その手であなたの明日を掴めるのなら   作:Ψ( 'ω'* )

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フレッドは一回目はほぼ何もしません。ハリー(♀)に優しくするお兄さんムーブをしているだけ。
二回目以降から行動予定。


ループ一回目

一ヶ月後俺は家族と駅に向かっていた。教科書を見るに恐らく三年生からやり直しだろう。つまりはハリーとロン達が入学する歳からやり直しという訳か。当たり前といえば当たり前か。

 

「あっ、あのっ!すみません、私、その、」

 

「9と4分の3番線に行きたいのね?」

 

「はい」

 

ちっこいし眼鏡壊れてるけど間違いなくハリーだ。生きてる。

 

「なぁ相棒」

 

「どうした相棒」

 

「あの額の傷って」

 

「嗚呼間違いなくハリー・ポッターだ。後で声掛けに行かね?」

 

「賛成!」

 

「いい?9番線と10番線の間を真っ直ぐ進むのよ。怖かったら小走りで行きなさい」

 

「はい」

 

「次はフレッドよ」

 

こう見てるとハリーってやっぱ可愛いよなぁ。本当に妹みたくてさ。ウチのジニーの様に。特にこの時期は初々しいというか。魔法と触れ合う機会が少なかったから右も左も分からず、というのも有るのだろう。

 

ママに俺がジョージだと冗談を言いジョージがフレッドだと冗談を言う。これは前も一緒だった。見分けてくれてるママは本当に凄いよ。恥ずかしいから言えないけどさ。

 

ハリーが9と4分の3番線に入ったのを見届け、カートを押しネタバラシをした。ママはちょっと怒ってたけどいつもの事だ。許してくれるだろう。

 

カバンを載せる時ハリーが大変そうだったので今回は俺が手伝った。ジョージは意外そうにこちらを見つめる。別に良いだろ。偶にはこういう気遣いしたって。

 

「ありがとう。えっと、」

 

「フレッド・ウィーズリーそんでこっちが」

 

「ジョージ・ウィーズリー。双子だ。そっくりだろ?」

 

「うん、似てるね。よろしく。私はハリー・ポッターです」

 

「「よろしく」」

 

お下がりで背丈に合わないかなり大きい服を着ていた。ズボンは流石にへそ周りが調整できなかったのか古市で格安で売られていた物をかったのか質素で古くはあるものサイズ感は合っていた。

 

確か昔ハリーにマグルの写真を見せてもらったことがあったがそこに映っていた、いとこのダドリーはハリーより体格が良かった。と言うのもハリーは標準体型より少し細かったから服が大きいのは当たり前。

 

「ねぇ二人共、ホグワーツって楽しい?」

 

「そりゃあ」

 

「もちろん」

 

「「楽しいさ」」

 

それから数ヶ月後。

 

驚いた事にハリーが初年度からセドリックと仲が良い。というのもハリーは箒に乗る授業を受ける前はセドリックという人物について知らなかったからだ。そもそも寮も違うしな。

 

もしかするとループする毎に少しハリーの行動が違うのかもしれない。一回目だからまだ確証は無いけど。だとしたら思ったより慎重に行動する必要がある。

 

確かにセドリックは良い奴で勉強熱心で成績も優秀で優しいと来た。だが何処かハリーと仲良くしているのが気に食わなかった。俺達の方が先にハリーと仲良くなったのに、と。多分彼女が妹の様な存在だからそう思うのだろう。

 

それに彼奴は六年の時ダンスパーティーでチョウ・チャンを誘って居て何時からかは知らないが付き合っていたしムカつくけどイケメンだからモテるのも分かる。だからと言ってハリーからもモテるのは面白くない。

 

「おいハリー面白いイタズラ道具開発したんだが見に来ないか?」

 

「え、いいの!?・・・あっ、でも今セドリックと話してて」

 

「良いよ、行ってきな。同僚の先輩と仲良くするのも大切だよ」

 

「じゃあそうしようかな。ありがとうセドリックまたね」

 

「うん。じゃあまたねフレッドもイタズラは程々にね。先生方にも迷惑掛けちゃ駄目だよ」

 

「うるせーよ」

 

優等生な言葉。昔からそういう奴だよお前は。嫌いじゃねーけど反りは合わねぇ。パーシーが同学年に居るとこんな気分なのだろうか。それの方が嫌ではある。

 

パーシーは優等生に加え口煩く堅物だ。それが同学年、もしくは三つ子だなんて学校生活も家でも嫌だ。考えないことにしよう。パーシーは年上だから良かったんだ、そうだそうだ。

 

「フレッド、今度のイタズラ道具はどういう物なの?」

 

キラキラとした瞳でこちらを見つめる彼女。彼奴には見せなかった表情だ。そうだよな、彼女は俺といる方が楽しいよな。優等生より色んなイタズラ道具を作る俺達の方がいいよな。

 

そんな愉悦を抱えジョージやリー達と合流し例のイタズラ道具を見せる。凄くワクワクとした表情でそれを眺めている。やっぱりどう見ても普通の可愛い女の子なのに例のあの人と対峙しなくてはならないだなんて。

 

強制力とはなんて残酷なのだろうか。ただ一つの普通の子として生きたいという彼女の願いすら叶えられることが無かった前回。英雄として生きて英雄として死んだ彼女。

 

俺なら戸惑った挙句家族に迷惑を掛けてでも全員で助かりたいと思っちまうのに。献身的で勇敢で自己犠牲で聡明で目的達成の為なら何だってするその精神の性で俺達を守る為にした事だって分かってる。けどそれとこれは別だろう。もっと頼って欲しかった。もっと傍で成長を見守りたかった。

 

