか?」
「申し訳ないが我々も余裕がない。さっそく作戦会議室に来てくれ」
そう言われてレイブンは、キャリアンと一緒に作戦会議室に向かった。
「さっそくだがベルゼルガ中尉。頼みたい任務は、基地の防衛に協力してほしい」
司令官にそう言われるとレイブンは、目を鋭くした。
「ジオン海軍がドミニカ基地を奪いにくるのか?」
「そうだ。すでにメキシコ湾から我々から鹵獲した艦隊を使ってドミニカ基地に進軍している。戦力は、原子力空母が一隻と護衛艦が5隻、ジオンの戦闘機ドップ30機搭載されている」
「こちらの戦力は?」
「原子力空母が2隻、護衛艦が4隻、セイバーフィッシュが40機とフライマンタが30機だ」
「戦力は、こちらの方が有利か」
レイブンがそう言うと司令官はすぐに否定した。
「ジオンは占領下に置いたキューバ基地の艦隊と合流するつもりだ。キューバ基地にいる艦隊は、原子力軽空母を改造したモビルスーツ搭載軽空母が3隻と護衛艦が4隻、基地には水中タイプのザクが12機もある」
「合流されたらかなりの大部隊だな。たが、司令官。ジオンはなぜこの基地を奪いたがっている?確かにここは補給基地だ。ここの物資を奪えば膠着状態の戦況もジオンは少しは楽になるかもしれないがそれにしては戦力が過剰すぎやしないか?」
司令官は、誇らしそうな反面少し気まずそうな顔で。
「我々は少しやりすぎた。北米の司令官のガルマ・ザビか海軍のデオムのどちらかは知らないが引っ込みつかなくなっているのかもしれない」
と、答えた。
レイブンは、首を傾げるとキャリアンがこっそりとレイブンに教えた。
「この基地は、死守命令が出されていたのです。ジャブロー近海の制海権まで奪われると連邦軍の行動は、更に厳しくなりますから」
「どういうことだ?この前、グアテマラシティを奪還したばっかりだろ?」
キャリアンは、バツが悪そうに目を逸らした。
「・・・・また奪われたのか?」
「・・・・はい、マルコシアス隊というジオンのエース部隊が再度、グアテマラシティを奪ったようです。ザクJ型の性能を更に引き上げた陸戦仕様の高機動型ザクで構成された部隊だったようで手も足も出ずに」
レイブンは、ため息を吐いた。
「作戦の方だが我々は、攻勢に出ようと考えている」
「攻勢に?防衛戦じゃないのか?」
司令官は首を縦に振った。
「幸いこちらには、爆撃機が大量にある。空母一隻と護衛艦を2隻送りキューバ基地を爆撃する。先制攻撃でキューバ基地とキューバ港を破壊し艦隊の合流を阻止する。うまくいけば水中タイプのザクも破壊できるかもしれない」
「時間稼ぎとしては悪くないかもしれないがすでにザクが水中にいたらどうするつもりなんだ?フライマンタの爆撃じゃ効果は薄いだろ?」
「フライマンタには、対潜爆弾も搭載している。最悪水中に潜られたとしても無意味な攻撃ではないはずだ」
そして、司令官は防衛戦を成功させるためにキューバ基地に先制攻撃を始めるのだった。