相澤の個性把握テストを終えた翌日。雄英生としての生活が始まった。
「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」
(((普通だ)))
(くそつまんね)
(山田さんの授業って思った以上に静かだな)
(静かすぎて不気味じゃ…)
(関係詞の場所が違うから4番)
午前は必修科目・英語等の普通の授業で、最高の家庭教師に勉強をみてもらっていた二人は特に苦労せず授業を受けていた。
昼は、大食堂でクックヒーロー『ランチラッシュ』の一流料理を安価で食べる事が出来るが、二人は焦凍と葉隠の四人で教室で食べていた。
「はい」
「今朝作ってくれてたのは、
「虎ちゃん、お弁当作ってきたから食べて~!」
「ありがとな透」
焦凍は
そしてとうとう午後の授業、単位数が最も多く、ヒーローとしての素地を作るために様々な戦闘訓練を行う科目、ヒーロー基礎学の時間になった。
「わーたーしーがー!普通にドアから来た!」
「オールマイトだ!」
「すげえや!本当に先生やってるんだな」
「あれ
「画風違いすぎて鳥肌が…」
クラスのほとんどがオールマイトに興奮していたが、心人だけは全く無関心であり、その証拠に先ほどのオールマイトの登場を全く視線を動かさず、窓の景色の方を見ていた。
「早速だが、今日はこれ!戦闘訓練!」
「戦闘…」
「訓練」
「そしてそれに伴って…こちら!」
オールマイトが指を指すと、壁の一部が飛び出してきた。
そこには入学前に送った個性届と各々の要望に沿った製作された
「着替えたら順次、グラウンド・
更衣室で、着替えを終えた心人は、既にグラウンド・
「焦凍!」
「心人…そのコスチュームは…」
「気付いた?」
「うん」
「流石焦凍、スーツは炎司さんに近いデザインで、マントは燈矢さんをイメージして黒に、そしてこの鎧は父さんの鎧と同じものなんだ!」
「似合ってるよ」
「ありがとう。焦凍のコスチュームも似合ってるよ」
「…ありがとう」
白いシャツと黒いズボンとコートというシンプルなコスチュームの焦凍を素直にほめると、焦凍は顔を赤くしてお礼を口にする。
その光景を見ていた一部の生徒からは血の涙を流していたが、二人はそれに気づいていなかった。
「なんじゃい、テンコ盛りコスチュームじゃの」
「蒼月」
二人の会話に割って入った。虎人のコスチュームはお寺の住職が着る白い衣白衣だった。
「なんで白衣?」
「事情があってこうなったんじゃ」
「事情?」
「簡単な話じゃ、透が「わーー!わーー!」」
虎人が答えようとするのを葉隠が阻止しようとしたが、身体能力の差で葉隠の動きを封じて答えた。
「この馬鹿が、個性の都合上手袋しか申請しとらんかったもんだから、ワシの法衣を貸したんじゃ」
「えっ!それってつまり…」
「‥‥‥」
「痛い痛い痛い痛い!焦凍耳はやめて耳はやめて!!」
葉隠の個性は『透明化』であり、周りの人間からは服が浮いているように見えているため衣服を着ず、手袋と靴だけで個性を最大限に活かそうと考えていたが、虎人は個性故に葉隠の姿が見えてしまうため、それを着替え前に虎人に打ち明けると、虎人は自身の髪を織り込ませた法衣を葉隠に貸した。
現在他の人には手袋と靴だけという風に見えるが、実際は虎人の法衣も着ている。
それを察した心人が顔を僅かに赤くすると、焦凍が彼の耳を力いっぱい引っ張って考えさせないようにさせた。
そんな四人のやりとりは、最後に着替え終えた緑谷が来るまで続いた。
全員が集まり、全身アーマーのコスチュームの飯田がオールマイトに質問をした。
「先生、ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?」
「いいや、もう2歩先に踏み込む」
飯田の質問にオールマイトは今回の授業で重要な説明を始めた。
「
(確かにのう、クソ師匠も屋内じゃあ少しやりづらいと言っておったわ)
(じゃあ、今回の戦闘訓練は屋内でやるんだ)
「君らにはこれから、
「基礎訓練なしに?」
