どうも、ハリーの伯母のペチュニアです。 作:Ψ( 'ω'* )
『幸福な愛』という花言葉が含まれてて凄い良きだからです(意味浅)
P.S.このシリーズの過去一話が長くなりましたまる
どうも、作家として名前が売れている伯母です。今日は最新刊のサイン会(抽選)で本にサインして渡す係を担当してます作者です。直接サインするのは妹が甥を産んだ時以来なので結構前なのよね。
妹の訃報を知らされた一週間後にも打診はあったわ。ただ断りを入れた。葬式と子育てでそれ所では無いからと。それからは抽選に当たった人向けに直筆入り新作本を送る形式に切り替わったが、またこうしてファンと触れ合える機会があるのはとても嬉しく次回作にも力が入るというもの。
久々なので負担をかけない様にと配慮された結果、抽選もかなり人数を制限し五十名のみである。昔より確実に売れているのに昔より少ないのよね、私が不甲斐ないばかりに。代わりに直筆入りも有るから倍お得ということにして欲しい。
「次の方どうぞー」
「学生時代からのファンです」
「まあ!嬉しいわ。・・・あら、あんたそう言えば見たことあるわ。前にも来てくれたわよね」
「ええ。貴女の書く物語に惚れ込んでいまして。覚えていてくださったのですね」
「ファン全員は流石に難しいけれど、学生が来てくれたのはあんたが初めてだったもの。凄く印象に残ってるのよ。長年私の作品達を愛してくれてありがとう」
「・・・・・・・・・その、握手して貰っても良いですか?」
「勿論いいわよ」
サインを書き終え利き手を差し出す。相手は両手を差し出し震える手で握って来た。緊張しているのだろう。手汗も滲んでいた。でもとても嬉しそうだったのでこちらも思わず笑顔になってしまう。
手を離されるタイミングでふと腕部分に目が行きタトゥーらしきものが見えたのだがこの場では問わない事にした。やぶ蛇だわ。触らぬ神に祟りなし。今の人で最後と告げられゲストルームに向かい帰り支度をし、準備をしてくれたスタッフさん達に挨拶をした後帰宅した。ここならもう思考を吐き出しても大丈夫だろう。
誰か嘘だと言ってくれ。
腕のタトゥーらしきもの、あれは間違いなく闇の印だった。散々過去で観てきたもの。映画で。だから見間違える筈もない。
いっそずっと気付かない方が良かったわよ。学生の時点で気付けなかった自分は単なるファンとしてしか見てなかったのね。年下で男、それも麦色の髪にそばかすなんて一人しか居ないのに。本能が理解を拒否したのかしら。きっとそうであれ。でもわかる訳なくない?魔法族が非魔法族の一作家のファンだなんて誰が思うのよ。
ただの一ファンとして来てるだなんて。想定外だったわ。無い話では無いけどそれでもかなり確率として低い筈なのに。不思議な感覚だわ。敵同士でも味方同士でもない関係って有るのね。
これは彼に話した方が良いのかしら、否ただのファンと作者の関係だもの。言わなくても良いかもしれない。お忍びだろうし。それにしてもよく許可したものだよシニアさんも。恐らく屋敷下僕のお陰かしら。
少し落ち着きを取り戻し椅子に腰掛ける。そのタイミングで家の鍵が開いた。先程までの出来事が出来事で身構えたけどただいまと彼の声が聞こえ一安心。おかえりと返事をしそのまま鞄の中身を取り出す。
主に差し入れ品が入っていて食べ物は生ものとか手作りは受け取らないようにしている。お腹壊したら大変なのよね。後は手紙が多いかしら。今までの感想とか。後はキャラの概念の手作りキーホルダーも有ったわね。
「ペチュニア、君菓子買ってきたのかい?」
「全て差し入れなの。棚に閉まっておくから好きな時に食べていいわよ」
「やった!」
「甘いお菓子は食べ過ぎに注意してね」
「うん。前に怒られちゃったし程々にするよ」
と言いつつココアに入れてるその砂糖の量は何?見に染み付いた習慣だとしたら本当に減らした方が良いわよ。説教も注意もしたしこれ以上は言わない。好きな物を駄目だなんて止める訳にもいかないし。
菓子を棚に仕舞い手紙や手作りキーホルダー等は鞄に一旦戻し自室に運びファンレター用の箱に入れた。え、箱の大きさ?例えば100cmくらいの子供が丸まって丁度収まるくらいかしら。結構重量有るのよね、いい筋トレよ。そして、この箱ももう十箱目になる。我ながら凄いと自負している。手紙を送ってくれたファンにもそれを丁寧に貰った日付け順に並べて入れてる私も凄いと。
