同人ゲーに転生したけど、肝心の主人公が死んだ 作:自分探しの旅袋
※健全で安全な精神分析です。
カクヨムでも掲載始めました
神条アリス視点
お兄ちゃんが事故に遭った・・・
その知らせを聞いた時に、目の前が真っ暗になった 現実を受けとめきれない・・・どうして、お兄ちゃんが
お母さんと一緒に病院に行って先生からの知らせに二人で泣いて・泣いて・・・どうして・・・
どうして!・・・私が・・・不吉だから・・・疫病神だから・・・嫌だ・・・イヤイヤ・・・イヤ!
どうして、アリスが好きな人は、皆・・・アリスの前からいなくなるの・・・やだよ、一人にしないでよ
「アリスちゃん大丈夫・・・?」
違う、私には・・・レンさん・・・パパがいる・・・そうだよね、パパは、アリスを一人にしないよね。
「・・・どうして、パパは、アリスの事を他人行儀で呼ぶの・・・いつもみたいにアリスって呼んでよ」
「・・・・・えっ」
目の前のパパが驚いた顔をしているけど体調が悪いのかな?
私の目に映る・・・レンさん/パパの顔を見て笑う・・・パパは、アリスを一人にしないでね♪
「ふぅー 久しぶりだ、あそこでケーキを買うの」
今俺の手には、初めてアリスちゃんに会った時の様に片手に買ったケーキを入れた袋を持って玄関に立っている。
(懐かしいな 最初は、アリスちゃんに嫌われていると思って買ってきたんだけど)
あの時の記憶は、鮮明に思い出せる。
まさか、ケーキを買って号泣されると思わなかったしそれから一気に交流が増えるとも思ってなかった・・・あの日をきっかけにして、アリスちゃんとの関係が始まった。
(だからこそ・・・もう一度、始めるんだ・・・もしかした、嫌われるかもしれないな)
それでも ここに来た時点で覚悟は、決まっているし泊まる事もアリスちゃんとエリさんに伝えているから逃げる事も・・・いや、逃げるつもりもない。
一度、深呼吸をしてから落ち着く・・・そのまま玄関のインターホンを押す
しばらくしてから、玄関が開いて・・・
「おかえり! パパ!」
勢いよくアリスちゃんが飛びついてきたのでしっかりと受け止めてから・・・あの頃と比べて、目が濁ってしまったアリスちゃんの目を・・・今度こそもう逃さないようにしっかりと見てから笑顔で言う
「アリス・・・よかったら、この後アリスの部屋に行ってもいいか」
「えっ・・・ うん! いいけど・・・どうして?」
一瞬動揺したのを見逃さず・・・それでも、意思だけでもしっかり固めてから
「どうしてもアリスと二人で話したいことがあるけどダメか?」
「・・・うん なんだか分からないけどパパがそういうなら」
ここからが、正念場だ
そのままアリスちゃんの部屋に行く前に・・・先にアリスを部屋に行かせてからエリさんに挨拶をする
「すみません、急にお邪魔して・・・もしよければこれを・・・」
「トウヤ君、このケーキは・・・」
エリさんにとってもよく知っている思い出深いケーキだったのもあり少しだけ顔に笑顔が戻る・・・やっぱり、エリさん見ただけでも分かるけど凄く無理をしている。
「それじゃ・・・せっかくレン君が買ってきたのだしこの後アリスと皆で・・・」
「その、すみません・・・ケーキを食べるのは、後でも大丈夫ですか」
エリさんの・・・疲れ切った目を見てから自分が逃げないように宣言をする。
「この後・・・アリスの部屋でしっかりとアリスと話すつもりです」
「・・・・・」
エリさんの表情が固まった・・・その表情に何を思ったかまで分からなかったけど
「その、もしかしたらこの後・・・アリスの事でエリさんに負担をかけるかもしれませんが・・・それでも、これ以上アリスから・・・自分から逃げるつもりがない事を伝えにきました。」
「・・・レン君が気にする事ないわ・・・本当は、私がアリスを・・・」
エリさんが多分今まで堪えていた涙を流したのを見てからポケットに入れていたハンカチでエリさんに渡してから
「エリさんが謝ることじゃないです・・・この事に関しては、俺が何より自分の意思で決めたことなので・・・だからこそやるからには、中途半端な気持ちじゃなく全力で向き合いたいそうじゃないとアリスに失礼だから」
