同人ゲーに転生したけど、肝心の主人公が死んだ 作:自分探しの旅袋
この話は、ドキドキお泊り会(前編)と(後編)の間のエピソードになります。
天堂が九藤家にお邪魔している頃・・・
PM9時頃
路地裏:不良のたまり場
「ヒィ・・・ア・・ああ…助け」
「アカンね・・・言葉が軽すぎて・・・君を信用できひん」
(なんだよ・・・俺は、不良を辞めようとここに来ただけなのに先輩達がボコボコにされている)
・・・あの後、怪物に見逃された後に改めて今後の人生を考えて不良を辞めようと思い先輩達に連絡をしたら指定の時間に来いと連絡が来たので行ったらスーツを着た黒髪の胡散臭い男が後ろに複数人の男を連れてから先輩を痛めつけていた。
「誰・・なんだよ・・アンタ・・ガァ・・・ああ」
「やかましいな・・・近所迷惑やで・・・んん、そこの君待っとたで」
「えっ・・・はい!」
先輩に呼び出された時は、色々と覚悟していたし最悪逃げようと思ったのにいざ来たら予想外の展開だし逃げようにも目の前の男に呼び止められて咄嗟に返事をしてしまった。
「君・・・田中君やろ」
「はい!・・・どうして名前をしっているんですか」
目の前の男の人が怖い・・・あの、化け物と違う薄気味悪さに恐怖を感じる
「田中 シタオ・・・親との折り合いが悪く、先月程から不良の界隈に入ってきたけど特に目立った事をしてないみたいですね」
薄気味悪くて胡散臭い男の隣に立っているサングラスを掛けて背丈が高い大柄の男の人ににこれまでの事がバレる・・・どうして、そんな事まで・・・
「それで君は、不良やめるつりなん?」
「・・・・・はい・・・自分は、不良をやめて親に謝りたいです」
どうしてそんな事を聞いたか分からないけど、ここに来た元々の理由を言うと
「・・・せやったら帰ってええで 君」
「はい・・・いいんですか?」
話の流れが分からず返事をしてしまったが目の前の男が
「君に構っている暇は、あらへんし好きにしたらええ」
「ありがとうございます・・・」
相手の意図が分からなかったけど帰っていいのならと来た道を帰ろうとしたら
「・・・ただし、もし君が悪い道に戻ってきたら容赦しいひんで」
「はい・・・肝に銘じておきます」
その相手の言葉から感じる圧に心底怯えながらもこの夜以降、彼らや不良の界隈に関わる事は、一切なかった。
一人の少年が裏道から出て行った後
「よかったのですか裏小路さん彼を見逃して」
「ええやろ・・・彼は、あきらかにこの界隈に向いてへんし」
サングラスの男の質問に胡散臭い男・・・裏小路が答える
「それでこの不良達どうします?」
「任すで・・・こいつらは、ここで長い事悪さをしてきたくせに、気軽に人や信用を売り、甘い蜜だけ吸うような奴らだ・・・好きに処分しなはれ」
「分かりました・・・オイ、お前たちマニュアル通りにこいつらの処分任せたぞ」
サングラスの男の掛け声に後ろで待機していた男達が不良達を連行していく
「それで・・・例のヤクザグループは、つぶしていいんですか?」
「そうや・・・今回の損益分は、十分に金をむしり取ってから他の相手方さん達に、アイツらの機密情報を漏らしたら後は、勝手に潰れるやろ」
今後の計画を、お互いで話し合った後に
「しかしよかったのですか例の少年に何もしなくて」
「アホか 約束を破るわけにいかへんし・・・あれを相手にしたくないわぁ」
そうやって裏小路は、自身が持って入る紙に目を通す・・・内容は、天堂 レンに関する近辺調査の途中報告書だ
「しかし、珍しいですね・・・裏小路さんがそんなに警戒するの」
「警戒するのなんて当たり前やろ、この業界で逃げ時を間違えた奴から消える・・・覚えときな」
そう言いながら、その場でサングラスを掛けた男に途中報告書を渡す。
そこには、裏小路が書いた文字が・・・天堂 レンの関係者に手を出すなという文字が
「しかし、そんなにヤバいのですか彼・・・天堂 レンは」
「そうや あら、化け物や・・・見逃されたのは、あの時なんもしいひんかったからや」
裏小路は、そうやってあの場で撮った動画の一部を目の前の男に渡す
「これは・・・本当ですか・・・CGじゃなくて」
「ほんまで・・・それも彼、手加減しているし・・・ほんまに怖いわぁ」
そこには、裏の業界でも有名な人間もいたが関係なく全員が一人の少年の圧倒的な暴力により鎮圧されている映像だった。
「これで、手加減ですか・・・相手が武器を持っているのに素手で・・・命の取り合いでそんな事をして下手したら死んでいますよ」
