【悲報】昭和のおばちゃん、宇宙世紀に転生したと思ったら、最推しの姉だった【あんまり過ぎる】   作:佐世保の中年ライダー

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性懲りもなく投稿します。


〜ゴメンけど、おばちゃんの自分語りを聞いてくれ〜 その② おばちゃんは自らの置かれた状況を推察し行動指針を考える。

 

 第一話を視聴し終えての最初の印象は、何だコイツは?だった。

 

 カミーユを語る象徴的なイベントであるジェリドをぶん殴ってしまうのもアレだったたけど、全体的に何だか妙に苛ついているって感じに思えたんだよね。

 ファに対する対応にしてもさ、彼女から爪噛みを窘めらられると、すっごく嫌そうな表情を見せるし、二話でバルカン撃ち込まれるMPに取り調べ受けた後の、嫌味の応酬の後の暴力行為に走るところとか見るとね。

 まあ劇中でも、自身のコンプレックスの原因にもなっているカミーユって名前を、人前で大っぴらに呼ばれたく無いって思いが強いんだうけど。だからって軍人相手に後先考えずに鉄拳制裁に走るとか、コイツ何考えてんだッ!?って思うのは当然だよね。

 一話を見る限りその行動はほとんどが、衝動的で行き当たりばったりでさ、当の本人も自分は何をやっているんだって、セルフ突っ込みな自問自答するくらいだしね。本当に富野監督は何を考えてこんなキャラ付けをしたんだろうと、マジで戸惑ったけど最高だよ。

 

 『この物語は現実認知の物語です』だったかな。製作発表の時か何かのインタビューの記事で、富野監督がそう語った記事を目にした様な記憶があるんだけど。

 なんかもうその段階で、主人公のカミーユが辿る結末は絶対ろくな物では無いなと私は大方の予想を付けてた。何せ界隈では『皆殺しの富野』って呼ばれるお人ですし。ザンボットにイデオンにダンバインって前例が多々あるしさ、最終的に多分カミーユ死んでしまうんだろうなと、その段階で私はそう予想していたよ。まあアニメの方は死にはしなかったけど。

 

 この子は一体どんな子なんだろうか、この突飛な行動力?は余りにも刹那的な方向へ向かい過ぎてると思う。この子の行動原理は何処から来ているのか、一話を視聴した段階ではまだ判然としない。だけだ、何だろうか?私はこのカミーユって主人公の事がが非常に気になって仕方が無かった。彼の事をもっと知りたいと(実を言うと私は、ゼータの情報解禁後公表されたキャラデザから、アムロと違い美少年なルックスのカミーユに心惹かれていたのも多分にある)思ったんだよなぁ。

 

 『こないだ、ゼータの小説版出たってよ』

 

 そんな時に思い出したのが、以前兄から得ていた情報なんだけど、富野監督自らが書き下ろしたゼータの小説版が(講◯社刊)番組開始に先立ち刊行されていたんだけど。私ってば、以前富野監督が執筆されたガンダムとイデオンの小説がなんか読み辛くて、途中でギブアップした経験があって敬遠してたんだけど、それでも私の内から沸いてくる、カミーユの事をもっと知りたいって思いが勝り、意を決して書店へと足を向け。

 そして見つけましたとも!何と永野護先生描き下ろしの、一風変わったシャアだと思われる人物が描かれている表紙イラストの、新書サイズのZガンダム第一巻をね。しかしその、小説版Ζの一巻だけど、実はわが兄は発売早々にちゃっかりと購入していたのだと。おのれ兄者よ、だったら先に教えておいてくれよ、小遣い無駄に叩いたよ。

 

 『お前、ガンダムもイデオンも小説版最後まで読めんかったろうもん!』

 

 それを愚痴った私に対して兄が返した言葉がそれだ。ご尤もでございます兄君さま。

 

 けど、読み始めたゼータの小説版一巻。読んでみて最初に感じてのは、思いの外読み易いだった。ガンダムやイデオンと比べてスラスラと読めて、頭にもすんなり入ってくる。カミーユの人物描写もアニメより掘り下げた描写がされてた。

