(閲覧注意)ラノベ風小説やラノベのSSなどを書くスレ(お題もOK)(6)
≫67 誰か
陶器でできた美しい貴婦人の彫像の中から、パンツ一丁のオッサンが出てくる話
≫68 ummt
「ハッハッハ!!勝利の美酒こそ旨いなものはない!!」
我が軍が敵地の制圧に成功し、略奪品もとい戦利品を眺めながら宴を開き、呑めや食えやのどんちゃん騒ぎをしていると何処からともなく微かな口笛の音が聴こえてくる。
「曲者……?仕掛け工芸の類か?」
出処を探すと、一つの白磁製の裸婦婦人像から確かに音が鳴っていた。
「中に蓄音機でも入ってるんですかねぇ」
不審に思い、隅々を隈無く指でなぞるが繋ぎ目一つ見つからない滑らかな作りになっている。
「ええい!不気味なものは壊してしまえ!!」
隊長が剣を振りかざすと、婦人像は勝手に動いてバリンと床に転げ落ちて割れてしまった。
そして……
「なっ!!何者だ貴様!?」
陶器の破片の中からブリーフだけを身に着けた一人の男が珍妙な姿で現れた。
「私はパンツ一丁マン!!」
呆気にとられて絶句していると、男はその隙に側にいた部隊員の腰から剣を抜き出してニヤリと笑い隊長の腹にめがけて一振した。
「ぐっ……曲者だ!!ひっ捕らえろ!!」
隊長が叫ぶと皆は我に返って剣を構えた。
「敵軍とはいえ、なんと卑劣で破廉恥な……」
部隊員達が男に斬りかかろうとすると別の像もパリンと割れた。
「私もパンツ一丁マン!!」
あまりの混沌とした状態に皆は半狂乱になり、我を忘れて二人に斬りかかると、男達は中年体型の割に身軽でヒョイヒョイと剣先を躱していく。
「おのれ変質者が!!」
そう叫んで剣を振り落とすと脇に激痛が走り、みると割れかけている新たな像から伸びた手によってナイフで貫かれて出血していた。
「私もパンツ一丁マンだ。これがトロイの木馬ならぬ戦地の貴婦人彫像ということさ」
≫57 誰か
お題
ほしゅ作業
≫81 ummt
『ほしゅ』
カタカタとキーを打ち込んで、エンターキーを押すと伸びをした。
スレッドのタイトルは『私が演じたスターチスについて語るスレ part.9』、このスターチスというのは80年代に製作された10分アニメの主人公である少女の名前だ。
当時はアニメブームだったから、番組間の隙間枠として放送されていたらしい。
ただ、午後三時という時間帯に放送されたことと粗製乱造のチープな作りで原作無しのオリジナルものだった事もあって、セル画と共に会社が無くなると作品の名前を聞くことは殆ど無くなった。
そんなある時に、検索しても花の画像しかなかった検索結果欄にスレのPart.1にあたるタイトルが目に飛び込んできたのだ。
覗いてみるとタイトル通り、本文に1話に対して演じた際に感じた想いとキャラクターに対する考察が事細かく1,000文字以内に収められており、それ以降は何も追記等が無かった。
慌てて『ほしゅ』と書き込んで、レスが200を超えて落ちるのを8日間かけて見届けると、新たなPartスレが立った。
自分の他には荒らしがたまに来るくらいで、スレ主もレスを返したりしない。
「ばあちゃん……。」
死んだ婆ちゃんは若い頃に女優を志していて、その仕事の一環として声優の仕事をして、唯一主演として貰ったのだといつも自分に聴かせてくれていた。
『スターチスなんてキャラクター聞いたことないよ!ばあちゃんの嘘つき!』
幼い頃にそう言い放ってしまった記憶が葬儀会場に供えられていたスターチスを見た瞬間にフラッシュバックして、寝付けないままでいたところに舞い降りた誰かの戯れに縋ってしまったんだ。
『スターチス、いいキャラですね』
そう書き込もうとして、デリートキーを押した。
『ほしゅ』
いつまでこのPartが続くかは分からない。
それでもスレがある間は、落とすことなく保守作業をしようと思う。