もし・・・逆の立場ならとサングラスの男は、考える 命の取り合いを素手でそれも複数人を相手に・・・出来るはずがない
「甘いな・・・君は、彼の事を理解してへん」
しかし、目の前の男・・・裏の業界でも長年に渡って生きてきた裏小路が甘いと吐き捨てる。
「彼にとっては、命の取り合いですらあらへん・・・ただの喧嘩の延長戦上やで・・・それも一方的な」
「なぁッ・・・これが、ただの喧嘩ですか!」
自分なら武器があっても死ぬ可能性が高い命の取り合いが自分より遥かに年下の少年には、ただの不良との喧嘩の延長線上と聞かされて脳が理解する事を拒む
「そうや・・・だから、彼にとっては、手加減の対象でしかあらへん・・・下手したら殺してしまうさかい」
実際に、脅しで投げた鉄パイプが頑丈なドアを貫通した事やこちらが一人でも警戒を緩めない所か嘘をついてこちらの出方を隠れているかもしれない仲間を警戒していた事・・・少しでも自分が手を出していたらどうなっていたのか分からないと言う裏小路の言葉にサングラスの男は、やっと理解した・・・この少年、天堂レンが化物という言葉の意味を
「だからこそ、彼の関係者に手を出したらいけないのですね・・・」
「そういう事や・・・今は、人の社会の鎖で力を抑えているんやけど いっぺんなんかの拍子で彼の鎖が解き放たれたら手も出せず蹂躙される・・・それこそ命のやり取り所か一方的な虐殺が起きてもおかしない」
(それに彼のあの時の目ぇよう知っている)
それこそ、この業界で何度も見てきた死を前にしてその死を理解して直視しながらも生ようとするイカれた連中と同じ目をしていた。
それを高校1年のガキがしていた事に心底驚いた。
「ほんまに・・・どないな生き方をしたらあないな風になるんや」
「そうですね・・・それに、それだけの力がありながら警戒心も強く土壇場でも頭が回る化け物ですか・・・変に手を出したらこっちが大損になりますね」
お互いにため息をつくとサングラスの男のスマホじゃない方の携帯が鳴る・・・緊急連絡の合図だ
「・・・・・分かった、撤退しろ」
「・・・どないした」
「・・・裏小路さん、九藤家の黒の忍び刀に伝説の傭兵・・・鬼人が動いたそうで例のヤクザ組がもう潰されたそうです」
「はぁー! あの引退した爺さんか」
その言葉に、裏小路がため息をさらについてから
「マジで今回は、大損や・・・しゃあない早う撤退するで、一日に2回も化け物を相手したない」
「そうですね、同意見です・・・しかし、九藤家に鬼人が戻ってくるなら今回の少年も含めて警戒が必要ですね」
「はぁー 人生上手くいかへんもんや」
・・・この数分後、ここには一切の痕跡が残らなかった不良も彼らがいた痕跡も一切・・・まるで何事もなかったように
一方その頃・・・
ヤクザ事務所・・・・・・跡地
「終わりましたな・・・」
ここは、例の九藤家のお嬢様と先輩を攫ったヤクザが所属していた組合の本拠地であり多くのヤクザが所属して今日まで悪さをしていたのだが
「ふむ・・・やはり、昔みたいにいきませんな、病が治ったといえこの老体ですと」
ここには、大きなヤクザの屋敷があったのだが見るに無残な姿に変わり果てていた。
本当にさっきまで人が生活していたのか分からない程に
そんな屋敷の中央で月を眺めている老人が一人・・・この屋敷の跡地で一人だけ一切の汚れもついてない執事服を着ており、自身の肉体の調子を確かめてから不満を漏らす。
「いや・・・あんなに一人で暴れていて何を言っているんですか鬼流さん」
「おお・・・大城殿、ご無事でしたか」
そんな老人の執事の前にSPのリーダーの大城が声をかける。
「いや・・・流石生きる伝説ですね、数々の裏組織から鬼人と恐れられていただけあります」
「買い被りすぎですよ、大城殿・・・今の私は、執事を引退しただけの老いぼれですよ」
「やめてくださいよ・・・貴方が老いぼれなら、私達・・・黒の忍び刀なんて只のなまくらになってしまいます。」
そう、目の前の老人・・・かつて九藤 セイカの専属の元執事だった男こそ伝説の九藤家の傭兵であり数多の武器の取り扱いに長けており数々の裏組織を壊滅させてきた姿から裏の業界では鬼人と長く恐れられていた。
そんな彼だが、自身の病を治すために執事を引退して闘病生活を送っていた
そして 大城率いる表舞台では、SP所属という偽の看板を背負っているが裏の姿こそ九藤家を昔から陰で支えてきた通称【黒の忍び刀】であり大城は、そこのリーダーである。
「しかし・・・残念ながら狐に逃げられてしまいました」