「その基礎を知るための実戦さ!ただし、今度はぶっ壊せばオーケーなロボじゃないのがミソだ」
(つまり全開はできず、拘束するくらいの力でやらないといけないのか)
(即席連携の経験を学べば良いということか)
「勝敗のシステムはどうなりますか?」
「ぶっ飛ばしてもいいんですか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか?」
「このマントやばくない?」
「んんん~聖徳太子!」
授業に関係のある質問の答えは次の説明にあるようだが、オールマイトはその内容をカンニングペーパーで読み始めた。
「状況設定は、
(設定アメリカンだな)
(勝利条件はお互い二つか…)
(あとはコンビとの連携と相手の相性次第だな)
「コンビおよび対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか?」
「常に相性の良い
「むしろ即席で組まないといけないことが多いと思うが?」
「そうか…先を見据えた計らい…失礼したしました!」
「いいよ!早くやろう!」
こうしてクジ引きで、10組のコンビが決まった。
チームA 麗日・緑谷
チームB 障子・轟
チームC 峰田・八百万
チームD 飯田・爆豪
チームE 青山・芦戸
チームF 口田・竜魔
チームG 上鳴・耳郎
チームH 蛙吹・常闇
チームI 蒼月・葉隠
チームJ 切島・瀬呂
そして最初の対戦相手は、オールマイトが引きだす。
「Aコンビがヒーロー、Dコンビが
『『はい!』』
緑谷たち4名を除く16名はオールマイトと共にモニタールームに向かった。
(どんな勝負を見せてくれるのかな)
(葉隠とペアとは偶然かと疑ってしまうのう)
そして、モニタールームに到着し、オールマイトの合図でAコンビとDコンビと対決が始まり、終了までの一部始終を見え終えたそれは言葉にするには難しい結果であった。
(これは…)
(初めてとしても、落第点じゃのう)
爆豪の室内での大規模攻撃に、緑谷の超パワーにアッパー、麗日の乱暴な戦い方と実戦経験の二人にとっても評価される戦いではなかった。
そして一回戦での講評を第二戦はヒーローチームはB、
演習用ビルの中で核を設置した虎人と葉隠は作戦を話し合っていた。
「やっぱり、私がコッソリいくのが良いと思う!」
「ワシも同じ考えじゃ、ワシが注意を逸らすから透はその隙に大柄の方を頼む」
「轟ちゃんは?」
「ワシがやる」
「分かった!じゃあ本気出すね!」
葉隠が手袋とブーツを脱ぎ始め、モニタールームで見ている全員は手袋とブーツが宙に浮いてるように見ている状況だった。
「透、ちょっとまて」
「うん?」
手袋とブーツを核のある部屋に置き、別の部屋に行こうとした葉隠を虎人は呼び止めた。
「それでは、屋内対人戦闘訓練第二戦スタート!」
開始のブザーと同時に障子が個性「複製腕」でビル内の索敵は始める。触手の先端を耳に変え足音から探っていた。
それから少ししてから焦凍がビル内に入った。
「どう障子?」
「こちらに近づいてくる足音から一人、もう一人は何故だかわからんが見つけられない」
「…近づいている足音って?」
「音からしてかなり大柄だ」
「大柄…」
(という事は、蒼月が個性を発動させてこっちに近づいてきてる)
焦凍は、心人から虎人の個性に関する情報を知っており、葉隠が見つけられないのは虎人が何かをしたという結論に達した。
「外に出てて、危なくなるから」
焦凍の指示に従い、障子は外に出ると焦凍は右側の個性を発動させビル全体を凍らせた。
あまりの規模の違いにモニタールームにいるほとんどは体を震わせていた。
「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず、敵の弱体化を狙うか…」
(しかし轟少女よ。君が相手にしているのは、あの方の弟子の一人、簡単に勝ちは取れないぞ)
オールマイトが焦凍の行動を評価しているが、虎人と心人の師匠とも面識があるため、内心油断しないこと願っていた。