 何故カミーユがあの場面でジェリドに殴り掛なんて行為に至ったのかが、より詳しく描写されてるし読んで良かったと思ったよ。

 そうして私はアニメと小説とを追い、この子の本質はとても優しい少年なのだと理解して、何時しか私はカミーユに強く感情移入しており、カミーユの事が好きで好きで(ある意味コレが私の初恋と言っても過言では無いまである)たまらなくなってた。

 そして願った『富野監督どうかカミーユの結末を不幸なものにしないでください!』とね。だけど、そんな願いも虚しくカミーユが辿る運命は視聴者ならばよく知る事で、特に終盤に至ると、もうね言動も表情も本当に病的になって行って、遂にはあれだもんね。最終話視聴後の私、虚無だった。

 もうさ、予めあのラストに至るまでを逆算して何処で誰を殺すかも決めてた感がプンプンだよ。現実認知の物語、辛すぎるよ。カミーユが可哀想過ぎる!カミーユの周りの状況によって形成された性格もあるんだけど、ガンダムと違って周囲の大人達が、敵も味方も含めて、余りカミーユの成長の糧として機能していないよね、そこら辺がアムロとは違ってたんだよね。

 まあジュドーが頑張ってくれたから、ZZのラストでいくらか精神が回復してたみたいだけど。

 

 

 

 「ナ……カナ………」

 

 ふぁ!?何か身体がユッサユッサ揺れてるんだけど、何なんだろう?全くもう人が自ら過去に思いを馳せているってのにッ!!

 

 「アイカナッ、どうしたんだい!?」

 

 私の身体が、レッツシェイキングされてるんだけど何事!?と思ってたら目の前に思いっ切りドアップで男の人の顔が強制的に視界にカットインして来た。因みにアイカナと言うのはこの世界での私の名前だ。なんか印象的に奄美大島に潜伏していた頃の西郷隆盛(せごどん)の現地妻と同じ名前だ。そう思うと、なんだかアレな感じたよね。今度この名前の由来をちょっと聞いてみよう。

 

 「ほわっ!?」

 

 びっくりドッキリ、ハッとして思わず口から間抜けな声が漏れ出てしまった。誰だコイツは!?と一瞬考えたけど、私の記憶がこの目の前の男の人が父親だと告げている。

 そうだった、今の私は何故か三歳児で父親の名前はフランクリン・ビダン。宇宙世紀でも有数のロクデナシオヤジ・オブ・ザ・イヤーだ!

 

 「ふえっ?ど、どうしたのパパ?」

 

 咄嗟に私は努めて三歳児っぽく振る舞うべく、コテッと首を傾げて問う。ううっ、精神的には六十近い年齢なのに幼児の振る舞いをしなきゃいけないとか、頭脳は大人で身体は子供な名探偵の気持ちが、何だか解った様な気がするよ。一体どんな罰ゲームよ。

 しかもその相手が“私のカミーユ”の心に、ある意味深い傷を負わる事になる張本人なんだから、私的にはかなりムカつき指数をバクアゲしてくれる人だ。  

 ちょっと表情が引き攣りそうになる(仕方無いよね、何せ相手は宇宙世紀随一のロクデナシオヤジだもん。好意の抱きようなんて1ミリグラムも存在しないよ)んだけど、生きる術を持たない三歳児な今の私は、そんな気に入らない相手の庇護下に在らねばならないのだ。こんな道化も演じなきゃならない。ホント、人生ってままならないね。

 

 そんなフランクリンさん、私がボーッとしていたのが気になって声をかけてくれたんだとさ。娘の事をきちんと気に掛けてくれる辺り、今の段階だと割と普通のお父つぁんなんだね。何が彼をあの様に変えてしまうのか。

 

 「赤ちゃん、カミーユ見てたの!」

 

 「そうか、はははっ、可愛いものな。母さんとカミーユがお家に帰って来たらアイカナもカミーユの面倒をみてあげないとな」

 

 「うん私もう、お姉ちゃんだからね!」

 

 内心の抵抗感に逆らって可愛い幼女を演じてるんだけど、一応育ててもらっている対価だと思って頑張る。

 

 「もう姉としての自覚が出来ているのかしら、ふふふっ、頼もしいわ。お願いねアイカナ」

 

 「うん!」

 

