緑谷は自身の番である一回戦第一試合までの間、控室で対戦相手の心操の対策を講じていた。
「B組の人の話から推理するに、おそらく心操くんの個性は『洗脳』の類の可能性がある…問題は発動条件がなんなのかということ、私はその場面を見たわけじゃないから…」
彼女の癖とも言って良い思考の際の独り言が控室をわずかながら騒がしくなっていく、そして、ふと
『勝ちたいなら、ヤツとは一言も話さずに戦うべきじゃな』
『…
「もしかして…!」
虎人の発言から緑谷は心操の個性の発動条件に仮説を立てると、時間になった。
会場では観客達が盛り上がり、プレゼントマイクはそれに乗って紹介を始めた。
『オーディエンスども!待ちに待った最終種目がついに始まるぜ!第一回戦!成績を出してるんだからもっと自信持てよ!ヒーロー科緑谷出久!』
登場口から出てきた緑谷は緊張した表情をしていた。
『バーサス!ごめん、まだ目立つ活躍なし。普通科心操人使!』
対する心操は、表情を変えずに登場口から現れた。
『ルールは簡単!相手を場外に落とすか、行動不能にする!あとは“参った”とか言わせても勝ちのガチンコだ!』
『ケガ克服!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから、道徳、倫理は一旦捨て置け!だがまあもちろん、命に関わるようなのはくそだぜアウト!ヒーローはヴィランを捕まえるために拳を振るうのだ!』
「その場合は止めるからね」
「“参った”か…」
「!」
深呼吸をしていた緑谷は心操の発言に警戒をする。
「これは心の強さを問われる戦い。強く思う将来があるなら、なりふり構ってちゃ駄目なんだ」
『レディー!』
「あのデブはプライドがどうとか言ってたけど…」
『スタート!』
「チャンスをドブに捨てるなんてバカだと思わないか?」
「っ!?うっ…」
心操の言葉に怒りを覚えた緑谷だが、すぐに両手で口を塞いだ。
(!俺の個性の発動に気付いたのか?)
心操は自身の個性の発動条件に気付かれたと思い焦り始めるが、緑谷も怒りを抑えるのに精一杯だった。
優しい緑谷にとって先ほどの心操の発言は侮辱と捉えてもおかしくない。それでも抑え込めたのは
(本当にあの二人には助けれてばかりだ!)
特訓期間中、心人からUSJでの出来事を聞いた時、緑谷はこのような状態の事なのだと気づいた。
「相澤先生を助けた時?」
「うん。なんていうかすごく怒ってるように見えたのにあんな冷静に対応するなんてすごいって思っちゃったから、何か特別な事でもしたの?」
「緑谷、それは違うぞ」
「え?」
「俺ちゃんと怒ってたけど…」
「え!?でも呪文で脳無だけを凍らせて相澤先生を助けてたよね?」
「あのなあ緑谷…ワシらは冷血な戦闘マシーンじゃない。しっかり感情があるんじゃ」
「俺たちの師匠の教えなんだけど『怒りのは良い。個性も感情によってその分強くなるからな。大事なのはそれを頭か心で制御することだ。そうすれば強くなった力をコントロールできる』って言われたんだ」
「あのクソ師匠の教えってやり方は無茶苦茶なんじゃが、その質が目的達成のための手段でそれを実現してしまうのがムカつく。しかし、この教えはワシもそんな感情なく納得したのう」
「ようは、怒る事は良いことだけど、それに身を任せず冷静に考える事を心がければ良いってこと!」
心人と虎人がおすすめする教えを覚えていた緑谷にとってまさにこのような状況の事であると、ここで理解した。
しかしこれは対戦、勝利条件が満たされていない以上動かなければ意味がない。
「…何とか言えよ?」
「‥‥‥」
心操は緑谷に語りかけるが、緑谷は答えない。
そして、緑谷は個性を発動させて心操に攻撃を仕掛ける。心操も目で追う事は出来るが、体がヒーロー科の者より劣るためか反応できずにそのまま場外に押し出された。