一方、焦凍が凍ったビルの中を進んでいくと、重い足音が通路の先から聞こえてきた。
「やっぱり拘束は無理か」
目の前に現れたのは個性を発動させて全身変身していた虎人であった。
「なかなかじゃったわい。しかしワシはそんな手は通じんぞ」
「そう…なら!」
左側から室内での放出限界までの威力で炎を放つが、虎人は髪でその攻撃を防ぎ、虎人の髪はまったく焦げていなかった。
「!」
「室内じゃそれが限界じゃろう。ワシもそうする!」
虎人は先ほどの攻撃のお返しと言わんばかりに、轟以上の威力の炎を出力範囲を絞って放った。轟は咄嗟に氷で防ごうとするが、火力が高いため少しの間しか保てず、破られる直前に攻撃軌道上から避けた。
「くっ!」
「あまい!」
再び攻撃に転じようとした焦凍であったが、それよりも速く虎人が髪を足元に潜ませ焦凍を拘束、凍らされる前に捕縛テープで右手の手首に巻き付けた。
『
「透もうまくやったみたいじゃの」
「くっ…」
「落ち込むな。今回は相手が悪かっただけの事、初見じゃ大抵のヤツは氷で拘束されとる」
焦凍が落ち込む中、虎人が珍しく励ますが、焦凍にとってなんの意味もなかった。
(彼がこんなに強いなら、心人は…遠い…遠すぎる…)
モニタールームから焦凍の様子を見ていた心人は、涙を流す焦凍の姿を見て心中穏やかではなかった。
「焦凍…」
そしてモニタールームにて第二戦の講評が始まった。
「今戦のベストは、皆も予想してると思うけど蒼月少年だ!わかる人いる?」
「はい」
「八百万少女」
「それは、蒼月さんが轟さんの警戒を引き付けつつ、葉隠さんを障子さんの元まで髪で送るなど、戦況を完全に自分のものにしていたからです」
(髪の毛で!?)
「その通り、ワシは一つの個性にいくつもの力があってな。髪も遠隔の操作ならあのビルの範囲は造作もない」
「やはりそうでしたか。開始直前個性を発動させ髪の一部を葉隠さんに纏わせたと思ったらその髪が消え、さらに障子さんに気付かず首にテープを巻いておられたので、そうだと考えました」
(最初から手を抜かれてた…?)
「だけど、遠隔操作する分、葉隠からの指示で動かさないといけないし、相応の集中力が必要だから長期戦になったらどうするつもりだったの?」
「その時は、轟を拘束後すぐに障子を拘束させるのう」
「うん!あの時もそう言ってたしね!」
「うむ!予備の作戦を考えつつ、メインの作戦成功のために悟られないようにした工夫は見事だった。しかし、あの炎の攻撃はもう少し威力を抑えないとね」
「ああ、少し調整を誤って射線上にあった窓ガラスを溶かしてしまった。もう少し精密性を身に着けるか」
「うむ!自身の反省点をしっかりと把握していて素晴らしい!それじゃあ、次いってみよう!」
そうして第三戦、第四戦が行われ、遂には心人の番になった。
心人と口田は
演習用ビル内で核のはりぼてを設置して、作戦を話していた。
「口田くんの個性は動物を操る個性なんだよね?」
「うん、鳥とかなんかも僕の声が聞こえれば僕の言う事を聞いてくれるよ」
「そっか…それじゃあ」
二人は作戦を決めるとオールマイトから開始の声が上がった。
「それじゃあ、屋内対人戦闘訓練最終戦スタート」
開始のブザーがなり、ビル内に入った青山と芦戸は核を探しながら、相手の出方を予想していた。
「向こうは竜魔が来ると思うんだよね?」
「来たとしても僕のレーザーでいちころさ!」
「でも竜魔は呪文使えるんでしょう?だったら私が接近した方が「悪いけど、俺の八つ当たりに付き合ってもらうよ」うぉお!?」
「ひっ!?」
目の前に現れた心人に驚く青山と芦戸だったが、青山が驚いた拍子に個性で心人に攻撃したそれが直撃する。
「ちょっと、直撃したけど!?」
「向こうが何もせずにいきなり現れるのが悪いんだよ!」
芦戸の抗議に、青山はすぐに言い返す。しかし、煙の中から
「なんで!?呪文で防いだようには見えなかったよ!」
「ならもう一度!」
青山が再び個性で攻撃し、直撃はするが、煙から出てきたのは先ほどと同じ無傷の心人であった。
