同人ゲーに転生したけど、肝心の主人公が死んだ   作:一般ユーザー

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第17話 先輩のヒミツ(前編)

 

青崎 ミサキ

 

原作では、高校2年生の生徒会長を務めていて学校での生活は、模範的な生徒そのものであり先生やクラスメイトからも信頼が厚い人物である。

また、元来の責任感からか生徒会の仕事に取り組む姿勢に彼女をよく知る多くの生徒達からも尊敬の眼差しを向けられたり、女子生徒の中でお姉さまと慕われていたりする。

 

同人ゲームでは、アリスちゃんと違い先に卒業するが通常通りのルートでイベントフラグを回収してから好感度を上げるとルートが確定して主人公が卒業するまで定期的に出会いコマンドでイベントや特定のCGイベントのコンプ等があるキャラである。

 

ただ、一つ彼女のイベントを進める際に気を付ける事がある。

 

ストレス値の上昇だ

 

彼女の場合ストレス値を上げすぎるのと特定のイベントフラグの回収をしない場合NTRイベントに直行してそれ以降の攻略が出来なくなる。

 

そして、彼女の場合ストレスを上げすぎると特定のイベントが発生するがそれこそが・・・

 

 

 

 

 

夏の誰もいないハズの公園で不審者みたいな恰好をした彼女・・・生徒会長の青崎先輩が俺の言葉で完全にフリーズしたのを見ながら今後の対応を模索する。

 

(しかし、まさか原作が始まる前からだったとは いや、多分まだそんなに回数をかさねてないと思うが)

 

原作での彼女の設定を思い返す。

 

ゲームでの青崎ミサキの秘密の欄にあるのは、露出狂という三文字だけだがこの秘密がゲームでのイベントと密接に関わっている。

 

ゲームでは、彼女の元来の責任感からより多くの事を必要以上に抱えこむふしがある。

そこに周りからの信頼や尊敬の眼差しが逆に彼女の精神を追い込んでいた。

彼女の秘密の行動もそんな、自分のストレスの吐き口の為の行為であったらしい。

 

原作では、主人公の選択やイベントの回収で秘密の行動をしなくなり彼女のルート分岐が確定するのだが

 

(もしかしたらと思い今まで行動してきたが、出来たら遭遇したくなかった。)

 

たしかに同人ゲームでの露出狂って設定は、よくあるかもしれんが現実問題になった際にどう説得するか分らんのが現状だ

 

(でも、お互い黙ったままじゃ話にならんしとりあえずこちらから話をしてみるか)

 

とりあえず何が正解か分からないなりに彼女に話をする事にした。

 

「その青崎先輩、そんな恰好でいたら暑いですよ 夜でも今夏だし脱水症状になりますよ」

 

一旦、言葉で探りを入れる。

こんな、8月のクソ暑い時期に長いコートをしている時点でほぼクロだと思うがもしかしたら下にちゃんと服をしているかもしれん。

 

「あっ ああ そんな事ないぞ 私 暑がりだからこの時期にコートを着ているんだ」

 

(お おおー マジか、いくら何でも嘘が下手すぎる)

 

あきらかに今思いついたような嘘を動揺して言ってきたのでこっちが内心動揺してしまった。 いや、いくら何でももうちょっと何かあっただろう。

 

「そうですか、それよりやっぱり青崎先輩だったんですね もしかしたら別人かなと思いましたよ」

 

「ええ! あ いやそうだなぁ 私もこんなところで後輩に会うとも思わなかった。」

 

(俺もこんな所で先輩に会いたくなかったですよ)

 

たしかに、原作での描写的に生徒会長としての立場からくるストレスからの行動であったから既に生徒会長になっていた時点で原作より前からやっていた疑惑が自分の中にあった。

 

今までは、直接確認するすべもなくイベントであったようにSNSをチェックしたりここ近辺をみて回ったりして遠回りに確認をしていたが

 

(そういえば、夏休みも生徒会の仕事ってあったな)

 

