龍と狐と人間の子   作:人外の人間

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手が進む進む

<ヤメラレナイ~ トマラナイ~


第5話 永い時間

それからというもの、本当に長い時間が過ぎていく。

 

人間はもちろん、意思を持った妖怪でさえ見ない。

 

そしてある時、私達は美しい景色を見つけた。

花々が咲き、水がさらさらと流れていき、太陽が注ぎ込む生き生きとした大地。こんな絶景に、私も猫も見惚れていた。

 

「ここに家を建てるとしよう。」

 

猫「ニャー。」

 

そうして家を建てる、といってもただ適当に木を立てて屋根つけるだけ。私にそんな技術はない。

 

先程も言ったが、水が流れているため、魚も手に入る。加えて裏には木が生えている。しかし、何と言ってもここには稲があるのだ。

 

つまりだよ?つまりだよ?

 

「米が食べられる〜!」

 

猫「ニャーーーーー!」

 

とはいえ、釜がない。釜が。

 

しかも人間とかいるはずもないから、作るしかない。

 

少し歩いたところに岩肌がある。ここでどうにか金属を取れないか…。

 

よし。

 

「掘るぞー!」

 

私は女子、あまり言うことではない気がするが関係ない。男前な女子がいたって良いじゃない。まあ他大体女子っぽい気がするが。

 

ほぼ無限に等しい体力がある妖怪とはいえ、疲れるものは疲れる。そんなところにお風呂があればな〜と思えば、反対側の川は温泉が流れてきていた。

 

いくら何でも好都合すぎない?

 

掘った石を穴にひいて床と壁を固めた。これで綺麗なお風呂だ。

 

転生した時にはいつのまにかあった服を脱いで…別の服ないからどうすれば良いんだ?

 

今更すぎる。

 

綿から頑張って服を作ってと。

 

風呂入るのに重労働すぎない?

 

ザブーン。

 

転生して初めて入る風呂。やっぱり気持ちいい、とはならない。なんせ前世の記憶すっ飛んでいるから。しかし気持ちいいのには変わりない。

 

猫には少し水溜まりみたいなので我慢してもらおう。

 

それにしてもあったかい。

 


 

ずっと過ごしていたが、流石に暇すぎる。もう多分10年くらいは経った。

 

猫はいつのまにか尻尾がわかれていた。私の妖力でも受けたのだろう。

 

さてどうしようか。旅に出てもいいのだけどこの地に帰られなくなるのは不安である。

 

あ、そうだ。

 

記憶の水を生み出して。

 

この水を見つければ良いようにした。絶対に蒸発せず、なくなればまた湧き出るようにした。その水に火があり、それが結界を作り侵入も朽ち果てることもないようにした。

 

「また旅に行こう。」

 

猫「ニャー…。」

 

「大丈夫、必ず辿り着けるようにしたから。」

 

猫「ニャー。」

 

そうして、私達はまた旅を始めた。

 


 

この世界本当に誰もいない。

 

転生してからもう100年が経った。

 

そして歩いていると…

 

「海だ!」

 

ものすごく嬉しい。遊べるからではない。塩を手に入れられるからだ。

 

私の能力を使えば複製が簡単にできるので、一滴だけもらった。

 

猫が怖がっているのでそろそろ離れよう。

 

「どっち行く?」

 

猫「ニャー。」

 

「よしこっちね。」

 

私たちの旅はまだまだ続く…。

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