龍と狐と人間の子   作:人外の人間

44 / 49
第44話 建築とは

日が昇り、明るい朝を迎えた。

 

ご飯は面倒なのでさっさと家を建てる。

 

これでも妖怪の身。体力などは人間の数倍もある。

 

ましてやかなり強いほう。普通に妖怪よりもあり、人間から見たら十数倍にもなる。

 

とりあえず基礎を固められたので、木を建てる。

 

一番良い質の太い材木を大黒柱として建て、祈りを簡易的に捧げ、力を他よりもかける。

 

大黒柱がぽっきりいったら大変なことになる。

 

瀬那「こう?」

 

「うん。」

 

今の時刻は午前8時ごろだろう。

 

柱は大体立った。

 

月夜見「何か手伝うことある?」

 

「…じゃあ前の家の中のもの全部出して、解体してくれる?」

 

月夜見「わかった。」

 

月夜見にお願いをしたら、材木を用意する。

 

そして梁を差し込む。これが"木組み"だ。

 

釘とか使うと木の傷みが早くなる。

 

あくまでも自然として生えていたそのままを使う。

 

木組みは、時間が経つと自然と中の水分によって膨張し、建ったときよりもさらに強固になるのだ。

 

平屋にしたのはわざわざ2階にする理由がない。

 

まず、土地自体かなり広い。人がいっぱい入るとかそう言うわけでもないから、部屋を大量に作ったって宝の持ち腐れである。

 

梁も全部できたら、壁と瓦を同時並行でやる。

 

塗装は漆喰。なんか町の店で漆喰を売っていた。

 

漆喰は石灰からできていて、防火の効果がある。

 

はっきり言ってほとんど活躍しないだろうが。

 

まあ木が剥き出しとかよりはマシだろう。

 

その塗装も含め瀬那に頼んだ。

 

私はその間に瓦を窯から取り出す。

 

瓦は力とか使って速攻で乾かした。さすがに粘土はこの辺ではあまり採れないので、川の上流の方へ行って採ってきた。

 

え?川の上流は粒が小さい*1のは少ない?

 

『え?そんな曲がる?』というぐらい曲がっているところがあってそこで採ったのだ。

 

色は燻銀(いぶしぎん)*2。一番落ち着く。

 

野原があり、その少し高い丘にある白い壁に黒い瓦の家。

 

なんとなく風情がある。

 

そんなわけで頑張って仕上げた。

 

鍵は能力のやつで水を使って張った。私か瀬那が開けようと思えば開けられる。だから、実質的に鍵がない。

 

瀬那も壁を張り終えた。

 

あとは内装とかだけ。

 

ここまで時間がかかっていなさそうだが、実際はもう夕方である。

 

月夜見「お疲れさん。街でお茶買ってきたよ。」

 

「ありがとう。」

 

瀬那「冷たいやつだ。ちょうど欲しかったの。」

 

「解体お疲れ。ありがとね。わざわざ手伝ってもらって。」

 

月夜見「良いよ良いよ。」

 

もうすぐ夏。まだ梅雨には入っていないが、少し暑くなってきた頃。日差しも強くなってきた。

 

一休みして、今日の分仕上げたらまた明日だ。

 

月夜見「建築ってこんなに早いものだっけ。」

 

「いや…」

 

瀬那「そんなことないと思う。」

*1
川の下流の方に侵食作用で削られ小さくなったのが堆積作用でたまる。理科の教科書で出てくるやつ。

*2
伝統的な黒色瓦

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。