そんな事を思い出しながら、現状の問題の解決案を探る

 

(相手は、しらばくれるつもりだし・・・仕方ない、もっと具体的に攻めるか)

 

このままじゃ逃げられて終わりだし、また再発されても困るから逃げ道を塞ぐ

 

「そういえば、知っていますか先輩」

 

「なんだ、すまないが急・・・・・」

 

「ここって、露出狂の人がでるらしいですよ 特にこの時期」

 

「いで・・・」

 

また先輩がフリーズしたが それは、認めてしまう事になるぞ先輩

まぁ、原作でもSNSに上がっていたしNTRイベントがそれに繋がるし

 

「どうしたんですか、先輩顔色が悪いですよ」

 

「いや・・・その・・・」

 

きっと、このまま最初の段階で知らないふりをして全力で逃げればたぶん今みたいな状況にならなかっただろう。

だが、原作での展開を知っている以上ここで完全にとめる必要がある。

 

「そういえば、最初の質問の続きなんですけど・・・どうして、この時期にそんな長いコートをしているのですか それにサングラスにマスクまでして」

 

「・・・・・」

 

完全に先輩が黙ってしまった。

 

「・・・暑がりは、嘘だったんですか」

 

「君が・・・それを聞いてくるって事は、たとえここでそれを理由にしてもこの下を確認されたらどのみち嘘だとばれてしまう」

 

「そうですか・・・」

 

どうやら 先輩は、認めてしまったのか表情が暗い

 

「それで・・・それを知った後輩君は、どうするつもりだい」

 

「そうですね とりあえず場所を変えませんか今でした俺の家、家族もいませんので」

 

「・・・分かった 君に従うよ」

 

先輩は、何やら決心をしたようだが俺としてもこれ以上ここに滞在して他の人に目撃されるとまずいから先輩を先導してから家に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

家に向かう途中も、お互いほぼ無言だった。

先輩を観察するが下を向きながら、歩いているので様子が分からない。

途中で逃げだす事もできただろうにそんな素振りも見せない。

 

結局、家の敷地に入って玄関前まで着いてしまった。

先にドアを開けてから先輩を先に入らせて家の玄関を施錠する。

 

この間も、先輩が黙ったままなのでこちらから声をかける

 

「先輩とりあえず一つこちらからいいですか」

 

「・・・あぁ 私に出来る事なら何でもするぞ」

 

(そうか 何でもするのか、なら やってもらおうか)

 

下を向いていた顔を上げて、何か諦めた表情をしている先輩に向かってお願いすることにした。

 

「そうですか、ならとりあえず風呂にでも入ってきてください、沸かしてきますので それと女性用の服なんて用意ないんで俺の服でも使ってください」

 

「そうか、分かった・・・・・えっ風呂 それに服を貸すって」

 

さすがに・・・母親の服を無断で借りるのは、無理だし親に理由を聞かれても困るから男女兼用出来そうな服でも俺の服から貸すか

 

「とりあえずある程度の服を持ってきますので着れそうなのを適当に選んで風呂場に持っていってください」

 

「その・・・何でお風呂?」

 

「この時期、夜とはいえ汗かくでしょ それにそんな恰好じゃ話もできないのでさっさとお風呂に入ってきてください タオルも勝手に使っていいので」

 

先輩がしばらく呆然としていたのでとりあえずお風呂の用意、いや今日の休みの出かける前にお風呂掃除しておいたから軽くシャワーで流してお風呂を沸かす。

その後、とりあえず何点か問題なそうな服を先輩に渡す。

 

「まだ、お風呂沸くのに時間がかかるのでとりあえず服選んで風呂場で待っていてください・・・そう言えばここに連れてきてあれですけど先輩ってご家族に連絡しなくて大丈夫ですか」

 

「・・・いや 家族は、二人とも家にいないから大丈夫だ」

 

そうか たしか、原作でも彼女の親が二人とも仕事熱心でそれこそ、仕事の事ばかりで娘の事を見れていない描写がゲームであった気がするがこの時期から既にそうだったみたいだ。

