Re;IRISは思春期!   作:how-kyou

1 / 3
はみ出したい ん~(ボロン ( ꪊ)⊂)
これくらいならセーフか…?


⭐︎ぎゅっと守ってた蕾(意味深)ほどく

放課後の教室。

 

プロデューサーは、いつも通り書類に向かっていた。

仕事ぶりは至って真面目。

表情だって至極真剣。

 

ただし、その背中だけが、限界まで丸い。

いわゆる、猫背だ。

 

「プロデューサー、姿勢悪いわよ?」

 

見かねた咲季が声をかける。

 

「……」

 

集中のあまりキーボードのカタカタタイムが継続。

 

「ちゃんと座ってくださいって言われてますよー?」

 

見かねたことねが背後に近付き…、

 

ゴキンッ‼︎

 

「ぐおぉぅっ!?」

 

テイクダウンが極まった。

会議室に、やけに景気のいい音が響いた。

 

「イテテテ……あー、申し訳ありません。無意識に姿勢、悪くなっちゃうんですよね……」

 

涙目でことねに向き合う。

 

「まったく…。それなら、頭に本でも乗せて矯正してください」

 

「本を乗せて、ですか?」

 

プロデューサーが、ハテと首を傾げる。

 

「そうです。頭から落ちないように座り続けたらいずれ姿勢矯正されるじゃないですか」

 

「なるほど…一理ありますね……こんな感じでしょうか?」

 

プロデューサーはすぐに座り直し、置いてあった書類で代用してみせる。

 

「へーいいじゃない!さっきより綺麗に座れているわ!」

 

その背後で、手毬が無言で一冊の本を取り出した。

 

「…そんな紙切れよりも、ちょうどいい本をプロデューサーの部屋から見つけたんだけど、矯正に使えるんじゃない?」

 

「…月村さん?いつの間に部屋入ったんですか?」

 

「美鈴の見張りだよ」

 

「なんか持ってきてるんだったら、それ以上の罪では…?!」

 

手毬の行為に驚いたプロデューサーだが、継続して綺麗に座っているがゆえに、その表紙は見えていない。

 

見えていないのだ。

 

「……え"っ??手毬…ソレ、本当にプロデューサーの部屋にあったん??」

 

 だから、ことねの顔が引きつった理由も分からない。

 

何を持ってきたんだ、と

咲季が本を覗き込む。

 

「……なるほどね」

 

「咲季さん?」

 

「…これなら高い効果を見込めるかもしれないわね!」

 

「ちょっ、咲季も効果を見込まないで!」

 

「え、何がですか?ナニ持って来たんです!??」

 

そろそろ、プロデューサーが振り返ろうとする。

 

「あのー見ないほうがいいかと…」

 

ことねが即座に止めた。

 

「え?なぜです??」

 

「…とにかく、今は見ない方がお互い幸せです」

 

「そんなに危険な本なんですか?」

 

「危険というか……」

 

 ことねが言葉に詰まる。

 もう一度チラッと見る。

 

 手毬は淡々と、これ見よがしに本を掲げた。

 そして表紙を上向に、プロデューサーの頭に乗せた。

 

 

 

 

つ【大人向け雑誌69号 時代は白いクツシタ】

 

 

 

 

 咲季は真剣に、その厚みを確認していた。

 

「重さ、安定感、存在感……申し分ないわね」

 

「咲季、本質を見失ってる!」

 

「藤田さん? それは本だけに……ですか?」

 

「黙ってください」

 

「俺の部屋から出てきたんですよね?」

 

「それはこっちが聞きたいですね…」

 

 プロデューサーは困惑したまま、三人の顔を見る。

 

 ことねは疲れた顔。

 咲季は前向きな顔。

 手毬は、楽しそうな顔。

 

「ふっ……別のところも姿勢が良くなるかもね」

 

「なんも上手くねぇぇ!その発言はアウトだぞ手毬ィィ!!」

 

 その一言で、プロデューサーの背筋が自然と伸びた。

 

「……本気で嫌な予感がします」

 

「正しいです、有罪です」

 

プロデューサーは思う。

「何を持ってきたんだ…??」と。

 

ことねはそろそろ本を奪い取ろうかと思いながら、深く息を吐いた。

 

「藤田さん、俺気になります。何の本なんですか?」

 

「プロデューサーは、そのまま背筋だけ伸ばしててください…一生矯正されてる方が幸せですよ」

 

 プロデューサーは言われた通り、頭に本を乗せ続け、黙って背筋を伸ばした。

 

 姿勢矯正は成功した。

 

 ただし、本人だけが、何によって矯正されたのかを知らなかった。

 

 知らぬが仏。

 

 しかし、この後…この教室にあさり先生が訪ねて来るのは、誰も知らない。




まぁセーフやろ。
よければネタください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。