レイブンは、なんとかジャブローに帰還するとゴップに呼び出された。
「今回は手痛くやられたようだなレイブン」
「新型の水陸両用モビルスーツ。1機はステルス性能をを持った偵察用モビルスーツ、もう1機は装甲が厚いダルマ型のモビルスーツ。厄介なものを作ってくれたものだ」
レイブンは、ため息を吐くように葉巻の紫煙を吐きゴップは愉快そうに笑っていた。
「戦闘ログの回収はどうなんだ?」
「順調さ。君が新鮮なデータを運んできてくれるおかげで量産型ガンダムは順調だ。後は、サイド7のガンダムをジャブローに輸送されれば新兵装も」
なにやら怪しげな笑みを浮かべているがレイブンは気にせずに葉巻を楽しんだ。
「そうだ、レイブン。君に新しい任務がある」
そう言ってゴップは、書類をレイブンに渡した。
「今回の任務は、少し厄介でね。君でないと達成できないと考えた」
レイブンは、受け取った任務の内容を確認しゴップが説明を始めた。
「今回の任務はポートモレスビー基地の奪還を援護してほしい」
「?あそこは、5月に一度奪還作戦をして失敗に終わった基地じゃないか?なぜ今更その基地を?」
「ただの海軍の意地だよレイブン。ポートモレスビー基地を奪還して連邦海軍もまだ戦えることを示したいのだろう」
レイブンは、ゴップをジーッと睨みつけていた。
「なんだね?」
「・・・・いや、なんでもない。任務ならとりあえず引き受けよう」
レイブンは、そう言って出て行こうとすると。
「そう言えばレイブン、君にモビルスーツを1機任せたいのだがいいかい?」
「モビルスーツ?ガンダムの量産機か?」
ゴップがレイブンに新しいモビルスーツを用意していた。レイブンは、ガンダムの量産機か訊ねるとゴップは否定した。
「用意するのはガンキャノンのプロトタイプだ。性能はお世辞にも良いとは言えないが中距離支援用モビルスーツだから何かの役に立つだろう」
「本当によろしいのですかレイブン?こんなモビルスーツもどきで?」
キャリアンは心配そうに訊ねた。
「今回の任務は、ポートモレスビー基地の奪還の援護だ。海から艦隊が強襲上陸をして基地を奪還するらしい」
「モビルスーツを持たない海軍がですか?ジオンには、水陸両用モビルスーツがあるのに?」
「ドミニカ補給基地を奪われたからな。海軍も意地があるのだろう」
レイブンはそう言って2機目のレイブンクロウ隊専用ミデアを見た。
「あれにガンキャノンのプロトタイプを乗せるのか?」
「はい、1番機と同じようにコアファイターも搭載していますのでドップに襲われたとしても問題ありませんよレイブン」
「よく、予算が出たな」
「ミンシュェンさんが頑張って交渉してくれたみたいですよ」
どうやらミンシュェンが交渉しレイブンクロウ隊の戦力を増強させたようだ。
「ガンキャノンのプロトタイプの搭載が終了しました。レイブン、いつでも出撃できますよ」
「分かった。レイブンクロウ隊出撃するぞ!」
レイブンは、そう言って1番機のミデアに乗り込んだ。
艦隊の動きに合わせてポートモレスビー基地に向かっているレイブンに通信が来た。
「レイブン、U型潜水艦【フレガート】より通信です。フレガート艦長、クランシー少佐より『伝説の連邦兵、ベルゼルガ中尉と戦えて光栄だ。ポートモレスビー基地奪還の援護に感謝する』です」
「そうか・・・・ガンキャノンには、誰が搭乗する?」
「まだ、正規のパイロットが決まってないのでとりあえず、アルファが搭乗することになっています」
「大丈夫なのか?戦闘機乗りがいきなりモビルスーツに乗って?」
「レイブンクロウ隊のモビルスーツシュミレーション訓練はすでに完了しています。ですから、レイブンが心配するようなことはないはずです」
キャリアンにそう言われると。
「まもなく、ポートモレスビー基地近くの山岳部に入ります。レイブン、モビルスーツで出撃の準備を」
ポートモレスビー基地に到着したようだ。レイブンは、格納庫に降りてプロトタイプガンダムに乗り込んだ。
ミデアが山の中に着陸しハッチを開けるとレイブンは、100ミリマシンガンとヒートナイフを持って外に出た。
「アルファ、調子はどうだ?」
「はい、問題ありませんレイブン」
ガンキャノンのプロトタイプは、右手に100ミリマシンガン、左手にはショートシールドを装備していた。
「行くぞ」
レイブンが一言そう言うとポートモレスビー基地へ向けて歩きはじめた。