 

 

「そうですか、とりあえず俺 先輩が風呂から上がるまでリビングでゆっくりしていますのでゆっくり入ってきてください 後ドライヤーも勝手に使っていいですので」

 

「・・・分かった 君に従うよ」

 

公園の時と同じ返事だったが、どうやらそのままお風呂場まで行ったようだ。

こっちもリビングのエアコンをつけながら部屋から持ってきた人間の心理(上)巻と(下)巻を持ってきて時間をつぶすことにする。

 

(いや、何とか場所を変えれたけどこれで良かったのか)

 

場所を変えるつもりが勢いで家まで連れてきてしまった。

 

(ハアー これじゃ同人ゲームの導入みたいだな いや同人ゲームが舞台の世界だったここ)

 

とりあえず・・・今できるのは、先輩がお風呂から上がるまで待ちつつこの原作でも出たイベントアイテムの本の効果にでもすがるか

 

(しかし、まさかこんな事で効果を確かめる事になるとは・・・)

 

先輩がお風呂から上がるまで俺は、本を読み続ける事にしたのだった。

 

 

 

 

 

「・・・・・すまない お風呂を借りたぞ」

 

「いいですよ とりあえずお茶を用意したのですか・・・ジャスミンティーなんですけど先輩飲めます」

 

「・・・あぁ 大丈夫だ いただいてもいいのか?」

 

「どうぞ 飲んでもらう為用意したので」

 

結局、あの本を読んだが内容が普通の本より頭に入るがそれ以上の効果を実感が出来なかった。

なので、先輩が上がるまでにお茶の用意をしたのだが

 

(見た感じ、最初より表情が和らいでいるな)

 

自分のお茶を飲みながら先輩を観察したが少しリラックスしているみたいだ。

 

「そういえば 先輩は、今日も生徒会の仕事だったんですか」

 

「・・・ああ そうだが」

 

「そうですか、やっぱり夏休みでも生徒会って大変ですね・・・」

 

それからとりあえず話をしながら先輩の様子を観察することにした

話す内容も、夏休みあった事や、普段の日常生活であった事等を話していたら

 

「その・・・聞かないのか あの事を」

 

「先輩が、話して大丈夫なら聞きますよ」

 

先輩が自分から話を振ってきたので、先輩の目を見て聞く姿勢に入る。

 

「そうか・・・分かった、聞いてくれ」

 

それから、ぽつぽつと先輩の気持ちを聞かせてくれた。

家では、常に一人でいるが親から期待が強い事や、生徒会の仕事に対する責任や他の生徒や先生の期待や尊敬の眼差しが重く心理的にのしかかる事

最初は、軽はずみで始めた露出も気が付けばクセになってしまった事。

 

話し終えた時の先輩の顔が見えなかったが 一つ俺からいえる事がある。

 

「先輩・・・一ついいですか」

 

「・・・何だ」

 

「どうして、あんなバレやすい恰好でしたんですか」

 

「えっ」

 

先輩が何故か固まったので言葉で追撃をする。

 

「先輩の髪の色って結構珍しいいし せめてカツラするなりして隠しましょうよ」

 

「いや・・・ここは、普通どうしてそんな危ない事をしたとかを聞くんじゃないのか」

 

「なら、聞きますがどうして危ないと思っているなら露出なんてしたんですか」

 

その言葉で、先輩が黙ってしまった。

そもそも、危ないなら普通しないことを本人が知っていてしているのだからそこで話を続けてもしかたないからまず、今の俺の思いを言うしかない。

 

「先輩 大前提俺は、先輩の事を知らないです。 先輩が生徒会長であること以外普段の先輩なんて知りません」

 

先輩は、ただ黙って聞いてくれている

 

「だから、先輩の気持ちを簡単に理解なんてできませんが 一個人として先輩に危ない事をしてほしくありません」

 

「・・・」

 