『心操君場外!よって緑谷さん二回戦進出!』
『最終種目!真っ先に二回戦に進出したのはA組緑谷出久!』
ミッドナイトの宣言で観客席から歓声が上がる中、見ていた葉隠が虎人を軽く小突く。
「虎ちゃんだよね?出久ちゃんに心操くんの攻略法のヒント教えたの?」
「アイツが勝手に推測して、運がよかったから勝てただけじゃ」
「ふーん…そういう事にしておいてあげる。代わりに「お前の勝手な推測のために奢らんからな」ちぇ…」
『所詮にしちゃ地味な戦いだったが、とりあえず両者の健闘を称え、クラップユアハンズ!』
「…いつから気付いてた」
「!」
拍手が送られる中、ステージでお互い頭を下げていた際心操からの問いが来る。
緑谷は、そのまま答えた。
「控室で洗脳の類の個性までは予想が出来てたけど、発動条件までは分からなった。だけど、蒼月くんの会話から会話が答えって思ったんだ…そして、試合開始の合図の時、わざと怒らせようとしたから、確信した」
「…そうか」
「…すごい個性だったよ!」
「っ!」
「蒼月くんのヒントがなかったら、私は負けてた!だから諦めないで!」
「‥‥‥はっ、まかした敵を褒めるって良い性格してるよ…諦めるわけないだろう。絶対お前らより立派なヒーローになってやる!」
「…うん!はっ…」
心操の言葉に頷くと緑谷の顔から表情が消えると、心操から笑い声が漏れ出す。
「フッ…普通構えるんだけどな俺と話す人は、そんなんじゃすぐ足をすくわれるぞ」
個性を解除してステージから緑谷より早く戻ろうとした時、プロヒーローから心操に対する評価の声が聞こえてくる。
「彼の個性、対
「雄英もバカだな、あれ普通科か?」
「まあ受験人数半端ないから、仕方ない部分はあるけどな」
「戦闘経験の差はな」
「どうしても出ちまうもんな」
「もったいねえ」
これを聞いた心操の表情は少し明るくなり、ステージに残っていた緑谷に声をかけた。
「緑谷!」
「!」
「みっともない負け方はするなよ!」
「っ!うん!あっ」
「‥‥‥」
力強く頷き再び心操の個性にかかる緑谷に、心操は僅かな不安を覚えた。
緑谷と心操が、ステージからいなくなりしばらくすると第二試合の時間が近づいてきたため、焦凍は出場口に向かっていた。
出場口に来ると、家族がそこにいた。
「みんな…」
「焦凍頑張ってね!」
「お前なら勝てるって!」
「無茶はしないでね」
「相手の心折るなよ!」
「…勝ってこい」
「…うん!」
家族全員の言葉を受け、そのままステージに登場する。
『お待たせしました!続きましてはーこいつらだ!』
プレゼントマイクがステージのテンションに乗って紹介を始める。
『優秀!優秀なのに拭いきれないその地味さは何だ!ヒーロー科瀬呂範太!』
「ひっでえ」
『バーサス!騎馬戦上位の戦いに相応しいバトルを展開した実力は流石推薦入学者と言うべきか!同じくヒーロー科轟焦凍!』
「焦凍頑張れ!」
「…うん」
クラスの席から声援を送る心人の声に反応して笑顔で答える焦凍。これを見ていた峰田から嫉妬による血涙が流れていたが、心人は全く気にしていなかった。
『それでは最終種目第二試合!レディー…』
「かあ、相変わらずお熱いね~」
『スタート!』
プレゼントマイクの合図と同時にテープを出す瀬呂。しかし、焦凍はそれを左の個性で燃やした。
「げえ!マジか!?」
『おおっと瀬呂!不意打ちを仕掛けるもあっさりと防がれてしまった!』
「情けない姿を見せれないから…ごめん」
焦凍がそう言って謝罪した次の瞬間会場が大きく揺れる。
そして、会場では皆がその光景に言葉を失っていたが、心人は違っていた。
「…やっぱり焦凍は凄いな!」
(((それだけじゃないだろう!!)))
