超爆裂!クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶブルーアーカイブ 作:カブライニキ
「......や、厄災の......狐......!?」
「なの、でしょうか......?」
しんのすけがシャーレの地下でワカモと交友?を結んだ後、リンたちは奇妙なものを目にしていた
「ふふふ......♡し・ん・さ・ま〜♡」
「助けて〜......」ゲンナリ
他人の目から見てもわかるほどハートをしんのすけへ飛ばし、しんのすけの小さな体躯を持ち上げている
「ええと...しんのすけくん、これは一体......」
「ワカモちゃんだゾ」
「え、ええ、それはわかっているのですが......」
スズミの質問にしんのすけはそのまま返すが、もちろんこれだけでは理解もクソもないだろう
「...しん様のお言葉を二度も......?」
「ッ...!」
ワカモのじっとりとしたにらみに対し、スズミは毅然とした表情でそれを返した
「コラ!」
「っ!?!?!」ビクッ
「んも〜、ダメでしょワカモちゃん。そんなことするならもう一緒に遊ばないゾ」
「そっ、そんな...!」
「なんていうんだっけ?」
「ご、ごめんなさい......」
うんうん、と頷き、しんのすけはワカモの頭を撫でた。
そうするとワカモの表情は曇ったものからパァッと晴れたものに変わり、満足そうにしている
その様子を見て、ユウカたちは衝撃を通り越してもはや冷静になった
「......ま、まぁ......あれなら大丈夫......なのでしょうか......?」
みょうにしんのすけに懐いているワカモを見て、ハスミもまた納得......というより諦めがついたのだろう
__________________________________________________
「こほん......では気を取り直して、先生にはこちらを」
「おお〜ってなにこれ」
リンからしんのすけに渡されたのは、薄型のタブレットPC
と言ってもしんのすけはそういうものに興味を抱くことは限定的なため、あまりテンションが上がっていないようだ
「連邦生徒会長が残した異物......私たちがどんな手を尽くしても起動することすらできなかったオーパーツ。『シッテムの箱』です」
しんのすけは『シッテムの箱』を地べたに置き、カチカチとホームボタンらしきものや電源をいじっている
「最も、渡せと言われているだけなので先生に扱えるかは「おお〜ついた〜!」
リンの言葉を遮るようにして、シッテムの箱はいとも容易く起動した
『パスワードを入力してください』
「開け〜ごま!」
『.........入力失敗』
「壊れてるゾ」
『否定、当機に損傷はありません』
「ふぅ〜ん?」
『疑惑確認、当機は高性能AIを用いたOSです。入力権限の検索.........『野原しんのすけ』先生。確認完了。先生の要望にお答えいたします』
「それじゃあパスワードおしえて♡」
『否定、不可能です』
「ケチ〜」
『否定、当機に先生を害するプログラムは搭載されておりません』
「こーせーのーえーあいのくせにできないことが多いですなぁ〜」
『否定否定否定否定。挽回のチャンスをください。当機に不可能はありません』
「それじゃあひらけごま〜」
『..................パスワードの入力を確認および、変換を開始。シッテムの箱解放権限パスワードを『開けごま』へ変更しました』
なんとしんのすけは融通を守りやり通し、パスワードもなしにシッテムの箱のロックを解いてしまった
すると_________________________
「.........お?」
しんのすけは、またもやみしらぬ場所に飛ばされていた
空を埋め尽くす『夜』
壊れた教室と同じく椅子と机
そして、足元を這う浅い水
慣れたのか飽きたのか、しんのすけの表情に変化はなかった
「おかえりなさい、野原しんのすけ先生」
夜に染まった視界から現れたのは、どこか儚げで、
そして、その手にはしんのすけが今まで見てきた生徒たちと同じく銃が握られていた
「私はずっと、先生が来るのを待って_________________________」
ブクブクブクブクブク
「ッ?!??!!?先生!!」
「ピュ〜〜〜」
「きゃ......し、しんのすけ先生......?」
「水死体ごっこ〜」
足元に張られていた水にぷかぷかと浮き、少女を心配させた上に口に含んだ水を何故か助けてくれたその少女へと吹きかける始末
しんのすけお得意の、『死体ごっこ』水死体バージョンである
「.........っ!!」
げ ん
こ つ
と、効果音はならないものの、コツン、としんのすけは少女にゲンコツされた。
「......はぁ.........驚愕......先生の行動はデータベースに新しい記録を作る必要がありそうです」
「いや〜♩それほどでも〜〜」
「褒めていません」
少女は大事をとってしんのすけを机の上に座らせ、こほんと咳払いした
「私は、この『シッテムの箱』のメインOS、そして、先生の秘書を務めるA.R.O.N.A.と申します」
「ほうほう、風間くんがよく読んでるご本みたいですなぁ〜」
しんのすけはまだアルファベットなんて読むことはできない。そりゃそうだ、しんのすけはみょうに大人びてるとはいえ、まだまだ年端のいかない子供なのだから
「よろしくお願いします、しんのすけ先生」
「よろちくび〜〜、『プラナ』ちゃん!」
「.........先生はユニークなお方ですね.......プラナ.........?」
A.R.O.N.A.は聞き覚えのない言葉に首を傾げる
「ほい」
「......先生、こちらは......」
しんのすけが見せたのは、何故かこの空間にあるスケッチブック
そこには、クレヨンで書かれたようなよれてしまっているカタカナで『プラナ』と書かれていた
おそらく、カタカナの『ア』が繋がってしまい『プ』に
『ロ』が崩れ、『フ』のようになってから汚れで『ラ』に
そして、最後の『ナ』だけが無事なのである
