超爆裂!クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶブルーアーカイブ 作:カブライニキ
任せてください
「しんのすけ〜!ご飯よー、お片付けしちゃいなさーい」
「ほーい......んもー、後で遊ぶのに〜......」
夕暮れの、いつも通りの野原一家。
野原みさえがいつも通り家族のご飯の準備をし、未だおもちゃで遊んでいる息子『野原しんのすけ』に小言を漏らす
「たい〜」
「あ、こらひま!それはお兄ちゃんのだゾ!」
「やぁ〜!」
そして、いつも通りしんのすけは妹の『野原ひまわり』におもちゃを取られそうになり、それを取り返そうとする
可愛らしい兄妹げんか、これもいつもの野原家での一幕だろう
「たいっ」
「んべっ」
なんとひまわり、しんのすけと取り合っていたおもちゃらしきカードを、飽きたのか手放した。
そのせいでしんのすけは後ろに倒れる
「んも〜...誰かさんに似て飽き性なんだから〜」
そして、ふと妹と取り合っていたカードに目をやった。
自分のおもちゃなのだとばかり思っていたそれは、いつも父である『野原ひろし』が使っているような『大人が使うカード』
「おお〜これでオラも、いっぱしの大人、ですか」キリッ
見覚えのないそれを、しんのすけはいつも通り何の気なしに掲げ、ポーズをとった。
健全な五歳児なのならば、当然の行動
その瞬間
「アンッ!!」
「お?」
庭から飼い犬の『野原シロ』が飛び込んでくるが、時すでに遅し
「うひょおおお!?!?」
「アンーーーーッ!!!」
シロとしんのすけは、カードの発する謎の光に引き込まれ、家のリビングから姿を消した
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「............ん......ん......」
「______せい......せんせい」
「...んん〜...後50分......」
「先生!起きてください!」
しんのすけは肩を揺さぶられ、ようやく目を覚ました。
「アンッ」
「おお〜、シロ〜お前も無事だったかぁ〜」
突然の光に飲み込まれた飼い犬を愛でながら、しんのすけは目の前にいる女性の存在に、ようやく気づいた
「はぁ......おはようございます、先生」
「........」
しんのすけは、目の前にいた女性............『七神リン』を目視すると、抱っこしていたシロをポトリと椅子の下に落とした
「...先せ「綺麗なお姉さんーーー っ!!」
快活、溌剌
そんな表現が似合う発声に、目の前にいたリンは一瞬怯んだ
「んへぇ〜♩オラ野原しんのすけ5歳、好きな食べ物はチョコビのちょっとシャイな幼稚園児...♩」
「は、はい......私は七神リン、と申します...」
「リンお姉さん、ですか...(キリッ)」
謎にキメ顔を意識し、しんのすけは初対面の女性を見上げた。
彼は好物である『チョコビ』そしてお分かりの通り『美人の女性』にめっぽう目がないのだ
目の前にいるリンは引き締まった肉体、切れ目ながらも優しそうな瞳、長い黒髪に『尖った長い耳』
100人中100人が美人だと表現するだろう
「ああいえ...自己紹介をしている暇はありませんでしたね......『野原しんのすけ先生』、早速お願いしたいことがあります」
「なんでも、どうぞ」キリッ
「......はぁ......本当に五歳児の子供だなんて......連邦生徒会長は一体何を......」
なぜ自分の上司はこんな子供を『先生』に選んだのかと、リンは頭を抱えた。
「では、こちらへどうぞ」
「ほほーい」
リンは一応五歳児の子供の手を取り、自分が開いたエレベーターへと向かう
「あ」
「先生?」
突然しんのすけがリンの手を離し、さっきまで自分が気を失っていた場所へ向かう
「シロも連れてっていい?」
「アンッ!」
白く、ふわふわした犬をしんのすけは連れている
「ええ。勿論かまいませ.........いいですよ」