自分の目の前に突きつけられた鋭い氷柱を見て、感想を言う。
スタジアムの外からでも分かる程の大氷壁を前に言う心人にほとんどのクラスメイトが心の中でツッコむ。
「や…やりすぎだろ…」
『瀬呂くん、動ける?』
「う…動けるわけないでしょ…痛え…」
『瀬呂君行動不能!轟さん二回戦進出!』
(右半分凍ってるのに香山さんすごいな)
心人は、ミッドナイトに感心していると観客席から『ドンマイ』コールが流れる。
そんな空間の中、焦凍が申し訳ない表情で瀬呂に近づいていく。
「本当にゴメン。やりすぎちゃった…」
「いや…分かってるから…そういうの…」
左手で瀬呂に触れ、個性で氷を溶かしていく。
「情けない姿を見せたくなくて、張り切りすぎた」
こうして、一瞬で終わった一回戦第二試合は焦凍の勝利で終わった。
続いて一回戦第三試合は、虎人の番になり、先に入場していった。
『A組の竜虎の虎!お前の出来ない事ってなに!?ヒーロー科蒼月虎人!』
「へへへ…」
プレゼントマイクの紹介と同時に首を鳴らす虎人。その目は完全に獲物を狙うハンターと言っても良い程鋭いものであった。
『バーサス!スパーキングキリングボーイ!ヒーロー科上鳴電気!』
「目がガチなんですけど…」
対する上鳴はそんな虎人の様子を見て自身の命の危険を感じる。最初は開始後すぐに降参するかと考えていたが、そんな手段は使わせないと思えるほど虎人が本気である事を流石の上鳴でも悟った。
「そんなにビビるな上鳴」
「そんなガチのハンターみたいな目で言われても説得力ないから!!」
「心配するなハンデで個性は使わねから」
「え?ホント?」
「ああ!
「どの道俺死んだー--!!」
『レディースタート!』
指を鳴らす虎人からのハンデに僅かな希望を見たが、それが雀の涙程度の手加減である事に上鳴は絶望する。しかし、無情にもプレゼントマイクの開始の合図が出された。
そして、その合図と同時に虎人は自身の間合いまで上鳴との距離を詰めた。
「え…」
「じゃあな」
渾身の右のアッパーが上鳴の顎に直撃し、上鳴の体が宙に浮かび、この時点で上鳴の意識は既に途絶えていた。次に宙に浮かんだ上鳴の体に連続蹴りをし、上鳴の足が虎人の頭に届くまでさらに飛ばす。
そして足を掴み、ボロ雑巾のように何度も地面に叩きつけ、そこから真上に放り投げた。
最後に、落ちてきたところを利き足での回し蹴りがさく裂して出てきた入り口に放り込んだ。
これらの流れが僅か数分以内で行われた。
『か、上鳴君場外!蒼月君二回戦進出!』
『圧勝!これ以外の言葉がない!圧倒的勝利だ!!』
「今の動き見えた?」
「いや、少ししか…」
「本当に子供か?」
「卒業後、独立してもおかしくない動きだったぞ」
「良いぞ虎人!」
「そのまま優勝までいけー-!!」
「あー!スッキリした!」
ギャングオルカとシシドは、全力で虎人の勝利を喜んでおり、周りにいたプロヒーローたちは戸惑ってしまった。
爽やかな笑顔で戻っていく虎人、一方吹き飛ばされた上鳴は搬送ロボで保険室に運ばれていった。
その後行われた第四試合では、飯田とサポート科の発目明との対戦は発目の言葉に乗せられた飯田が発目の宣伝として10分以上利用され、発目が満足すると自ら場外となり、飯田が進出。
第五試合での芦戸と青山の対戦は、青山の攻撃を芦戸は避け続け、青山のお腹が壊れたタイミングで酸でレーザーの発射を止め、一撃で芦戸が勝利した。
次に第六試合は心人の番となった。
『A組の竜虎の竜!お前の戦闘センスはどこまで伸びる?ヒーロー科竜魔心人!』
「やっと来た…」
『バーサス!万能創造!推薦入学とあってその才能は折り紙付き!ヒーロー科八百万百!』
待ちくたびれたと言わんばかりの顔で、体を軽くほぐす心人に対して、八百万は緊張感がある空気で臨んでいた。
「心人!頑張って!」
焦凍からの声援に反応して焦凍のいる場所に視線を移して、軽く手を振る心人。
八百万は、そんな心人の挙動に一挙手一投足警戒していた。
(竜魔さんは緑谷さんと同じ増強タイプの個性。その上、呪文が使える事に加え、戦闘能力の高さはクラス一と言っても良い。故に先制攻撃を仕掛けてくる。しかし、全力で仕掛ける事の危険性は竜魔自身が最も理解しているから全力は出せない。時間のかからないシンプルな盾を創造して、竜魔さんの攻撃を防ぎ、武器を創造する時間さえ作れれば…)
(という具合に時間を稼ぐ事を考えておるのじゃろうが、八百万の不運は竜魔に対する理解が足りなかった事じゃのう)
『第六試合スタート!』
八百万の策を読んでいた虎人は八百万に同情しながら二人の試合を見る事にした。
そして開始と同時に心人は八百万との距離を詰めていく。
(素早く盾を!)
