「・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
レイブンは、地球の病院にいた。
「うぅっ」
レイブンは目を覚ましてうめき声をあげるとたまたまレイブンの前を通ったナースが気づきレイブンに近づき声をかけた。
「・・・・・あっ・・・・・あ・・・・・」
「!!せ、医者《せんせい》!!早く来てください医者《せんせい》!!患者が目を覚ましたました!!」
ナースが医者を呼んでくるとレイブンの前に白衣を着た男がやって来た。この男がレイブンの主治医なのだろう。
「私が分かりますか?声は出せますか?」
このとき、レイブンは口の中の水分が乾いてるように感じ上手く言葉を発せられなかった。
「首を動かせますか?動かせるのなら頷いてください」
医者に言われた通り頷いた。
「上を見てください」
医者に言われた通りに上を向いた。するとナースが水を持って来た。
「どうぞ」
体をゆっくりと起こしてもらい口の中に水分を含んだ。
「一気に飲んではいけません。まずは、口を濯ぐように・・・・」
しかし、レイブンは指示に従わずゴクゴクと一気に飲み干した。
「あー、どうです話せそうですか?」
「すこ・・・・し・・・・だけ」
少し回復したのか掠れてはいるが声を出すことができた。
「名前は?階級は覚えてますか?」
「ヴェルヌ・・・・・・ベル・・・・ゼルガ・・・・・・少尉」
「所属していた部隊は覚えていますか?」
「とくしゅ・・・ぶたい・・・・・レイブンクロ・・・ウ」
質問に答えると医者は、ナースの方を向いて頷くと。
「あなたにお話があります」
「?」
「あなたは任務中に攻撃を受け昏睡状態になりました」
「昏睡状態?」
「えぇ、分かってます!どれくらいの間眠っていたかですよね?あなたが眠っていた期間は・・・・・1年です」
それを聞いてレイブンは、驚き心拍数が上がった。
「あなたの部隊は・・・その・・・・全滅したようであなたは奇跡的に宇宙空間に放り出されたのです。奇跡的に民間船に救助され」
医者が説明をしているとレイブンの心拍数がさらに上がり呼吸が荒くなった。
「!まずい!落ち着いてください!ナース!」
レイブンの様子がおかしくなったことに気づき医者は、押さえ込むとナースに麻酔をうたれそのままレイブンの意識は、闇に溶け込んだ。
レイブンの覚醒から1週間、ベッドで寝たきりだったレイブンは、なんとか自力で体を起こすことができるまで回復していた。
「あなたが覚醒してから1週間、体の方はどうですか」
「あぁ、悪くない」
上半身を起こしナースから水を貰い水を飲み干した。
「ふむ、喋るのも問題なさそうですね。予想以上に回復が早くて良かったです」
「俺は、本当に1年も眠ってたのか?」
「はい」
レイブンの質問に医者は、肯定した。
「連邦軍は、俺の身に何があったのか知ってるのか?」
「分かりません。あなたが目覚めたら事情聴取を行うと言ってましたが連邦軍もまさか、1年も昏睡状態が続くとは思ってもなかったでしょう。目覚めたら報告をしろと言われましたがもしかしたら忘れてる可能性もありますよ」
それを聞きレイブンは。
「すぐに連邦軍の上の連中を呼べるか!?」
と、医者に訊ねた。
「えっ?何を言ってるのですか?そんなの無理に決まってるじゃありませんか」
「いいから呼べ!!今の連邦じゃ、ジオンには勝てない!!」
覚醒から2週間後、連邦軍の上層部・・・・ではなく軍法監察官が数人病室に来た。
「我々もそれなりに忙しくてね。正直、君のことは忘れていたよ。さてと、早速だが0077頃に行ったミッションの事情聴取を行おうか」