リンは五歳児に向けて、敬語を少し緩めた
「!!!すっご〜い!」
「アンッ!アンッ!」
しんのすけとシロは全面ガラス張りのエレベーターから覗く広すぎる上に都会すぎる世界に目を輝かせ、思い切り顔面をガラスにくっつけている
「ふふ......『キヴォトス』へようこそ、しんのすけ先生」
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「ああっ!やっと見つけた!代行!!!」
「重役出勤ご苦労様です。すぐに連邦生徒会長に取り次いでください。風紀委員長は納得のいく説明を求めています」
しんのすけたちがエレベーターから降りるとすぐ、クリーム色の髪とメガネをした少女と、ツインテールのクールそうな少女が登場した
2人はしんのすけの小さな体躯に気付かず、リンへと詰め寄る
「!!お姉さーん♡」
「?はい...ってそこにいられましたか......ここは危ないので入ってはいけませんよ」
「はーい♩」
しんのすけはリンが2人に絡まれている間暇を持て余したのか、奥で控えていた長身な少女...というより、その風貌からしんのすけには大人の女性にみられたのだろう
それはそうだ、自分の父とほぼ同じ身長の女性なのだから
「お名前は何ですか?」
「オラ、野原しんのすけ5歳〜♩お姉さん納豆にネギ入れるタイプ〜?」
「ふふっ、ちゃんとご挨拶できてえらいですね。私はトリニティ総合学園三年生......いえ、『羽川ハスミ』17歳です。そうですね...納豆はシンプルにお醤油と出汁だけでいただいています」
「ほほ〜♩オラたち気が合いそう...」
ハスミは『銃』の銃身がしんのすけに向かないよう気をつけながらしゃがみ込んでしんのすけの言葉に耳を傾けた。
彼女は『トリニティ総合学園』にて『正義実現委員会副委員長』を務める。子供の扱いも得意なのだろう
本来しんのすけは『お姉さん』のラインを厳格に定めており、本来ならばハスミも高校生高学年とはいえ高校生のため対象外なのだが、どこからどうみて大人の女性のハスミには通じなかったようだ
リンも同じくだろう
「ハスミさん、迷子ですか?」
「恐らく...」
「こんにちは、しんのすけくん、でしたか。私は『守月スズミ』と申します。ご家族は今どちらに?」
後からやってきたスズミの問いにしんのすけは答えるため、傍で寄り添っていた犬を抱き上げる
「ほい」
「アンッ!」
「い、犬、ですか...?」
「シロだゾ。オラの家族だゾ〜」
「......素敵なご家族ですね」
スズミはそっと微笑み、シロとしんのすけを見た
「シロはただの犬じゃないゾ!シロ、わたあめ!」
「アンッ!」
シロはしんのすけから芸の披露を要求され、それに応え自らの体をギュッと丸めてまるで一つの白い球のようになった。
これぞシロとしんのすけとシロが編み出した曲芸が一つ『わたあめ』である
「か、かわいいっ...」
「すごいですね...こんなに綺麗に球体に...」
スズミとハスミはそれを眺め、目を輝かせた。女子高生なのだから、シロのような芸ができる犬を見たらこんな表情になるのも頷けるだろう
「お次は〜チンチンカイカイチンチンカイカイ〜〜」
「あいあいあいあい〜〜」
なんと、卑猥な言葉を連ねながらシロとしんのすけは同じ『股間をかく』ような動作を繰り出した
5歳の純粋さから生まれてしまったその技は
「なっ、なるほどっ...///」
「し、しんのすけくん、あまりその芸はやらないと約束してください...///」
女子高生2人の表情を酷く赤面させた
「ええと...では、お家はどこですか?」
スズミはわかりやすいように質問と雰囲気を変える
「春日部だゾ」
「カスカベ......?」
「どの学区でしょうか......」
2人にとって聞き覚えのない地名。
「どこの学校が近くにある、とかは覚えていますか?」
「うう〜ん......天カス学園があったゾ!」
「これもまた聞き覚えがありませんね...」
