ヘンゼルとゲレーテル(プリン訳版) 作:プリムラ・プリメーラ
今日はね、みんながよく知っている『ヘンゼルとグレーテル』のお話を、とーっても甘くてぷるぷるな世界で新しく書いちゃいますよ。
むかしむかし、深い深い森の近くに、ヘンゼルとグレーテルという仲良しの兄と妹が住んでいました。
二人が森の奥深くへ迷い込んでしまったのは、恐ろしい継母のせい……ではなく、実は「世界で一番美味しいプリンの森を探しに行ったから」という説があります。あ、もちろん諸説ありますからね!
「お兄ちゃん、道しるべに置いてきたパンくず、小鳥さんに食べられちゃわないかな?」
「大丈夫さ、グレーテル! 今回はパンくずや白い小石の代わりに、特製のちっちゃなカスタードプリンを道しるべに置いてきたからね!」
「わあ、すごい!……って、お兄ちゃん! お日様があつくて、道しるべのプリンが溶けちゃう〜!」
そう、ぷるぷるの道しるべは、お日様にあたって全部とろとろの甘いカラメルソースになってしまったという説があります。(もちろん、これも諸説ありますよ!)
帰り道がわからなくなって迷子になってしまった二人ですが、森の奥から不思議な匂いと一緒に、へんてこな音が聞こえてきました。
ぬんぬんぬーん。ぬん?
「なんだろう、この音?」
二人が草をかきわけて進むと……なんとそこには、屋根も壁も煙突もぜーんぶプリンでできた、夢のような『お菓子の家』ならぬ『巨大プリンの家』があったのです!
「わぁ……風に揺れて、ぷりんっ!ってしてる!」
グレーテルが目をきらきらさせて近づくと、カラメルのおんぼろドアにはこんな可愛い看板がかかっていました。
『ただいま、プリン熟成中でーす』
中にいるのは、子供を食べてしまう悪い魔女……ではなく、きっと美味しいお菓子を作る優しい妖精さんですよね?(諸説あります!)
でも、お腹がペコペコのヘンゼルは、たまらずプリンの家の壁を大きなスプーンですくおうとしました。
「いただきまーす! ぬんぬんぬーん。ぬん?」
「あっ、お兄ちゃん待って! そんな一番下のところを食べたら、プリンが崩れちゃうー! ぐしゃー!」
ぷるん、ぷるん、ぐしゃーっ!
あーあ、甘くて優しいバニラの匂いがいっぱいに広がって、二人はとろとろのプリンまみれになっちゃいました。
「わぁーっ! プリンが崩れちゃうー! ぐしゃー!」
なんと、ヘンゼルが一番下のプリンをすくってしまったせいで、巨大なプリンの家はぷるぷる揺れて、あっという間に崩れてしまいました。
すると、とろとろのプリンの山の中から、シロップまみれのおばあさんが飛び出してきたのです!
「おやまあ! 私の可愛いお家が!」
このおばあさん、実は子供を食べてしまう恐ろしい魔女……ではなく、森でひっそり暮らす「プリン愛好家の妖精さん」だったという説があります。あ、もちろん諸説ありますよ!
おばあさんは怒るどころか、ニッコリ笑って言いました。
「まあいいさ。新しいお家を作るのを手伝っておくれ。さあ、中へお入り!」
そう言って、おばあさんはヘンゼルを『特大バケツプリンの牢屋』に閉じ込めてしまいました。
おばあさんの本当の目的は、子供を丸焼きにすること……ではなく、甘いものをたくさん食べさせて「立派なぽっちゃりプリン職人に育てるため」だったという説があります。(もちろん、これも諸説あります!)
ヘンゼルは毎日毎日、牢屋の中で甘くて美味しいプリンを食べさせられました。
おばあさんはとても目が悪かったので、毎日ヘンゼルの牢屋にやってきてはこう言います。
「どれくらい太ったか、指を出しておくれ。ぬんぬんぬーん。ぬん?」
でも、ヘンゼルは賢い男の子。自分の指の代わりに、道端で拾った小枝……ではなく「細長い棒状のチョコクッキー」をおばあさんに触らせました。
ポキッとしたクッキーを触ったおばあさんは、
「なんだ、全然ぷにぷにじゃないねえ。これじゃあ、まだまだプリン熟成中でーす」
と首をかしげて、もっとたくさんのプリンを運んでくるのでした。
一方、妹のグレーテルはおばあさんに言われて、大きなお鍋と かまど のお世話をさせられていました。
かまどの火はどんどん熱くなって、世界一美味しいジャンボプリンを蒸し焼きにする準備が進んでいます。
「あつーい! かまどのそばにいたら、グレーテルまで溶けちゃう~」
ある日、おばあさんがグレーテルに言いました。
「かまどのオーブンの中に入って温度がちょうどいいか見ておくれ。ぷりんっ! とおいしく焼ける温度か確かめるんだよ」
でも、グレーテルは気づいていました。おばあさんはグレーテルをこんがり焼いて、プリンの上の可愛いトッピングにしようとしているのだと……!(という恐ろしい説があります。あくまで諸説ありますからね!)
グレーテルはわざと困った顔をして言いました。
「おばあさん、私、どうやって入るのかわからないわ。ぬんぬんぬーん。ぬん? って呪文を唱えるの?」
「バカな子だねえ! こうやって頭から入るんだよ!」
おばあさんがオーブンの扉を開けて、よいしょっと頭を突っ込んだその瞬間!
グレーテルは後ろからおばあさんをエイッと押し込んで、バタン! と扉を閉めました。
「わあーっ! プリンが崩れちゃうー! ぐしゃー!」
オーブンの中からおばあさんの声が聞こえましたが、安心してくださいね。おばあさんは黒焦げになったわけではなく、オーブンの熱でとろとろの「極上なめらかプリンおばあさん」に生まれ変わったという説があります!(諸説あります、諸説ありますとも!)
「お兄ちゃん、今のうちよ!」
グレーテルは急いでバケツプリンの牢屋を開け、ヘンゼルを助け出しました。ヘンゼルはすっかり「プリン熟成中でーす」な、ぷにぷにのほっぺになっていました。ぷりんっ!
二人は、おばあさんの部屋で見つけた宝物……金貨や宝石ではなく、「絶対に失敗しない魔法のプリンレシピ」と「最高級のバニラビーンズ」をポケットいっぱいに詰め込みました。
森を抜ける帰り道、大きな川がありましたが、白い水鳥さんに「ぬんぬんぬーん。ぬん?」と優しくお願いすると、背中に乗せて向こう岸まで運んでくれましたよ。
お家に帰ると、いじわるだった継母の姿はありませんでした。(甘い匂いに誘われて、遠くの『パンケーキの森』へ引っ越してしまったという説があります。諸説あります!)
心配して毎日泣いていたお父さんは、二人をぎゅっと抱きしめました。
「お父さん、ただいま! お土産に魔法のレシピを持ってきたよ!」
「これからは、みんなで甘いお菓子を作ろうね。もう、溶けちゃう~くらい幸せだよ!」
それから三人は、おばあさんの魔法のレシピで毎日美味しいプリンを作り、みんなで「ぷりんっ!」と笑い合いながら、いつまでもあまーく幸せに暮らしたとさ。
ぬんぬんぬーん。ぬん?
めでたし、めでたし!