その手であなたの明日を掴めるのなら   作:Ψ( 'ω'* )

1 / 1
ループ確定条件が確定しているのは、ハリーの両親は必ず死んでしまう事、お辞儀様が倒される事。

因みにタイムターナーでは無い。

気分次第で続き書くかも書かないかも。


普通の女の子

 

 

 

英雄と呼ばれた女の子は話して見ると至って普通の子だった。もちろん悪い意味じゃなくて年頃のウチの妹の様な人というか。第一印象がそれだった。悪戯も度を超えなければ寛容だったし人を助ける様な笑える悪戯だったら尚楽しそうだった。

 

五年生の時とある地図を渡したら目を輝かせて最高だと抱き着かれた。うーん、流石に純粋で心配になる。俺やジョージだからまだ良いものの年頃の男の子に抱き着くのは下手したらその気が有るのかと思わせてしまい兼ねない。やんわりとそれを告げれば素直に言葉を受け取り再度お礼を言いハリーは外へと出掛けて行った。

 

六年生のとある日は四年に一度の交流会が有りそこで普通は絶対に選手に選ばれない筈の彼奴が選ばれ一人孤立していた。年齢制限の輪に入れたとしても名前を入れた瞬間俺やジョージの様な爺さん姿になって居ても可笑しくない。

 

彼奴を一人にするのは違うと思いせめて俺達だけでもと声を掛けると彼奴は申し訳無さそうに笑って居た。下手したら俺達にも孤立の被害が出るのではと。自分の心配より他人の心配かよ。全く人が良過ぎじゃね?

 

一回戦目を終える頃には弟のロンやハーマイオニーと仲直りしてまたいつも通りの生活が始まったがダンスパーティーがある事を知るとダンスをしたことが無いと明かした。それを知ったマルフォイはちょっかいを掛けたが彼奴はそれどころでは無く顔を真っ青にし絶望していた。それを見たマルフォイは慌ててフォローしていたのはちょっと面白くなかった。

 

だからダンスを教える次いでという名目でダンスパートナーとなった。ロンからはジト目でこちらを見ていたのはいい思い出だ。弟よ彼女を作りたいならもっと積極的に行かなきゃ駄目だぞ。

 

「助かるけどフレッドは良かったの?人気者なんだから人選び放題なのに」

 

「良いんだよ。ハリーこそ良かったのか?相手が俺で」

 

「フレッドだから良いんだよ。兄の様な存在だから安心出来る。私恋愛に疎いらしく周りがそういう話で盛り上がってもそんなに分からなくて。勿論素敵な事だとは思うけど見てるだけで胸いっぱいになるから」

 

「ふーん?」

 

「こんなに楽しい『普通』の時間が有るのはフレッドのお陰。ありがとうお兄ちゃん」

 

「全く出来た妹だなお前は。もっと甘えろよ」

 

「・・・うん」

 

返事はしたものの彼奴は余り甘える事はなかった。甘え方が分からないのだろう。虐待こそされなかったものの叔父や叔母から愛情を注がれず同年代のいとこからもイジられる事はあるものの付かず離れず。

 

言い方を変えれば赤の他人の距離感を保っていたと聞くしその延長戦でロンやハーマイオニーとも若干線を引いていた。徐々に改善されつつは有るが習慣は中々治りにくい。だからこそ俺も目を話せない。全く世話が焼ける。

 

七年生の時は魔法省やらなんやらで学校がすっかり暗い雰囲気になっちまった。どうせ俺もジョージももう学校ではやる事ないしママの許可も得て彼奴の援助で悪戯専門店用の店も土地も買えたから中退してもいいが、ちょっとアンブリッジは気に入らないから最大の悪戯をしてから中退する事にした。彼奴が提案したダンブルドア軍団に参加して悪霊を退ける魔法も教えて貰った。結構教えるの上手いと思った。

 

例の悪戯は大勢が集まるテストの日にした。闇の魔術に対する防衛術の時間に。理由は単純明快、アンブリッジが居るからだ。結果は大成功。その後暫くして店を開いた後大忙しだったが楽しく仕事をしている。

 

ヴォルデモートが復活して暗い雰囲気なこの国を少しでも明るくしたかった。俺達の悪戯グッズで。

毎日楽しく過ごせる日が普通になる様に。

 

そして二年後、 ヴォルデモート軍と対峙した時ハリーは死亡してしまった。代わりにダンブルドア校長がヴォルデモートを倒したのだ。校長曰く『ハリーはあそこで死なねばならぬ運命じゃった』との事。

 

巫山戯んな!!!

