最強たちのヒーローアカデミア   作:通りすがりの気分屋

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委員長決めとマスコミ騒動

対人戦闘訓練から翌日、心人(まなと)と焦凍は変わらず一緒に登校していたが、校門前で待ち構えていたマスコミに囲まれていた。

 

「君!オールマイトの件で聞きたいことが…「すいませんが、俺はあの人のファンじゃありません。行こう焦凍」あっちょっと!」

 

適当に対応して焦凍の手を引く心人。しかし彼らマスコミもそう簡単に諦めない。

次に来た虎人(とらひと)と葉隠にインタビューをする。

 

「すいません!オールマイトについて…「学校を通した正式なインタビューじゃないなら答える義理はない」くっ!」

 

冷静に正論で対応する虎人も、葉隠の手を引いて校内に入っていく。葉隠は少し残念そうにしているが…

 

「虎ちゃん、少しくらい答えてもいいんじゃない?」

 

「お前は目立ちたいからそう言ってるんじゃろ?そうなったら情報を簡単に流出してくれると思われる。さっきも言ったが、学校を通しての正式なインタビューなら問題はない」

 

「ちぇ…」

 

虎人の説明に納得はするも、頬を膨らませる葉隠。しかしその姿を見えるのは、幼馴染である虎人だけである。

そして、クラスメイト全員が教室に着き、チャイムがなったと同時に相澤が教室にやってきてホームルームが始まった。

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。VTRと成績見させてもらった。爆豪、おまえもうガキみたいなマネするな。能力があるんだから」

 

「…分かってる」

 

「で緑谷は、また腕ぶっ壊して一件落着か。個性の制御…いつまでも“できないから仕方ない”じゃ通さねぇぞ。俺は同じ事を言うのが嫌いだ。ソレさえクリアすればやれることは多い。焦れよ緑谷」

 

「は、はい!」

 

「それから竜魔」

 

「え?はい…」

 

「あの人の元で鍛えられたと言っても自信過剰になるな…あの人も同じことを言うだろうからな」

 

「…はい」

 

「ホームルームの本題だ。急で悪いが今日は君らに…」

 

(((また臨時テスト!?)))

 

(相澤さんの臨時テストってほんと周期とかないから怖いんだよ…)

 

(あの人とは違って別の意味で悪意を感じるからのう)

 

相澤からの次の言葉にクラス全員が身構える。

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

((((学校っぽいの来た~))))

 

「委員長やりたいです!それ俺!」

 

「俺も!」

 

「ウチもやりたいっす」

 

「僕のためにあるやつ」

 

「リーダーやるやる!」

 

「オイラのマニフェストは女子全員膝上30㎝!」

 

委員長に立候補する者は多く、皆が手を挙げる。普通科等では雑務と感じ、このようにならないが、ヒーロー科にとっては、集団を導くというトップヒーローとしての素地を鍛えられるため立候補する者が多いのである。

心人も立候補していたが、虎人は興味がないのか立候補しておらず欠伸をしていた。

 

「静粛にしたまえ!」

 

飯田が全員に静かにするように言うと当然視線が飯田に集まる。そんな状況下で飯田は自身の主張をした。

 

「“多”をけん引する責任重大な仕事だぞ。やりたい者がやれるものではないだろう。周囲からの信頼あってこその務まる聖務。民主主義に則り、真のリーダーをみんなで決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案」

 

「いかにもな事を言っておるが、お前も腕そびえ立っておるぞ。なぜ発案した?」

 

(((確かに…)))

 

飯田の主張に虎人がツッコミ、全員が虎人のツッコミに同意していた。

 

「日も浅いのに信頼もくそもないわ飯田ちゃん」

 

「そんなん、みんな自分に入れらあ」

 

「だからこそ、ここで複数票取った者こそが真に相応しい人間ということにならないか?どうでしょうか先生?」

 

「時間内で決めりゃ何でもいいよ」

 

(いつも思うけど、相澤さん寝袋どこから出してるの?)

 

(仕事する気あるのか?)

