ソードアート・オンライン〜剣の世界の探索者〜 作:来主 結斗
あの日から二年が経った。
残りフロア二十六、生存者六千人。
現在攻略中 七十四層
サイト「ふぅ……」
とても目覚めの悪い朝だ。
あの日の夢、全てが始まった日の夢をみたからだ。
あの日から2年がたっていた。
今もまだこのデスゲームは続いている。
サイト「……はぁ」
いつもの様に台所で簡単な朝食の準備をした。
準備と言ってもこの世界では料理もスキルの内なので実際に料理するというわけではなく素材をつついたりしたら簡単に料理が出来上がるというものだ。
現実に比べてどれだけ簡単なことか。
朝食の準備が終わり机に運ぼうと振り返ると
そこには当たり前の様に朝食を待つユウキがいた。
サイト「いや、なんでだよ!?」
ユウキ「え!え!何!どうしたの!?」
いやいや可笑しいだろ
サイト「言っておくけど朝食(サンドイッチ)は一人分しか作ってないよ」
ユウキ「えー!ボクの分は!?」
サイト「ない」
全く、と飽きれながら朝食であるサンドイッチを口に運ぼうとする―――がサンドイッチがない。
いつの間にかサンドイッチはユウキの手に渡りモグモグと頬ばられていた……
ユウキ「いやー、サイトの作るご飯は相変わらず美味しいね」
サイト「ハハハ、はぁ、ありがとう」
諦めてもう一食自分の分を作ることにした。
サイト「で……」
朝食を済ませ、大きく伸びをしているユウキに向かって
サイト「今日も一緒に行くの?」
ユウキ「当ったり前だよ!」
行くというのは迷宮区のことだ。
ここ七十四層のボス部屋はまだ見つかっていないのだ。
サイト「じゃあ、お腹もいっぱいになった事だし――」
ユウキ「しゅっぱーつ!」
七十四層 迷宮区
サイト「ハァ!」
攻撃が敵、リザードマンロードに直撃しHPを大きく減少させた。
強烈な一撃に耐えられずリザードマンロードは体制を崩した。
その隙を逃すわけがない。
サイト「ユウキ!スイッチ!」
ユウキ「了解!でぇぇや!」
ユウキのソードスキル、ヴォーパル・ストライクが決まり、リザードマンロードは爆散しカラフルなガラスの欠片のような物になり消えていった。
サイト「さすがだね」
ユウキ「いやぁー、サイトの援護があってこそだよ!」
と話しをしながら僕たちは迷宮区のさらに奥を目指してすすんでいった。
ちなみに今の装備はカタナ。
Lv.は89
ユウキの装備は片手用直剣。
Lv.は87
しばらく進むと安全圏に着いたのだが
サイト「ん?あれは…?」
遠目で見てもよくわかった。
黒い防具に黒い髪、おまけに武器の片手剣も黒。
サイト「おーい!キリトー!」
キリト「ん?おぉ、サイトか」
彼の名前はキリト、第一層攻略時に色々あって知り合った僕の数少ないフレンドの一人だ。
キリト「お前らもここのボス部屋探しか?」
サイト「うん、そんなとこっても今日はもう遅いからここらで退散しようかなって」
ユウキ「お腹も空いたしね〜」
キリト「ハハハハ……」
サイト「キリト、お前も一緒に街まで戻らないか?色々と話したいこともあるし」
キリト「あぁ、俺もそろそろ戻ろうかと思ってたところだし別にいいぞ」
というわけで帰り道、僕とキリト、ユウキが攻略等の話しをしていると……
サイト「……静かに!何かいる……」
僕は索敵スキルを使い、回りを警戒した。
サイト「いた……、っ!!」
そのモンスターの名前を見た瞬間、僕は絶句してしまった。
キリト「なんだよ?何がいt……!」
僕とキリトは無言で頷き、投擲用のピックをだした。
サイト「僕が先に仕掛ける……トドメはまかせるキリト」
キリト「任された……」
僕たちの目の前に現れたモンスター、名前はラグー・ラビット、別にそのモンスターが特別強いとかアホみたいに経験値が貰えるとかそういうのはない。
ラグー・ラビットはこの世界……アインクラッドの中にある最高級食材、ラグー・ラビットの肉をドロップする唯一のモンスターなのだ。
サイト「ていっ!」
僕がピックをラグー・ラビットに放つがそれをラグー・ラビットは大きくジャンプしてかわした。
サイト「それでいい……」
これで奴は次の攻撃をかわすことは出来ない。
キリト「ふっ!」
着地地点を狙ったキリトのピックが見事にラグー・ラビットに命中した。
そして僕たちはラグー・ラビットの肉を手に入れた。
五十層 アルゲード
キリト「で、これどうする?」
サイト「うーむ、三等分に分ける?」
キリト「ってもな、俺は料理スキル上げてないし持っててもな、丸焦げにするのも嫌だし」
ユウキ「ねーねー!はやく!お腹空いたよー!」
ユウキが僕の背中にのしかかって駄々をこねた。そして背中に色々あたってる!
ギャーギャーもめていると
?「なになに、みんな揃ってどうしたの?」
声のした瞬間、キリトの顔が輝いた。
キリト「しぇ、」
?「しぇ?」
キリト「シェフ捕獲」
彼女の名前はアスナ、キリトと同じで第一層からの知り合いで、今はSAO最強ギルド、血盟騎士団の副団長なのだ。
アスナ「シェフっどういう……うわっ!!これってS級食材!?」
キリト「取引だ。こいつを料理してくれたら一口だけ食わせt……」
キリトが胸倉を掴まれた。
アスナ「一口……何?」
アスナさん怖いです。ユウキが震えてます。
キリト「一口……なんてけちなこというわけないだろ〜!半分だよ半分!」
アスナ「でも、料理ってどこでするの?」
サイト「あっ、それなら僕のプレイヤーホームでどうだろう?」
と提案した。
キリト「お前家持ってたのかよ」
サイト「あれ、言ってなかったっけ?」
ユウキ「オナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタ」
ちょ、なんか禁断症状みたいなのおこしてる人いる!?
サイト「と、取り敢えず移動しましょう!」
僕はお腹空いたと連呼しまくっているユウキをなだめながら、プレイヤーホームに向かった。
第三話はお楽しみいただけましたでしょうか?
ラグー・ラビットの肉か・・・どんな味なんでしょう?食べてみたいな・・・(*´﹃`*)
次回 第四話 行方