AIからお題を貰った掌編集   作:hk33

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### お題1:【お仕事・コメディ】「NOと言えないエージェント」
* **ジャンル:** 業界モノ × ドタバタ劇
* **キャラクター:**
* **敏腕マネージャー(男):** 常に冷静沈着、効率重視。
* **新人アイドル(女):** 天真爛漫を通り越して、予測不能な行動をとる野生児。
* **シチュエーション:**
彼女はマネージャーを信頼しているが、それは恋愛感情ではなく「最も有能な道具」としての信頼。彼女が巻き起こすスキャンダル寸前の騒動を、男が泥臭く、しかしスタイリッシュに解決していく。

### お題2:【青春・スポーツ】「砂に書いたスコアブック」
* **ジャンル:** 王道スポーツ根性モノ × 友情
* **キャラクター:**
* **挫折した元エース(男):** 怪我で夢を諦め、斜に構えている。
* **弱小校の熱血主将(女):** 技術はないが、誰よりも真っ直ぐに勝利を信じている。
* **シチュエーション:**
「あんたの力が必要なんだ!」と食い下がる彼女に押し切られ、男は不本意ながらコーチ役を引き受ける。泥にまみれ、夕暮れのグラウンドで共に一つの勝利を目指す。

### お題3:【ヒューマンドラマ・グルメ】「深夜二時のスープ」
* **ジャンル:** 癒やし系 × 飯テロ
* **キャラクター:**
* **疲れた会社員(男):** 日々の業務に忙殺され、感情を失いかけている。
* **不思議な食堂の店主(老婆):** ぶっきらぼうだが、客の心を見透かしたような料理を出す。
* **シチュエーション:**
終電を逃した夜にだけたどり着ける、名もなき食堂。そこで出される温かい一杯のスープと、店主との短い会話。それだけで、男の凍りついた心が少しずつ解けていく。


明るい系

 

 

 

NOと言えないエージェント

 

「ちょっとマネージャー!どうなってるのよ!」

 

 はあ……また始まったか。

 アイドル様のお怒りだ。

 周りにいた筈のスタッフたちは、そそくさと逃げていってしまった。

 そりゃそうだ、誰もコイツの怒りになんて触れたくないだろう。

 

「……何ですか?何の不備も無かった筈ですが」

 

「何よその嫌そうな顔は……あのねぇ!アタシはトラと触れ合えるって聞いてたのよ!なのに、来てみたらどうよ!目の前には檻!檻!檻!抱き締められないじゃない!」

 

「はあ……」

 

「タメ息つかない!」

 

「はいはい……」

 

「はい、は一回!」

 

 言うと思ってたよ。

 思わず天を仰ぐ。

 

 はあ……どうしろってんだ。

 こんなんでも、コイツは正真正銘のアイドルだ。

 そんなやつに虎と何の対策も無しに触れ合わせることなんか出来っこないだろ。

 常識的に考えて。

 

 目線を向けると、相変わらず不機嫌な顔。

 

 ……はあ。

 

「分かったよ。園長さんとプロデューサーに話してくる」

 

「ホント!」

 

「ただし、百パーセント無理だからな。そこんとこ分かっとけよ」

 

「ええ!分かってるわ!」

 

 本当に分かってるのかコイツ……

 

 俺は頑張った。超頑張った。それはもう頑張った。

 

 結果、通った。

 

 なんでだよ。

 

 

 

 一応の防護服的なものを着て、細心の注意を払って行われた撮影は、虎が大人しくしてくれていたのもあって無事に終了した。

 

 途中、アイツが防護服を脱ぎ出すハプニングはあったが……

 

 公開された映像は大いに反響を呼び、アイツは虎さえも懐くアイドルとして新たな異名を手に入れたのだった。

 

「ねえ!マネージャー!」

 

 はあ……

 

「何ですか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂に書いたスコアブック

 

 

 中学で負った怪我は、俺をロボットに変えてしまった。

 

 何をするにも熱が持てない。

 一番好きなものが出来なくなった衝撃は、ガキの俺にはキツかった。

 

 真剣に何かをしてるやつが、嫌いになった。

 だから、大した部活の無いこの高校を選んだのに。

 

「ねえ!貴方中学の時野球してたよね!」

 

「……だからなんだよ」

 

「私達に野球教えてよ!」

 

「……イヤだよ」

 

「──なんで?」

 

「イヤなもんはイヤなんだよ」

 

 吐き捨てて、その場から去る。

 これは、逃げだ。分かってる。

 

 右肩が、疼いた。

 

 

 

「ノックいくよー!」

 

『「はい!」』

 

 教室から見えるグラウンド。

 どうやら、この高校には女子野球部なるものが出来たらしい。

 最悪だ。

 

 にこにこ笑いやがって、気持ち悪い。

 鞄を手に教室を出る。

 

 ……裏門から帰ろ。

 

 

 

「やっと見つけた!」

 

 うるさいやつが来た。

 ここの所裏門から帰ってたから会うことは無かったのに……

 

「なんだよ」

 

「最近、私達の練習見てるでしょ?」

 

「……見てねえよ」

 

「嘘だ~、私目合ったの気付いたんだから!」

 

「チッ……」

 

 クソ、すぐに目逸らした筈なのに……

 

「ねえ、どうして野球辞めたの?あんなに凄かった──」

 

「──うるさいっ!」

 

 思わず、声が出た。

 アイツの体が跳ねる。

 周りの奴らもこちらを見ている。

 

 知らねぇ……どうでもいい。このウザったい奴が居なくなれば……

 

「何も知らねえなら、話し掛けてくんじゃねえよ!ブス!」

 

 チャリに乗る。

 もう、言うこともねえし。やることもねえ。

 どうせ、先公にチクられるだろうし。

 

