【悲報】昭和のおばちゃん、宇宙世紀に転生したと思ったら、最推しの姉だった【あんまり過ぎる】   作:佐世保の中年ライダー

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前話でのおばちゃんとアムロ君との初期の彼我の距離を訂正しました。
今回はいつもの主人公視点とアムロの視点とで話を進めてみました。


物事は最初は大抵うまく行かないし、時間が経つともっと酷くなるって言うのは案外本当なのかも知れない。

 

 うげっ、ヤラれた!やっぱり戦闘センス半端無いよアムロ君。初陣でマニュアル読みながらザクを撃墜したり、その後の成長も著しかったけど、逆シャア時代にゃ相手の航宙機動読んで置きバズーカとか有効的に活用するし、怖すぎるよ。全くねぇ、きっとそのバトルセンスがこのホビーの世界でも如実に表れてんだろうなぁ。

 

 「それはそうとして……」

 

 私が陣取ってたビルの方向を北と仮定して、アムロ君から受けた銃撃は南西方向からのもの。だけど私がビルから降りるのを確認してアムロ君も既に射撃位置から離れているだろうけど。うみゅ〜ん。さて、どうしたものか。

 

 「ああもうッ!考える必要もあるけど、考えてるばっかじゃ駄目ッ。行動に移さなきゃだよ私ッ!!」

 

 自分に喝を入れる意味でも、私はコックピットで声を上げる。幸いコックピット内の声は外部には流れてない。使用者のバイタルに異変を来たして無ければ、基本コックピット内の映像は外部には映し出されない様になっている。でないと、こちらの行動が相手に知られる事になってしまうからってのが理由。まあ現段階ではシミュレーションマシーンが電脳空間へのダイブにより行われているシステム上(外部からの情報伝達)はあり得ないけど、何らかの方法で、スパイ行為とか不正行為を行う者が出てくるかも知れないし。大昔からハッキングとかデータの改竄とかする不届き者は後を絶たないからね。

 

 「取り敢えず片手にピストルならぬ、右手にマシンガン!心に花束は要らない!」

 

 背部のラックからマシンガンを取って両手で構える。アムロ君の位置はさっきの射撃位置からは、多分動いているだろう。だけど何時までも此処に居据わるより、ビルを遮蔽物にして索敵しながら南西方面へ移動した方が良いな。うん、そうしよう。

 

 

 

 

 

 建物の間に身を隠して、なるだけ広い車道に長く姿を晒す事を控えながらの移動を開始して一分ほどが過ぎた。最初は西方へと歩を進めて信号二つ分。丁度その交差点の南北方向が片側一車線の二車線道路だったから、そのままその通りを南下する。

 コソコソと隠れながらの移動だから、それ程距離(初期地点から南西方向へ300M程度)は進んでいないんだけど、今のところまだアムロ君の機体の反応は無い。

 まあ私もだけど、アムロ君もレーダーの撹乱くらいはやってるだろうから、しゃあなしだ。あっと、因みにこの世界での連邦は、まだミノフスキー粒子がレーダー撹乱に猛威を振るうって事に気が付いていないみたい。多分ジオンはとっくの昔に気が付いているんだろうけど。

 

 原作でも、連邦がルウム戦役の時に大敗北を喫してるのはミノフスキー粒子で対艦巨砲を半ば封じ込められたのと、そんな状況下でのザクの兵器としての有用性を読み違えたからなんだろうけど、アチラの連邦もこの時点では(一年戦争の二年前)気が付いて無かったんだろうね。どうしよう、それを知る身としては何らかの形でフランクリンパパかヒルダママ辺りに、リークするべきなのだろうか。

 駄目だな私ってば。こんな時にもそんな取り留めもない事に気を巡らせて集中力を欠いてしまってるよ。

 

 閑話休題。南下中に見つけた東西方向に進む小さな路地がなんだか良さげ。私はそのビルとビルの間を通る細い一車線道路を西方に入って、ビル壁寄りに沿い機体を隠して様子を窺うことにした。ポチッとなと、ボタンを押してモニターによる有視界探索を行う。

 

 「いやはや、これは結構な惨状だね」

 

 この辺りのビルは戦闘が激しかった設定なのか、当初私が居た位置に比べて周囲の破損が激しい。ビルは半ばから倒壊してたり、メインストリートには壊れた車や倒壊したビルの瓦礫やらが散乱している。ざっと見た感じ周囲百メートル程が結構とっ散らかっているし、道路のアスファルトが砲撃で捲れたりしてて足場がちょっと不安定かな。