・・・念の為にあの人の手紙があるか探してみよう。念の為に。
一番古い箱から開けてみる。特に骨が折れる作業でも無くすんなり見つかった。古参も古参最古参。初めに手紙をくれていた人じゃないの。しかも割と分厚めに。
新作が出る事に律儀に送ってくれていた。『バーテミウス・クラウチ』の名前で。幾ら忙しくしてたとしても気付かなかった私の落ち度よ。丁度例のあの人の部下として活動していた時期にも変わらずファンレターくれてたなんて。
アズカバンに入ってた時くらいかしら。手紙が来なかったのは。どの箱にも大体あったもの。だとしたら伯母として明確な敵側に顔バレしてるんですけど。こればかりは甥に不利がない事を祈るしかない。
ノック音が聞こえ手紙を片付けながらどうぞと言う。キィっと音が鳴り扉が開く。彼が二通の手紙が来てると言い手渡してくれた。甥からの手紙、それともう一通は。
マルフォイ家からの手紙である。
聞き間違いかと思いもう一度尋ねる。あっ、やはり聞き間違いじゃなかった。送り主もマルフォイと書かれている。いつもなら甥の手紙を優先するのだが今回ばかりはこちらを先に読んだ。
マルフォイと書かれていたが手紙の中に書かれていた名は母親のナルシッサであった。今作の小説の感想、ドラコと甥が仲良くそれがドラコの成長の手助けとなってくれて嬉しいというお礼、その他長々と書かれていた。
「己の才能が恐ろしいまであるわ。最近そっちの世界でも流通してるのね」
「ん?向こうでもペチュニアの本なら主に貴族に人気だよ。フィクション作品なのに設定が細かくて特に魔法シリーズはこっちの世界にも通じるものがあって最高って評判さ。ただ・・・」
「ただ?」
「初回本が入手困難らしいよ」
「あらまあ・・・あんたはそんな話誰から聞いたの?貴族じゃないのに」
「オリバンダーさんにハリーの杖を頼みに行った時さ。彼も貴族の家だからね」
「そうなのね・・・でも何故貴族が主になのかしら?」
「金銭的な問題が大きいかな。こっちではそうでも無いけど、初回本も少ないし出回ってる数も少ない。そうなると自然と値段も釣り上がるだからだよ」
「成程・・・だからマルフォイ家からも手紙が届いた訳ね」
再度それに視線を落とす。綺麗な文字で綴られていて気品すら感じられる。きっと今も教養に富んでいるだろう。だとしたら今後の甥の為にもコネは是非とも作っておくべきだ。いざとなったら直接助けて貰えずとも助言くらいなら知恵を貸してくれる。この人は息子の為なら例のあの人に対して危険をも顧みないもの。
甥の手紙を読んでから返信しましょう。今回の手紙の内容は・・・あら!家へと招待されたのね。丁度この間ロンの両親と手紙のやり取りをしたばかりでタイミング良いわね。8月頃伺う予定だもの。
後は皆で外でフットボールしたとか勉強する時も皆でするから楽しいだとか。ホグワーツで充実した日々を過ごしているのね、楽しそうで何よりよ。他には望みを見せてくれる鏡を発見したとも書かれてる。私や彼にも見せたかったらしいとも。私は兎も角彼は見た事ありそうね。いえ、案外なかったり。
ホグワーツ城は広いと聞くし甥も彼が知らない場所に行って見付けたのかもしれない。何にせよ未だ無事で居てくれてる報告が嬉しいわ。最後に書かれた内容は何とパンジーについてだった。
ドラコは兎も角パンジーとまで仲良くなったのね。甥の対話能力凄いわね。これはセブルスも人たらしと呼ぶわ。え、彼が距離感のある女の子と仲良くなる為に会話の後にウインクしたら仲良くなるから使って見なさいって言ってたのを真似したの?使い所間違ってるわよあんた。
友達になりたい時じゃないの。気になる女の子が出来た時アピールする為に使うのがいい例なのよ。流石にまだ使うのが早かったわね。まあ失敗も経験の内。
失敗したのが一年生時で良かったわ、失敗しなかったらプレイボーイとでも呼ばれて居たわねきっと。・・・考えたら駄目ね。先ず思い付いてしまったのが義弟と名付け親でそれには似て欲しくはない。選択するのは甥だが。今後そうなったら悲しいわ。
コホン!兎に角それについては彼と話し合って追加で甥に恋愛感情として付き合いたい人が出来た時にするものだと彼から伝えて貰いましょうか。正確に話さなかった彼に最後まで責任を追わせないと。
