機械兵と少女たちの記録(アーカイブ)と記録(メモリー)   作:KUS

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この度……遅れながらセルフ名前被りをやらかしている事に気がつきました。
大変申し訳ございません!(土下座)
その為久高さんの下の名前が変更されています。
初登場回のちょこっと解説の久高さんの項も変更しました。
もう一度言います。大変申し訳ございません。

追記
プルウェアに関して、艦種の名称を飛行駆逐艦に変更します。
空中戦艦と区別をつけやすくするためです。


再会

二コラ工業高校校舎

爆撃により廃墟と化していたここに、二コラと連邦生徒会の校旗が掲揚されていた。

本来なら今は勝利を祝っているだろう。

だが、そのような気分に、連邦生徒会やゲヘナどころかレジスタンスすらなれなかった。

 

戦闘停止命令が出ているにも関わらず、無謀にも追撃した結果、レジスタンスは戦力の過半を喪失。

おまけに空中戦艦という出鱈目な代物の力をマジマジと見せつけられた。

レジスタンスの最高戦力であるガンダムMk.IIも危うく撃破されかけたのだ。

 

試合には勝ったが勝負には負けた。

その例えが、まさにピッタリだった。

 

「で、命令違反を犯した上に罠にかかって戦力の大半を失くした、と」

「……」

「ただでさえ地上部隊の損害が大きいというのに、それを無駄に消耗させるとは」

 

ヨハネの瞳がレジスタンスのリーダーである久高ユイナを冷たく射貫く。

ユイナ自身は何も言い返さない。

今回の命令違反は、完全に現場の暴走だ。

だが、ユイナ自身は自分の監督ミスと考えているからだ。

 

「今回の件は……自分の監督不行届です。何なりと、処分は……」

「お前の処分は後回しだ。今は目の前の事をどうにかする」

「……」

「せめて、これからの働きで返してもらうぞ」

 

アキはそう言ってこの話を閉めた。

 

「さて……これからあの要塞線の攻略について話し合おう」

「それは構わないが……あのデカ物をどう攻略する気だ?」

 

ヨハネが言うのは、あの空中戦艦のことだ。

 

「……あれについての詳細が分かればいいんだが。生憎そんな時間は──」

「私が知ってる」

 

その言葉に、全員が同じ方を向いた。

そこにいたのはミクルだ。

 

「ミクル……いいのか?」

「大丈夫。問題はないから」

 

ミクルに対して、その場の全員が注目していた。

 

「先に自己紹介しとく。美川ミクル、ガンダムMk.IIのパイロットをやってる。

 

 

それからパクスからMk.IIを持って脱走してきた元親衛連隊の隊員」

「「「「!?」」」」

 

ミクルのカミングアウトに、ユイナを除く全員が驚愕していた。

 

「ひ、ヒナ委員長……親衛連隊って?」

「パクスの生徒会長直属組織「親衛隊」。

その中でも生徒会長である高原アマネの護衛を担当している部隊よ」

「モビルスーツパイロットと歩兵戦闘員、それから戦車兵や砲手もいるらしいが、その誰もがキヴォトスでも上位に位置付けられる精鋭……詳しいことは連中が戦場に出てこないからわからんがな。

だが……武装親衛隊の中に親衛連隊の連中が転向して出てくることもあるという噂もある。

それが本当なら武装親衛隊のエースの中でもトップの連中は親衛連隊出身が殆どじゃないか?」

 

ヒナの説明に、ヨハネが付け足す。

それを聞いたイオリは背筋が震えた。

アビドスや今回の戦いにもそんな連中が混じっていたと考えると……

 

「美川ミクル……突如現れてレジスタンス内で頭角を現したエース。

なるほど、親衛連隊出身なら納得だ」

「ミクル、それであれはなんだ?」

 

話を続けるためにアキはあの戦艦について疑問を飛ばした。

 

「プルウェア級飛行駆逐艦。対地攻撃に主眼を置いた空中戦艦の1種だ」

「よくもまぁあんなものを開発したものだ」

「元々、ガンダムが封印されてたっていう遺跡に封印されてたアーカイブからサルベージされた設計図が基になってる。

まぁ……開発部長も「こんなもの浮かせられるか!」って匙を投げたんだけど」

「だが現実には浮いているぞ?」

「そう、本来は浮かせられないから実現しないはずだった……あれが見つかるまで」

 

あれ?