 

飯田の発案に相澤はダルそうに了承し、クラスメイトの投票を行い、その結果が出た。

 

「僕4票!?」

 

「なんでデクに!?誰が!?」

 

「お前の言動は昨日の訓練で十分に知られたからのう。少なくともお前には入れんわ」

 

「んだとこら!もういっぺん言ってみろ変身獣!!」

 

(爆豪くんにばれたら怖いなあ)

 

「僕の一票は一体誰が!?」

 

「他に入れたのね」

 

「お前もやりたがってたのに何がしたいんだよ飯田」

 

「俺の2票は誰だろう?」

 

こうして最も票が多かった緑谷が委員長、次いで多かったのは八百万と心人であったため、虎人がメモ帳で即席のくじを作り引かせた結果八百万となった。

そして昼休み、葉隠が天気が良いから屋上で昼食を食べようと提案し、そこで心人、虎人、焦凍、葉隠は昨日と同じように四人でお弁当を食べていた。

そこでホームルームで誰が誰に投票したのかの話題が上がっていた。

 

「えっ!虎ちゃん、緑谷くんに入れたの!?」

 

「ああ、緑谷の土壇場の判断能力は目を見張るし、頭の回転は良い。委員長ならその能力は活かせると思って入れた」

 

「俺は飯田くんに入れた。あの状況であの提案はなかなかに度胸がいるから、それが決め手。あと俺の2票のうちの一つは口田くんだったみたい」

 

「私は心人くん、虎ちゃんが立候補しなかったから、次の候補だった心人に入れたの!」

 

「私は八百万、ああいうの得意そうって思ったから」

 

「みんなバラバラだね!」

 

「そうじゃのう」

 

それから今日の授業などを話していき、4人がお弁当を食べ終えると焦凍が心人と虎人に質問をした。

 

「二人の兄弟弟子って今何してるの?」

 

「知ってる2人で良い?」

 

「別に大丈夫」

 

「わかった。一人はこの学校の先輩、3年だよ」

 

「本当!?」

 

「うん」

 

「もう一人はアメリカで飛び級し、今年からプロヒーローとして活躍しておっての。話題の一つに挙げられておる」

 

「凄い人たちなんだね!」

 

「そうじゃのう」

 

虎人が、水筒に入れていた緑茶をコップに注ぎ口をつけた途端、警報が鳴り響いた。

 

「ブッ!」

 

「警報!?」

 

「何々!?」

 

「どうしたんだ!?」

 

『セキュリティー(スリー)が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください』

 

「セキュリティー3?」

 

「何それ?」

 

「なんじゃアレは!?」

 

「焦凍!葉隠さん!見て!!」

 

アナウンスから避難指示に戸惑う焦凍と葉隠であったが、下を見た心人と虎人が原因が何なのか突き止め、二人にもそれを見せた。

それは今朝インタビューしたマスコミが校内に入り、プレゼント・マイクと相澤が相手をしていた。

 

「アレって今朝の?」

 

「うん。間違いない」

 

「虎ちゃん、アレって不法侵入だよね?」

 

「ああ、別に避難するほどでもないの。じきに警察が来るだろうし、ワシらは教室に戻るべきじゃ」

 

虎人の予想通り、しばらくして警察がやって来て、マスコミは帰っていった。

そして、その後の委員決めで緑谷が自分より飯田のほうが委員長に相応しいと推薦し、委員長は飯田となった。

そして放課後、焦凍と葉隠に適当な理由を伝えて下校は別々にした心人と虎人は、マスコミが入って来たであろう入り口の前にいた。

 

「どう見る竜魔?」

 

「今朝雄英バリアーが出てるのは見えてた。いくらマスコミでも、不法侵入だけじゃなく器物破損まではやらないと思う」

 

「ワシも同じ意見じゃ、それにあの防壁はそう簡単に破られるようなセキュリティーや強度じゃない」

 

「つまり…」

 

「『セメントス先生のように触れた対象に干渉する個性の者が雄英バリアーを突破してマスコミを煽った』って言いたいんだろう?」

 

心人の言葉を横取りし、内容の続きを言った声が後ろから聞こえ、二人が後ろを振り向くと、同じ制服を着た逆立てた茶髪の少年が来ていた。

 

白雲さん!」

 

「あんたも今回のは気になってたのか?」

 

「当たり前だろ!三年間、こんな事なかったんだから!」

 

「好奇心を咎める気はないけど、あまり首を突っ込むのは感心しないよ。三人とも」

 

白雲と呼ばれた少年の後ろ、より正確に言えば足元から声が聞こえ、今度は三人とも足元を見るとそこにいたのは二本足で立っている服を着た小動物であった。

 

