恋姫†無双   作:ヨコミチ

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申し訳ない。前の話に重大なミスを発見。修正します。







ソイヤッ!!


4話(修正)

 

 

 

 董卓の親衛隊となってから数ヶ月がたった。

 董卓本人が幼い少女だったり、武将が女性ばかりと驚くことが多々あったが、憧れのお人を護衛できる事は大変名誉なことであり、その毎日が楽しかった。

 そういえば、最近珀護が幼い頃のまま俺から、自立できていないのではないか?と、懸念していたのだが、仲の良い友が出来たようで、その懸念も杞憂に終わりそうだ。

 

 

 

「好きなやつぅ!?」

 今日の仕事も終わり、隠れ家へと早めに帰った胡伯子は、書類仕事をしていた。

 すると、少し遅れて参緋が帰ってきて言った言葉。

 胡伯子は突然の話題から机に広げていた木管をいくつか落としてしまった。

「まぁ、驚くのは分かる。しかし、落ち着けよ」

 胡伯子は、落とした木管を拾いニヤニヤしながら参緋を見た。

 参緋は、その表情を見てダル気な顔をする

「で、誰の事が好きなんだ?」

「ちげぇよ。俺じゃねぇ。相談を持ちかけられたんだ」

「誰に?」

「呂布のところの部下の一人にだ。どうやら、珀護のことが好きに成ってしまったらしくてな」

 その話を聞いた胡伯子はへぇ。と、驚いたようだ。更にと参緋は続ける。

「珀護のことを教えてほしいと言われたのだが、よくよく考えてみると、あいつとは長い付き合いだが、知らないことに気がついてな、その子に何もいえなかったんだ。そこで、お前な

 

ら耳よりな事を知っているんじゃないかと、聞いたわけだ」

「うーむ、なるほどなぁ!」

 胡伯子は顎に手を当て考え出した。

 参緋はそれを見ながらその部屋の壁を背にして座り込んだ。ゆっくり、胡伯子が考えているのを眺めていた。

 そして、しばらく考えようやく胡伯子が口を動かした。

「そういえば、あいつは意外と生きる事に強欲だな。ほら、俺達は昔盗賊から追い剥ぎして生計を立てていただろう? その事を知った。あいつ以外の隠れ家の住人はその事に関して忌

 

避的な感情を抱くだろう? けれど、あいつは別にその事に関して何も感じている様子は無かった」

「故に、珀護は生きる事に強欲だと?」

「俺はそうなんじゃないかと思っている」

 二人は黙りこんだ。

 参緋は、先ほど胡伯子がいった言葉に対し考えをめぐらせるために。

 胡伯子は、参緋の受け答えを待つために。

 参緋はゆっくり瞳を閉じた。

「意外と、歪んでいるな」

 その声のトーンはなんとなく誰かを攻めるように

「そう言うな、歪んでいない人間などいないさ。皆どこかが狂っているのさ」

 そんな参緋を慰めるように胡伯子は優しいトーンで喋りかけた。

 

 

 

