果てしなき戦争の行く末に   作:快晴Ⅲ

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第二話

次の日 07:30

「・・・この編成で、迎撃に当たれ。」

深海棲艦が大規模な艦隊を組んで侵攻してきました。そして今、全員に召集がかけられ、編制が発表されたところです。私は迎撃艦隊には入っていません。つまり、鎮守府で留守番ですね。まぁ、いつものことです。ですが、これには規則があって、練度が20以下のものは、大規模な戦闘が予想される時は、編成に入れてはいけない、というものがあるため、仕方ないです。理由としては、低練度のものが艦隊の足を引っ張ることがないように、そして、その者自身を守るためです。・・・さて、しばらくは暇なので、何か遊んでますか。

***

鎮守府・地上射撃場

日本のレーザーが交差したその箇所に向けて射撃をしていく。今やっているものは、複数の目標に対し、正確に撃破する能力を鍛えるためのもの。最近はさぼっていたから、スコアが落ちてしまいましたね。あ、もちろん私が鎮守府トップのスコアを持っています。

「そろそろ終わりにしましょうか。」

電源を切り、弾を回収する。

「・・・良し、不足なし。」

片付けを終えて外に出ると、警報が鳴った。

「はぁ、今度は何なんですか・・・。」

急いで講堂に行くと、鎮守府に残っていた全員が集まっていた。

「遅いぞ。」

「申し訳ありません。」

「まったく、で、今の状況は防衛線を突破した艦隊がここに迫ってきている。周辺の艦隊も迎撃に出たが、それも突破され、もう後がない。よって、ここに残っている戦力のみで防衛を行う。」

行動全体がざわつく。そして不安が全体を覆う。まあ、無理もないでしょう。なにしろ、ここに残っているのはほとんどが建造されてから数週間から数か月しか経っていない方しかいないのですから。戦闘経験がない方も多いですし、すぐに沈んでしまう方も多いでしょう。そうなると、誰が出るか、というのは必然的に一人に絞られます。そう、私です。

「そういうわけで、夏月風、お前が行け。」

「分かりました。では、準備してきますね。」

そう言って講堂を出て、すぐに海へ出る。

「はぁ、なぜこうなっているのでしょうかねぇ。」

少しして、もう会敵しました。

「敵弾警報、全艦、回避運動取り舵一杯。」

さっきまでいた場所に、複数の水柱が立つ。さらに、目視できる範囲にまで敵がいる。

「ここまで近づかれていたんですね。」

主砲を動かし、砲撃。撃ち返してきたため、回避。そうしている間にも、放った砲弾が着弾。

「直撃3、至近4。」

「座標修正。撃ち方始め。」

再度砲撃し、先頭にいた軽巡と駆逐艦を撃沈。そこでまた敵弾警報がなる。

「回避。」

速度を上げて進路を変更する。直後、大小様々な水柱が上がる。これを見るに・・・、重巡も撃ってきましたね。これはあまり時間を掛けていられませんね。まだまだ負担は大きいですが、やってみましょう。

「主砲、連続射撃、撃ち方始め。」

速度をさらに上げ、敵水雷戦隊に肉薄し、普通ではありえない速度で砲撃をする。1秒間に2発、それを5秒間10発を打ち込む。敵は次々と爆発し、炎上していった。

「重巡は・・・見えました。急ぎましょう。」

体に軽いだるさを覚えながら、重巡に接近する。水雷戦隊はまだ少し残っていますが、時間がないため無視します。接近していくにつれて、激しくなる砲撃。それをジグザグに動きながら回避する。

「主砲、八式墳進徹甲弾装填。主砲発射準備、目標、重巡洋艦主砲直下、撃て!」

速度45ノット、250mまで一気に接近し、砲撃。主砲を撃った場所から、空中に白い線を描きながら飛翔し、直撃。重巡の装甲を貫通。そして、大爆発を起こした。後続も同じように撃破していくが、ここで邪魔が入った。空母航空隊による空襲。

「対空戦闘開始。」

搭載されている機銃と、魚雷発射管の上部に設置されている高角砲で対空戦闘を行う。しかし、さらに邪魔が入った。先ほど無視した水雷戦隊が追いついてきたのだ。

「これ以上やることが増えると、流石に厳しいですね・・・。」

ここで、機関の一段目の安全装置を解除。速度を50ノットまで引き上げ、高機動状態に移行し、高速戦闘を仕掛ける。飛んでくる砲弾を回避し、反撃。当然ながら、揺れが激しく、狙いずらい。ギリギリまで接近してから砲撃をする。敵弾警報が常に鳴り響く。すぐさま進路を変えて、回避。

「そろそろ終わりそうですね。後は、戦艦をどのように撃破するかですが・・・」

そこで、気が付いた。”異常”、に。

ドガァン!!

