次の日
日が昇って、朝になりました。今日はもう、呉鎮守府に帰ります。あまりここに長居する必要もないですし、帰ってからの任務も控えています。
「昨日は、本当にありがとうございました。また機会があればぜひ、ここ横須賀鎮守府に立ち寄ってください。いつでも歓迎いたします。」
「ぜひ、よろしくお願いします。それでは。」
***
真っ暗な、何もない世界に光が差し込む。それまで、暗闇に溺れ、もがき苦しんでいた自分にとって、希望ともいえる光。無我夢中で這い上がる。暗闇から浮かび上がり、光を浴びる。
ここは・・・
「やあーっと、意識が戻ったみたいだね。まったくこの寝坊助さんときたら、丸三日も寝続けるんだから。」
目が回る。意識もはっきりとしない。体に力が入らない、動けない。そして、聞き覚えのある声が聞こえる。
「ぁ・・・?」
「ほらほら起き上がらないの。身体の損傷もひどくてまだ治りきっていないんだから。」
何とか力を入れて起き上がろうとすると、誰かの手によって押し戻される。だんだん視界もはっきりしてくる。白く、殺風景な天井と丸い電球。そして、私を覗き込んでいる顔。
「久しぶりだね、僕のことがわかるかい?駆逐艦、夏月風君?」
そこにいるのは、私の設計と建造を行った、東京海洋研究所の人。
「分かります。お久しぶりです。」
「まだしゃべるのも辛そうだねーぇ。ま、無理はしなくていいよ。あと、しばらくは絶対安静ね。」
そう言って部屋を出ていった。そのあとは、眠くなったので、また寝ました。
***
次の日
「さて、君の艤装の損害状況を説明する。まずは機関部。ここが一番ひどい。浸水して、タービンに海水が入り込んで水蒸気爆発を起こした。4基のガスタービンはすべて破壊された。ディーゼルエンジンは生きてはいるが、それでも損傷していて半分の出力も出ないだろう。次に武装面。主砲は揚弾機や装填装置に深刻な金属疲労、そして一部の断裂を確認。そして後部の3基は弾薬庫が爆発して完全に破壊されてる。魚雷発射管は、後部の2基が破壊されて、前方の1基は生きている。その他装備に関しては、通信、電探系統、射撃方位盤、測距儀は全損。船体に関してはもう、内部からの爆発が激しすぎてわけのわからんことになっている。せめて前方の損傷は後方に比べて比較的マシだったから調べはしたが、破口が38箇所。装甲の断裂が12箇所。はっきり言って、艦首は脱落寸前だったよ。なんでギリギリまで浮いていたのか。本当に不思議でならない。まったく、無茶をしすぎだ。もっと自分を大切にしなさい。」
「あなたから言われるとは・・・私も落ちましたね。」
「おい・・・それはどういう意味だ。」
「医者の不養生という言葉はご存じで?」
「うぐっ・・・ま、まぁ、しばらくはあんまり暴れないようにな。」
「それは深海棲艦に気分次第ですね。」
皆さまこんにちは。お久しぶりです。夏月風です。損傷して寝てました。さて、私が寝ている間、この作者の体たらくを晒していたようですね。今回の投稿はちょっと早いようですが…。