八百万が盾を創造して構えると、心人の右の拳が直撃し八百万が僅かに押された。
さらに創造した盾に心人の拳の痕が残っていた。
(重い!個性は
(お前が今まで見てきた竜魔は、呪文をメインで戦ってきたが、アイツの最も得意な距離は近距離…つまりは切島と同じ距離が最も厄介じゃ)
八百万に創造する時間を与えるつもりはないのか、連続で攻撃を仕掛ける心人。
その光景に虎人は八百万の選択ミスを心で指摘した。
(閃光弾といった目を潰す物を盾より先に創造しておれば有利に戦えたはずなのじゃが、それは経験の差かのう)
心人の連続の攻撃についに耐えられなくなり盾が砕け、さらに八百万は強固な盾を創造して構えたが、それが良くなかった。
先程創造した盾より大きな盾を構えた事で心人の姿が視界から消えたため、心人の次の攻撃の確認を怠ってしまった。
心人は殴るのをやめ、盾のすぐ目の前で手のひらを翳し、呪文を放った。
イオ!
「キャー!」
ほぼゼロ距離でのイオの爆発に八百万が耐えられるはずもなく、そのままステージの外にまで吹き飛ばされた。
『八百万さん場外!二回戦進出、竜魔君!』
『まさかのゴリ押しで圧勝しちまった!お前の戦闘センスどうなってんの?』
「八百万さん大丈夫?一応
「手加減…?」
(あの猛攻が手加減?)
本気を出さずに勝利した心人の姿は息切れを全くしておらず拳にも出血しているところはなかった。その姿に八百万は力の差を思い知らされる。
観客席から見ていた轟家とラーハルトたちはというと、
「二人とも二回戦進出した!」
「よし!」
「すごいね」
「一回戦くらい余裕で突破しないと」
「二回戦も油断なく勝ってほしいがな」
「よっしゃー!流石心人くん!」
「一瞬父親を思い浮かべてしまう程だったな」
「うむ。わしもあの人の
「あとは経験と精神面の成長だけだが、それは時間が解決してくれるだろう」
喜びと期待で盛り上がっていた。
次に行われた第七試合は、切島とB組の鉄哲の被り対決とも言って良い。個性だけでなく性格が似ている両名の戦いはシンプルな殴り合いであり、両者一歩も引かずに繰り出された攻撃を避けずに受け止め、まさに意地と意地のぶつかり合いとも言える戦いであった。
結果は両者気を失い引き分けとなった。その場合、意識が回復後簡単な勝負で決着をつけるという事になるらしい。
一回戦最後の試合である第八試合は、麗日と爆豪という知っている者たちからしたら心配する試合であった。
開始早々麗日は爆豪に触れるために近づくが、爆豪は容赦ない一撃で迎撃した。
「お茶子ちゃん!」
「やっぱり手加減なしみたい」
「厄介じゃのうあの手と反射速度」
「麗日さんの勝機は、あの爆豪くんの防御をどう攻略するかだね」
何度も繰り返し特攻をする麗日、対する爆豪は爆破で何度も迎撃する。
一方的な状況に目をつむる者も出てくる中、遂には観客席にいたプロヒーローから文句を言う者が出始めてきた。
「なあ止めなくていいのか?」
「だいぶくそだぞ」
「見てらんねえ」
「おい!それでおヒーロー志望かよ!そんだけ実力差あるなら早く場外にでも放り出せよ!女の子いたぶって遊んでんじゃねえ!」
