(トレーナーさんの)賢さが不足しているようですね 作:龍角散ガム
むかしむかし。
トレセンがくえんに、ライスシャワーというウマむすめがいました。
ライスシャワーは、とてもやさしいこでした。
でも、いつもかなしいかおをしていました。
「ライスのせいで……みんながふこうになっちゃうの……」
ライスシャワーは、ぽろぽろとなみだをながします。
それをみた『あなた』は、ライスシャワーのところへいきました。
“どうして、そんなにかなしいんだい?”
するとライスシャワーは、しょんぼりしながらいいました。
「ライス、みんなのじゃましちゃうから……」
それをきいた『あなた』は、ぐっとこぶしをにぎります。
“だいじょうぶだよ、ライス! きみはとってもいいこさ! じゃまなんかじゃないよ!”
でも、ライスシャワーは、まだうつむいたままです。
そこで『あなた』は、おもいつきました。
“そうだ! いっしょにおどろう!”
『あなた』は、くちでリズムをならします。
ドンドットット♫ドンドットット♪
そして、たのしそうにおどりはじめました。
“ほら、ライスも!”
さいしょはみているだけだったライスシャワー。
でも、リズムをきいているうちに、すこしずつからだがうごきます。
「……ドンドットット♪」
“そうそう!”
ドンドットット♫ドンドットット♪
ふたりでおどっているうちに、ライスシャワーのこころは、だんだんあたたかくなりました。
かなしいきもちも、つらいきもちも、すこしずつきえていきます。
そして——
「ドンドットット♪ドンドットット♪」
ライスシャワーは、にこにこえがおになっていました。
『あなた』も、にっこりわらいます。
トレーナーしつには、たのしいリズムがずっとひびいていました。
“ドンドットット♪ドンドットット♪”
「ドンドットット♪ドンドットット♪」
こうしてライスシャワーは、またえがおになれたのでした。
めでたし、めでたし。
パァンッ!!!!
軽快に響いていたリズムを引き裂くように、突然大きな破裂音がトレーナー室へ響き渡りました。
「ひゃうっ!?」
ライスシャワーはビクッと肩を震わせ、慌てて音のした方へ視線を向けます。
その音の発生源は——『あなた』の胸元でした。
激しく踊り続けたせいで、シャツのボタンが耐えきれず吹き飛んでしまったのです。
ぱっくり開いたシャツの隙間から、汗で濡れたインナー越しに鍛え抜かれた胸板が露わになります。
それは、ただの胸筋と呼ぶにはあまりにも逞しすぎました。
厚く。
硬く。
頼もしく。
まるで岩みたいに引き締まった筋肉が、これでもかと主張していたのです。
“おっと……またボタンが弾けちゃったか……”
『あなた』は困ったように頭を掻きます。
“この前買ったばっかりだったのになぁ……”
「……ふーっ♡ ふーっ♡」
“……ライス?”
返事はありません。
ライスシャワーは頬を真っ赤に染めたまま、『あなた』の胸元をじぃ〜っと見つめています。
呼吸は妙に荒く、耳はぴこぴこ。
尻尾も落ち着きなく揺れていました。
“どうしたんだ? そんなに鼻息荒くして……”
「……お、お兄さま……すごい……♡」
ぽつりと呟いたライスシャワーは、ふらふらと『あなた』へ近づいていきます。
“ら、ライス?”
そして。
そっと。
震える指先で、『あなた』の開いたシャツへ手をかけました。
“あっ、ちょっ——ライス!?”
「ちょっとだけ……ちょっとだけだから……♡」
“待って待って待って!? なんで目がギラギラしてるの!? ライス、ステイ! ステイだから!!”
けれどライスシャワーは止まりません。
むしろ、うっとりした顔で胸筋を見つめています。
「お兄さまの、お胸……かっこいい……♡♡♡」
“ライスーーーーーーッッ!?!?”
たづな「開放のドラムで雄っぱいを開放させてはいけません。相手を発情させてしまいます」