妖精の大罪人   作:彩虹

1 / 1
幽鬼の支配者編
1話 大罪人の帰還


 

 幽鬼の支配者(ファントムロード)が六つの足を付けた要塞、超魔導巨人ファントムMk2内部にある魔導収束砲ジュピターによって、今にもマグノリアの港が攻撃されようとしていた。

 

「換装!」

 

 妖精の尻尾(フェアリーテイル)のS級魔導師エルザが、金剛の鎧に換装する。身を挺して、ギルドの仲間を守るために。

 そうして、発射された漆黒のビーム砲を防ごうとした。その時。

 目の前に突然、金髪の男が現れる。

 

「なっ!あなたは!」

 

 男は口角を上げ、背負っていた鞘から小剣を取り出す。

 衝突する寸前のジュピターに向かって小剣を、左上から右下へ線を描くように振り下ろす。

 その瞬間、キーンと鈴のような音が鳴れば、港に向かっていたジュピターは弾き返されると、空にあった雲を突き破っていく。

 その後、絶大な威力を誇ったビーム砲は、次第に威力が弱まっていき最後には空中で霧散していった。

 

「急いで帰ってきたら、物騒なもん撃とうとしてるのが見えたから焦った焦った」

 

 先程までの緊迫した状況から一変、金髪の男は振り向き軽快に笑う。

 

「にしし、みんな久しぶりだな」

 

 サラッとしている金髪と赤い眼、スラッとした長身に思わず見惚れてしまう程の端正な顔立ち。

 そんな姿に、一つの肖像画のように美しいとルーシィは感じてしまった。

 笑う彼に、ギルドの皆は全くあの人は、といった感じで笑う。

 あの強力な魔法を跳ね返した謎の男が現れると、マカロフが倒れ落ち込んでいた皆が、希望を得たといった感じで明るくなり、エルザは男にお辞儀をして、ナツは帰っきたー!と叫んでいて、ルーシィは困惑していた。

 

「どういうこと?あの人もギルドの仲間なの?」

 

 すると、ミラがルーシィの隣まで歩いてきていて。

 

「そう言えば、ルーシィは初めて会うわよね、あの人に」

 

「バ、バカな!情報ではクエストに行っているはず!」

 

 ミラがルーシィに対して金髪の男を紹介しようとすれば、要塞から荒々しくも混乱した、幽鬼の支配者(ファントムロード)のマスタージョゼの声が聞こえてくる。

 そんな声に反応する金髪の男。

 

「何故、貴様がここにいる!妖精の大罪(フェアリーシン)のランスロット・セブンズっ!」

 

「さてさてさーて、俺がいない内に仲間を散々甚振ってくれたみたいだな...ついでに酒場も壊してくれちゃってさ」

 

 小剣の柄で肩を叩きながら、軽快な笑みは鳴りを潜め要塞を睨みこむ。

 

「お前たちの犯した罪、しっかりと償ってもらうぜ」

 

 小剣の先端を要塞に向かって突きつける。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。