「呂布殿。本日はどうされますか?」

 呂布に、そう話しかけているのは珀護である。

「ん。今日は市へ食べ行く」

 言葉少なめに呂布は返した。

 珀護は、董卓の親衛隊である。それが何故呂布と供にいるかというとただ単に珀護が呂布に付きまとっているということに他ならない。

 そして、呂布も何故かは分からないが珀護のことをいたく気に入っていた。二人には引き合わせる何かがあるのかもしれない。

 珀護と、呂布は伴い市へと出かけていった。

 二人が玄関へと歩いていくのを面白くなさそうに睨んでいる人物がいた。

 ここからでは、小さすぎて見逃してしまいそうな人物。陳宮広台。真名を音々音という。

 音々音は持ってきた椅子の上にドカッと胡坐で座り、膝に肘を付いて手に顔を乗せ、穴が開くのではないかというほどに、珀護を睨んでいた。

 しかし、呂布が外へと出て行ってもついには音々音はそこから動かなかった。

「狐に揚げを取られた気分です」

 ブスーっとした顔をしていた。

 所変わり洛陽の市場。そこでは、呂布と珀護が肉まんを頼んでいる姿があった。

「すまない。ここにある肉まんを全てくれないか?」

「全てだって!?」

 注文を受けたオヤジさんは驚いた顔をした。最近、開業したばかりなのであろう。

 ここの市では、呂布が大食いだということは大分前から知れ渡っているのだ。

「そうだ。いきなりですまない。だが、金ならある」

 そう言って珀護は懐から金を幾つか出しオヤジに見せる。

「お、おぉ。お客さん。困るよ、こんなにもらったら、他のヤツラに直ぐ取られちまう」

 オヤジは更に珀護が出した金額に驚く。

 そしてオヤジは、正規の値段より少し高めの金額を提示し、支払ってもらうことにした。

 珀護は言われた金額を渡し、オヤジさんは、ある肉まんを全てつつんだ。

「ありがとう」

「いやいや、こっちこそこんなに貰って悪いねぇ」

「何、今後もひいきさせてもらうから頼む」

「あいよぉ」

 その言葉を背にして珀護は少し離れたところにいた呂布のところまで行き買ってきた肉まんを渡した。

「どうぞ。あそこの肉まんです」

「うむ」

 呂布は肉まんの入った籠を一つ受取り開いて食べ始めた。

 その様子を珀護はなんとも思うことなく眺めている。董卓陣営の中で食事中の呂布を見ても素面な珀護である。

 そして、六個入っていた一籠をあっという間に平らげ二籠目にも手を伸ばした。

 籠を腕で抱えると呂布は立ち上がった。

「どうしました?」食事中に、立ち上がるなど珍しい。珀護は思った。

「そろそろ帰ろうと思う」

 そう言うので珀護は立ち上がった「それでは、帰りましょうか。その籠は俺が持ちます」

 手を伸ばした珀護の手を呂布は首を横に振って否定する。

 そして、籠から一つ出し自分の口にくわえ、もう一つだすとそれを珀護に差し出した。

「あげる。一人で食べるより、おいしい」

「ありがとうございます」

 二人は、その後普通に城へと帰り、買った肉まんを皆に配っていた。

 

 

 

 数日後。

 戦争が起きた。

 こんなにも日常というものはたやすく崩壊してしまうものなのかと、胡伯子は考えていた。

 数日前、漢全土に広がった

 噂。霊帝の死去。

 それをきっかけに作られた半董卓連合。

 何故だかは分からないが、都合の良いようにどんどんと攻略されていく難関城。

 ここにいた武将達も散り散りになってしまっていた。

 残っているのは、頭である董卓と、参謀のカクのみであった。

 親衛隊達は城の目前まで攻めてきた半董卓の兵達を食い止めていた。

「月。もう、手詰まりだわ」

「詠ちゃん」

 董卓とカクのいる場所は城の、隠れ家と呼ばれる場所であった。

 そこは、胡伯子達が詰めている所で、本当に城の中で隠れるに最適な場所であった。

 しかもここには……。

「月、ここには帝用の避難経路があることは知ってるでしょう?」

「だめだよ、詠ちゃん! 私は皆を見捨てて逃げるなんてことはできない」

 董卓はその瞳に涙を溜めた。

「月、私は貴女を帝にすることは出来なかったわ」ごめんなさい。と、カクは瞳に大粒の涙を浮かべた。

「詠ちゃん」

「もうここで粘っても、私達はどうせ死んでしまうわ。」悲しそうな表情をする親友に董卓は声をかけようとしたが。「けど」と、言葉をつないだカクにさえぎられてしまった。

「けど、私は月に死んで欲しくない。生きて欲しいの。私はあなたの事が好きだから!!」カクは力一杯叫んだ。

 そんな、カクを見て董卓は少し悲しそうな表情をしてカクを抱きしめた

「月……」

 カクは涙を一筋ながし、董卓の抱擁をうけた。

 そして、お互いその瞳を見詰めあいついばむようにキスをする。

「いっしょに逃げよう」

 二人は、避難経路に駆け込んだ。

 

