あれから数百年
ヴェルガルトはいろんなことを経験した
2つの固有スキルの練習をしたり、人が視認出来ない程の高さで世界中を飛び回ったり、散歩中に出くわした冒険者達を追い払ったり、懐かしい王国を遠くから眺めたり、Aランクの魔物と戦ったり、1日中昼寝したりなどこれらを繰り返していた
数百年たったある日
洞窟の奥では
「ZZZ・・・・ZZZ・・・・」
ヴェルガルトは気持ち良さそうに昼寝していた
その頃【バルディアの森】では
「はぁ・・・・はぁ・・・・ミルフィーネ様、頑張って下さい・・・・」
「え、ええ・・・・」
メイド服を着た1人の女性が1人の少女と手を繋いで必死に走っていた
(・・・・まさか、盗賊団が現れるなんて・・・・)
~回想~
【バルディアの森】の近くにある街道の脇には1台の馬車が停まっており、その周辺には8人の騎士が居て警戒していた
1人の騎士が馬車の扉を開くと中の人物に声を掛けた
「ミルフィーネ様、目的地にご到着しました」
騎士がそう言うと馬車から高貴なドレスを着ており、金髪のロングヘアをした1人の少女が降りてきた
「ありがとう。この近くに目的の森があるのね・・・・」
「左様です。ミルフィーネ様の初めての従魔が得られると良いですね」
「そうね」
騎士の言葉にミルフィーネはそう返事した
「いよいよですね。ミルフィーネ様」
そう言いながら馬車からメイド服を着た1人の女性が降りて、ミルフィーネの斜め後ろに佇んだ
ミルフィーネの専属従者であるシェリカだった
ミルフィーネは降職の儀式でジョブはテイマーだと判明した
それによってミルフィーネの父親から『初めての従魔を得るなら【バルディアの森】が良いだろう』と私設騎士団から騎士8人とミルフィーネの専属従者と一緒に初めての魔物をテイムしに来たのだった
「それではミルフィーネ様、早速【バルディアの森】へまいりましょう」
1人がそう言った瞬間
『ヒュン!』『ドッ!』
「がっ!」
いきなり飛んできた矢が騎士の喉を貫かれて絶命した
『ウォォォ!』
【バルディアの森】から20人の盗賊団が襲撃してきた
「て、敵襲!!」
既に7人となった騎士達が腰から剣を抜いて構えて迎撃した
「シェリカ殿!我々ではとても守りきれません!ミルフィーネ様を連れてバルディアの森へお逃げ下さい!街までの距離がそれなりにあります!ミルフィーネ様がバルディアの森に居る魔物をテイムして盗賊団を倒すしかありません!!」
「わ、分かりました!後武運を!行きますわよ!ミルフィーネ様!」
「え、ええ・・・・」
その後盗賊団の迎撃をしていた騎士達が一丸となって何とかミルフィーネとシェリカを【バルディアの森】に逃がすことに成功した
~回想終了~
ミルフィーネとシェリカは森の中を必死に走っているとかなり大きな洞窟にたどり着いた
「・・・・こんな所に洞窟があるなんて・・・・」
「ミルフィーネ様、この洞窟の中は大丈夫なのでしょうか?」
「う~~ん・・・・」
シェリカの言葉にミルフィーネは悩むと
『おい!こっちだ!』
後ろから盗賊の声がした
「?!・・・・迷っている暇は無いわ!進みましょう!」
「分かりました・・・・」
盗賊の声を聞いたミルフィーネはシェリカと共に洞窟に入って行った
洞窟の中をそれなりに進むと其処には
大きなドラゴンが寝ていた
「ド、ドラゴン?!」
「お、終わりました・・・・」
ミルフィーネは驚き、シェリカは絶望したような顔で呟いた
【気配察知】で感知したヴェルガルトは静かに瞼を開いて首だけ上げて尋ねた
「人間が此処まで来るのは初めてだな。何の用だ?」
「しゃ、喋った?!」
「・・・・・」
ドラゴンであるヴェルガルトが喋ったことでまたミルフィーネは驚き、シェリカはあまりの驚きに呆然としていた
これが後にパートナーとなるミルフィーネとの出会いだった