「・・・狐ですか・・・?」
「そういえば鬼流さん、長く離れていたから知らないかもしれないですけど最近、裏の業界で有名ですよ お金の話であれば何でもする裏界隈の何でも屋ですよ」
大城は、手に持っていた一部の書類を鬼流に渡す。
そこには、簡単なこれまでの何でも屋【裏小路】の概要が書かれていた。
そこには、今回の件も含め何でも屋【裏小路】が関与したと思われる事件等が書き記されていた。
「・・・なるほど・・・これは、厄介な手練れですね」
「厄介な手練れですか・・・」
「・・・まだ、この書類だけじゃ分からない部分もありますが・・・長年の経験でこの手の相手は、自身に危険が迫るとそれまでの情報を捨てて一切合切証拠を残さないタイプですから一発で仕留める必要があります」
(すごい・・・流石伝説の傭兵、少ない資料から既に、狐の今までの行動や習性を理解している)
大城は、関心をしていた。
何故、何でも屋である【裏小路】が狐と言われているかというとまさにその逃げ足の速さとその巧みな裏業界の処世術にある。
彼ら【裏小路】は、所属メンバーや所属地に経歴・過去も全て不明でありながら常に金の匂いを嗅ぎつけてきてその都度、経営方法やビジネスのやり方を変えて裏業界の至る所に進出している。
入念に探せば狐の尻尾が見つけられるがそれを捕まえようとすると何時の間にか関わっていた痕跡事消えている為・・・ことわざである『狐につままれる』を引用して狐と言われている。
「しかし・・・今回は、いつもより早い撤退でしたね・・・いつもなら、巧妙に深くまで根を張るのですが今回みたいに全力で痕跡を分かりやすく消しているのは、初めてですよ」
「・・・・・なるほど、そういう事ですか」
その話をすると、鬼龍さんが一人納得したように深く頷いている。
「何か、分かったんですか!」
「簡単ですよ・・・彼・・いや彼らは、恐れたんですよ 天堂様の事を」
「あの少年をですか・・・?」
頭に疑問を浮かべた大城に
「多分ですが、彼とヤクザの戦いを観測してからその危険性を危惧して全力で気づかれることを承知してでも痕跡を消したのですよ・・・たしかに、関与していた事だけみれば分かりやすいですがそれ以上にこちらが調べる事も出来ません」
「・・・それほど、彼を恐れたのですかあの狐が」
大城には、俄かに信じられないが鬼流は、頷いてから
「少なくとも、一介の高校一年生が素手で人質がいる中で拳銃にナイフも持って入る集団に一切の躊躇をせず手加減した状態で全員を気絶させているんですよ・・・少なくとも武器を持たないと私でも無理です」
(いや、武器を持っていたら出来るんだ・・・)
あの少年も目の前の老人も自分からしたら十分に化け物の類だがさらに目の前の老人は、付け加える
「それに・・・初めて彼と会った時、衰えていた私の体が警戒態勢になった事を覚えています」
「は・・・えっ・・・!」
その言葉は、さっきのより何倍も衝撃だった
「彼は、ある日を境に急成長していきましたが・・・その前の初めて中学生の彼に会った時は、大変驚きましたよ・・・・・人生で初めて自身を超える逸材を発見した時の感情を今でも忘れられません」
「あの伝説の傭兵にそこまで言わせる程なんですね」
少なくとも彼が中学生の時は、今の執事も病がなくほぼ全盛期ほどでないにしてもまだまだ現役であった事を知っていた為、改めて例の少年の凄さを実感してしまった。
「しかし・・・それでしたらこちらにもいい考えがあります」
「いい考えですか?」
「ええ・・・私の予測が正しければ狐の方は、天堂様に関する情報を洗いざらい調べた後に彼に深く干渉しないように行動するはずですからそこを突きます」
「・・・どうやってですか?」
大城には、鬼流の意図が読めなかったが
「既にここまで、狐が関与をした事を理解している裏の方達に向けて天堂様の名前を出さずにこう言うんですよ」
その後、一呼吸してから
「九藤家には、伝説の傭兵である鬼人が自身より強い物が現れたからこそ引退したと」
「・・・・・なるほど、それなら迂闊に裏の界隈も動けませんね」
裏の界隈では、伝説の傭兵が年や病で引退したと思っている層が一定数いるが
「実際には、自身の後釜が出来た為自身の病の治療の為に引退したと」
「はい そして治療も終わり鬼人が復帰したと知れば」
「彼ら裏の業界は、伝説の傭兵とそれと同等の謎の人間を相手しないといけないのですね・・・その謎の人間を唯一知っている狐も少年の情報に関与出来ない為ほとんどの奴らが動けないと」