 ベッドに横たわってるヒルダママからもお願いされてしまったわ。この人にも母親としてちょっと欠けている部分があると思うんだけど、MPに拘束されたカミーユを迎えに行く位には責任感の持ち合わせはあるみたいだし、私的にはフランクリンほど否定する必要は無いと、今のところは思ってる。だから素直にお返事しておくよ。

 

 

 

 

 さて、現在私はフランクリンさんと共にエレカに乗って官舎へと帰宅、自室で形ばかりの寛ぎタイムを満喫中とはいかない。だってねえ今後の課題って言うか、私が何をするべきなのかって事を考えなきゃならない。

 

 「先ずは、状況の整理からだよねぇ」

 

 トホホな気分で、小さなテーブルに顎を乗せて私はボヤキ節を漏らす。いやさ、第一に突然こんな世界に精神を飛ばされて幼児に転生してるのか憑依してるのか解らないけど、こんな状況じゃ自由に動き回る事も出来ないでしょ。

 

 「帰りの道中の風景を見るに、此処はどうやら日本っぽいね」

 

 エレカの助手席から見た風景、街に溢れる看板の文字は平仮名に片仮名、そして漢字が多くてオサレな店舗なんかはアルファベットが書かれてたから、そこから導き出されるのは此処が日本って事。

 

 「ふむ。そういえばカミーユの出身地って埼玉県の新座市説があったよね」

 

 現状を鑑みるに、その節がこの世界には当て嵌まってるみたいだよ。その節を裏付ける証拠になるかは分からないけれど、日本だと自然分娩で出産すると、五日乃至六日くらい入院するんだけど、アメリカなんかだと妊婦さんは出産すると直ぐに退院してしまうって言うしね。

 

 「まあ日本は国民皆保険制度と任意の医療保険もあるから、そうなんだろうけど」

 

 それが無い国も多いんだよね。アメリカなんかだと、皆保険制度が無いからちょっとした入院でアホみたいな金額を請求されるってのは、割と有名だよね。まあフランクリンさんもヒルダママも軍関係者だから、案外軍関系は福利厚生がしっかりしてるのかも知れない。まあその可能性アリ寄りのアリか?

 

 「もう一つ問題として、此処は本当に宇宙世紀の世界なのかな?」

 

 次の疑問点はそれ、まあ後でフランクリンさんに聞けばハッキリするんだけど、取り敢えず自分的に現状整理の為に考察を進める。

 何故それが問題点なのかと言うと、少なくともゼータ第一話となる宇宙世紀0087の時点で、ビダン家は三人家族だったって事。それはTV版でも劇場版でも小説版でも一緒だ。ならばそのビダン一家に存在しないはずの長女(私)が居ると言うのはどう言う事なのか。

 

 「まさかとは思うけど、此処はスパロボ時空だったりとかもあり得るのかな」

 

 色々なロボアニメの混成世界なスパロボ時空なら、大概の場合はカミーユは高性能キャラなうえに、精神崩壊エンドは回避できる。

 

 「問題はもし仮に私がスパロボの登場キャラだったりとかして、将来的に何事か起こってモビルスーツのパイロットになったりなんかしたら」

 

 結構俗物な私がニュータイプに覚醒できるか分からないもんなぁ………もしオールドタイプなパイロットで、ウィンキーなスパロボ世界ならば。

 

 「ニュータイプに在らずんば人に在らず。それって最悪じゃんよぉ!!ウガァ〜ッ!」

 

 冷遇っぷりが凄まじいよね。ニュータイプパイロットに対する攻撃命中率15%とか回避率0%とか、デフォだもんね。集中も必中も持たないコウ・ウラキさんのファンは泣いていいと思う。

 

 「アイカナどうしたんだい!?入るよ」

 

 両手を頭に添えて叫んだら、部屋の扉がノックされてフランクリンさんが私を呼ぶ。いけないやってしまったかと、何だかちょっと気不味い。扉が開かれる前に私は身なりを取り繕うと、ゆっくりと部屋の扉が開かれて心配顔のフランクリンさんが、私を見てる。

 

 「どうしたんだいアイカナ?急に大きな声を出して」

 

 「えへへ……明日、保育園でみんなと何して遊ぶか考えてたの!」

 

 「なんだ、そうだったのか。それは楽しみだね、たくさん遊べるといいね」

 