「ぐ!・・・クッ!」

敵の砲弾が艤装に直撃。衝撃が体を襲う。

「いつの間に・・・気づけませんでしたね。」

そこにいたのは、通常の深海棲艦とは一線を画す能力を持った個体、通称強化型。それが私に砲撃をしてきた。周辺の艦隊が突破された理由にも納得がいきますね。再び周囲に水柱が上がり、視界がふさがれる。その水柱を通って砲弾が飛んできた。それを艤装にかすらせながら回避し、射撃予想地点とその周囲に3回砲撃。そしてすぐに飛び出し、視界を確保する。見えました。敵はこちらに主砲を向けている。そこから、壮絶な砲撃戦が始まった。お互いに主砲を撃ちまくり、飛翔してくる砲弾をよけ続ける。だが、すべてを回避することはできず、損傷が増えていく。

このままでは埒があきませんね・・・。今は、私の方が不利な状況に置かれています。 たとえ撃破できたとしても、相打ちに終わってしまう。

二人の動きについていけず、固まっている重巡のよって射線が切られたその瞬間、勝負に出る。今まで使わなかった魚雷を発射。本来は戦艦の攻撃に使いたかったのですが、そうも言っていられません。重巡の前後を挟むように発射、そして、ギリギリ迄射線が切れるように自分の位置を調整し、ある程度したら、飛び出す。そして、背中を向けて距離をとるような動きで、敵を誘い出す。これに乗ってくれなかった場合、撃沈はほぼ不可能になります。ただ、そんな心配は杞憂に終わりました。敵が私を追撃し始めました。そこにさらに魚雷を発射。当然だがよけられる。うまくいきましたね。そこで主砲を連射。狙うのではなく、砲弾をばらまくように砲撃する。放った砲弾の一部が次々と直撃し、爆発を起こす。そして、さらに数発。そこでようやく敵深海棲艦の強化型を撃破できた。

「はぁ、はぁ、はぁぁ・・・。やはり・・・強いですね。」

そこに敵弾警報。聞こえた瞬間、身を投げ出す。ギリギリ間に合わず、至近弾を喰らう。

「う、グゥ!」

衝撃で海面を転がり、受け身をとって起き上がる。

「これは・・・どうしましょうかねぇ。今残っている魚雷では、到底足りません。誰かに連絡できればいいのですが・・・。」

さっきの戦闘で、通信機は破壊されてしまいました。まぁ、私に退くことは許されていないので、戦うしかないのですが。立ち上がり、機関を冷却しながら、戦艦部隊の様子を見る。ここから見えるのは8隻。その周囲には護衛の艦艇多数。先ほど使った魚雷の本数は14本。残りの魚雷は31本。戦艦一隻の確実な撃沈に必要な魚雷の本数は、外れる分も考えると5本。すべての戦艦を撃沈するのは不可能。それに、どこにいるかはわかりませんが、空母も複数います。・・・せめて、推進機に当てて動けなくさせましょう。敵が砲撃してきたのに合わせて、自分も動く。

「せめて、足止めだけでも・・・。」

 




さて、今回は私のことを少しお話しましょうね。まず、実艦を展開した時のスペックですが、
全長148m 全幅12m 排水量4200t
機関出力約186,000hp 
ガスタービン4基、ディーゼルエンジン4基、艦本式缶2基

武装
主砲、60口径12,7cm3連装砲5基12門
高角砲、45口径12,7cm連装高角砲2基4門
機銃、五式40mm機銃 連装12基24挺
   20mm機銃 連装8基16挺、単装12基12門
   13,2mm機銃 連装2基4門
魚雷、61cm五連装魚雷発射管3基15射線

こんなもんでしょうか?駆逐艦にしては重武装すぎる気がしますが、細かいことを気にしてはいけません。
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