そう目線を合わせるとニコリと笑みを向けてくる彼。うーん、この笑顔の所為で全て許せてしまいそうだ。身内だと尚更のこと。いや、これは甥にとって重要なことだもの。はっきり言わなければ。
「手紙を書いたら話しがあるの。ハリーについて」
「おや珍しいじゃないか。お茶を淹れて待ってるね、今日はどれが良い?」
「カモミール・・・否、ハーブが良いわ」
「ハーブだね了解」
(ハーブなら合わせる菓子はクッキーにしよう。確かまだペチュニアの手作りが残っていた筈だ)
ナルシッサと甥に夫々手紙を書いた後リビングへと戻り椅子へ腰掛ける。淹れたてのハーブティーを受け取り本題へと移れば彼は大笑いした後今度のイースター休暇に説明しておくと約束しクッキーを頬張った。
今までそう言った笑い方をするのは見たことが無かったので新鮮で少しばかり吃驚したが新たな発見をした気分で嬉しくもあった。腹を抱えて笑う彼をまた見たいとも。
ナイーブな話にはなるけど彼もまたマローダーズの一員だ。何を言いたいか察した人も居るだろう。その通りで彼もまた死ぬ運命にある。しかもあっさり。深い背景がある訳でもなく。ドロホフによって。たった一文くらいで。
・・・そんなの、嫌だわ。
もう妹の時のように何もせず彼の訃報を聞くなんて嫌に決まってるじゃない。こうして生きている人が明日にでも亡くなる可能性があるのは前世でもあった。ただ、救いがありそうな人をそのまま見て見ぬ振りは、身内ならまず無理。
届くなら手を伸ばしたいの。それが戦いへの直接的な手助けでなくとも。どんなに小さいことでも。そう言った意味では自分は欲張りなのかもしれない、狡いかもしれない。
「あんたのその笑い方私結構好きよ」
「えっ!?そう言われたのはリリーやジェームズ達以来だよ」
「それはそうでしょうね。だってあんたこの10年大笑いはして来なかったもの。見たのも初めてよ」
「本当に!?でも、それは君達と暮らすのが嫌だったとかじゃなくて、えっと、」
「それは見てれば分かるわ。今まで馬鹿げたことで笑う。なんて無かったもの。そう、このハリーの件まではね」
「あはは、ペチュニア今君最高にいい意味で悪い顔してるよ。やはりハリーや君と居ると毎日が楽しいね。育児も子供の相談も。まるで僕達三人が家族みたいだ」
「そうね、それは私も思ってた。苗字(非魔法族の戸籍上では甥はエバンズだけど)も違うし皆別の親を持ち育った環境も夫々で」
「それでいて絆がある。不思議な関係だ。それがまた心地いいのも事実さ」
「ふふ、嬉しいわ」
(彼女に好きと言われた瞬間口から心臓が飛び出るかと思った。なんてことの無い彼女なりの人としての笑い方が好きという意味であったとしても。それは私に向けてだったから)
甥と彼と私、世間的に家族よね。実際にはもう少し複雑で涙無しには語れないわ。まあ彼が今私が好きでも将来はトンクスと結婚するので、私達が付き合う若しくは結婚等というのは有り得ない為成立はしないが。
クッキーを齧りつつ野暮な事を思い浮かべる。甥が例のあの人を倒した時私は生きてても37歳。いい歳した喪女なおばさんである。需要なんてものは無い。旧友にとっては別だろうけど。
次いでにハーブティーを飲み干し時計を確認する。もうこんな時間なのね。夕飯の支度をしなくては。今日は何にしよう。最近はパン続きだったから麺か米が良いわね。
ペペロンチーノか天津飯・・・よし、お好み焼きにしましょう!作るものが変わるのはあるあるだわ。仕方ないことよ。幸い彼に夕飯のメニューを聞かれなかったから何を作っても懐疑的にならないのだ。
決して途中で面倒くさくなって材料を切って混ぜて焼くだけという単純作業にしようとした訳ではない。スープ付けなくて良いとか野菜の組み合わせを考えるのが嫌になったとかでは決してない。
「今日は何を作ってくれるんだい?」
「大阪風のお好み焼きよ」
「オーサカの?前のヒロシマとはまた違うのかい?」
「広島は重ねて焼く、大阪は混ぜて焼く。見たらすぐ違いが分かるわ」
「生地に最初から混ぜるんだね!面白いよ」
他にもチーズを乗せてとか組み合わせ色々とあるけれど今回はシンプルに豚玉だ。アレンジも美味しいけど結局自分はこの王道に戻ってきてしまう。たこ焼きも同様に。