天下統一カスカベ学園、というしんのすけが一時体験入学をした学校が離れてはいるが春日部にはあった。
だがそれも『キヴォトス』には存在しない
「まさか......ッ!?ヘイローが...!?」
そこでようやく、スズミとハスミは事の異常性に気がついた
目の前にいる少年の頭部には、自分たちにある『
「まさか...しんのすけくんが...そんなまさか...ッ」
2人の混乱がわからないしんのすけは首を傾げるばかり
「そう。彼はこの学園都市の新たなフィクサーであり、これから新設される連邦捜査部シャーレの長となっていただく人物です」
「そうなの?」
「クゥン...?」
しんのすけはシロに謎に問いかけ、シロも困るばかり
「そんな......こんな子供にそんなことッ!」
「これは連邦生徒会長の決定です」
そう言われて仕舞えば、説明を受けたはずのツインテールの少女『早瀬ユウカ』とメガネの『火宮チナツ』も驚愕を隠せていない
逆に、この状況で、というか家のリビングから突然こんな場所に飛ばされてこんなに冷静なしんのすけがおかしいのである
「だからって...ヘイローもない5歳児を...!」
「少なくとも、こんな戦場に連れて来る必要はなかったのでは?」
チナツのの言葉に、リンはピクッと耳を揺らし反応する
「では、ゲヘナで保護していましたか?」
「......ゼロか100の話ではないのです」
一触即発。そんな空間が広まっていく
だが、この状況でそんなことを議論しても何も始まらないのは2人とも知っている
「......のちの話はまず、今不良生徒たちが占拠しているシャーレの本部を取り戻してからにしましょう。ではしんのすけ先生_________________________」
リンがしんのすけ連れて行こうと視線を向けるが、そこには
「くぅ〜ん...」
申し訳なさそうな顔をした、シロしかいなかった
「ッ...!!すぐに探してください!!」
説明も、順序も、その一言だけで十分だった
(ああもう...!なぜ大人しく...いえ...私が見ていなかったのが落ち度ですね...)
長い髪を耳にかけ、リンはしんのすけの捜索を開始した
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「あん?なんだこのガキ」
「こっちは通行止めだ!どっかいけ!!」
しっし、とスケバンたちは目の前の5歳児を睨んだ
「ほほ〜師匠たちを思い出しますなぁ〜」
しんのすけのいう師匠は深爪の彼女なのだが、その余裕そうな表情は逆にスケバンを苛立たせた
「いてぇ目見ねぇとわかんねぇみたいだなぁ?!」
「オラッぁ!!」
「ほいっほい」
「はぁっ!?こいつまるでコサックのように...ッ!!」
「もっと撃て!!」
「撃ってるよ!!」
「わけわかめ〜〜♩」
「体がまるでわかめの如く回避をおッ?!」
しんのすけの柔らかな動きに翻弄され、スケバンたちの銃弾はかすりもしない
「はぁ...はぁ...」
「わ、わーったよ通っていいよ!さっさとどっかいけ!!」
もはや弾の無駄遣いと思われたのか、しんのすけは道を通してもらった
「はぁ......何をやっているのですか」
ドゴンッ!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぼひぃ〜〜っ!?」
突然巻き起こった爆発に巻き込まれ、しんのすけは少しだけ体が浮いた
「子供1人にみっともない」
「ひぃっ!?」
「厄災の狐がなんでここまで...あ、あんたはあっちの防えい“っ?!」
爆炎の中から登場したのは、狐の面を被った女性
その女性は『厄災の狐』と呼ばれ、その姿はまさにその名の通りだろう
「さ、て......あなたが噂の『先生』ですか......本当にただの子供とは......」
自身の銃を肩にもち、しんのすけを見下ろす
彼女は『狐坂ワカモ』
五歳児にもわかるように説明すれば、テロリストである
趣味、破壊
彼女の面が脱がれた姿を見た生徒は、ほぼいないらしい