「うーん、我ながらコンキンの出来ですなぁ〜」
「訂正、それをいうなら、会心です」
気まぐれでそれを読んだところ、しんのすけにとってはしっくりきたのだろう
「......プラナ......」
『プラナ』は噛み締めるように、その言葉をつぶやいた
A.R.O.N.A.は確かに名前だ。だが、それはただのOSとしての形式番号
「オラ、こっちの方がいいゾ」
えっへん、といったように胸を逸らし、自信満々なしんのすけ。
「......肯定、当機の固有名称を『A.R.O.N.A.』から「プラナ」へ変更。先生、名前をくださりありがとうございます」
「それほどでも〜ある〜」
「褒めて......肯定、褒めています」
彼女の名はプラナ
シッテムの箱のOSである
__________________________________________________
「______して、先生にはサンクトゥムタワーの権限の回復をお願いしたいのです」
「お?」
いつの間にか戻ってきていた景色に、しんのすけは再びシッテムの箱の画面を見ることで状況を取り戻した
『このように、先生を画面の中から補佐することも可能です』
「ほーほ〜」
「......先生、ちゃんと聞いていましたか?」
「バッチリバッチリバッチリぐ〜〜」
「そ、そうですか......」
「で、なにするんだっけ」
ズコッ、という効果音が聞こえそうなほどリンはずっこけた
『......理解、状況把握。私にお任せください』
プラナは異様なほどの張り切りで、状況把握とともに作業を開始した
『権限所有・野原しんのすけ先生.........獲得。admin権限の移管......完了』
しんのすけはなにを言っているかわからないが、かっこいいということだけはわかっただろう
『......完了、全学園のサンクトゥムタワーの全権限を当機『シッテムの箱』に移管することに成功しました』
「おお〜、やりますなぁ〜」
『肯定。先生の秘書として当然の役目を果たしたまでです』
ぽんぽん、としんのすけが画面の中にいるプラナを撫でると、プラナは無表情を少し崩して微笑んだ
「連邦生徒会長は本当に一体なにを考えて......」
リンは崩れ落ちそうになるが、突然入ってきた携帯への一報でその表情を元に戻した
「サンクトゥムタワー全権限の移管...!?この一瞬で...!?」
「えっへん!」
『はい、先生はすごいです』
「いや〜それほどでも〜」
だめだ、しんのすけが暴走した場合止められる生徒がいなくなる可能性がある
「......先生、先ほどから一体誰とお話を......」
「プラナちゃんだゾ」
しんのすけはプラナが映っているシッテムの箱の液晶をリンに見せるが......
「......先生、なにも映って_________________________
七神リンに電流走る
(......いえ、突然5歳のしんのすけくんが急に『先生』に任命され、銃弾が飛び交う戦場を歩かされ......そもそも、見知らぬ土地に1人で来たというだけでもきっとストレスは相当なはず...!イマジナリーフレンドを構成したとしてもなんらおかしくない...!)
ここまで、なんと0.1秒
「......先生、ここまで頑張って下さった先生にご褒美があります。こちらをどうぞ」
リンはしんのすけを褒めつつ、連邦生徒会長が去る前に渡してくれていた『先生へのご褒美』を渡した
「チョコビーーっ!!」
それは、しんのすけの大好きなお菓子の一つ『チョコビ』
クッキー生地の内側にチョコを閉じ込め、程よい口触りと食感を両立させた完璧な菓子だ(しんのすけ、談)
「んん〜♩まいう〜〜♡」
そんなふうにチョコビを堪能し、しんのすけは再び画面に目を落とす
すると、しんのすけはチョコビを持ったまままたあの空間に入ってきた
「はい、プラナちゃん」
「......私、に...ですか?」
「おつやはみんなで食べたほうがおいしいゾ♩」
プラナはしんのすけの発言に面を食らったような顔をして......
「......それでは、いただきます」
さく、と言った小気味いいを音を鳴らしてプラナはチョコビの甘さに微笑み
「......甘味...驚愕、おいしいです、先生」
感謝と好意を、先生へ向けた
______________________________________
「ふぅ〜〜謝礼のお風呂はすごいですなぁ〜〜おかげでオラのお尻もつっやつやだゾ〜〜」
『それをいうなら、シャーレのお風呂、ですよ』
「そうともいう〜♩」
『そうとしか言いません』
まだ知り合ってから一日も経っていない2人は、ボケ、ツッコミを担当するぐらいには仲良くなっていた
「んぁぁ......けぷっ♩」
シロもまた、ワカモが作ってくれた雑炊を腹一杯に食べて満足そうだ
「ふあああ......ほい、シロ」
「くぅ〜ん」
シロは器用にベッドの上に登り、しんのすけはシッテムの箱とシロを布団の中に入れる
「ああ〜♩ワカモちゃんのごはんもまいう〜でしたなぁ......」
シャーレに迎え入れたワカモに作ってもらったご飯を思い浮かべながら、しんのすけはだんだん重くなっていく瞼を下ろしていく
「......でも、なんか忘れてるような......ま、いっか♩あしたはあしたの抜け毛でる〜〜」
いつものお気楽さを見せながら、しんのすけはいつもと違うベッドで眠りに落ちた
______________________________________
「おーーい!!しんのすけーーーーーー!!!!」
「どこーーー!?しんちゃん返事して!!!」
深夜の春日部、そこでは野原夫妻が息子を探す声を張り上げていた
「いたか?!」
「ううん...どこにもいない...もう...!どこ行っちゃったのよ...!!」
一度ローンが39年残っている住宅に集まり、情報を共有する
「......たいー?」
そんな中、ひまわりが謎の『封筒』のようなものを取り出した
「なんだこれ.......手紙か......?」
嵐の巻き起こりは、静かに、されど強く奏でられる