 

 「だけど、こんな道路状況じゃアレが使い辛いんだよな。どうしようかな」

 

 そうATと言えばアレだよね。だけどこうも道路が荒れてちゃ、そのアレが使い辛い事この上なしだよ。

 

 「でも、エンタメ的にはこんな戦場設定も仕方がないんだろうけど」

 

 これは現状あくまでもネットワークゲーム内に用意された舞台だから、いわば箱庭世界。それに実はこの戦いもネットワーク経由で世界配信がされている(まあゲームを起動させて戦闘開始直前から決着が着くまで一連の流れだけだから、その直前の私達の会話は流れてないけど)しかもアムロ君と私。前回大会の優勝者と準優勝者の戦いだし、多分リアルタイム配信視聴者はそれなりの数に登ってると思う。だから下手な醜態晒せないよぅ。うう〜っ、おばちゃんドキムネだよぉ!なんて事を考ええていると。

 

 「ん!?」

 

 外部集音センサーに微かな反応が。なんだろう、今の反応は機体の歩行音みたいな規則的に動いている音じゃ無いっぽいんだけど。そうすると、アムロ君の仕掛けた罠の可能性が高いんじゃ………。

 

 「なんか、石とか投げて相手の動きを誘うとか、そんなお約束な罠の様な気がするんだけど。どうかな」

 

 自分で口に出してみて、十分にあり得るわと得心する。だけど、同じくらいに、そうでは無い可能性もある。結局のところ正解は二つに一つって事だ。それに、このままここに隠れて居ても事態は動かない。ならどうしようか。

 

 「なら、私も同じ事やって、仕返してみるってのも案外ありかな!?」

 

 私は、撹乱戦法としてそれが有効化どうかを考える。だけど。

 

 「だけど、これはあくまでもゲームの舞台のエンターテイメント。なら、いつまでも隠れてコソコソやってるのも、つまんないよね。うん!」

 

 やっぱり、此処らで一つ打って出るのもアリだと思う。相手は未来の最強パイロット、当たって砕けろだ(砕けたくはないけどね)

 

 

 

 

 〜アムロ・レイ〜

 

 思い付きでビルの屋上に登ってみれば、まさかアイカナも僕と同じ事をやってるなんて思わなかった。僕も人の事は言えないけど、よくもあの娘は突拍子も無い事を思い付くものだな。

 

 「さて、幸い僕の方が高いビルに登ってるし、上手いことにアイカナは僕に背中を見せている。これは絶好のチャンスだ!」

 

 破壊力を重視するなら、バズーカを使うのが良いんだろうけど、それだとビルの屋上なんて足場も脆いだろうから反動で此方のビルが崩壊しかねないな。

 

 「ならコレで!」

 

 射程範囲内ではあるけど、この遠距離たとダメージ値は期待出来ない。けどファーストアタックボーナスは頂ける。僕は愛機の右手にマシンガンを装備してグリップを握りトリガーに指をかける。反動を抑えるために、マシンガンのフォアグリップに左手を添えて狙いを定める。ターゲットスコープにアイカナの機体の背面中央を捉えてロックオン。

 

 「今ッ!」

 

 僕は空かさずトリガーを引く。連続する振動を発しながら放たれた秒間数十発のマシンガンの弾丸が、音速を超えてアイカナの機体へと向かい進んで行く。と言ってもあの娘と僕の機体の距離は2キロメートルを少し越えてるくらいだから、数秒程度でアイカナの機体の背部に着弾する。

 

 はずだった。

 

 「何ぃ、避けたのか!?此方を見てはいなかった筈………」

 

 偶然なのか、どうかは解らない。だけど僕が放った弾丸は距離が離れていた事も影響しているのだろうけど、アイカナの機体の左肩の装甲に弾かれて大したダメージを与えてはいない。

 その事は彼女の今さっきの挙動から一目瞭然だ。だけどまあ良しとしておくか、ファーストアタックボーナスは獲得出来たのだし。だけど。

 

 「こちらの位置を確認した上で、咄嗟の判断して、素早くビルから降りる事を選んだのか、当然だよな。全くあの娘は」

 