「そんなことしてる場合じゃねぇ!お前らじゃ話にならねぇ!誰でもいいから上の連中を呼べよ!」
「黙れ!貴様は私の質問に答えればいい。まず、ベルゼルガ少尉。貴様は、連邦軍特殊部隊【レイブンクロウ隊】の新人だったでいいのだな?」
レイブンは、その質問を肯定した。
「ならば次の質問だ。ベルゼルガ少尉、なぜミッションは失敗に終わり仲間は全滅したが君だけが生き延びた?」
「そんなの知らねーよ。運が良かったとしか言えねーよ」
「嘘をつくな!!」
レイブンがそう答えると軍法監察官は、ベッドの台を強く叩いた。
「貴様は、ジオンに寝返ったのじゃないか!?ミノフスキー博士の亡命は失敗し仲間もお前を除いて全滅した。そんな奇跡が簡単に起こると思ってるのか!?答えろ!」
「バカか?んなわけあるか!それよりも連邦軍は知ってんのかよ!?ジオンはモビルスーツっていう新型兵器を完成させたんだ!性能は、少なくとも連邦軍の主力戦闘機セイバーフィッシュや戦艦を圧倒するほどの性能なんだ!」
「モビルスーツ?あぁ、諜報部が手に入れたデータか。あの玩具のデータは、こちらも手に入れている。あんなものが本気で我が軍を圧倒できる兵器だと本気で思ってるのか?あんな積み木遊びしかできない玩具が」
「!!それはダミー情報だ!!実際にレイブンクロウ隊は、モビルスーツによって全滅したんだ!」
レイブンは、必死にモビルスーツの危険性と今のジオンの戦力は、連邦軍を圧倒することができることを伝えたが軍法監察官達は、聞く耳をもたなかった。
「ベルゼルガ少尉。回復次第、通達を送る。それまでリハビリとこの病院での謹慎を命じる」
そう言われて軍法監察官達は、出て行くとレイブンは舌打ちをしてベッドを強く叩いた。
そして、レイブンのリハビリ生活が始まった。リハビリは、きついがせめて日常生活を送れるようになるためにリハビリ運動を続けていた。そして一月が経った頃だった。レイブンの下に客が来た。
「俺に客ですか?」
ナースは、頷いて面会者を中に入れた。そこにいたのは、とんでもない大物だった。
「やぁ、君がヴェルヌ・ベルゼルガ少尉かね?」
レイブンの目の前にいたのは、連邦軍参謀本部本部長兼ジャブロー計画推進司令本部、計画担当部長をしているゴップ大将だった。
「それとも【レイブン】と、呼んだほうがいいかね?」
そう言ってゴップは、ベッドの隣にある椅子に座ると胸ポケットから葉巻を取り出した。
「葉巻は好きなのだろう?キューバだ」
「ここは病室だぞ」
そう言いながらもレイブンは、葉巻を受け取り火をもらった。ゆっくりと、レイブンは葉巻を楽しんでいると。
「君はなかなか大変な状況にいるようだね。特殊部隊、レイブンクロウ隊は、全滅し作戦を提案した責任者は、責任をとりたくないために君をスケープゴートにしようとしている」
と、言った。
「何が言いたいんだ?」
レイブンは、不機嫌そうな顔でゴップを睨みつけた。
「どうだねレイブン。私と手を組んでみないか?」
「ハァ?参謀本部にでも入れって言いたいのか?」
ゴップの提案にレイブンは、首を傾げた。
「先の【暁の蜂起】事件のせいでジオンと連邦は、いつ戦争になってもおかしくない状態になった。戦争になった時、私は君のような強運を持った優秀な兵士が欲しいと思っている」
「なぜ俺なんだ?」
「君がモビルスーツと戦った経験があるからだ。近いうちに連邦は、ジオンと戦争状態になる。その時、君の力は必ず必要になる。まだ、連邦軍に付き合ってもらわないと困るのだよ」
そう言って連絡先を書いたメモを渡した。
「私の連絡先だ。必要な時に使いたまえ」
そう言って、ゴップは、病室を後にした。