同人ゲーに転生したけど、肝心の主人公が死んだ 作:自分探しの旅袋
「その・・・後輩君」
「どうかしましたか先輩・・・?」
家を出て直ぐに先輩が顔を少し赤くしてから声をかけてきた・・・セイカの表情も少し顔色が赤い気がするが
「その・・・先程、責任って言っていたが・・・」
「そうですね、流石に帰りが遅くなったら親御さんも心配するでしょうし俺が、しっかりと家まで送り届けますよ」
「でも、レンさんに負担をかけないですか・・・それに、この前も守ってもらいましたし」
顔色が少し赤かった二人がこの前の事で少し表情が暗くなったからしっかりと二人の目を見てから笑って
「だからこそ、俺が二人の安全を守りますよ・・・必ず」
あの時の経験で色々と力加減も学んだし何があっても二人を絶対守る事や二人が大切だからこそ自分がそうしたいと思ったからこそ家に安全に送り届ける事を話したら再び二人ともすこしだけ顔をそらした後に
「そこまで後輩君が言うなら・・・それならお言葉に甘えてよろしく頼むよ///」
「レンさんは、相変わらずですね・・・なら、しっかりとエスコートをお願いしますわ///」
「任されました、しっかりと二人とも家に送り届けますから」
花園の家に行く前にしっかりと二人と約束したのだった。
「「「・・・・・・・」」」
家を出てからしばらく歩きながら花園の家に向かっているが一緒について来てくれている先輩とセイカの二人の表情が家に近づく度に不安な表情を浮かべていた。
特に昨日花園の家に行った二人だからこそ反応がなかった花園に何も出来なかったと学校で会った時に二人とも少し自分を責めていたからな。
(まぁ、俺の時も最終的に拒絶されたし・・・いや、多分あの表情を見るに)
あの時の花園の表情は、まるで自分を責めている表情だった・・・・・そうか、あの表情が
(タクロウが言っていたな、俺が自分を責めているって・・・花園のあの表情を、きっとその時の俺も似た感じでしていたんだろうな)
俺は、この世界の住人を創作物のNPCや登場人物と心の中で思っているじゃないかと不安に押しつぶされそうになっていた・・・この世界で半端物の最低野郎と自分を卑下していた。
人の心の痛みを比べるものじゃないし花園と俺じゃ抱えている悩みのベクトルも違うし心の痛みも違うが・・・あの時と俺と同じようにきっと自分を一番に責めているんだろう。
(それでもあの時の俺は、タクロウの言葉に救われた・・・優しさの証明か・・・)
タクロウは、真剣な目で俺を見てから俺を優しいと言った・・・アイツにとっての俺の優しさの証明の内容は、俺にとって他の誰かでもあてはまるものだと思ったがそれでもあの時の行動した結果が変わる事がない事も少し自分を卑下しながらもそれでも俺をお人好しと言った友人の顔に肩の力が抜けたのと同時に確かに心の悩みが救われた。
(俺は、ずっと自分の存在をこの世界での半端物だと思っていた)
前世の記憶や、この世界の同人ゲームの世界の知識が自分をこの世界の不純物だと思わせていた。
きっと、今も心の中で悩みが完全に晴れたと言えないが、それでも今まで自分がしてきた行動や結果は、俺が選んだ人生の選択だ
(この世界は、セーブもロードもない同人ゲームが舞台の現実かもしれないが前世だってセーブやロードもないのが当たり前だし・・・それでも俺の人生は、悪くない人生だった。)
当たり前すぎて忘れていたが、この世界での俺がしてきた事は、元となったゲームにない行動だし、そもそも俺の存在そのものがないのだから俺がしてきた行動そのものがイレギュラーかもしれないが・・・
(トウヤや花園やアリスやセイカに先輩も皆との思い出はかけがえのないものだった)
同人世界の住人とかどうでもよかった・・・友人だからこそ助けたいし力になりたい自己満足でも構わない・・・この世界で俺が半端物であっても俺が描いた人生の軌跡を俺は、否定したくない。
(この世界で半端物でも構わない・・・この思いだけは、俺だけのこの世界での存在証明だ)
俺は、いつだって自己満足のつもりで生きていた・・・そうする事を免罪符とする事でこの世界から逃げていた所もあったかもしれないが、それでも本当に逃げるつもりならそもそも同人ゲームの住人と関わらない方がいいし今だって花園と向き合わず逃げればいいだけだ・・・・・・・出来るわけないだろ!!!
(自己満足でも構わない・・・それでも、俺が花園の為に何かをしたい! 理屈じゃないし論理的でもない・・・ただ、俺がそうしたいからするしアイツから逃げたくないし・・・何より花園に笑ってほしい)
隣を見ると先輩とセイカの表情が分かるが二人とも花園の家が近くになるにつれて俺を不安そうな表情で見ているが、俺の気を使っている事が分かる・・・今なら分かるが、今まできっと花園の家に行っていた俺の表情が無理をした表情で行っていたからそれを知っている二人からすると無茶をしていないか心配しているんだろう。
「・・・・・情けないな」
「どうしたんだい後輩君?」
俺の小さく呟いた言葉に先輩が反応したから先輩とそれにこっちを見ているセイカを見てから小さく笑ってから
「いや、どうやら自分が思っていた以上に二人に・・・色んな人に心配を掛けていたことを再認識しただけです。」
「それは・・・・・」 「・・・・・」
先輩は、言葉に詰まりセイカも気まずそうな表情をして何も言わないがきっと自分が思っている以上に顔に出ているみたいだ・・・きっと花園にも酷い表情で会っていたんだろう。
「大丈夫ですよ・・・それに、もう逃げなし覚悟を決めましたから」
「それは!・・・もしかして、また無茶をするつもりですかレンさん」
セイカが心配な表情をしているから肩をすくめて苦笑してから
「無茶をしないつもりだが・・・・・その、少し色々と吹っ切れるつもりだ」
「吹っ切れる?・・・どういう事ですか?」
「少しは、心の思うままに・・・全力で花園と向き合うつもりだ」
セイカが少し混乱しているが俺は、正直にありのままで花園と向き合うつもりだ
(きっとこれがよくある恋愛ゲームの主人公ならより添ってから数ある選択肢の中から正解を選ぶだろうけど、現実に選択肢なんてないし・・・何より言葉で誰かを救えるほど俺は、言葉が上手くない。)
そもそも今からする事が、正しいか分からないが少なくとも寄り添って優しい言葉をかける主人公みたいな感じになれないが
(多分・・・一番俺らしいかもしれないし少なくとも今までそうやって生きてきたからな)
花園の家まで着いた・・・ここからは、俺の思いを花園にぶつけるだけだ。
「「後輩君/レンさん・・・・・」」
先輩とセイカが見守っている中でインターホンを鳴らした。
この先の事なんて分からないが後悔しないようにいつも通りに全力で思いを伝えるだけだ。