転生少女が行く!超かぐや姫!   作:Youm Nagi

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ハーメルン初投稿です。拙い文章ですが、楽しんで頂けたら幸いと思います。


プロローグ:8000年の時を歩んで

 

気がついたら俺は、縄文時代にいた。

 

いやいやいや、現代日本から縄文時代へタイムスリップするだなんて、誰が信じられるだろうか。いや、タイムスリップではないんだけども。

そこそこ大きな会社に勤めていたちょっぴりオタクなおっさんは、なんということでしょう、病気で死んで、縄文時代へ転生してしまったのだ。

 

「偉大だったんだな、現代日本の快適さ。しかし、転生するなら男に生まれたかったなー…」

 

そう、今世の俺は、女だ。いや、まあ、前世であったよ?死んじゃった男の子が女の子に転生してなんちゃら〜って小説とかアニメとかがさ。でもさ、まさか俺がそれになるとは。正直、慣れたけど、それでもやっぱり男に生まれたかった。この縄文の時代にトランスジェンダーなんて概念はあるはずもなく、周りからは“男みたいで変な女”という目で見られている。まあ、仲が悪いというわけではなく、普通に一緒に遊んだりするし、村の仕事の手伝いも進んでやるから、なんならみんなと仲がいい。特にあいつとは__噂をしたら、そいつのほうからおでましのようだ。

 

「ねぇリンネ、ちょっと浜辺で一緒に遊ぼー?」

 

「オッケーかぐや、行こっか。」

 

こっちに向かって話しかけてくるウミウシが一匹。

こいつはかぐや。ある日突然村にやってきた喋るウミウシだ。そしてその正体は、月からやってきたお姫様で、タイムマシンの事故縄文時代まで来てしまった、可哀想なヤツだ。そう、この世界は、どうやら前世で俺がハマっていた「超かぐや姫!」の世界らしい。

 

かぐやと俺は現代日本で生きた者同士ということで、早くも意気投合した。初めはかぐやを警戒していた村人たちも、俺とかぐやのやりとりを見て、かぐやを迎え入れた。もしかして俺、ファインプレーか?やったぜ。

 

浜辺に着いた俺はかぐやと遊びまくった。ウミウシとどう遊ぶんだって話だけど、まあ、ご想像にお任せするよ。朝早く起き、村人達と共に働き、かぐやと遊ぶ。これが、今の俺の日常だ。生活水準には満足できないが、それなりに楽しい。こんな毎日なら、第二の人生も悪くない。そう思っていた。

 

しかし、それは突然崩れた。

いつものように浜辺でかぐやと遊んでいると、村の方から何か大きな声が聞こえてきた。何事かと思い村に戻ると、隣の村が俺たちの村に攻めてきていた。おそらく、かぐやのおかげで豊かになった俺たちの村から食料を奪おうと画策したのだろう。俺はかぐやと共にもと光る竹を抱き抱えて村から逃げた。どれだけ走ったか忘れた。ただがむしゃらに走り、逃げ続けた。だが、何の物資も持たずに村を出た俺が逃げ続けられるわけもなく、体が限界を迎え、俺は地面に倒れてしまった。もう、俺は無理だな。

 

「かぐや、俺はここでリタイアみたいだ。お別れだ。」

 

「え、やだ。やだやだ!かぐや、リンネと一緒がいい!食べ物ならかぐやが探してくるから!もっと、もっとお話ししたいよ!」

 

かぐやは目に涙を浮かべながら駄々をこねる。ごめん、かぐや。

あとは、彩葉たちに託そう。

 

「俺はお前の足手まといになるわけにはいかないんだ。“彩葉”ってやつに会いたいんだろ?なら、俺のことなんてほっとけ。短い間だったけど、楽しかったよ。第二の人生も、悪くなかったよ。じゃあな、かぐや。」

 

「リンネーーッ‼︎」

 

かぐやの悲痛な叫びを聞きながら、俺の意識はフェードアウトし、縄文時代での人生に、幕を閉じた。

 

〜2年後〜

 

やぁみんな、俺だ!かぐやとあんなに感動的な別れをしたっていうのに、また転生しちまったよ。相変わらず、女としてな。なんでだよ。今度こそ男でいいだろ!まあ、それは正直どうでもいい。第3の生を受けた俺の頭の中に、とある仮説が生まれた。

 

    『俺、無限に転生するんじゃね?』

 

