同人ゲーに転生したけど、肝心の主人公が死んだ   作:一般ユーザー

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第14話 お嬢様との邂逅(前編)

九藤 セイカ

 

九藤財閥のご令嬢であり教室での彼女は、理想的な優等生でクラスメイトからも高嶺の花のような立ち位置にいるのが原作での描写で描かれていた。

 

(実際に、今のクラスメイトからもそう見られているだろう。)

 

学校の廊下を歩きながら、原作設定とこの世界の彼女の立ち振る舞いをみての個人的な見解だがおおむね間違ってないだろう。

 

(だからこそ、今の行動が理解できない…  本人としてもリスクであるはずだ)

 

廊下ですれ違った生徒や他の生徒からの視線がこちらに集まるのを感じる

九藤財閥のご令嬢が男子生徒を連れて歩いていた等、よからぬ噂をされるリスクがあるだろう。

なんせ 彼女は、他の人からの評価を誰よりも気にしているから。

 

(つまり、そのリスクを負ってまで話をする必要があったって事か)

 

「・・・つきましたわよ」

 

どうやら彼女に連れられてこられた場所は、多分学校での応接室なんだろう。

 

(よっぽど、話を聞かれたくないのか 確かにここまできたらあまり他の生徒にも見られないだろう)

 

ここの応接室がある場所は、普段他の生徒も入れず基本的に先生ぐらいしか何かしらの用がない時しか使わないだろう。

 

(さすが、お嬢様って感じだな もう既に周囲の大人たちに話を通しているのか)

 

感心しながら、彼女の案内で応接室に入る

 

 

 

(・・・驚いた 人は、いるだろうと思っていたが)

 

彼女に案内された応接室は、そこまで広くないが中央に対面するような机といすがあり奥に人が立っているが・・・

 

「あそこに立っているのは、私の専属の執事ですわ」

 

そう、リアル執事である。

見た目の年齢的には、ご老人ぐらいのお年だろうけど立ち姿に年を感じさせない覇気を感じる。 

それに スキを感じさせない所か、いつでも動けるようにこちらを見ているみたいだ。

ただ、その視線もこちらが警戒していてやっと気づけるぐらいだ。

 

「そうか・・・凄いな それより話ってなんだ ここまで来てまで話す内容にこっちはあんまり見当がつかないが」

 

「そうね・・・まずは、座ってからにしましょう」

 

どうやら、席に着いてからが本番みたいだ。

席に二人着くと、執事の方がお茶を持ってきてくれた いや、いつのまに用意してたんだ。

 

(おいおい 多分あの執事がこの世界に来て転生以外で一番のファンタジーを感じたぞ 警戒を解いたつもりないのにいつの間にかお茶の準備を終えてこちらに持ってきたぞ)

 

この世界の執事のスキルに戦慄していたら、九藤が話を振ってきた。

 

「まず 今日は、このような場になりますがお話をする時間を作っていただきありがとうございます。」

 

「…ああぁ 別にいいけど話って結局なんの事だ」

 

執事のスキルに驚いていたから話の返事に遅れた。

 

「それは… 天堂さんから見て普段の私は、どう見えます」

 

「そりゃー・・・」

 

適当に答えようと思ったが彼女の目を見て言葉を止める。

この世界で何度も見てきたが、どこまでも真剣な眼差し

 

「少しだけ、 時間をもらっていいか 言葉をまとめるから」

 

「…どうぞ 質問したのは、わたくしですので」

 

彼女に感謝して思考を回す。

たしかに、当たり障りない返事をしようと思えば出来るが

 

(どうして、トウヤもアリスちゃんも花園もそして九藤も何でこんなにも真剣な目でこっちに話を振るんだよ・・・)

 

この世界の住人は、どこまでも真剣で眩しくてこの世界にいまだに慣れてない俺からすると……

 