「・・・! あの人と同じことを言うのね」
最後にエリさんが言った言葉は、小さく普通の人なら聞き逃すほどの声量だけどしっかりと俺の耳に届いていたが
(変に聞くのは、やめよう・・・それに 今のエリさんの顔を見れば少しだけ表情がマシになったみたいだし)
俺が渡したハンカチで顔の涙を拭きとってから少しだけ笑うようになったエリさんを見て改めて俺も覚悟を決めた。
エリさんとの挨拶も終わってからアリスちゃんの部屋まで行きノックをする
「・・・パパ、やっと来たね・・・入って・入って♪」
アリスちゃんの案内で部屋の中央まで入った・・・ここなら大丈夫だろ
「それで・・・パパ、話って何?」
「そうだな、先に謝っておく、アリス・・・いや、アリスちゃん」
「えっ・・・あっ」
アリスちゃんが反応する前に俺の体は、動く・・・アリスちゃんが無理に逃げれないように抱きしめる形で
「パパどうしたの・・・それに、そんな他人・・」
「アリスちゃん・・・俺の名前は、天堂 レンだ・・・トウヤの親友でありアリスちゃんのパパじゃない」
「・・・・・えっ」
声を優しくあやす様に語りかけながら抱きしめた手で背中をホールドしてからホールドした手が届く範囲で優しく背中をさする
「何を言って・・・パパは」
「アリスちゃんのパパは、もういない・・・ここにいるのは、ただの学生だ・・・君と血のつながりもないただの学生だ」
真実を語るがその言葉を出来る限り優しく言い聞かせるように伝える
「・・・いや・・・嘘・・・嘘だよ、パパは、アリスに意地悪をするの」
「それでも・・・俺は、アリスちゃんに伝えたい」
「・・・嫌だ・イヤ・・・いや、いや、いや・・・一人にしないで」
腕の中で暴れているアリスちゃんの目を、揺れ動いている彼女に向き合う為しっかりと見てから
「俺は、アリスちゃんの・・・・・アリスの話を聞くことなら出来る、同じ場所で時間を共有することなら出来る・・・」
「・・・・・あっ」
アリスちゃんの目に少しだけ光が宿る・・・そうだ・・・この言葉は、最初にアリスに会った時に言った言葉だ
「少なくとも、俺はこうして君の前にいて話を聞くことができる」
「・・・・・でも・・・レンさんは、私のパパじゃない・・・私は・・・私がいるから皆・・・私の前からいなくなる」
アリスが俺をパパと言わなくなった・・・そもそも アリスちゃんは、最初から無理をして俺の事を自分の父として認識する事で心を保っていたのだろう
(今のアリスは、さっきより心が不安定かもしれないけど・・・今の俺をちゃんと認識できているからこそ言える言葉がある)
腕の中で俯いて・・・今にも崩れ落ちそうなアリスの頭を最初に会った時の様に優しく撫でながら
「俺は、アリスの髪の色が好きだ・・・最初に会った時にすごく綺麗だと思ったし幻想的で絵本から飛び出たお姫様かと思った」
「・・・・・」
腕の中でアリスちゃんが少し反応をした・・・この言葉は、アリスに髪について聞かれた時に俺が言った言葉だ・・・俺とアリスの思い出の一つだ
「俺にとって・・・アリスは、いつも優しくて・・・人一倍に人の心の痛みに敏感だからこそ相手の思いに寄り添えることを知っている・・・そんな優しいアリスが俺は、好きだ」
「えっ!・・・・・」
アリスが顔を見上げる・・・これは、俺がアリスに出会ってから思っていた事だ
「・・・アリスの気持ちを俺は、理解してやってやる事が出来ない・・・人の痛みは、人それぞれで軽はずみに理解できるなんて言えない」
(これは、あの時アリスちゃんに言った言葉で最後の部分は、俺のあの時の思いだ)
転生してからこの世界に馴染めなかった・・・この世界に生きる人と違う・・・俺だからこそ簡単に理解できるなんて言えない・・・この痛みは、俺の痛みで・・・アリスが抱えているのは、アリスの心の痛みだ・・・・・でも
「それでも・・・俺は、アリスの傍にいたい・・・俺に血のつながりは、ないかもしれないが俺にとってアリスは、大切で・・・アリスだからこそ一緒にいたい・・・他の誰でもない俺が一緒にいたいんだ」