 去年の世界大会、僕は辛うじてアイカナに勝って優勝出来たけど、試合の最中何度か危ないと思う場面が何度もあった。流石にホビーロボットバトルの発案者で開発に関わってるだけの事はある。でも、あの娘は未だ小学生の女の子なんだそ。

 そんなちっぽけだけど年上としても、男としても僕にはプライドがある。その思いで僕はどうにか、あの試合に勝てたって気がする。

 

 「自分の好きを突き詰めチャンスをモノにして行動に移す。大したもんだよ君は!僕だって負けていられない。僕だってメカが好きだし、ホビーロボットバトルの開発や概要を提案したんだ!」

 

 そう言いながら僕もビルから降りる選択を選んで、アイカナを追う。勝負は遠距離からのスナイプ合戦では無く、近距離戦での決着を付けるべきだ。コレは一応観戦者も視聴している競技で娯楽なんだから、その方が盛り上がるのは必然だ。

 そんな事を考えるなんて、本当にあの娘と出会って、僕も少しだけ変わったって気がするな。それまでの僕は自分で言うのも何だけど、あまり社交的な方では無かったと思う。いや、今でも何方かと言うと一人でメカの研究や製作をしている方が楽しいんだけど、人と接するのも案外悪く無いとも思う様になっていた。

 そのおかげで、アイカナからの提案で僕もアナハイム・エレクトロニクス社の開発部のスタッフの人達に、ホビーロボットバトルにアイデアの提供をさせて貰う機会を得る事が出来たんだから。

 

 思えばあの娘と出会ってから、もう四年になるんだな。あの日父さんの仕事の関係で地球へ降りて、その先で出会った父さんの古い友人で技師仲間だという、フランクリン・ビダンさんと、そのご家族。特にその二人のお子さんであるアイカナとカミーユとは、コロニーと地球とに物理的にも長大な距離が離れているけど、高速通信やネットワークを通じて今でも良好な関係を築いている。

 それにどうやら二人は、僕の事を兄の様に思ってくれているみたいで、それは悪い気はしないんだけど、姉のアイカナの方は最近マセてきたのか僕の事を誂ってくるのは勘弁して欲しい。

 

 「僕は男なんだ、部屋ではパンツ一丁でも良いじゃないか。フラウもアイカナも煩いんだから」

 

 実際、アイカナはさっきみたいに誂うだけなんだけど、最近はお隣のフラウ・ボウからも僕が自分の部屋でパンイチでいる事に、しょっちゅうお小言を言われるものだから咄嗟にそんな言葉が口を吐いて出て来た。どうやら僕は今、緊張感と高揚感とを同時に感じているのかも知れないな。

 

 「コレからが本当の勝負だ。行くよアイカナ」

 

 意を決して、僕は愛機のフットレバーを軽く踏み、先刻アイカナが居た北東方面へと向かい歩を進める。勿論油断はしないし、場合によっては詭計も用いる事も吝かではない。

 

 

 

 

 

 

 集音センサーが反応した後方へと機体を向けて、慎重に足音を最低限響かせない様に気を付けて移動を開始する。メインカメラにも、今のところレーダーにも熱源探知にも反応なし。

 もしかするってぇと、さっき捉えた音はゲームシステムが演出したものだったのかではと(アムロ君が仕掛けた誘導以外の可能性を)考えてみる。例えば西部劇とかでよく見る、丸まった草が風に流されて転がっていく場面みたいな。

 

 「よし、分かんない。だから私もやってみる!」

 

 今のところフリーハンドな機体の左腕を操作して、その場に放置してある自転車だとか、バイクだとかを東側の広いメインストーリーに向かってポイポイと放り投げてみる。ガシャン、カシャ〜ンと落下音と擦過音を響かせて私が投げ捨てた自転車やバイクが無残にアスファルトの上に落ちる。まだこの世界には産まれていないだろうけど、ゲーム内のオブジェクトとは言えバイクを粗末に扱った私を、怒らないで下さいね『ドゥカー・イク』さん。バイク乗りの楽園、作れたら良いですね!