(いや、だからこそ真剣に考えないといけない 俺の今思っている気持ちより今目の前の九藤に向き合う事こそ必要だろう)

 

だからこそ思考を回す。

原作の知識を使ってもそれは、ただの付け焼刃だしどうせボロが出る 彼女に納得する答えがそこにあるとも限らない ならどうするどんな言葉がこの場合適切か

俺が今思っている事  アイツらならどうする  いや

 

「ふぅー  …スマンが少し言葉も乱雑になると思うし、たぶん容量が得ない言葉も多くなるかもしれんがそれなら話を出来ると思う」

 

「構いません 聞かせてもらってもよろしいでしょうか」

 

彼女の了承を得た以上こちらももう逃げられない。

今からの俺の言葉で彼女に警戒を今まで以上にされるかもしれん、執事の目もある この先の展開なんて予想がつかないし 自分が知っている原作の未来にどう影響するかなんて分らんが・・・

 

(あれこれ考えても仕方ないし 結局いつも通りに自分の思うがままするしかない トウヤの時もアリスちゃんの時も花園の時もそうしてきたし)

 

そう、今までもそうだ 結局どこかの物語の主人公みたいな100点満点の答え何て俺は、知らない 今の九藤が求めている事も何も分からない だからこそ他の誰でもない たとえその答えが0点でもそれこそが俺の思いならこの答えにも納得ぐらい出来るだろう。

 

だからこそまず 今は、こっちも真剣に九藤と向き合う為に相手の顔を見る。

 

「まず初めにだが、俺が九藤さんに思うことだが まぁ普通に財閥の令嬢って立場大変そうだなと思ったぞ 俺が同じ立場だったら気が重くてやれないと思ったぜ」

 

「・・・そうですか」

 

相手の反応を見るが まぁ今何を思っているかなんてこっちは、分らん。

だから、こっちの今の思いをぶつける。

 

「そうそう それに九藤さんって 大変そうじゃん やっぱり財閥の令嬢って立場から他の人からいろんな目で見られしある程度の結果を出さないと周りの人も納得しないでしょ 少なくとも内のクラスメイトも九藤さんの事をスゲエー優等生と思っていると思うぞ」

 

「そんな事は、ありませんよ・・・」

 

彼女の表情が少し曇った感じがした  ここだな

 

「だからこそ 俺には、九藤さんの事を理解できない」

 

「えっ・・・」

 

初めて彼女の表情に今までにない変化が表れた ただ、もう言葉を止めるつもりもない

 

「俺は、少なくとも周りの評価なんて気にしていたらストレスを感じるし 求められている結果を出せ何て言われても知るかーと思うし多分イヤイヤでやる。

当然同じ状況なら自分の立ち振る舞いが相手にどう思われるかなんて気にしないといけないだろうがそれを理解しても当然ながら逃げられるなら逃げたいと思う」

 

今 俺が言っている言葉の中には、原作でもあった彼女が抱えている心理描写にもあった財閥令嬢の立場に抱える思いもある。

九藤は、少し原作でも変わったヒロインであった。

好感度を上げず、ストレス値がMAXになるとNTRイベントに突入するが同時に好感度を上げてもストレス値が上がるキャラでその都度イベントを進めるには、ストレス値を一定にして好感度を高く維持しないといけなかった。

 

(その要因が、財閥の立場や立ち振る舞いに対するストレス そういった描写も確かにあったが・・・)

 

彼女が思いつめるシーンが確か原作でもあったし、言葉まで覚えてないが主人公がそこで寄り添う事で九藤ルートに入る事も知っている。

少なくともいきなり、理解できないみたいな否定から入らなかった。

 

「俺には、すくなくとも九藤が何を思って今をどうしたいかなんて理解する事なんて出来ないだろうしその今の思いをわかってやれないだろうけど・・・」

 

だからこそ この思いは、俺の思いからの言葉でもある証明になる。

 