モニタールームでも、驚きの声などが上がっている。
「無傷ってアイツ何した!?」
「アイツの個性ってあんなことも出来るのか!?」
生徒たちが驚く中、虎人は青山たちの行動に呆れていた。
(まったく…なんじゃあの対応は?あれじゃ、アイツの次の手が成功しやすくなるだけじゃろ…)
心人の次の行動を予測していた虎人が、青山たちの対応に呆れて溜息をついた時、心人が次の行動に出た。
右手に氷のエネルギーが集まり始めたからだ。
「やばっ!」
「今度こそ!」
青山のレーザーと芦戸の酸で攻撃するが、それが心人に届くより前に呪文を発動させた。
マヒャド
放たれた呪文によって心人の目の前の通路は完全に氷、青山と芦戸の攻撃は打ち消されただけでなく、凍らされて動きを封じられた。
「俺たちの勝ちだね」
心人はそう言って持っていた捕縛テープで青山たちを縛り上げた。
『
対人戦闘訓練最終戦を終わらせ、心人たちはモニタールームに移動した。
凍らされていた青山と芦戸は、心人が小さな炎で体温を温めていた。
「最終戦のベストは、まあ言わずもがな竜魔少年だ!何故だかわかる人?」
「はい!」
「飯田少年!」
「それは、竜魔君が自身と味方の能力を理解しつつ、味方の不足している能力を補い、行動していたからです!」
「その通り!具体的には?」
「口田くんに鳥を使って敵の位置を知らせ、竜魔くんが待ち伏せるために行動したことです。また、口田くん自身は戦闘能力はあまりないため、それを補うために自分の武器を貸したこと。さらに轟くんと規模は違うが同じで手段で相手を無力化するなど行動に無駄はありませんでした。唯一指摘することがあるなら、それは青山くんたちと対峙した際、対応が遅かったという事!もし相手の実力を読み違っていたら結果は違っていたことでしょう!」
「う、うむ!飯田少年の言う通り、竜魔少年は少し自信過剰なところが見られたからそこは気を付けようね」
「…はい」
こうして屋内対人戦闘は終わり、負傷した緑谷以外は全員出入り口に集まっていた。
「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし。しかし真剣に取り組んだ。初めての訓練にしちゃ、みんな上出来だったぜ!」
「相澤先生の後でこんな真っ当な授業…なんか拍子抜けというか…」
「いやいや、相澤先生は全然優しいよ」
「ああ、あのクソ師匠の生死を分ける修業に比べれば…」
((((どんな修業!?))))
(私もあの人の元で三年も修業した君たち弟子の事は尊敬するよ)
「それじゃあ、私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻りー-!!」
(なんであんなに急いでるんだ?)
(何故か違和感を感じるのう)
凄まじい勢いでグラウンド・
「そうだった緑谷くんのことすっかり忘れてた!俺ちょっと緑谷くんの怪我、ホイミで治せるだけ治してくる!」
「あ、おい竜魔!あんまり甘やかすな!」
「‥‥‥」
「大丈夫だよ焦凍ちゃん!竜魔くんはちょっと優しいすぎるところがあるだけだから!」
「わかってる…」
虎人の注意をまったく聞かず、保健室に向かった心人。
彼のこの行動に焦凍は緑谷に対してマイナスな感情が出たがそれに気づいたのは葉隠は焦凍を慰めようと努力した。
コスチュームのまま、保健室に到着した心人はノックしようとした時、妙齢ヒーロー『リカバリーガール』の声がそれを止めた。
『“
「…えっ?」
(今、力を渡したって…)
心人は気付かれないよう静かに扉を少し開けると、リカバリーガールと眠っている緑谷、そして見慣れない骸骨のような痩せこけた男、オールマイトの言葉を失った。
(あのコスチュームはオールマイトの!?じゃああの骸骨みたいな人がオールマイトってこと…それに緑谷くんが力を渡した愛弟子ってそれって…)
心人の脳裏に、自分たちの師の存在が脳裏に過った。
(まさか…オールマイトが先生の知り合いだったのって…とにかくもう少し情報がほしい!)