 

 「こんだけ……喧しい音を立ててんだから、何らかのリアクションがある……と思うんだけど」

 

 さてこの後の展開がどうなるのかと考えると、ちょっとした緊張感に駆られて言葉も途切れ途切れになってしまう。ゲームと言ってもこれだけ現実感が強いと、精神的なプレッシャーとかも感じるんだよね。ホント良く作り込まれてるよ、アナハイムのスタッフの皆さん。

 おっと、そんな事に気を割いている場合じゃ無かった。今はバトルに集中してなきゃだよ私。レーダーをはじめとした探索機器の反応を見逃さない様にモニターとにらめっこする事暫し。規則的な歩行音らしき反応を外部集音センサーが拾って、コックピット内のスピーカーから聴こえてくる。多分、いやきっとアムロ君で間違い無いと思う。スピーカーから聴こえる音の小ささから多分アムロ君も、慎重に歩みを進めているんだろうな。

 

 「まだ、姿は見えない。一体何処から現れるのかな」

 

 確実にアムロ君との距離は縮まっているはず。姿の見えないアムロ君の機体を探す為に私は必死こいて、外部集音センサーに耳を傾ける事暫し。

 

 「あれって………」

 

 ふと目に付いたとある物に私はモニターカメラをそこに向けて、ギンと眼を開いて注視してみた。

 

 

 

 

 

 

 〜アムロ・レイ〜

 

 アイカナが居た北東方面へと向かっていた僕だったけど、あの娘の方も当然僕の方へと向かって南下して来ているだろうな。

 そう考えた僕は通りを三つ程東方へと歩を進めて、そこから北側へと直進する事にした。勿論大きな通りは避けて狭い路地へと身を隠しながら。多分アイカナもそうしているだろうし、そう思考していると思うし僕もそうするのが定石だと思う。

 

 「多分もうそろそろだな………ん!?」

 

 そう思った矢先の事。機体の外部集音センサーが不自然な音響を捉えた。それは何か金属質な擦過音と落着した事によって起こった衝撃音の様な響きだった。

 更にはその音の発信源が今僕が向かおうとしていた方向から聴こえてきた物で、間違いなくその先にアイカナが居るのだと言う事が理解出来る。

 

 「アイカナめ、これは牽制だな。ワザと音を立てて僕の反応を伺っているんだ」

 

 その手には乗らないぞ!と言いたいところだけど、僕としては互いに姿を見せた状態でのガチンコの勝負をしてみたいって欲求がある。でもこういった心理戦での駆け引きって言うのも、ある意味では勝負の醍醐味だ。

 

 「どうしたものかな?」

 

 正々堂々姿を見せるか、隠密行動でアイカナを嵌めるか。どちらを選択してもいいんだろうど。

 

 「悔しいけど、僕は男なんだな」

 

 罠を仕掛けられてる可能性があるから警戒は怠らないけど、打って出る方が気持ち的にはスッキリする、と思う。

 僕はそんな思いを口に出してから、機体のフットペダルを踏んで歩みを進める。きっとアイカナが仕込んだと思われる音のする方へと向かって動いてみる事にした。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ビルとビルの間の小さな通りに身を隠して、三車線ある大通りのメインストリート直前のビルの壁際から、戦いの影響でグニャリと曲がってしまい明後日の方向を向いているカーブミラー。

 それが上手いこと私が向かうべき方向である南側を向いていて、偶然にそのミラーに映り込んでいたモノ。そのミラーに小さく映った動くモノが着実に此方へと向かってきている。はじめは私がさっき想像したゲームシステム側が用意した演出かと思ったんだけど、そんなモノが二足歩行で歩いている訳は無いよね。

 

 「うぷぷっ。ヤバい、何か砂漠でサンのスタン◯ド使いの居場所を見つけた、ジョセフ以外のジョースタ◯一行の気持ちが分かるぅ!」

 

 アムロ君の機体だと思われるモノを映しているカーブミラーは湾曲した凸面鏡なので、距離とか機体の形態とかはちゃんと見えないんだけど、大まかな位置は掴めたから私的には十分だ。

 カーブミラーの中の歪んで見えるアムロ君の機体は、ぱっと見信号二つ分くらい先に居て、あまり歩行速度は速めず警戒しつつ慎重に移動している。

 

 「でも、ここじゃアレが使えない。なら場所を変えなきゃだ」

 

 本当は真正面に飛び出して、私はここだッ!をやりたいんだけど。せっかくならこの機体の特性を使ってみたいからね。だったらアスファルトの道路が散らかってないところに陣取りたい。

 なので私は、こちらへと向かって来るアムロ君の背後を取るべく迂回して南下する事にした。身を隠したビルの辻から後方へ下がって次の交差点で南側へ向かって右折する。

 