 

ハリーは『普通』を求めていた普通の女の子だったのに。何で死ぬ運命を辿らねばならなかったのか。納得がいかない。折角あの二人と距離が縮まって三人組として親友になったのに。

やっと俺達にも甘えてくれる様になったのに。

 

彼奴の人生学校しか休める場所が無かっただろうに永眠するのも学校だなんてあんまりだ。

 

彼奴の体はピクリとも動かず手を握っても握り返される事はなく酷く冷たかった。覚悟を決めて居たのか避けようと抵抗した傷がなく禁忌呪文で一発で亡くなったのが分かる。

 

もう緑色の優しい瞳でこちらを見つめる事も、時折お兄ちゃんと悪巫山戯混じりに呼ぶ声も、他愛のない話をする事も弟達と仲良くしている所を見掛ける事も二度と無いのだと再確認させられた。

 

彼奴の遺体は後日盛大に埋葬された。

 

普通の女の子が英雄として死んでしまった。これから何にも縛られず自分の人生を歩んで行ける筈だったのに。ヴォルデモートが無意識に作ってしまった分霊箱だったばかりに。

 

今後の人生を捨ててまで彼奴は仲間の未来を優先した。何処までも優しく自己犠牲の精神が大きい。どうしてあの子が、とママも号泣しパパが隣で慰める。

 

嗚呼神様、どうかお願いします。家族同然だったハリーをどうか、蘇らせてください。

そう願わずには居られなかった。

 

「あちゃ〜この未来に辿り着いちゃったかぁ」

 

喪服は着ているが変な眼鏡と古臭い帽子を被り季節外れなマフラーを首にかけた青年がそう語った。

 

「やり直したい?」

 

「当たり前だろ!!だって、こんなのはあんまりだ!!!ハリーは英雄になりたかったんじゃない、普通の女の子で居たかった、それなのにこんな最後だなんて報われないだろ!!」

 

「・・・随分彼女の肩を持つんだねぇ。実に自分勝手だ。まあ、彼女の肩を持つと言うよりは自己満足に近いね。彼女は自ら受け入れたのに」

 

「ああそうだよ!!俺は自分勝手さ。ママやパパにだって悪戯して困らせもした!先生達にだって沢山迷惑を掛けたさ!でも!本当の妹の様に思っていた子が死を覚悟して死んだ話を聞かされて、それでいて『やり直したい?』だなんて聞かされれば自己満足だろうがやり直したいに決まってる!!」

 

「あはは、いいねぇ。それでこそこれを扱うに相応しい。実に面白いねアルバス」

 

「先輩、もしや貴方は歴史を変えるおつもりで?」

 

「嫌だなぁアルバス。そんなに身構えないでよ。彼にとっての一種のループさ。大筋の結果は変わらない。トムが負ける事やハリーの両親は死んでしまうこととかね。タイムターナーじゃ無いからね。自分と顔を合わすこともないさ・・・僕やアルバスがこれを使えば歴史を変えれるから話は別だけど流石に学生時代やグリンデルバルドと戦った時からのやり直しは無理さ。これの方が先に壊れちゃう」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・彼女の母、リリーは僕の弟子だったんだ。本当はその娘の彼女にもこの魔法が扱える才能があった。教える前に亡くなっちゃたけど。君が納得いかない未来に辿り着いた場合『君の意思に反して居たとしても』何度でもループを繰り返す。それを知っているのは古代魔法を使いこなす僕と君だけだ。まあ、記憶を保持するのは今こうして話してる事だけ。アルバス・ダンブルドアすらこの会話の記憶すらループするから消える。良いかい?君は今から一人でループを繰り返すんだ。膨大な時間を要するかしれない。最後にもう一度だけ確認する『本当にやり直す覚悟はある』かい?」

 

「ああ!」

 

こうして返事をした後、眩い光に包まれた後暫く動けずに居た。次に目覚めた時は家の中で隣には相棒、ジョージが寝ていた。それも随分と若い姿で。一体どんな魔法を使ったのかどうやら俺は本当に過去に戻って来たらしい。ハリーを助ける為に。

 

それにしてもあの変な格好の人が言っていた膨大な時間を要するかもしれないとはどういう意味だろうか。今回で助けられるから気にしないで良いのではないか。そんな単純な思考を嘲笑うかのようにハリーが何度も死ぬ姿を見るのはこの時の俺は知る由もなかった。




閲覧ありがとうございました(*・ω・)*_ _)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。