昨日から腹壊してらぁ、呪い説。
Re;IRISは思春期!2
⭐︎見えない未来 手探り(♂) 今日も証明してみせる
放課後の教室。
明日のレッスン内容を確認していた花海咲季は、ふと窓の外を見た。
もう夕方だ。
「もうすぐ日が沈みそうね…。プロデューサー、今何時かしら?」
花海咲季は、時間をかけて
今日の晩御飯の準備をしなければならないのだ。
「えーと……」
プロデューサーは腕時計を見る。
だが。
「あれ? …止まってますね、この腕時計」
秒針すらも止まっていた。
接触不良だろうか?
それなりに値の張るものゆえに、そうであってほしい。
そう思い、一縷の望みを乗せて、手首を軽く振った。
ブンブン…
無情にも、動かない。
ブンブンブン…
「…プロデューサー」
手毬が、妙に静かな声で言った。
腕を振り続けるという哀れな動作を、
見かねたのだろうか?
「美鈴から聞いた話だけど、腕時計は異性の象徴らしいよ」
「月村さん、なんで今それを言っちゃったんですか…?」
違った。
だが、この手毬の一言は碌なことにならないだろうと直感する。
「時計が止まるのは、関係が停滞している暗示ってコト…?」
「藤田さんはいつ占い師に転向されたんですか…?」
思ったよりもポエミーに解釈された。
てっきり、下なネタな方向に進むと思ったのだが…と、プロデューサーは安心した。
咲季が、ハッとした顔をする。
「つまり……腕時計を上下に振っているプロデューサーは……!」
「咲季さん、その先は絶対に違います。上下運動はそういった行為を示しているのではなく」
「停滞した関係を、自分の手で動かそうとしているのね!」
「意外と綺麗に着地っ!?」
プロデューサーは叫んだ。
予想外なポエミーな解釈が続いていたからだ。
「いやでも…今のプロデューサーの腕の動きはオナ【ピーー】にしか見えなかったんだけど…、アウト寄りじゃない?」
プロデューサー自身が、腕を振る行為に感じた既視感はソレだった。
しかし、認めるわけにはいかない。
「三人中二人が停滞した関係と解釈しているんです。そんな邪な解釈は」
「…なるほど、そういう見方も出来るわね。欲求不満なのかしら?」
「二対一になったけど?手伝おっか、プロデューサー??」
「…」
ナニを、とは聞けなかった。
教室に、微妙な沈黙が落ちた。
その時。
チッ。
小さな音がした。
プロデューサーは、はっとして腕時計を見る。
秒針が、動いていた。
「……あ、動きました!」
「あら、本当ね」
咲季が覗き込む。
ことねも目を丸くした。
「え、さっきまで完全に止まってたのに…運がいいですね〜プロデューサ〜」
手毬は、静かに言った。
「つまり、プロデューサーとわたしたちの関係も一歩前進した?」
「腕時計の秒針が一秒進んだだけですね…」
ことねが即座にツッコむ。
「というか、今何時ですか?」
プロデューサーは時計を見た。
「……えーと」
そして、静かに言った。
「…三時間前ですね」
「…ことね、手毬。今日はチキンとサラダのみよ」
咲季は、食事を作るために時間を聞いていたことを、今思い出していた。
ガチで腹壊れたが。
気が向いたら一言書いていってっちょっ♡