 「抜き足差し足忍び足、なるだけ音は立てない様に」

 

 静かに機体の身を翻して西側へ向け、歩を進める。うふふっと内心に笑みが溢れそうだけど、そこはじっと我慢の子。此処は一車線道路だから道幅が狭いので、七メートルクラスの機体を下手に操作すると建造物に接触してしまう。だから、慎重にビルに触れないように機体を操作して方向転換を済ませる。幸いにも建物に接触せずに転換し終えて次の交差点へと歩き始める私。

 

 「フフフ。自分の才能が怖い」

 

 交差点までの距離は二十メートルくらいだろうか。今回の機体設定なら歩数は十歩程度かな、多分。

 二歩、三歩と機体を歩かせる、善き哉善き哉!上手く行っているぞ。そう思っていた時期が私にもありました。だけど此処で私はやらかしてしまいました。

 それはこの狭い道路上に放置されていた体のエレカを避ける為に少し歩幅を広げた時に起こってしまった。機体の右手に装備していたマシンガンが、不覚にもビルの壁に接触してしまい、戦火を免れたビルのガラス窓を破壊してしまった。

 

 「Oh!なんてこったい!?」

 

 派手な音を立てて砕け散るガラスの破砕音と窓枠のアルミサッシが歪にひん曲がってしまった音が響いた。こりゃ完全にアムロ君の機体に音を拾われたな。なら、隠密行動はこれまでだね。この狭い通りに居たんじゃ相手の的になるだけ、だったら取るべきは。

 

 「逃げるんだよォ!」

 

 もう音が響こうともお構いなしで、私は機体のフットペダルを踏み込んだ。機体のレスポンスは良好で、ペダルを踏み込んで直ぐに機体の歩行速度は上がる。その代わりに歩行音と熱源反応は上昇するけどね。

 ガシャンガシャンと歩行音を響かせる私の機体、当初目的としていた交差点は片側一車線の二車線道路だからちょっと狭い。だから方針を変更してその先の四車線道路を目指す。距離はその分延びてしまうけどアムロ君に背後を取られる前に、多分行けると思う!行って欲しいな、行けると良いな!

 

 「ヤバい!?」

 

 そんな一縷の望みに託して走る私の機体だけど、コックピット内に警報が響く。目的の交差点まで後三歩くらいまで来てるのにぃ〜ッ!!

 私は後方の映像を捉える為に機体の頭部を四十度ほど左へ回して、更に三連ターレットを左いっぱいまで移動させた。その瞬間にメインカメラが捉えた映像。

 

 「アムロ君、きちゃ〜っ!」

 

 北上して来たアムロ君の機体がビルを縫って、その姿をさっきまで私が隠れていた通りに現した。その瞬間にアムロ君は機体を身構えて右手のマシンガンを、すかさず構えて私を狙う。彼我の距離おおよそ四十メートル、当たればさっきの遠距離射撃の比ではないダメージを被ってしまう。

 

 交差点まであと一歩。刹那の時間。アムロ君がマシンガンのトリガーを引くのが早いか、私の機体が交差点に到着して建物の陰に隠れるのが早いか。

 

 「よし、此処は右折だ!」

 

 交差点に到着した私の機体。眩いマズルフラッシュの閃光と、ダダダダッと響くマシンガンの弾丸の射出音がほぼ同時にモニターと集音センサーとが捉えた。同時に私も機体の右折を完了させて、幸いにもアムロ君の放ったマシンガンの弾丸を間一髪て被弾せずに済んだ。

 

 「くぅ〜っ、ここまで私ちっとも良いとこ無しだ。もう、今年の私は厄年か!?」

 

 声は聴こえないけど、現実世界ではカミーユ(と部員のみんな)が応援してくれているはずなのに。今回はお姉ちゃんのカッコいいところを見せられない。

 

 でもまあ良いや。取り敢えずは逃げ切れたんだから、もう一度リトライだよ。

 




おばちゃん良いとこ無しの回でした。

お陰様で評価を頂き、バーに色を付けてもらいありがとうございます。高評価も低評価もそれぞれの皆さんの意見をいただきまして、今後の参考に活かせたらと思います。
まあ内心低評価をいただくと、ちょっと凹みますけど。
自分と同様にカミーユに幸せであってほしいという御意見、全く持って同感です。小説とテレビ版でカミーユは十分に悲劇を味わっているんですから。
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