宇宙世紀0079、2月7日。ジオン軍は、長期戦に備えて地球の資源を獲得するために地球侵攻作戦を計画。月面基地からのマスドライバーによる攻撃により地球の対空防衛は無力化されてしまったが完全に無力化されたわけではない。
遅れはしたがレイブンの単独潜入、破壊工作により連邦軍本部【ジャブロー】への爆撃は、回避されたのだ。しかし、それでも連邦軍の対空防衛が弱体したのは事実だった。
そして、時間は進み開戦からわずか3ヶ月で地球の半分は、ジオン軍の支配領域になっていた。ジオンの侵攻速度は、凄まじく地の利があるはずの地上でもモビルスーツを持たない連邦軍は、敗戦を繰り返していた。
「将軍!どうなっているのだ!?」
連邦軍本部ジャブローの会議室。そこでは連邦軍の将軍達と政治家どもが大将に昇進し連邦軍総司令官になったレビルを責めていた。
「地の利があるはずの地上でもジオン軍に押されてるではないか!?」
「ルウムの戦いで大敗した君を連邦軍の総司令官にまで抜擢したんだ!それなりの成果はあげてほしいものだな!」
前線を知らない政治家どもは、レビル将軍に対し文句しか言わなかった。
「前にもお話ししたとおり我が軍が負け続けているのはジオンのモビルスーツによるもの。それを持たぬ我々にジオンに勝利することなど」
「泣き言はもういい!我々に必要なのは結果だ!有効な手段だ!」
「・・・ひとつだけ策があります。我々も同じ土俵に立つのです」
「同じ土俵?」
「【V作戦】。連邦製新型モビルスーツの開発計画です」
レビル将軍は、そう言ってモビルスーツ開発計画の内容を説明した。
会議が終わり全員が部屋を出て行った。会議に参加していたゴップと政治家のミンシュェンは、並んで歩いていた。
「それでどうするんですか?ゴップ閣下。我《ボク》としては、新型モビルスーツの開発に賛成なのですけど〜」
「私は、中立を保ちつつ裏で暗躍することにするよ。なにせ、予想していた以上に反対派の考えが多かったからね」
ゴップは、呑気にそう答えた。
「とりま、我《ボク》は、反対派を賛成派に寝返らせる工作をしておきますよ〜」
「そうしてくれミンシュェン君」
すると、ふと思い出したようにミンシュェンが訊ねた。
「そう言えば、レイブンはどこに行ったんですか?彼もモビルスーツの能力をよく知っていますし会議に参加すると思ってたんですけど」
「私が頼んだ仕事をしているはずだ。今頃は・・・・・・アフガニスタン地方辺りかな?」
アフガニスタン地方では、連邦軍が撤退戦をしていた。
「急げ!早くしないとジオンが追撃してくるぞ!」
「重荷になるだけだ!戦車は、捨てろ!」
連邦軍は、撤退をするために輸送機ミデアを5機、要請したがジオンの攻撃を受けたのか来たのは3機だけだった。やむを得ず負傷兵や戦えるが若い兵士をミデアに乗せ戦車や戦える老兵は、そのまま残りしんがりをすることになったのだ。
そしてそれを眺めている兵士が1人いた。それは、白い馬に乗り葉巻を吸っているレイブンだった。
「ゴップの奴、少しは休ませて欲しいものだ」
葉巻を投げ捨て手綱を握り直すとそのまま馬を走らせた。
「ったく、馬に乗って戦闘っていつの時代の戦法だ。俺は遊牧民族じゃないんだぞ」
ゴップに恨み言を言いながら馬を走らせていると早速、1台目のマゼラアタックを見つけた。
「まずは、1台目」
そう言って崖の上からロケットランチャーを構えマゼラアタックに向けて撃った。ロケット弾は、マゼラアタックのコックピット部分に命中すると大きな爆発を起こし動きが止まった。
「中の奴は即死だな」
マゼラアタックは、炎上し中の人間は即死したと判断するとレイブンは、次のマゼラアタックを探しに行った。
「次の予想進路は、ここか」
そこへ向かうとマゼラアタックは、まだいなかった。そしてそこには、石でできた橋があった。それを見たレイブンは、C-4爆弾を用意して橋に取り付けた。
そこから離れ待ち伏せをしていると予測通りにマゼラアタックが来た。橋の上に来るとレイブンは、C-4爆弾の起爆スイッチを押し橋を爆破した。橋を爆破され一緒に落ちたマゼラアタックは、分離しマゼラトップとなって空を飛ぶとレイブンは、リロードしたロケットランチャーを構えマゼラトップを攻撃した。ロケット弾が命中したマゼラトップは、そのまま墜落し大きな爆発音を起こした。
「2台目撃破」
そう呟いて新たな予想地点へ向かうとそこはすでにマゼラアタックが通っていた。レイブンは、ロケットランチャーを構えロケット弾を撃ち込んだ。命中して爆発したがマゼラアタックは、中破止まりだった。レイブンの存在に気がついたマゼラアタックは、車体を動かしてレイブンに合わせようとするとレイブンは、それに合わせてマゼラアタックの横っ腹に噛みついた。
「マゼラアタックは、戦車のように砲身を旋回することはできない。どちらかというと駆逐戦車のような種類だな。だからこそ、お前は横からの攻撃に弱い」