「あっチッチッチ......んも〜、お尻が割れちゃったらどうするの〜...」
「あまりお下品な話題には疎いので......ふむ......本当にただの子供なら今のうちに芽を摘んでしまうのが吉でしょうか...」
そう言ってワカモは銃をしんのすけへと向ける
が
「あ、なんだこれ」
しんのすけは導かれるようにポケットから『カード』を取り出した
「おお、忘れてた忘れてた」
ぱっと見はただのカード。だが
「ッ...!?!?」
それを持ったしんのすけから流れる異様な雰囲気。
実践経験豊富な彼女の足を、一瞬でも止めた
その隙を見逃すスズミではない
「しんのすけくんっ!!!」
「ッ!小細工を......!」
攻撃よりも制圧を優先し、間に入ったスズミはしんのすけを抱き抱え閃光弾を投擲
仮にも光がしんのすけの若い瞳孔に入らぬようしっかりと抱き抱えた
「ハスミさん!ユウカさん!」
「わかってるわよ!」
「ご苦労様です」
ユウカが展開した電磁シールドを盾に、ハスミはスナイパーライフルを放った
「っ......はぁ......面倒くさいですね。少し早いですが、私はお暇とします」
「!待ちなさい!厄災の狐!!」
ワカモは分が悪いと判断したのか、大きく後ろへ飛び目にも止まらぬ速さで去っていった
「...っと!」
「っ?!しんのすけくん!」
「ああもうっ!待って先生...!」
しんのすけは巧みにスズミの腕から逃げ出し、ワカモの後を追った
「ッ!増援きます!」
「...追いかけるより、今はこの暴動の鎮圧を。狐に関してはしんのすけくんにお任せするほかありません」
そんなことはわかっている、と言わんばかりに全員が銃へのリロードを終えた
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「はぁ......これであの子供も怖気付くはずでしょう。さて、私は目的を果たすとしましょうか」
ワカモはそう呟き、シャーレの地下室の物色を始めた
「ふむ......何かあると思っていましたが......ほぼ何もないですね。あったのはこれとこれ......壊すにしても、何が何だか......」
「狐のお姉さーん」
突然響く小さな足音と声に、ワカモは素早く反応する
そこにいたのは先ほど怖がらせたはずのしんのすけの姿だった
「......はぁ、もうめんどくさいですね。こちらは差し上げますので、私の負けで構いませんよ」
そう言ってワカモは地下室から出ようとする
「お名前は?」
「......なぜあなたに話す必要が?」
「いーからいーから♩」
ワカモは面食らったような表情をし
「狐坂......ワカモ、と申します」
なぜ本名を語ったのかは自分でもわからないが、ワカモはなぜか丁寧に自己紹介をしていた
「ワカモちゃんですかぁ〜」
「.........は、はい」
なぜか気恥ずかしくなり、ワカモは足早に地下から出ようとする
「またくれば〜?」
「.........へっ?」
今度こそ、ワカモは面食らった
というより
表情の変化が大きすぎて、面が落ちた
「...ま、また来ても...よろしいのでしょうか...?」
「?うん」
「で、ですが私は......」
さっき銃を向けた相手になぜこの子供はこんなことを言えるのか、とワカモは混乱した
「また遊びたいし♩」
マイペース
本当にマイペースな少年だ
あれを遊び、と評したのも、彼が初めて
「っ......っ//////!?!??!」
ワカモの表情は、一気にふやけた
否定されてきた行為を『遊び』と肯定された安心感
そしてしんのすけから感じる限りなく底のない深さ
狐坂ワカモは、胸を何故か高鳴らせた
「......『しん様』......っ♡」
その日彼女は誓った
自身を認めてくれた彼に飛ぶ弾丸を、全て弾き落とそうと
それに対してしんのすけは
「...わ、ワカモちゃん、愛ちゃんと同じタイプだゾ......」
少しゲンナリとしていた
文字にしてみるとしんちゃんのセリフ難しいな