 フランクリンさんの問いかけに、私は愛想笑いを浮かべて適当な誤魔化しで答えると、彼の表情は柔らかく崩れる。私の恥辱のチャイルドプレイによる誤魔化しが奏功してたって訳だね。そして満点パパな返答を返してくれる。くっ、この人現時点では普通に良いパパさんなんだよね。嫌いなキャラのはず無のに、どうにも調子が狂ってしまうよ。この先何度でも思うんだろうな、一体何が彼を変えたんだって。

 

 オットいかんそうだった。この際だからとフランクリンさんに先に疑問に思っていた事を聞いてみよう。思い立ったが吉日ってね。

 

 「うん!そうだパパ、今って西暦何年?」

 

 「おや?アイカナ、よくそんな事を知っているね?」

 

 私の質問に、目をパチクリとさせてフランクリンさんが驚いてる。まあ、親から教え聞かされでもしなきゃ三歳児が年号だとか質問しないだろうからね。

 その質問にフランクリンさんは、屈んで子供目線で答えてくれた。この世界やっぱり宇宙世紀(ユニバーサルセンチュリー)だったよ。しかも今年は宇宙世紀0070年で、今日は11月11日でした。うん、公式的にもカミーユ(一説には0069年説もあるらしい)誕生日だね。一安心だ。

 イヤイヤ、安心なんかじゃ無いってば!宇宙世紀世界が確定してるのなら、間違いなく九年後には一年戦争が勃発するし。コロニーを落とされて総人口の半数が死んでしまうし地球環境もヤバい事になってしまうよ、割とマジにどうしようか。

 

 

 

 

 

 ズズ、ズズッと麺を啜る音が店内のアチラコチラから響いている。ヒルダママが入院している事もあり、今現在私とフランクリンさんは官舎からほど近いうどん屋でうどんを食べています。フランクリンさんに夕飯は何を食べたいのかと問われたので、思わずナチュラルに私は昔っから大好きな、きつねうどんとお稲荷さんが食べたいと答えてしまった。 

 ヤヴェッと、内心冷や汗タラリになったんだけど、そんな私をフランクリンさんは、ガハハハと笑って『本当にアイカナはうどんが好きなんだな』と仰られた。マジですか、アイカナ・ビダンちゃん御年三歳。大好物は(おばちゃん)と同じで、うどんだそうですハイ。

 

 「パパ、きつねうどん美味しいね!」

 

 「ああ、美味しいね。それにしてもアイカナは何時の間にかお箸を上手に使えるようになったんだな」

 

 対面にテーブル越しに座っているフランクリンさん(どうにもお箸は苦手なようで、ちょっと扱いが上手では無い)に私は幼児らしく精一杯にお食事美味しいアピールに努めます。実を言うと今の私は、このうどんに対して心の中で不満を爆発させているんだけど。

 やっぱり宇宙世紀な世界でも関東地方のうどんの汁は黒くって、実はコレが結構苦手な私です。あと七味は置いてあるけど、一味が無いのも不満点だよ。

 汁の色が染み付いて変色している麺を箸で掬って、ちょっと見つめて直ぐにズズズと啜って口の中にかき込む。精神が日本人な私は外人さんに配慮して、啜るのを控えるなんてしないよ。神代の昔から、麺類は啜って食ってなんぼってなものですよ。郷に入ては郷に従いましょうね。

 

 「子供というのは何時の間にか成長しているものなんだな」

 

 身体が三歳児になった影響で、自分的にちょっと箸の扱いが辿々しくなっているとは思うんだけど、外人さんなフランクリンさん的には私が箸を上手に扱えている様に映っている様だ。感慨深げにフランクリンさんはウンウンと頷いている。

 娘が内心で黒い汁のうどんに不満タラタラなのだと言う事も知らずにね。嗚呼、幼い頃から食べ慣れていて、実家へ帰省するたびにいつも食べていた西の味が、牧◯うどんが恋しい。昔の大波止タ◯ミナルの立ち食いうどんでも可!