この仮説が本当なら、かぐやとずっと一緒にいられる。8000年の孤独を生きなければならないかぐやの拠り所になれる。俺が、かぐやを支えるんだ。俺という変数が、みんなをもっと最高のハッピーエンドに導くんだ。

 

この8000年間、かぐやを支え続ける。これが、俺のやりたいことだ。そのためにも、かぐや。君を見つけ出す。待っていてね。かぐや。

 

俺の決意が体を燃やす。全ては、最高のハッピーエンドのために。

 

 

俺は、かぐやを探す旅を始めることにした。旅といっても持っていける食料なんてたかが知れている。だから、俺は人海戦術をする。地形を確認して現在地を考察してから、持てるだけの食料を持って村を出る。そして力尽きるまで、かぐやを探す。完璧な作戦だ。自分の命をドブに捨てることを除けば。

我ながら自分の命をなんだと思ってるんだか。でも、やめることはしない。俺がかぐやを支えるんだ。それが、俺が転生した意味だ。そう、信じてるから。とか思っていたら…

 

「リンネ?」

 

「………へ?」

 

我ながら情けない声を出したと思う。だって、自分の命をドブに捨てるという恐ろしいことを行うと決めたときに、その目標が目の前に現れてしまったのだから。

 

「リンネ、なの?」

 

「かぐや。置いていって、ごめん。でも、帰ってきたぜ。」

 

かぐやは震えた声で俺の名を呼ぶ。それに俺は、穏やかに答える。

 

「また、お話ししようぜ?お前が満足するまで、いつまでも。なんせ俺は、文字通り“輪廻”だからな!」

 

「ッ!_リンネ〜‼︎」

 

かぐやが俺の胸に飛び込んで来る。俺は優しくかぐやを抱きしめた。ウミウシだから抱きしめるのは難しいのでは?という意見は聞かない。だって、俺もかぐやも感動で周りが全く見えていないからだ。

 

 

落ち着いた頃、俺は無限の転生についてかぐやに教えた。かぐやは目ん玉飛び出るくらい驚いていたが、とても嬉しそうだった。

 

そしてまた、かぐやとの生活が始まった。前世と同じように遊び、働き、遊ぶ。そして、数十年後。また、終わりが来る。老衰だ。

 

「かぐや、今世はここまでだ。今回は結構長生きしたな。子供もできたし。やっぱり、出産は痛かったな。」

 

「早く来てよ?また会えるけど、寂しいんだからね?」

 

「ああ。じゃ、また来世。」

 

 

このやりとりを何回繰り返しただろう。縄文から時は進み、飛鳥、奈良と、時代はどんどん進んだ。

 

平安では、かぐやが歌人にガチ恋されたり

 

鎌倉では、壇ノ浦の戦いで大立ち回りしたり

 

室町では、義政と茶しばいたり

 

安土桃山では、秀吉の女好きに頭を抱えたり

 

江戸では、しょうちゃんとめちゃくちゃしたり

 

明治では、とある文豪と語らい

 

昭和では、少女と共に花を売った。

 

あと、CIAのお兄さん__彼と共にもと光る竹を盗み出し、

 

インターネットで“ヤチヨ”と暴れ回ったりもした。

 

どんなふうに暴れたの?だって?

 

自分で調べろカス。なんてね☆

 

そして_

 

「今回はここまでか。多分次は、2013年。」

 

「っ…そっか。じゃあ、リンネは…」

 

「ああ。彩葉とタメになると思う。せっかくだし、彩葉と同じ学校に行こうかな♪」

 

「リンネずるーい!ヤッチョも、彩葉と学校、行きたいなぁ。」

 

「ははは、気持ちはわかるが、ヤチヨにはやらなくちゃいけないことがある。そうだろ?」

 

「…そうだね。ヤッチョ頑張るよ。でも、少し、怖いな。今までやってきたことが、本当に間違ってないのかなって。もし間違えてたら、彩葉も生まれてこないかもしれなくて。だから「かぐや」っ!」

 

「ツクヨミで、会おうぜ!」

 

「ぁ…うん!またね、リンネ。」

 

こうして、俺の何回目かわからない人生はまた終わりを迎えた。

 

時が経ち、2013年、俺、竜ヶ崎輪廻が再びこの世に生を受けた。

出身は、京都。そして__

 

「りんちゃん、おはよ。」

 

「おはよ、彩葉。」

 

彩葉の家の、お隣さんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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