「・・・でも、私は・・・不吉で・・・疫病神で・・・もしかしたらレンさんを傷つけて・・・」
「俺にとってアリスちゃんは・・・幸運の象徴だ・・・たとえどんな事があったとしてもアリスちゃんに出会えて俺の世界が変わった事は、変わらない・・・俺が幸せになった事実を俺が知っている」
この世界でトウヤしかいなかった世界が広がったきっかけの一人だ・・・アリスに出会えて俺の世界が広がった
「・・・でも・・・もしかしたら・・・レンさんだって何かあったら私の前からいなくなるかもしれない・・・」
「そうだな・・・この先の事は、俺に分からない・・・でも、そんな事関係ないぐらい一緒に傍にいてやりたい・・・いや、俺がアリスの傍にいたいんだ」
「・・・・・どうしてですか・・・私は・・・レンさんを・・・傷つけてしまった・・・自分の都合で・・・レンさんに迷惑をかけてしまった」
腕の中でアリスが泣いている・・・多分、俺を想像の父として縛り付けていた事にずっと心のどこかで罪悪感を感じていたのだろう。
「構わないよ・・・いくらでも迷惑をかけて・・・俺だってアリスに迷惑をかける事がある・・・でも・・・それでいいんだよ・・・迷惑をかける事も迷惑をかけられる事がある事も生きていたら当たり前の事で・・・でも、だからこそ人は、支えあって生きている」
転生してからも俺は、一人で生きてきたわけじゃない・・・親にも今までも今回の事でも心配をかけてしまった・・・でも・・・きっと親は、そんな事を迷惑と思わないだろう、なんせ・・・
「それに・・・そんな事を気にならないぐらい人を愛することだってできる・・・アリスの迷惑なんて気にならないぐらい俺は・・・アリスの事が大切だ」
俺の前世の親も今の俺の親も迷惑をかけてきた俺を愛してくれていた事を知っているから俺も愛する誰かの迷惑をなんて気にしていない・・・大切だからこそ支えたいと思うから
「・・・・・わたし・・・わたし・・・」
「泣きたかったら、盛大に泣いてもいい」
腕の中でアリスが泣いている・・・今まで堪えていた思いを吐き出すように・・・
そんなアリスの頭を優しく撫で続けた・・・アリスが落ち着くまでの間ずっと・・・
「その、ありがとうございます・・・もう、落ち着いたので大丈夫です」
「そっか・・・なら、少し離れるね」
「あっ・・・・・」
抱きしめていた腕からアリスちゃんを解放すると少しだけ寂しそうな声を出したが顔色もある程度最初より良くなっている。
「それより・・・アリスちゃん・・・苦しくなかった・・・その強く抱きしめちゃたし」
「別に苦しくなかったですよ・・・安心しましたし・・・・・それより、何でちゃん付けに戻っているんですか・・・先まで呼び捨てだったのに」
「ああ・・・それは・・・その」
「もしかして・・・もう、呼び捨てにしてくれないんですか」
目の前の悲しそうにするアリスの顔に耐えられるはずもなく
「・・・アリス・・・これでいいか?」
「・・・♪・・・はい、レンさん」
何が嬉しかったのが分らんが・・・少なくとも今の嬉しそうなアリスを見て安心した。
「そうだった・・・良かったらケーキを買ってきているから一緒にリビングまで行かないか」
「ケーキですか?・・・もしかして、あそこのケーキですか」
「ああ・・・一番最初にアリスちゃ・・・アリスと皆で買ったケーキだ」
危うくまた間違える所だったけど、ちゃんと名前を言い直してから言うと
「・・・やっぱり・・・レンさんは・・・レンさんだ」
「・・・どういう事だ?」
「いいんですよ・・・レンさんが私の事を大切に思うように・・・私もレンさんの事が好きですから・・・ほら、早くリビングに行きましょうよ♪」
そのまま、アリスちゃんに手を引っ張られてリビングに向かうが・・・
(・・・・・良かった・・・いつものアリスだ)
最初に会った時に見せたほど暴力的なほど魅力的で・・・そんなアリスちゃんの笑顔を見られて心から安心した。
昨日までの主人公・・・精神分析(セクシーコマンドー)
本日の主人公・・・精神分析(健全バージョン)
何故・・・ヒロインでここまで格差が・・・