 分かってる。これも逃げてるって。

 五月の、まだ冷たい風が頭を冷やす。

 分かってんだよ……

 

 右肩が、疼いた。

 

 

 

 翌日の教室は、思った通り。

 まるで、時でも止められたように静まった。

 そして、俺が着席してしばらくして始まる噂話。

 

 そりゃ、広まってるよな。

 下校時間だったんだから。

 

 どうせ、話し掛けてくる奴も居ないんだから、何時もと変わらねえよ。

 誰もいない朝のグラウンド。眺める意味なんてありはしない。

 

「──昨日は!ごめんなさい!」

 

 教室の煩わしい空気も、俺の黄昏も。

 全てを切り裂くように、そいつは頭を下げた。

 

「私、昨日調べたの!そしたら、あの──」

 

「……別に、隠してることじゃねえし。それに、何でお前が謝るんだよ」

 

「だって……私知らなかったからって、デリカシーの無いこと……」

 

 俺は、ようやくソイツに目を向けた。

 目に、雫が溜まっていた。

 意味わかんねえ。

 何で泣いてんだよ。

 

「……いいよ。俺もブスなんて言って悪かった」

 

「そんな!私の方が──」

 

「──だからさ、もう俺に関わんないでくれよ」

 

「……え」

 

「もう、知ったんだろ?俺の事情。ならさ、分かるだろ」

 

 正面から、瞳を見つめた。

 お前だって、野球好きなんだろ?ならさ、分かるだろ?

 俺の──絶望が

 

「それは……ううん!──それでも!それでも、私は貴方に野球を教えて欲しい!貴方のこと、ずっと憧れてたから!」

 

「──憧れ?」

 

 ……俺が?

 

「そう!私の、憧れ!」

 

 初めてだった。そんなことを人から言われたのは。

 憧れ、憧れ……?こんな俺が……?

 

 言い様の無い気持ちが、胸の間から沸き上がってくる。

 なんだ……これ

 

「うえ!?な、なんで泣いてるの!?ゴ、ゴメン!嫌だった!?そうだよね!こんないきなり言われても──」

 

 泣いてる、のか。俺。

 温かいものが、頬を伝う。

 なんで泣いてんだ、俺。

 わかんねえ。わかんねえけど、止まらねえ。

 悲しいのか、嬉しいのかもわかんねえ。

 

「ちがう、嫌なわけじゃっ……」

 

「そ、それならどうして!?もしかして、肩が──」

 

「ちがう、ちょっと、黙ってくれ……」

 

「は、はい……」

 

 鼻水まで出てきた。

 こんな教室で号泣するなんて、情けねえ。

 鼻をかんで、涙を拭って。

 それでも、止まらなくて。

 終いにゃ笑えてきた。

 

「あ、あの……大丈夫?」

 

 どうやら、教室にいる奴ら皆引いてるようだった。

 そりゃそうだ、泣きじゃくってると思ったら笑い始めたんだ。

 キチガイかと思うよな。

 多分、今の俺は気が違ってる。間違いない。

 

「──なあ、まだ俺に教わりたいか?」

 

「うえ!?そ、それはもちろん!──もしかして!?」

 

「ああ、良いぜ。教えてやるよ」

 

「や──やった~!!」

 

 跳び跳ねるソイツを横目に、俺はグラウンドの方を向く。

 あそこに帰るんだ。

 俺の人生を掛けてきた場所。

 俺の人生が壊れた場所。

 俺の人生が始まる場所。

 

 右肩は──もう、疼かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜二時のスープ

 

「はあ……また、こんな時間かよ」

 

 深夜二時、周りに人は居ない。

 今日も残業に次ぐ残業。

 大した能力も無く、断る度胸も無い奴は、押し付けられた仕事を片付ける機械になるしかない。

 

「……こんな生活、いつまで続けられるかな……」

 

 とぼとぼ、と癖になってしまっている猫背のまま行く帰り道。

 ふと、良い香りが漂ってきた。

 

「こんな店、あったかな?」

 

 今時珍しい、こんな時間にやっている定食屋。

 恐らく個人店だろう、飾り気の無い外観。

 小さな電飾の付いた看板と、僅かに漏れる店内からの光が、この店の全ての存在感だ。

 

「……入ってみるか」

 

 幸い明日は休日だ。

 それに、何となく。俺はこの店に惹かれていた。

 

「……いらっしゃい」

 

 ガラガラと引戸を開くと、そこには店主と思しき老婆と、この店の唯一と言っていい彩りを与えているもの──テレビ──が見えた。

 

「……一人です」

 

「座んな」

 

 老婆に促され、カウンターへと座る。

 調味料に、爪楊枝、箸。

 いたって普通のラインナップ。

 

「あの、メニューは……」

 

「無いよ」

 

「そうですか……」

 

 何が出てくるのか、値段は幾らか。

 持ち合わせはどの程度だったか。急に不安が押し寄せてくる。

 

 失敗したか……? 

 

「はいよ」

 

「ありがとうございます……」

 

 これは……味噌汁か。

 湯気が立ち、豆腐、ワカメ、油揚げ、ネギが具のシンプルでオーソドックスな味噌汁。

 香りの正体はこれだろうか。

 口を付ける。

 

「はあ……」

 

 思わず、息が漏れた。

 旨いとか、沁みるとか、色々表現はあるけれど。

 ただ、俺は安心を覚えた。

 

 味噌汁の香りに、味。

 規則的な、包丁の音。

 テレビのざわめき。

 

 全てが、久し振りに感じた。

 

「……美味しいです」

 

「そうかい──ちり紙ならトイレだよ」

 

「……ありがとうございます」

 

 俺は、みっともなく鼻を啜りながらトイレへ向かった。

 

 

 

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