たしかに、それならこれ以上狐の勢力や裏の奴らが九藤家に干渉する事が出来ないままこちらは、動きが鈍った相手に対して自由に動けて潰せるのでまさに一石二鳥だ。
「まぁ・・・これを機に、今まで証拠があったけどこちらも動けなかった不正の温床になっている悪質グループを遠慮なく潰せますね」
「そうですね・・・私もこの老兵の力で良ければ協力しましょう」
「あなたが協力するなら、鬼に金棒ですよ・・・・・・どうやら連絡が入ったみたいなので一旦屋敷に戻ります」
話をしている最中に大城のスマホが鳴ったので内容を確認してから鬼流に別れをつげてから屋敷に戻る
(しかし・・・天堂様は、私との約束を守ってくださったのですね)
老人は一人、綺麗な満月を眺めながら過去の思いに耽る
(私が彼を信じて・・・自身を蝕む病を治すために執事を引退したあの時)
彼に、何も言えぬ立場でありながらもただあの・・・お嬢様を大切に思う少年になら・・・私が生涯で初めて私を・・・ロクデナシの傭兵だった私を救ってくださった九藤家の当主の方達以外に自身の全てを託せると思った彼にならと頭を下げてお願いした。
「彼を見ていると、昔の当主様を思い出しますね」
彼は、真っ直ぐで綺麗な瞳で私の思いを汲み取り約束してくれた
(彼や・・・お嬢様の為にも最後までこの身を使い果たそう)
これは、誰も・・・本作の主人公も知らない原作にあった設定だが伝説の傭兵である彼は本来のストーリであればお嬢様を本当の意味で守る存在に出会うまで自身の病に気づきながらも誰にも明かさず隠してきた為、早くに体にガタがきてからこの世を去ったのが本来のストーリである。
しかし、天堂レンとの出会いが彼の運命を変えた
中学で初めて彼に出会った際に驚いたのは、何も自身を超える逸材に驚いただけが理由じゃない。
お嬢様の孤独に気づき、お嬢様の兄の様に接してお嬢様の自然な笑顔を取り戻した彼だからこそお嬢様の事を任せる事が出来て・・・早めに自身の病に向き合う事が出来たのである。
その為、既に死んでいるはずだった彼が生きている事がこの世界に大きな影響を与える。
この夜を境に、次々と主人公もヒロインも知らない所で本来であればNTRイベントにも関係している人間達が次々と誰にも認知される事なく表舞台から消えていった。
そして裏の業界の奴らは、怯える事になる
鬼人の帰還を
≪この話の登場人物≫
田中 シタオ
化け物と狐に会った被害者であり幸運にも見逃された人間
もし、少しでも悪さをしていたら表舞台から消えていただろう。
親に叱られながらも、化け物と狐の言葉が忘れられず今も記憶に刻まれている。
後に今までの経験から自分みたいな不良を生まないように教員になる事を志すが・・・それは、また別の話である。
不良先輩
・・・彼を見たものはいない
サングラスの男
・・・普通に用心棒として強いが動画で見た化け物に怯えている。
ヤクザの皆様
・・・消息不明
大城
表舞台では、SPのリーダーで本来の役職は、九藤家の暗躍組織【黒の忍び刀】のリーダー
この世界で上澄みの戦闘能力を持っているが・・・
裏小路
通称【狐】この話で出てきた胡散臭い男の裏で活動する為の名前であり組織名でもある彼の組織メンバーは、【狐の尻尾】として活動をしており彼もメンバーも本来の名前も戸籍も全て抹消して任務に応じて名前を変えている。
鬼流
伝説の傭兵であり通称【鬼人】として恐れられていた。
過去の傭兵時代の任務で負傷をしていた所当時の九藤家の当主に救われてからそれ以降九藤家専属の傭兵となった。
【鬼人】としての活躍は、裏の業界では、伝説でありその逸話のほとんどが実際の話しであり記録も残っているので生きる伝説として恐れられていた
原作では、病で死んでしまったが本作の主人公に出会い早めに専属の九藤家の医師に相談した結果色々あり現在では、昔ほどでもないが現役バリバリである。
天堂 レン
裏業界で恐れられる事になるが本人は、一切知りません。
主人公・お嬢様・先輩
「「「わあーーーお泊り会だ♪」」」
不良
「なんか最近、人の姿をした化け物がでるらしい」
ヤクザ達
「なんだよ・・・鬼人の帰還に鬼人も認めた化け物がいるだと! ふざけるな! 嘘だと思いたいのにあの狐どもが一足先に逃げていやがるしコンタクトも取れない・・・俺達ヤクザが何をしたっていうんだよ」
黒の忍び刀+大城
「随分と今まで調子に乗っていたな・・・覚悟は、出来ているか」
鬼流
「・・・・・・」武装完了
裏小路+【狐の尻尾】
「「「怖いわ・・・」」」高みの見物