だから今回はハリーと付き合う奴は見極めなければならない。特に彼奴の様な優等生はごめんだ。相棒なら最高だが押し付けは駄目だからな。

 

そう思っていたがどういう因果か彼女はセドリックと付き合う事となった。おいセドリック、チョウ・チャンはどうしたんだよ。え、告白されたけど振った?マジかよ。

 

認めたくない事実が現実に起きてる。妹を取られた感情からなのか嫉妬心が沸き立つ。勿論セドリックに対して。彼女に対しては普通に接してるさ。幸せになって欲しいから。

 

「今度のダンスパーティーセドリックと踊る事になったんだ。ダンスなんて踊った事ないって言ったけどリードしてくれるって。凄く格好良かった」

 

「そうか。良かったな」

 

「うん!」

 

前より彼女が離れて行くそれは心の距離なのか何なのか。ジニーにも彼氏が出来たらこんな感情が沸き立つのだろう。その予行練習と思えば幾分かマシになるのだろうか。

 

俺はダンスパーティーに妹を誘い相棒はアンジェリーナを誘った。そして当日。彼女のドレス姿は前回と違っていた。

 

否、ドレス自体は変わってないのだがアクセサリーは彼奴が彼女に贈ったものでそれを身に付けているハリーはとても綺麗だった。それと同時に何で俺じゃないんだと心が痛んだ。

 

変だよな。妹の様に思ってる奴にこんな痛みを抱いてる事自体。きっと彼女がこんな綺麗な姿だからに違いない。きっとそうさ。そうじゃないと可笑しいからな。

 

「ヒュー綺麗だなハリー」

 

「ありがとうフレッド」

 

「ハリー君って女の子だったんだね」

 

「ロンってば失礼よ。私の時もそうだったけど貴方ってば友達にかける言葉時々可笑しいわよ!」

 

「まぁまぁ・・・あ!そうだった代表者は先に踊るんだったっけ」

 

「そうね、ハリー行きましょう」

 

「うん。ロン、フレッドまた後でね」

 

「OK」

 

「また後で」

 

そう言ってハーマイオニーはビクトール・クラムと、彼女は彼奴と手を握り一足先にホールへと足を運んだ。

 

ダンスを楽しそうに踊る二人を眺めると何とも言えない感情が沸き立つ。どうせただの嫉妬だろうと心を落ち着かせた。ハリーが幸せになる事。そしてハリーが生きること。

 

それが一番なんだ。そう言い聞かせて。だって今ハリーは生き生きとしているじゃないか。それだけでいい。

 

「フレッドはハリーの事が好きなの?」

 

「なんだよいきなり」

 

「だって他の人と付き合ってもハリー優先してたし今だってハリーを目で追ってるじゃない。それにダンスパーティーを妹の私と行く事に早々決めたし」

 

「お前と接する時と同じだよ。妹に恋なんて少なくとも俺はしないね」

 

「ふーん」

 

(無自覚なのも可哀想ね。自分で理解してない上に誰かさんに取られちゃうんだもの)

 

そうこれは恋なんてものではない。兄として妹が離れて行くのが嫌なだけだ。全くジニーも変な事を言うものだ。

 

それから対抗試合が再開し最後の競技を終えた筈の二人は何故か戻って来なかった。ポートキーが別の場所への転送になっていたらしく暫くした彼奴が彼女と共に戻って来た。但し、彼女は死体となって。

 

巫山戯るな。

 

彼女を護れず見殺しにした彼奴に詰め寄る。例のあの人が相手だったからだなんて理由は通用しない。何よりループ前より酷い死に様じゃないか。まだたったの14歳だぞ。シリウスもまだ生きてると言うのに先にハリーが亡くなってどうするんだ。名付け親より先に死ぬだなんて。

 

「・・・僕はハリーに助けられた。そしてその代わりにハリーは死んでしまった。だから、ヴォルデモートは僕が倒す!」

 

「だからそれが何だって言うんだよ!ハリーは生き返らないと言うのに!!」

 

「それは僕が一番分かってる。好きな子が目の前で緑の光に撃たれながら最後の言葉を吐いたんだ。貴方ならヴォルデモートを倒せるって。後は頼んだって。だから!!」

 

彼奴らしくない程荒々しい大声を出した事に気付いたのか少し落ち着きを取り戻し続きの言葉を吐き出す。

 

「僕が彼奴を倒す。そうしないと生かしてくれたハリーに返せるものが無い」

 

「そうかよ・・・」

 

これ以上は野暮だと思い手を離しハリーの方に顔を向ける。またこんな形で彼女の死を知らされるだなんて。なんて地獄だよ。

 

その後彼女の遺体は盛大に埋葬された。前よりもさらに豪華に。二度目の葬式。17歳の時だって短いと思ってたのに今回は更に短い。ママはまだまだ育ち盛りの子供なのにどうしてと号泣していた。そしてそれを支えるパパも涙を堪えていた。

 

その後はお察しの通り彼奴が分霊箱やら何やら破壊してホグワーツでヴォルデモートを打ち破った。愛の力って奴さ。多分彼女が死ぬ間際に無意識で古代魔法を使ったのだろう。死の呪文を跳ね返した彼奴がそのまま倒した。

 

それに比べ俺は慎重に動き過ぎたせいか17歳までは彼女が愛の護りで無事だからと何処か油断していたのかも知れない。それなら次はもっと大胆に行動する必要がある。次回こそ彼女を助ける為にも。

 

そしてそこで俺の意識が無くなった。次に目が覚めたのは家である。ループする場所も日付けもバラバラなのかよ。本当にループなのか?今度は俺達が入学する数日前だった。




ちょっと続きました(ง ˙ω˙)ว
次回も続いたらいいですね(白目)
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