そう言ってリロードしたロケットランチャーを構えロケット弾を発射しトドメを刺した。マゼラアタックは、爆発して炎上した。
「3台目撃破」
そう言って更に予想進路に向かいマゼラアタックを妨害しようとすると。
「!!」
ジオンの歩兵がいた。ジオンの歩兵もレイブンに気づきライフルを撃ってきた。レイブンは、持っていたフラッシュグレネードを投げた。ジオンの歩兵達は、閃光にやられ目を潰すとそのままレイブンは、ハンドガンを構え撃ちまくった。視界を奪われ肩や足首を撃たれた歩兵達は、そのまま倒れるとレイブンは、そのまま馬を走らせた。
新たなマゼラアタックを発見した。マゼラアタックの背中をとったレイブンは、マゼラアタックに向けてロケットランチャーを発射。ロケット弾が命中して爆発した。ロケットランチャーをリロードして構えた。マゼラアタックは、さっきの攻撃で分離機能がイカれたのかコックピットから兵士が出てきた。レイブンは、容赦なくもう1発撃つとマゼラアタックは、爆発して脱出したジオン兵を吹き飛ばした。
「4台目撃破」
更に馬を走らせるとジオンが制圧した元連邦軍の補給基地があった。そしてそこには、マゼラアタックが2台駐車していた。
「あんな所にマゼラアタックが2台も」
補給を受けているのか、それともなにかトラブルがあったのか、とにかくレイブンは、駐車しているマゼラアタックを見てあることを思いついた。
馬から降りてレイブンは、制圧された補給基地に潜入すると1台には、C-4爆弾を取り付けもう1台は、歩兵もにバレないように乗り込んだ。マゼラアタックのエンジンを起動させるとマゼラアタックは、すんなりエンジンがかかり動かせる状態になった。
「弾は、十分。燃料も問題なし。いけるか」
マゼラアタックが動き出したことに驚いたジオン兵は、「誰が乗っている」と声が聞こえたがレイブンは、3連装35mm機関砲を歩兵達に向けて撃った。歩兵達は、吹き飛び血の霧が生まれた。マゼラアタックを前進させその場を離れるとC-4爆弾の起爆スイッチを押しマゼラアタックを破壊した。
「5台目撃破」
マゼラアタックを動かし今度は、予想進路から違う場所に3台のマゼラアタックを発見した。
「さすがにやりすぎたか?」
レイブンは、そう言いながらもマゼラアタックの砲身を合わせて砲撃をした。砲弾は、マゼラアタックの装甲を突き破りそして爆発すると2台目を狙った。しかし、2台目のマゼラアタックは、レイブンが乗ってるマゼラアタックのキャタピラ部に砲弾が命中した。
「脚をやられたか!?」
レイブンは、すぐさま分離して上から撃ちあたりどころがよかったのかマゼラアタックは、炎上した。残り1台のマゼラアタックにも砲口を合わせて撃った。先に敵のマゼラアタックが発射したが砲弾ははずれ逆にレイブンが撃った砲弾は命中してマゼラアタックは、爆発した。
「一気に8台撃破」
そう言ってマゼラトップをなんとか着地させ降りた。
「これだけ破壊したら十分か?」
レイブンは、汗を拭いそう呟くとレイブンの前にレイブンの馬がやって来た。
「!?ついて来てたのか?」
馬が来たことにレイブンは、目を丸くして驚いていると連邦軍のしんがり部隊がいる所から爆発音が聞こえた。
「さすがに全部潰すことはできなかったか」
レイブンは、そう言って馬を走らせた。しんがり部隊がいる場所を見るとそこには、連邦軍の歩兵と61式戦車9台が破壊されていた。しんがり部隊の前には、撃破されたマゼラアタック4台とジオン兵の死体があった。
「あの様子を見る限りしんがり部隊は、全滅したみたいだな」
レイブンは、そう言って葉巻を取り出し火をつけた。そして通信機を取り出して周波数を合わせた。
「ゴップ、任務の結果を報告する。任務は、失敗。大半は、逃すことができたかもしれないがしんがり部隊は、全滅した」
『レイブン、しんがり部隊以外が脱出していたのならそれは失敗じゃない。成功だ』
「どちらにしても今回の戦闘も連邦軍の敗北に変わりはない」
すでにジオンの部隊は撤退したのかジオンの生き残りがどこにもいなかった。
「どうやらジオンの追撃部隊はザクも使ってたみたいだ。ザクの足跡を発見した」
『そうか』
ゴップと話を続けていると死にかけているジオン兵を見つけた。レイブンは、そいつに近づくとジオン兵はボソボソと何かを言っていた。
(もう、長くはないな)
ジオン兵の片腕が吹っ飛んでおり目の焦点もあってない。このジオン兵は、確実に死ぬだろう。レイブンは、ハンドガンを抜き銃口をジオン兵に向け撃った。ジオン兵は、頭を撃たれ一瞬で絶命した
「とりあえず任務は完了だゴップ」
『分かった。ヘリを送ろう、補給物資も載せておくからそのまま次はヨーロッパの方に向かってくれ』
「またか。いい加減に休ませて欲しいんだけど」
『申し訳ないが優秀な兵士を休ませている暇は今の連邦軍にはない。君には、もう少し頑張ってもらおう』
「このたぬきジジイが」
『なんとでも言いたまえ。任務内容はヘリのパイロットに持たせているから頼んだぞ』
そして通信が切れた。