<ヤメラレナイ~ トマラナイ~
それからというもの、本当に長い時間が過ぎていく。
人間はもちろん、意思を持った妖怪でさえ見ない。
そしてある時、私達は美しい景色を見つけた。
花々が咲き、水がさらさらと流れていき、太陽が注ぎ込む生き生きとした大地。こんな絶景に、私も猫も見惚れていた。
「ここに家を建てるとしよう。」
猫「ニャー。」
そうして家を建てる、といってもただ適当に木を立てて屋根つけるだけ。私にそんな技術はない。
先程も言ったが、水が流れているため、魚も手に入る。加えて裏には木が生えている。しかし、何と言ってもここには稲があるのだ。
つまりだよ?つまりだよ?
「米が食べられる〜!」
猫「ニャーーーーー!」
とはいえ、釜がない。釜が。
しかも人間とかいるはずもないから、作るしかない。
少し歩いたところに岩肌がある。ここでどうにか金属を取れないか…。
よし。
「掘るぞー!」
私は女子、あまり言うことではない気がするが関係ない。男前な女子がいたって良いじゃない。まあ他大体女子っぽい気がするが。
ほぼ無限に等しい体力がある妖怪とはいえ、疲れるものは疲れる。そんなところにお風呂があればな〜と思えば、反対側の川は温泉が流れてきていた。
いくら何でも好都合すぎない?
掘った石を穴にひいて床と壁を固めた。これで綺麗なお風呂だ。
転生した時にはいつのまにかあった服を脱いで…別の服ないからどうすれば良いんだ?
今更すぎる。
綿から頑張って服を作ってと。
風呂入るのに重労働すぎない?
ザブーン。
転生して初めて入る風呂。やっぱり気持ちいい、とはならない。なんせ前世の記憶すっ飛んでいるから。しかし気持ちいいのには変わりない。
猫には少し水溜まりみたいなので我慢してもらおう。
それにしてもあったかい。
ずっと過ごしていたが、流石に暇すぎる。もう多分10年くらいは経った。
猫はいつのまにか尻尾がわかれていた。私の妖力でも受けたのだろう。
さてどうしようか。旅に出てもいいのだけどこの地に帰られなくなるのは不安である。
あ、そうだ。
記憶の水を生み出して。
この水を見つければ良いようにした。絶対に蒸発せず、なくなればまた湧き出るようにした。その水に火があり、それが結界を作り侵入も朽ち果てることもないようにした。
「また旅に行こう。」
猫「ニャー…。」
「大丈夫、必ず辿り着けるようにしたから。」
猫「ニャー。」
そうして、私達はまた旅を始めた。
この世界本当に誰もいない。
転生してからもう100年が経った。
そして歩いていると…
「海だ!」
ものすごく嬉しい。遊べるからではない。塩を手に入れられるからだ。
私の能力を使えば複製が簡単にできるので、一滴だけもらった。
猫が怖がっているのでそろそろ離れよう。
「どっち行く?」
猫「ニャー。」
「よしこっちね。」
私たちの旅はまだまだ続く…。