 

 いつの間にか私の脳の思考領域がうどんの事に支配されていたけれど、愛しのカミーユを精神崩壊なんかさせない為にも、今後私の出来うる事を為さなきゃならない。

 その為にも、ちょっと状況を整理しよう。詳細な日付とかの記憶は定かじゃ無いけど、ジオン・ズム・ダイクンは三途の川の向こうに行ってしまってんだよね。と言う事は、サイド3の実権はザビ家の連中が掌握済みで、シャアとセイラさんはマスさんところにご厄介になってるんだろうな。オリジン版だと地球に居るんだろうけど、史実と言うか富野監督的にはその辺りの詳細な設定は作り込んでいたのだろうか。まあ、シャアに関しては多分ゼータ本編の時代になるまでは接点も無いだろうから考える必要は無いかな。

 

 『当面の目標としては、一年戦争で死なない事と、カミーユにたっぷりと愛情を注いで育てる事だよね』

 

 一年戦争で死んでないって事は、ビダンファミリーがゼータの登場人物だと言う事からも、それほど心配は無いと思うな。

 カミーユに愛情を注ぐってのは、ただただ甘々に溺愛するんじゃ無くて、時には心を強く持って彼の心身を鍛えてあげなくちゃって事ね。それにはやっぱり、ビダン夫妻の関係を冷え切らせない様に誘導出来れば良いのではと思わないでもないんだ。ゼータの前日譚的にビダン夫妻の事の顛末とか私は知らないから、一体何がきっかけでそうなったんだろうか。

 

 『両親二人が揃って技術者ってのが、或いは関係してるのかな?』

 

 例えば、ヒルダママがフランクリンさんに先んじて材料工学だったっと記憶してるんだけど、その分野で功績を上げたとかして、それに嫉妬心を覚えてとか。

 もしくは、一年戦争でザクに対抗するためのモビルスーツ開発計画が持ち上がって、そこにフランクリンさんも参加していたけど、採用されたのがテム・レイさん主体のガンダム含む三機種のモビルスーツが採用された為に、フランクリンさんがプライドをポッキリとへし折られたとか。

 はたまた単なる倦怠期迎えた時に何となくギクシャクして、互いに愛情が冷え切ってしまったとかだろうか?

 うむぅ………何かそれの内のどれかって、そんな気がしてきたよ。実際はまだ解んないけどね。

 

 『うむぅ、現状何とも言えないよね。まだ時間的にそこまで行ってないんだし』

 

 取り敢えず、二人の仲が不味くなりそうなら私とカミーユとで何とかしなきゃだよね。子は鎹って、言葉もある子供の存在をアピールして文字通りに二人の仲を繋ぎ止める役割を果たせれば良いんだけど、多分カミーユも何かしら二人に対してアプローチはしたんじゃないかな?本質的にカミーユは優しくて、賢い子だからね。それでも上手くいかなかった結果があの状況だったのかも知れない。

 

 でも、結果的に無駄に終わるとしても、何もしないよりはましかな、うん。ヨシ先ずはちょっと試しにアピールしてみよう。

 お稲荷さんを食べ終えて、私は顔を上げてフランクリンさんにパパと呼び掛けてみる。するとフランクリンさんは私に目を合わせて問い返してきた。

 

 「パパとママと、私とカミーユ、ずっと仲良しだよね!だからまたみんなでい〜っぱい美味しいうどん食べようね!」

 

 遠い昔の私達夫婦と幼い娘が、ある日の外食の際に娘が言った、今でも私の心に深く遺っている幼くて愛らしい笑顔で言ってくれた言葉を引用して、フランクリンさんに投げ掛けてみた。

 

 「ああ、そうだね。ずっとみんな仲良しだよ、アイカナ」

 

 私の言葉にフランクリンさんは、微笑み深く頷くと、そう応えてくれた。取り敢えず今私に出来る事は子供らしい仕草や言葉で両親に呼び掛ける事くらいだ。ならばやれる事をやっておこう。名付けるならば差し詰め『子は鎹作戦』ってところかな。千里の道も一歩からってね!

 

 




フランクリンのオッサン。はじめからあんなろくでなしでは無かったのではないか、昔は良い夫良い父親だった可能性もあったのではとの推察から、今回の話を作ってみました。

当作の評価を頂いた方から、話が冗長過ぎるとのコメントを頂きましたが、まさにその通りであります。おばちゃんの話は長い!を文章で表現したいとの思いがありまして。
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