「そうだそうだ!」
「ああん!?」
「真剣勝負に口挟まないでほしいんだけど」
「虎ちゃん抑えて抑えて!」
「心人も言いたいことは分かるけど、落ち着いて」
プロヒーローからの文句からブーイングの嵐が起き、心人と虎人は怒りを露わにし、葉隠と焦凍が必死に宥める。
しかし、心人たちと同じ気持ちだったものが既に行動を起こしてた。
「では貴様らは何を仕掛け来るか分からん
「っ!ボラホーン…」
「ボラホーン今すぐそいつらをこっちに投げ飛ばせ。全員殴り飛ばしてくれる」
「アンタら全員ヒーローの資格持つ意味ないから返上することもおすすめするぜ!」
「な、なんだよテメェら…!…クロコダイン」
「相手の力量を認め、本気で勝とうしているからこそ油断も手加減もしていない事が分からんとは、そんな未熟者はここにいる価値はない!即刻帰れ!」
怒り心頭のボラホーンがプロヒーローたちを見下し、ガルダンディの背中に乗り、槍を持っているラーハルト。
反論しようとしたプロヒーローはいつも三人を押さえているクロコダインまでも怒り心頭の表情でプロヒーロー達を睨んでいた。
『クロコダインたちの言う通りだ!お前らプロ何年目だ?シラフで言ってんなら見る意味ねえから帰れ!帰って転職サイトでも見てろ!』
「流石おじちゃん達だ」
「プロであんな事を言うのは流石のワシも同意見じゃ」
相澤たちの怒りの説教に心人と虎人は気分をよくしながら、
焦凍と葉隠もつられて上を見上げると、その光景に息をのんだ。
「敢えて低姿勢で突進して、爆豪くんの爆破の範囲を地面にまで広がらせ、武器を蓄えたんだ」
「突進と爆煙によって爆豪の視界を限定させ、麗日の武器を隠し続けたんじゃ」
「「爆破で砕けたステージの瓦礫という武器を最大限に活かすために!」」
麗日の個性によって浮かんだステージの破片が漂う中、麗日は個性を解除し、ステージの瓦礫が爆豪に降り注ぐ。
それと同時に走り出す麗日。
麗日に対応すれば空からの瓦礫、瓦礫に対応すれば真正面からの麗日という選択肢しかないと麗日とほとんどの観客はそう考えていた。
しかし、心人と虎人は違う選択肢があることに既に気づいていた。
「しかし、惜しかったのう」
「うん。俺や蒼月ならこの状況での行動は…」
麗日の手が伸び、爆豪に触れそうになったその瞬間。
爆豪は今までにない威力で爆破を放った。その威力に麗日も吹き飛ばされてしまう。
麗日の秘策を爆豪は堂々と破ってみせた。
「ワシも雷で同じようにやるのう」
「虎ちゃんはね!」
「俺もベキラマで迎撃してる。麗日の策は見事だけど…相手が悪かったとしか言えないな」
(やっぱり爆豪くんにはあの呪文だな)
「心人…」
麗日の事も評価しながら爆豪の事も評価しつつ、対策を練る心人。
麗日は限界になり、遂には倒れ意識を失う。よって爆豪が二回戦進出となった。
最後に引き分けとなっていた第七試合、切島と鉄哲の勝負は腕相撲となり、鉄哲の個性が先に限界となり、切島の勝利となった。
一回戦の試合が全て終わり、二回戦で戦う者たちが全て出揃った。
小休憩を挟んで二回戦第一試合は緑谷対焦凍の試合である。