そう呟いたヨハネにミクルは頷く。

 

「反重力システム、それが封印されてたアーカイブからサルベージされたの」

 

この時、アキと話を聞いていたストライク、ブルー、AGE-1、4、5号機は心が一つになった。

 

『『『『『「(アクア(母さん)のあれかぁ?!!!!)」』』』』』

 

1人と5機の心の中で、アクアが満面の笑みでダブルピースをしていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「つまり……あれはその反重力システムで浮いていると?」

「うん。と言っても、反重力システムていうのは本校側の便宜上の呼称。

開発に関わってたユニウス分校の連中曰く、GNドライヴっていうやつの発展形らしい」

 

確かに……確かにアクアはGNドライヴで戦艦作れないかとか言ってたよ?

でも実現出来ないとか言ってなかったか?

 

『(た、多分……現代キヴォトスの科学と当時の科学が科学反応を起こしたんだと思う……)』

「(確かにウタハとか、宇宙戦艦作ろうとしてたけどさぁ!?)」

『(うーむ……どう攻略するべきか……)』

『(そもそも何で巨大ロボットは作れるのに空飛ぶ戦艦は無理なんだよ……)』

 

真面目に話してくれているミクルに悪いが……

俺達の頭の中は色々混乱している。

一先ず……話に入るべく俺は疑問を飛ばした。

 

「で、でだ……どう攻略する?」

「プルウェアは対地攻撃にステータスを振ってる。だから、近接戦に弱い」

「なるほど……対空火力の低さを突くのか」

「でも、それを補えるようにモビルスーツもかなり搭載出来る」

「後の問題は空戦可能なモビルスーツの数だな。現状だと内のダガーLくらいじゃないか?」

「サブフライトシステムがあるから、ある程度は地上部隊から割り振れる。

問題は誰がいくか……」

 

一般兵だけじゃあれは墜とせないだろう。

十中八九親衛隊も出てくる。

それに、近づかれれば弱いなら、その分装甲を盛ってる筈だ。

 

「私が行く。この中でプルウェアに一番詳しいのは私だし。

……それに親衛連隊のやつを一人釣れる」

「それなら、ミクルの部隊は全員で空中戦艦の撃破だ」

「他にも誰かいけないか?」

 

流石にこれだけじゃ心許ない。

すると……

 

『俺が行く』

 

志願したのは、AGE-1だった。

 

「AGE-1……」

『装甲が固いんだろう?なら俺のドッズライフルでぶち抜く。得意分野だ』

「……頼んだ」

『任せてくださいガンダムさん』

「よし、攻撃の再開は明後日。今度は朝早くに仕掛ける。それまで各々身体を休めてくれ。じゃあ、解散」

 

俺はそう言って、会議を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『一つ疑問がある?』

「何AGE-1?」

『どうしてパクスを抜けたんだ?裏切る要素は……こう言ってはなんだがないだろう?』

 

会議の後、AGE-1と一緒に格納庫に戻ってきた──って言ってもマニピュレーターに乗せてもらってるんだけど──そしたらAGE-1がそんなことを聞いてきた。

脱走の理由……か。

 

「気に食わなかったんだよ」

『?』

「私たちのためとはいえ……自分の名誉を貶めることに何の躊躇いもないアマネ会長も、誰もいないところで壊れていってる会長から目をそらして、

ただ戦争に邁進する……今のパクスも……」

『……』

「だから……抜けた。レジスタンスにいるのは……元親衛隊の私を拾ってくれたユイナに恩返しがしたかっただけ」

 

そう言って、私は愛機の整備を始めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

会議の翌日

二コラ解放後の初日の出……と行きたかったが、生憎の雨だった。

気分がさらに沈まなきゃいいが……

 

「にしても……酷いなこりゃ」

 

見渡す限り廃墟や残骸の山。

昨日の会議だって、仮設テントでやったんだ。

二コラは……キヴォトスで一番戦争の被害を受けた学園かもしれないな。

復興にどれくらいかかるんだろうか。

戦争の終わりの目途すら立ってないのだ。

 

「要塞を掌握すれば、自治区の住人や生徒は戻って……来れないよな……」

 

まず住む場所がない。

テントで寒い思いをするなら難民用の仮設住宅の方が何倍もいいだろう。

 

そんな事を考えてる俺は何をしているのかというと……

戦闘の跡を見て回っていた。

レジスタンスの独断専行の裏で、救助作業は完了している。

だから、あるのは兵器の残骸だけ。

 

頭を失ったモビルスーツ

ペシャンコの戦車

バラバラになった火砲

地面に突き刺さっているモビルスーツの実体近接武器

俺はその全てを目に焼き付けていた。

開戦当初こそは、「キヴォトスだから」で軽く見ていた。

でも、現実は違う。

人が死ににくい……死ににくいからこそ、残酷な現実が襲ってきた。

 

