真・恋姫無双 華琳の兄は死神   作:八神刹那24

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曹進親衛隊
第一話


今回の被害は致命的とまではいかないが、少なくはなった。

 

兵や兵糧の被害よりも、周辺の諸侯達による動揺が大きかった。

 

動揺を抑えるため、華琳はすぐに張邈をはじめ、反乱を企てたものを罰した。

 

裏切り者の張邈は煉華の騎馬隊が捉えた。戦場での討ち死には武人にとって名誉なことだ。そんなことを許せる訳はなかった。

 

捉えられ、華琳の前に連れてこられた時も覚悟を決めた表情をしていた。

 

後悔はない、というより、これ程に曹操軍を翻弄したことに満足しているようにさえみえた。

 

しかし、いきなり衣服をはぎ取られると、流石に驚き、抵抗した。素っ裸にされ、柱の上に縛られた。他に主だったもの二名も加えられた。

 

殺せと、三人は喚き続けた。その元気は翌日も続いた。

 

三日目になると、ぐったりして何も言わなくなった。糞尿は垂れ流しである。水も与えられていないので、長く生きないだろうと思えた。

 

四日目に、三人の一族全てが三人の前に並ばされた。そして女子供問わず、全てのものの首を討った。

一族が討たれると、三人は再び喚きだした。

 

五日目に、かなり激しい雨が降った。

三人とも、首を持ち上げ、口を大きく開いて雨を受けていた。恥だ何だと言っても、最後には一刻でも長く生きようとするものなのか。身体が、そう動いてしまうのか。

 

雨水を飲んだため、三人ともさらに五日、生き続けることになった。

 

その後、反乱に加わった主な諸侯をはじめ、兵卒をのぞく将校たちも首を討たれた。

 

実に惨い刑だった。そして曹操の怒りを示した。

 

街の住人や兵、周辺の諸侯達はこの光景を眼にした。

 

 

 

 

数日間のうちに蛟により、今回の件は徹底的に調べられ、一つ一つ分析された。

 

会議には華琳、刹那の他に文官からは桂花、詠。武官からは春蘭、秋蘭、煉華、紅、愛紗が参加していた。他の者達は仕事に追われていた。

 

「今回、張邈や諸侯を謀り、謀反をけしかけたのは劉備達です。綿密に計画され、細心の注意の元に行われていたようです。蛟も奴らの気配は掴んでいたのですが、確固たる証拠を掴む前に、曹嵩様の事件が起こった為、後手に回ってしまいました」

 

「不可解だったのは奴等の手際が良すぎたことです。これは曹嵩様の死の時期とその後の我らの動きを完全に把握していたとしか思えません。どうやらこれは北郷の天の知識によるものと調査の結果わかりました」

 

天の知識。その単語に華琳は顔をしかめる。北郷や早苗達の知識、三国志なる未来の物語。それとまるで同じ状況になったということだろう。

 

何に腹が立つかといえば、自分が『三国志』の通り動いてしまったことだ。自分が冷静に父の死を受け入れ、判断していれば今回の損害は無かったはずだ。

 

諸葛亮、鳳統この二人が今回の作戦を考えたこと分かった。

 

劉備達を侮りすぎた。これほどの知恵者がいたとは。この借りは必ず返すと華琳は誓った。

 

 

 

 

 

 

劉備軍の奇襲で傷を受けた、季衣と流琉の傷は幸い深くはなく、持ち前の回復力もあり、すぐに動けるようになった。完治するまでは派手な動きはするなと医師には言われていた。

 

しかし二人はすぐに鍛錬を始めた。今までに無い、厳しいものだった。二人は自分が許せなかった。親衛隊である自分たちは、命に代えても主を守らなくてはならなかった。しかし守れなかった。刹那が間に合わなければ確実に華琳の首は飛んでいた。

 

兄と慕う刹那は左腕と最高の愛馬を失った。

 

 自分達の弱さを痛感した二人には不安と焦りが濁流のごとく襲い掛かった。

 

 がむしゃらに鍛錬をする二人が強い敵意を感じ、振り返ると凄まじい衝撃に襲われ、武器を弾き飛ばされてしまった。目の前に立っていたのは 春蘭 だった。

 

 「まったく、お前たちは馬鹿か!ただがむしゃらにやれば良いってもんじゃないだろうが!!」

 

  春蘭の怒りの篭った怒鳴り声に、二人の少女は固まった。

 

 「お前達の焦る気持ちはわかる。だがこのようことをしても意味が無い。体を壊すだけだ」

 

 「でも、じっとなんかしていられないんです!僕たちがもっと強かったら華琳様が危険な目にあうことは無かったし、刹那様が重症になることも無かったんです!」

 

 季衣が涙を流しながら叫ぶ。流琉は同じく涙を流しながら震えていた。

 

  春蘭は二人を自分の胸に抱き寄せた。

 

「あの状況ならしょうがなかった。華琳様も刹那様もお前達を攻めたりなんかしない。無論、私もだ。失敗は誰でもある。お前たちはまだ幼い。これからゆっくり成長していけばいいんだ。焦る必要は無い」

 

  春蘭がさらに力を込めると二人は声をあげて泣き叫んだ。

 

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