先輩の反応が分らんが言葉を今更止めるつもりもない。

 

「先輩が悩んでいる事を聞いて他の人だったら、先輩に寄り添い悩みを聞いて共感できるかもしれませんが俺はそんな器用な事が出来ません。 ただ、もしあの場で他の人に襲われたらと思うとそんな危ない事をしてほしくありません」

 

原作での主人公は、イベントの中で彼女の悩みを聞いて解決したが俺にそんな事を期待されても困る・・・俺は、主人公じゃないのだから  だからこそ

 

「たぶん先輩も俺の事を知らないと思いますが だからこそ、他の人に言えない事も言えるんじゃないんですか いや、別に全部言わなくてもいいですが・・・ただ、俺でしたら話ぐらいなら聞けます 何か困ったがあったらまぁ出来る範囲で頑張ってみます」

 

そうして、先輩の顔を・・・目を見ながら

 

「とりあえず知った以上は 俺は、先輩の話ぐらい聞きますし・・・先輩の味方であるつもりです。  一応もう露出はやめてほしいですが」

 

そういうと、先輩は目を閉じてから

 

「ふふ まさか、ここまで知って君は私の味方でいてくれるのか」

 

「いや、当たり前じゃないですか さすがに話を聞いた以上助けが必要なら助けますよ」

 

そういうと、先輩が笑いながら

 

「そうか・・・最初は勘違いしていたけど君をいや・・・天堂君を勘違いしていたみたいだ。」

 

「えっ、俺の名前をしっていたんですか」

 

「あぁ 個人的に知っていただけだが・・・ただ君がそんな・・・いやとりあえずありがとう君のおかげで少し心の整理がついた  君のおかげだ」

 

「なら、いいんですけど」

 

何が、先輩の心に響いたか分らんがこの後も先輩の様子を観察したが最初に比べてだいぶリラックスしていて本当に安心した。

 

 

 

 

 

 

あの後、色々とお話をしたりや何故か一緒にテレビを見たりしていたがこれ以上遅くなるとあれだから先輩の自宅まで一緒に行くことにした。

 

「すまない、こんな時間まで一人で帰れたんだが」

 

「さすがにこの時間を女性一人で出歩くのは、危ないですよ それに俺が家に誘ったからこんな時間にもなりましたし」

 

二人で会話をしながら先輩の家まで着く。

どうやら、原作同様立派な大きなマンションみたいだ。

 

「それじゃ、何かあったら電話をしてください 後、服はいつでもいいので適当な時に返してください。」

 

「あぁ・・・そうさせてもらう」

 

実は、家での会話の時に既に連絡先を交換したのだ。

もし、困った事や悩みがあったら相談する為の連絡先だが どうやら何を思っているか分らんがだいぶ信用されたみたいだ

 

「それじゃ 俺帰りますね」

 

「あぁ わかった 今日は、色々と後輩君に迷惑をかけてしまったな」

 

そう言って先輩は、こちらの目も真っ直ぐに見てから

 

「後輩君・・・いや、天堂君ありがとう 今日の君のおかげで私は、救われた・・・本当にありがとう」

 

「・・・いいですよ、 少しでも先輩の悩みがはれたのなら」

 

(たっく・・・なんだ、やっぱり今の先輩の方がいつもの学校での知っている顔よりだいぶいい)

 

本人は、たぶん気づいてないと思うが普段のようなどこか張り詰めた表情をしていないからか凄く魅力的な表情をしている。

だから、帰り際に言葉を投げかけてから全力で走った。

 

「今の先輩・・・すごく魅力的ですよ 俺は、普段の張り詰めている表情をしている先輩より今の先輩の方が好きですよー それじゃさようならー」

 

先輩の顔が赤くなったのを確認して先輩が声をかけてくる前に全力で家まで帰る。

 

 

 

最終的にどうなるか分らん所もあったが帰り際の先輩の表情を見て少なくとも今後原作みたいな危ない事は、ないだろうと一安心したのだった。

 

 

 

 





次回後編




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