生身にビーム兵器を平然と撃ち

爆撃は虐殺にはならないが、だからこそ苦しむ避難民が大勢できて

本来なら原作で普通の日常を送っていた筈の子達が、戦場に出る

死なないから……余計に苦しみが続く。

こんな事……本当は言っちゃいけないのに……地球での戦争は苦しみながらも死ねるだけマシって思う自分がいる。

戦争に、マシもなにもないのに……

 

「だからこそだ……絶対に止める。

ピースは揃ってるんだ。卒業までに、絶対に止める」

 

今年で、アマネも卒業だ。

今年で止めないと、待ってるのは……

パクスが勝っても、連合が勝っても、残党がテロリストと化する地獄絵図。

それに……アマネの頑張りを、あいつが勝ち取った独立を、水泡に帰させることだけは絶対に……

 

……何かっこつけてるんだろ。

 

「そろそろ戻るか──ん?」

 

戻ろうとしたら、視界の端に見覚えのあるピンク色の髪が映った。

考えるよりも先に、足が動いていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

冷たい。

機能停止してから時間が経ったのと、雨に濡れたからか、

そこからは金属の冷たさだけが伝わってきた。

 

「……」

「……アマネ?」

「な~にソルちゃん?」

「……いや、なんでも」

 

なんだろう。

 

「……まだ見ていくのか?」

「うん。これは……

 

 

私の罪だから」

「……そうか」

「言ったじゃん。責任は取るって。あの時」

 

忘れんぼさんかな?ソルちゃんは。

 

「……そろそろ限界だ」

「そう……じゃぁ──」

「アマネ!」

 

帰ろうか。

そう言おうとしたら、懐かしい声が聞こえてきた。

 

「ガンダム……さん?」

「九条アキ……」

 

そこにいたのは……ガンダムさんだった。

 

「何をしに来た?」

 

ソルちゃんがガンダムさんに銃を向けた。

私は、ソルちゃんをそっと制する。

 

「……アマネ?」

「大丈夫」

「……」

 

それを聞いてソルちゃんは銃を降ろした。

 

「……」

「……」

「……久しぶり、だな」

「うん、そうだね」

 

……気まずい雰囲気が流れていた。

だって、今は敵同士。

しかも、戦争している陣営のトップ同士だ。

 

「なぁ、アマネはどうしてここに?」

「……皆の頑張りを見に来た。それだけ」

 

半分噓で半分本当だ。

 

「……」

「ねえ、ガンダムさん」

「……なんだ?」

「今、楽しい?」

「楽しくない」

 

即答だった。

まぁ……当たり前か。

 

「……アマネは、今の状況を本当に望んでるのか?」

「……唐突だね」

「どうなんだ」

「せっかちだなぁ……望んでるよ。

だってもう直ぐ平和になるんだよ?」

「……俺には負ける気はないって言ってるようにしか聞こえないな」

「そうだよ?逆に、勝てるの?」

「……」

「内部で政治的に水面下に割れているゲヘナ

多数の派閥が蹴落とし合いしててまとまる気のないトリニティ

三大校の中で科学力はトップだけど、まともに軍事力を持ってないミレニアム

アオちゃんがいなくなって、ガンダムさんや他のガンダムで何とか持ってる烏合の衆の連邦生徒会

もう一度聞くよ?勝てると思ってるの?」

 

ガンダムさんはそれを聞いて黙っちゃった。

図星なのかな。

 

「……勝つ必要はない」

「?」

「俺の目的は、はなっからお前を止めることだ」

「そう……じゃあなんであの時いなかったの?」

「!?」

「……大事な時にはいなかったのに……止めに来てすらくれなかったのに……今さら?」

「……」

「私は、止まらないよ。自分で始めたことなんだから、最後までやり遂げる。

それが、上に立つ者の責任だから」

「アマネ……」

「じゃあねガンダムさん。

 

 

 

もう会うことはないだろうけど」

 

私は……その場をソルちゃんと後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

「アマネ……」

「……ぅぅ……ひぐっ

「アマネ……俺がいる。俺が……一緒にいるから」

「……ありがとう……ソルちゃん

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日・早朝

 

『敵部隊、すでに展開しています』

『夜通し見張ってたのか?』

『こちらも徹夜でしたが……副会長?』

「ん?あっ、なんでもない」

『副会長、合図を』

「ああ……」

 

ガンダムが、傍に置いてあるバズーカを手に持つ。

信号弾を放つための特注品だ。

そして、それを打ち上げた。

 

開戦の、号砲だ。

 

 

 

ゲヘナ反抗戦

その最後の戦いが始まった。

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