「私の個性、『ワン・フォー・オール』の件は、あなたと校長、親しき友人に緑色少年、そして蒼月少年と竜魔少年の師であるあの方の秘密なのです」
(先生はこの事を知ってるってこと!?十分すぎる情報だ。時間も危ないしそろそろ戻ろう)
静かに扉を閉め、心人は更衣室に向かっていった。
あまりに重大な秘密を聞いた心人は、教室に戻った瞬間、クラスメイトのほとんどに囲まれた。
「やっと戻って来たぞ、最強ツートップ!」
「え?」
「蒼月が個性の事を話す代わりに、お前と一緒にって言ってたから待ってたんだよ!」
「ええ…」
心人がジト目で睨むと、虎人はどこに吹く風と言わんばかりに目線を合わせようとしなかった。
しかし、クラスメイト達からの好奇心を含んだ視線は耐えきれず、個性の事を話し始めた。
「まずは蒼月からね」
「おう。ワシの個性は『字伏』じゃ」
「字伏?」
「確か中国の妖怪…でしたわよね?」
知識が豊富な八百万が字伏に関する知識を答え、虎人はそれを肯定し、説明を続けた。
「ああ、あの姿になると動きの精密性は通常より劣るが、その分破壊力と行動手段が一気に増えるし、嗅覚と聴覚、視覚も強化される」
「えっと…火を吐いたり、髪で色々したり、風を起こしたり?」
「あとは、全身透明化することで壁抜けなんかも出来る。ただし、透明化中はワシも触れることが出来ない」
「何それ!?奇襲し放題じゃん!」
「あとは体から雷を放出し攻撃することが出来る」
「俺の完全上位互換じゃん!!」
「破壊の魔獣…」
「次は竜魔だな!」
話を聞いていたクラスメイトの視線が心人に集中し、心人は大人しく答えた。
「俺の個性は、『
「ドラゴンの騎士?」
「心人は、あの竜騎士ヒーロー『バラン』の息子だよ」
『『『『竜騎士ヒーローバランの息子!!??』』』』
焦凍が心人の父親の事を暴露すると全員驚きの声を上げた。
「竜騎士ヒーローバランと言えば、6年前までオールマイト、エンデヴァーに並ぶ『黄金の三強』ヒーローと言われたの一人じゃないか!!」
「エンデヴァーに次ぐ犯罪解決数を持ち、オールマイトと同等の実力があると言われたヒーローだな!」
「順位は常に3位にも関わらず、ヒーロービルボードチャートは過去一度しか出ず、異形系への迫害を減らすために力を注いだあの!!」
「けど、6年前に死んだって…」
「青山!!」
青山の言葉を芦戸は強くいって止める。青山も失言だったと気づき謝罪する。
しかし、心人はそのことは気にせず話を続けた。
「そう、俺はそのバランの息子なんだ。父さんと違って紋章が出る場所が額じゃなく右手の甲に表れるけど」
「それじゃあ、バランのあの姿は出来るのか?」
「いや、そこまでは出来ない。多分もう少しかかると思う」
「そうか…」
「とりあえず、父さんの事を知ってるならそれ以外の事は基本出来ると思って」
「おう!」
「しっかし、あんたら二人化物じみた実力だったね」
「そういえば、二人は同じ師匠のところにいたの?」
「ああ、約束した日の順でワシが4番目、コイツが5番目よ」
「少なくともあと三人いるんだね…」
「内二人とは面識がある」
「どんな師匠でどんな修業だったの?」
「修業内容は聞かない方がみんなのためだよ…」
「ああ…」
(本当にどんな修業だった?)
「ただ…先生は何というか…最強っていうのはあの人の為の言葉っていう程強いね」
「どんだけだよ…」
「まあ、この世理不尽が人型に凝縮形成されたクソ師匠じゃ」
「ホントどんな人!?」
その後、緑谷がクラスに戻ってくるまで反省会となり、緑谷が戻ってくると爆豪の姿がないことに気付き、居場所を聞くと着替えもせずに走り出した。
「蒼月、ちょっと来て!」
「お、おい!なんじゃ!?」
そんな緑谷を、心人は虎人を連れて後を追いかけた。
そこで緑谷が爆豪にあることを話しているところを目撃し、オールマイトとの会話も聞いてしまった。