 

 

「おぉぉぉい!! 銀二!! 参緋!! 珀護!! 皆!! くたばってねぇかぁ!!」

 敵兵に囲まれながら大声で怒鳴る胡伯子。

 辺りは金属音がぶつかり合う音ばかりで非常に耳障りだ。

 胡伯子は出来れば、仲間の状況を知りたいと思いながらも回りの敵の対処をするだけで、手一杯で確認する様子も無かった。

「銀二!! 大丈夫だぁ!」

 しかし、どこからか銀二の声が聞えた。その事に緊張しながらもほっと胸をなでおろす胡伯子。

 そして、ドゴォォォン!!と、目の前で数人の兵士が吹っ飛んでいくのが見えた。

「参緋だ! 俺も平気だ!」

 胡伯子の背中にトンとどこかで感じたことのある背中が合わさってきた。

「珀護。平気だ……けど、ちょっときつい」

 珀護は他の兵士が使っているのより少し細い剣を振り回しながら答える。

 そして次々に辺りからおぉ!!という声が聞えてくる。

 胡伯子は少し考え次の指令をだした。

「みんな!! 俺の位置が分かるか? 分かれば少し集ってくれ!!」

 そうして、各々次々に沸いてくる敵を倒しながら、徐々に皆が胡伯子の元に集ってくるその間も、周りは手を止めない。

「皆! よく聞いてくれ! よーく考えたんだがな!! この戦い、恐らく勝てない!! このまま言ってしまえば、俺達はココで倒れ後ろに控えておられる董卓様たちもやられてしま

 

うだろう!! だが、それでいいのか!? 俺達は何だ!? そうだ、董卓様の親衛隊だ。 董卓様を守らねばならない!! そのためにはお前達!! 俺と供にここで死んでくれ!!

 

 胡伯子は何かを悟ったような顔をして叫ぶ。

 周りにいた隠れ家のメンバーも、最後を美しく飾ろうと、おぉ!!と大声をだした。

「だが、珀護! てめぇは駄目だ!! おい! お前、少しここを頼む。」

「何でだ!! 俺も、胡伯子と一緒に……」

 胡伯子は、自分と珀護が相手していたものを一瞬に蹴散らし、隣にいたヤツラに相手を任せる。

 胡伯子は、珀護の顔を掴んで自分の方へとひねり、小声で話しかける。

「董卓様は、恐らくこの絶望的な状況でも、自分の願いを実現するために考えておられる。そんな方が今この状況で考えること。それは、恐らく逃亡だ。命があれば何でもできる。そこ

 

でだ、お前には、これから董卓様を探し出し、董卓様を守り、その夢を実現させて欲しい。それが、お前にする俺の願いだ。やってくれるか?」

 珀護の頭の中には願いという言葉が反芻されていた。

 そして、自分は胡伯子から頼られたという事実に興奮しながらも珀護は頷いた。

 それを見た胡伯子はヨシ!と頷くいた。

「参緋! 頼む」

「あいよ。」

 ドゴォォオンと再び、参緋が持つ刀を振った瞬間、敵兵のいる一部にスキマが出来た。そこに隠れ家全員は珀護を隠すようにして食い込んだ。

 そして、それの勢いに乗り珀護は持つ刀を振り回しながら敵兵のいるアーケードを抜け出していった。

 

 

 

 董卓とカクは避難経路から外に出て、洛陽から脱出しようとしていた。

 その時。

「あなた達は誰ですか!?」

「董卓様!!」

 丁度見計らったかのように、董卓達は劉備たち4人(一刀くん)に見つかり、同時に先ほどアーケードから抜け出した珀護が董卓を見つけたのだった。

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