ジューっと焼ける生地からいい匂いが漂う。日本製はこっちで買うとかなりの値段だったのだがどうしても料理の幅を利かせたくて家庭用のホットプレート(大きめの鉄板)買ったが正解だった。同時に焼けるから時短にもなるし全体に火が通りやすく生焼けしないのが魅力的だ。
生地を何度かひっくり返し焼けたら焦げないように火(電気)を止めお好みソースとマヨネーズ、鰹節と青のりをかけて完成だ。
「カツオブシが踊ってるみたいだね」
「熱々の証拠よ。冷める前に食べちゃいましょう」
sideクラウチ・ジュニア
母と入れ替わる形で俺はアズカバンから脱獄した。余命幾許もないからという母の願いで父は断り切れず断行した。俺の事は一切見向きもしなかったクセに。その点我が君は、あの素晴らしき御方は俺に期待してくださっている。嗚呼早く再会せねば、そして逸早く肉体を取り戻して戴きこの腐った世界を正しい道へと導いてもらわねばならない。
それを嘲笑うかのように父は服従の呪文を戸籍上の息子である自分に容赦なく掛けた。こんな事をされるぐらいならアズカバンにいた方がマシだ。屈辱意外の何物でもない。
そんな惨めな生活が続く中、屋敷下僕のウィンキーが本を手渡してきた。俺がアズカバンに居る間もずっと欠かさずに買っていたという。此奴の方が父より余程分かっているじゃないか。皮肉なものだ。
手渡された本の作者を確認するとあの『ペチュニア・ブルースター』だった。我が君とは別に慕っていた作者である。非魔法族で有りながら魔法ファンタジーも手掛ける作者でそれがまた何処か面白く学生時代すっかり物語に惚れ込んだ。
なんならサイン会にも行った程だ。きっと彼奴も覚えて等ないのだろう。当時からファンはかなり居たんだ。その内の一人ってだけさ。部屋に閉じ込められてすることも無いので久々にそれを開き活字を目でなぞるように読み進めた。
嗚呼・・・やはり面白いじゃないか。あの頃と同じ様に、否、あの頃よりずっと。年齢だってたった二つしか違わないのにこの文才。主人公の心理描写が胸を貫く。
そこへ更に追い討ちをかけるようにウィンキーが彼奴のサイン会が久々にあるから行ってみたらどうかと尋ねてきた。昔から彼奴のファンというのは一応母を通して知っていたらしくウィンキーの言葉も有り驚く程すんなりと外へ出る事が出来たが監視役としてウィンキーが市販の透明マントを被り着いてくる。
サイン会の抽選をどうやって当てたのかはウチのコネを使いマンダンガスと取り引きをしたらしい。ウチは名家で金だけは腐る程有るからな。大した金額ではないだろう。
「次の方どうぞー」
「学生時代からのファンです」
「まあ!嬉しいわ。・・・あら、あんたそう言えば見たことあるわ。前にも来てくれたわよね」
「ええ。貴女の書く物語に惚れ込んでいまして。覚えていてくださったのですね」
「ファン全員は流石に難しいけれど、学生が来てくれたのはあんたが初めてだったもの。凄く印象に残ってるのよ。長年私の作品達を愛してくれてありがとう」
「・・・・・・・・・その、握手して貰っても良いですか?」
「勿論いいわよ」
サインを書き終えたらしく利き手を差し出された。俺は両手を差し出し震える手で握る。緊張で手汗も滲んでいた。だがとても嬉しく久々に笑みを零した。微笑み返されるとは思ってなかったが悪くない。目の前の『ペチュニア・ブルースター』が欲しいぐらいには悪くない。
幸い彼女は魔法界でも特に貴族に人気だ。圧倒的な面白さの暴力に加え本の出回りの少なさ、故に貴族に受け入れられてる側の希少な非魔法族だ。ペットだなんだと理由付けすれば我が君もお許しくださるだろう。
そしてこんなにも素晴らしい作品を手掛けるのだ。頭も相当いいだろう。我が君に貢献する光栄なことをさせるのも悪くない。それになにより俺を認知していた。ずっと会いに行って無いにも関わらず。お前は俺の母・・・いやそれにしては年齢が近いか。お前は『姉』になるべき人材だ。
近い内数年以内には必ず迎えに行く。この服従の呪文を破り、我が君、ヴォルデモート卿を見付け準備が整い次第。何処に居ても迎えに行く。屈辱の中に光が指した。まさに俺の『ブルースター』だ。
sideクラウチ・ジュニア終
「・・・何故かしら、過去一嫌な予感がするわ」
「大丈夫かい?」
「今は多分大丈夫よ。でもいつか大変な目に逢いそう」
「その時は私がペチュニアを助けるよ」
「頼もしいわね。けど、そんな未来来ないで欲しい限りだわ」
閲覧ありがとうございました((*_ _)