「俺は、九藤さんの事を 凄いヤツだと思うぜ」

 

「・・・えっ」

 

また彼女の表情に変化があったのが分かった。 たぶん、最初の否定から入ったから混乱しているだけかもしれんが

 

「少なくとも 今の九藤さんを見て他の人達が思っている評価は、九藤さんの頑張りの結果であり その立ち振る舞いを見て誰も九藤さんの事を悪く言う人なんていないだろうけどそれは、日々の積み重ねの結果だ 他の誰でもない九藤さんが積みかねたものだ」

 

そう 今の彼女の評価や印象を積み上げてきたのは、他の誰でもない彼女自身だ。

 

「だからこそ そんな頑張っている九藤さんをすごいと思うし尊敬するぜ」

 

少なくとも、自分に前世の記憶がなく同じ年齢ぐらいの時ならグレる自身があるしな

 

「・・・ふふ 凄く正直に自分の思いを言うのですね」

 

ずっと聞いていた九藤さんがここにきて初めて笑った。

 

「まぁ 俺の思いとしては、こんな感じだけどどうだ・・・?」

 

そう聞くと、九藤さんもいつもと違いなんだかリラックスした感じで

 

「そうですね・・・最初私は、天堂さんにどう思われているか怖かったのですよ」

 

「そうなのか・・・」

 

それは、知らなかった

 

「ええ 最初に初めて皆様に自己紹介をした時に皆様が注目している目線の中一人だけこちら見ている視線が違っておりました。」

 

(あぁ あの時は、想定外の転校生に驚いていたしまさか、九藤さんとも思ってなかったからなぁ)

 

確かに、始業式の反応でそう思われても仕方ないかと納得していると

 

「だからこ、ここまで真剣に私を見て話をされると思ってなくってビックリしましたわ」

 

「そうなのか・・・」

 

どうやら 先程までの言葉は、悪くなかったみたいだ。

 

「ええ おかげで嫌われてないどころか あなたのおかげでスッキリしましたわ」

 

「スッキリ・・・?」

 

「はい 実は・・・」

 

そこからの彼女は自分の思いを答えてくれた。

財閥の令嬢としての立場や振る舞いクラスメイトや他の人からの視線や評価を 自分が今正しく行動出来ているか不安だったと

 

「だから、安心しました わたくしが不安に思っていた事をここまで親身に思って話してくださリましたので」

 

「いや、結構 バッサリと思った事を言っただけだぞ俺」

 

「それでも…」

 

その後、こっちの目を見てから

 

「天堂さんが、真剣にこちらを思いお話をされた事が分かりましたので嬉しかったですよ」

 

そう言って笑う九藤さんは

 

「何だ、九藤さんの今の方がだんぜん魅力的だぜ そんなふうに自然に笑っている方が似合っているぞ」

 

「えっ!」

 

何故か、九藤さんが固まってしまったが俺からすれば今の自然に笑っている彼女の方が親しみやすく…やっぱり、この世界の住人の笑顔が俺には、眩しかった。

 

 

その後 ある程度お話をしてその場は、お話はお開きになった。

なぜだか 九藤さんからは 「天堂さんっていつもそうなんですか」と言われた

何故かだいぶ呆れた顔をしていたが

 

「レン君、お帰りー」

 

「おう 遅くなった」

 

学食で見かけなかったがどうやら教室で花園と食事をしたみたいだ

 

「それで、九藤さんとの話は、どうだったの?」

 

「いやー 少し色々話したらさぁ 最後だいぶ呆れた顔をされた」

 

「あー まぁ それなら安心したけど レン君って誰でも本当に相変わらずだね」

 

何故かトウヤと話に聞き耳を立ててた花園からも呆れた顔をされた……いやなんでだよ

 

その後は、世間話をして午後の授業の準備をした。

 

 

 

これが九藤さんとの長い付き合いになる切っ掛けとなった1日目となった

 

 






次回後編
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