「根津校長先生!」

 

「相変わらず神出鬼没なのはクソ師匠と同じだな」

 

「校長先生いつの間に!?」

 

「彼に鍛えられた君たちの事だ。まずは色々と確認するためにここに来るだろうと思って隠れていたのさ」

 

根津と呼ばれた人物は雄英高校の校長を勤め、彼らの師匠の古い友人でもあり、三人とは入学以前から知り合いでもあった。

しかし、虎人は面倒なのに捕まったと言った顔をしていた。

 

「君たちは戦闘力で見れば、ここの雄英教師と互角いやほとんどの者以上の戦闘力はあるのは僕も認めてることさ」

 

「ありがとうございます」

 

「そうかよ」

 

「エへへ」

 

「だけど、それ以前に君たちはここの生徒、僕たち教師が守るべき存在なんだ。ここから先は僕たちの仕事だから君たちはもう帰って予習復習をしておきなさい。これは校長としてそして君たちの大人の知り合いとしての言葉だよ」

 

「わかりました」

 

「わーったよ」

 

「はーい!」

 

根津の言葉に大人しく従い、三人はそれぞれの帰宅道を通っていった。

そして三人を見送った根津はスマホを取り出し、ある者に連絡しようとしたが、すぐに首を振ってホーム画面に戻した。

 

「君に余計な心配をさせるわけにはいかないさ」

 

そう呟いた根津は職員会議の時間に間に合うよう校舎内に戻っていった。

夜になり、夕食を済ませた虎人は、食器を洗っていた。しかし表情には怒りが表れていた。

 

「いきなり泊るなんて言うからこっちは大変だったんぞ透!」

 

「良いじゃん!ご飯いつも一人で食べてたんでしょ!」

 

「てめぇ…!」

 

使用した机を拭いている葉隠に、文句を言う虎人。帰ってきた時、葉隠が玄関におり、泊ると言い出したため急遽二人分の料理をすることになったため、文句を言っても仕方がないことである。

今も食器を洗いながら小言で文句を言い続ける虎人。葉隠はその背中を見続けると机を拭くのをやめ、背中に抱きついた。

 

「なんじゃ?」

 

「…いなくならない?」

 

「ああ?」

 

「また、私の傍からいなくならない?」

 

「‥‥‥」

 

昼の出来事で焦凍が、心人と虎人が何かを感じ、それから自分たちを守るために命をかけるのではないかと、下校時に言われ、葉隠の心は不安でいっぱいになった。だから両親に無理を言って、虎人の家に泊まりに来ていたのである。

もちろんそのような質問の意図が読めない虎人であったが、葉隠とは幼稚園からの付き合いであり、小学校卒業は中学は別々になり、虎人は心人と共に修業をしていたため、原因はわからないが、何かきっかけがあって自分がいなくなると思ったのだと結論付けた。

 

「安心せい、クソ師匠から命を粗末に扱うなと骨身に染みる程叩き込まれた。逃げるべきと思ったらちゃんと逃げるよ」

 

「…本当?」

 

「ああ、風呂ならもう沸いてると思うから先に入れ」

 

「…うん」

 

虎人の言う通り、リビングから出て寝間着を持って浴室へと向かう葉隠。

聴覚と嗅覚でそれを確認すると、虎人は口元を押さえてうずくまった。

 

(危なかった…)

「お前をおいて逝くなんて選択するくらいなら…みじめたらしく逃げてやるよ」

 

虎人は、本当に自分の命を守る事を考えている証拠であった。

一方、轟家では冷が仏壇に線香をし、手を合わせていた。

 

「…心人くん、何か秘密を抱えてるようだけど、話してくれませんでした…小さい時は心愛(こころ)さんに似てたのに、だんだん剣人(けんと)さんに似てきているんです。容姿だけじゃなく、精神面でも…どうすれば昔みたいに私たちを頼ってくれるですか?」

 

冷は仏壇に置かれている写真に語りかける。その写真は、優しい笑みを浮かべ周りの人間を明るくすると思うような女性と、厳しい顔つきをしているがその瞳は見ているものを優しく見守っているような雰囲気がするという不思議な気配が感じる男性であった。

そして翌日、世間を騒がすニュースの内容に冷はすぐに家族に連絡をして自宅を出た。

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