ポートモレスビー基地の近くの町に到着するとレイブンは、隠れて偵察を開始した。
「ザクが3機、水中タイプのザクが6機か」
「水中タイプのザクも全て陸戦兵装ですねレイブン」
レイブンは、アルファの方を見ると。
「アルファ、キャノンで援護を頼む。連邦海軍を援護する」
レイブンは、そう言ってプロトタイプガンダムに乗り直すとブースターを吹かして大ジャンプした。レイブンの存在に気づくと水中タイプのザクがザクマシンガンを構えレイブンに攻撃をした。
レイブンも反撃として100ミリマシンガンを連射した。水中タイプのザクマシンガンを破壊しレイブンは街のど真ん中に着地するとそれを狙ったかのようにヒートホークを持ったザクがレイブンを攻撃した。レイブンは、ヒートナイフでヒートホークをガードし受け流すと100ミリマシンガンを至近距離で当てて100ミリ弾を連射した。至近距離で攻撃をされたザクはそのまま倒れ爆発した。水中タイプのザクもザクマシンガンを構え弾幕を張ったがレイブンが爆煙を利用して回り込みヒートナイフでコックピットを貫いた。
ザクマシンガンを破壊された水中タイプのザクは、ヒートホークを両手で持ってレイブンに襲いかかるがアルファのキャノン砲が命中し片膝をついた。
それを見たレイブンは、水中タイプのザクに膝蹴りをして倒しそのまま100ミリ弾で水中タイプのザクを撃破した。
『レイブン、連邦海軍がジオン海軍と交戦しました!』
「状況はどうなんだキャリアン!?」
『それが、連邦海軍は、ジオンの例のダルマ型に艦隊を撃破されたようです!』
それを聞いたレイブンは、舌打ちをした。
「水陸両用モビルスーツか。だから無謀だったんだ」
『レイブン!ジオン海軍が向きを変えてこちらに向かっています!援護をしている我々地上部隊を攻撃するつもりです!』
「優秀な艦長だな。アルファ!援護しろ。俺達も退く!」
「了解!」
レイブンは、100ミリマシンガンで弾幕を張りながら撤退を始めた。アルファの援護もあり無事戦線から離脱するとレイブンは、ミデアに乗り込みその場から離れた。
今回の戦闘も敗北した。レイブンはそう考えてどうしたものかと葉巻を吸いながら考えていると。
「レイブン!!」
キャリアンが慌てていた。
「どうした?」
レイブンは紫煙を吐きながら訊ねた。
「連邦海軍は、撤退をしません!!奪還作戦を続行するつもりです!!」
「!?奪還作戦を続行だと!?海軍の戦力は!?」
「すでにU型潜水艦が2隻だけです」
その報告を受けてレイブンは、息を呑んだ。
「たったそれだけの戦力で水陸両用モビルスーツを持ったジオンと戦うつもりか!?艦隊司令は何を考えている!?」
レイブンは、そう言って葉巻を捨てて踏み潰すとレイブンは、操縦室に上がった。
「キャリアン!クランシー少佐に周波数を合わせろ!どういうことか説明してもらう!」
その時だった。
「!?クランシー少佐から通信が来ました!」
通信士からクランシー少佐からの通信を報告した。
「レイブンクロウ隊、今すぐ逃げろ。U型潜水艦【アナンタ】は、気化弾道ミサイルを保有し使用しようとしている」
「!?気化弾道ミサイルだと!?」
レイブンは、通信士の報告を受けて驚愕した。
すると。
「レイブン!あれを!」
ミデアの横をミサイルが突っ切った。レイブンは急いで確認するとポートモレスビー基地とその周辺の街は大爆発を起こしジオンもろとも地図上から姿を消した。
「!?レイブンあれは!?」
「なぜだ?なぜ、あのミサイルが?」
レイブンが呆然としていると。
「レイブン!」
キャリアンの呼びかけに我に帰った。
「レイブン、あのミサイルは一体?」
「見ての通り大量破壊兵器だ」
「ッ!!コロニー落としや核兵器などといった大量破壊兵器は、条約で禁止されてるはずです!連邦は、条約を破棄したのですか!?」
「落ち着けキャリアン」
興奮しているキャリアンを宥めるとレイブンは答えた。
「俺も政治に詳しくないから分からない。だが、これだけは言える。あのミサイルだけは、条約にギリギリ入ってない」
「!?なぜですか!?」
「完成したのが条約を結ばれた後だからだ。人道的な目から見て連邦は、暗黙の了解であの兵器の使用は使わないようにしているとゴップから聞いていたが連邦軍は、それを平然と使った」
レイブンがそう言うとその場で聞いていた隊員達は唾を飲んだ。
「この先の戦いは、さらに激しく泥沼になるぞ」
レイブンは、額から冷や汗を流した。