Q,ススズってなんだよ。
A,サイレンススズカ。
サイレンススズカは左回りをグルグル回る。
ある時は寮の自室で考え事をしているといつの間にか立って、中央でグルグル回る。
ついでに同室のスペシャルウィークは、そんな彼女を見ながらボーっとしている。
ある時はトレセン学園のトラック(陸上競技でも呼ばれるレース場のこと)にて、軽く走り流していると、量を忘れてそこをひたすらグルグル回っている。
授業中に先生の話がそれていると、手に持っていたペンを左回しにクルクルと回していた。ちなみにだがその回転は脱線が戻るまで一度も止まらず回ってた。
ある時にはトレーナー室にてグルグル回っていた。外は雨、他のトレーニング室も満室なためここで待機をせざるを得なかった。
デスクワークしていた彼女のトレーナーがふと顔を上げる。サイレンススズカは気づかずグルグル回っている。
そんな彼女を見ていると、スマートフォンを取り出す。起動するとポケモンのアプリを開く。そこにはタマゴとそれが孵化するまでの歩数が移っていた。
トレーナーは立ち上がり、全然気づいていない彼女の横に立ち、上ジャージのポケットに素早く忍ばせた。
やっぱり彼女は気づいておらず、彼女と孵化までの歩数が回っていった
全然気づいていないサイレンススズカに、トレーナーはなんだか不安になった。
ある日の教室。同じクラスのマチカネフクキタルに占いを誘われた。
そこにあるのは手作りのコンパス。ダンボール制なため、北の方のには勝手に向かない。
マチカネフクキタルが針をクルクル回す。その後針は止まり、針の赤い部分が西南西を刺していた。
スマホで調べてみると、その方角には富士山があった。そこを走れば、幸福がもたらされる、と。
ところが彼女にはそこまでの行動力はなかった。一学生には当然である。
そんなことがあった日の、みなが寝静まった時間。サイレンススズカは富士山の頂上にいた。
そこより下は雲で覆われて地上が見えない。しかし上は全く雲がない。まるで雲の上にいるようだ。いや実際にいるのだが。
そんな場所を彼女は走りたくなった。富士山の頂上、意外と上りと下りが激しかった。
しかし新鮮だった。こんなところを走れるだなんて。とっても楽しい。走り応えがある。
もちろん左回りにグルグル回る。どれだけ走っても飽きがこない。
ペースを上げようとした矢先、左足の接着感が無かった。
サイレンススズカは富士山の閉じた噴火口へと落ちていった。悲鳴を上げ、下に落ち切ろうとしたそのとき・・・
スペシャルウィークの胸元で目が覚めた。初めはわからなかった。それが何か、鼻先が何かに挟まれているのか。どうしてこうなっているのか。
とりあえず起き上がる。そのあとに見えたのは壁だった。
そのまま後ろを向く。そっちにサイレンススズカの普段寝ているベッドがあった。
スペシャルウィークのベッドは部屋に入って左側にある。
ゆえにそっちに寝ぼけたまま行くのは自然だった。
それを聞いた友人のエアグルーヴは愚痴った。
そんな寝ぼけがあるか、と。
サイレンススズカは左に首をかしげてショボンとした。
おしまい。
なにこの中身のない作品。