真・恋姫無双 華琳の兄は死神   作:八神刹那24

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第二話

Side:早苗

 

食堂で煉華様、愛紗さん、沙希と私の四人で食事をしていると、煉華様が話し出した。

 

「刹那様がご自身の左腕をどうしたか聞いたか?」

 

「ああ。 目を喰った春蘭のように食べたそうだ。重症ということもあり、ご自身と四人の義兄弟の五人ででな」

 

 煉華様と愛紗さんが悔しそうな顔をする。自分自身を正真正銘、分け与えるということはその者に対する絶対的な信頼の証といえる。

 

 配下の将としても、一人の女性としても刹那様を慕うお二人。自分たちがその中に加われなかったことが悔しいのだろう。

 

 「それにしてもこれから刹那様はどうするんでしょうか?怪我が治ったらまた以前のように軍の指揮をとるんでしょうか?」

 

 「難しいところだな。片腕となった刹那様は個人の武でいえば半減では済まない。お前達にすら勝てないだろうな。戦場に出ても今までのように前線で戦うのは厳しい。軍の頂点に引き続き立ってもらい、戦場には出ずに総指揮に専念してもらうということも出来るが、あの方が納得されるとは思えない」

 

 「確かにな。刹那様なら戦えないお飾りの将など必要ないと言われるだろう。他の優秀なものが上に上がるべきだと」

 

煉華様に続き愛紗さんも暗い顔をしていた。

 

「でも指揮官として、後方で戦場の指揮とることだってできるじゃないですか。個人的な武力がなくてもすごい将は少なくないですし。」

 

 「私も沙希の意見に同感です。敵を倒すのは私達の役目。刹那様の元にはねずみ一匹だって近寄らせません!」

 

 私と沙希が若干興奮しつつ発言すると、煉華様が暗い顔のまま見つめてきた。

 

 「お前達が誰であろうと、どんな状況であろうと、決して敵を近づけさせない。そういうことか?」

 

 「「はい!」」

 

 「それの考え方自体が問題だ」

 

 「どういうことですか?」

 

 「早苗、敵を攻めるときまずどうする?」

 

 「え?……まず敵の弱所、隙を探しますね。軍として練度の低いところや連携の境目など」

 

 「それが答えだ。指揮官が安全なところで指揮を執る。これ自体は当然のことだ。だがお前たちの守らなければならない、という気持ちが強すぎる。私が敵なら刹那様を狙い打ちにする。徹底的に攻めるもよし、不意打ちするのも良い。どちらにせよ相手の思う壺だ。これでは唯の足手まといだ。居ないほうが良い」

 

 「煉華の言うとおりだな。早急に必要なのは刹那様の親衛隊をつくること。そしてお前たちのような考えの奴らの意識改善だな。この二つが無ければ、刹那様が戦場に戻ることはないだろう。」

 

 お二人の言うとおりだ。何かに意識を取られるということは、戦場ではあってはならないことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜遅く、金属がぶつかる音が響いていた。

 

 曹進と呂布の二人が剣を交えていた。曹進は愛刀を、呂布は兵が使う刀を。

 

鬼気迫る勢いで片手で刀を振るう曹進を呂布は足を動かすことなく軽くいなす。さらに踏み込み、刀を振りぬく。呂布は軽く手を動かし、曹進の手から刀を弾き飛ばし、流れるように腹にこぶしを叩き込んだ。

 

本気ではないとはいえ、呂布のこぶしをまともに受け、曹進は悶絶した。呂布の胸へと倒れこむ。

 

以前の曹進ならここまで無様なことには、ならなかっただろう。全身を使い、不規則な動きを最大の武器にしてきた曹進には、片腕を無くしたことは致命的だった。

 

右手から左手へといつの間にか武器が持ち変えられ、刀に意識を集めもう一方のこぶしを叩き込む。崩れた体制からの急な攻撃。得意としてきた動きを全て失ったのだ。

 

片腕がなくなり、バランスが取れなくなった。変則的な動きは出来ない。ありふれた戦い方。しかも片腕ともなれば、兵の中にも勝てるものがいるだろう。

 

己のことを誰よりも分かるからこそ、焦りは止まらなかった。

 

 

呂布は慣れた手つきで曹進を抱え、武器を回収すると屋敷へと戻っていった。

 

 

 

 

 その光景を離れていたところから見ていた二人がいた。一人は曹操配下の将、夏侯惇。もう一人は十代半ばくらいの少女だった。

 

 

 

 

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