第1話
ここは人間界より少し離れた世界【想界-そうかい-】
そこにある想界唯一の底辺学校《蕗薹高等学校》…
とても評判が悪く、想界中から軽蔑するかのような目で見られる程の底辺さ。
俺はその学校に今日入学する。皆からは案の定止められたが仕方がない。行くところ、いや、行ける高校がそこしかないのだから。
小学三年生から人見知りが悪化し人間不信にまでなり不登校気味に…。五年生からは完全の不登校児。それからはずっと家庭学習。だが、家庭学習なんてのは表向き、やってるとは言いつつ本当はずっと自分の部屋でゲームばかりしていたから全くもって勉強などとゆうのはできない。そんな俺みたいな不登校児を受け入れてくれるのが、そう、想界唯一の底辺高校、蕗薹高等学校だった。
**
「入学おめでとう。今日から君たちは…」
校長の挨拶を聞きながら辺りを見回す。
(やっぱりこうゆう奴らばっかなんだなぁ~)
どこを見ても茶髪や金髪、ひどい奴はピンク色の髪…。そしてジャラジャラと長ったらしいネックレスや指輪をしてる人等で溢れかえっていた。案の定話をまともに聴いているような人なんていない。しいて言えば職員なんかだけ…いや、見にくいが一番後ろの方に少しだけいるのが見えた。
「え~、続いては新入生代表の挨拶を…」
新入生代表か、って事は頭がいい奴なのか、目線を舞台に向けると1人の少女がいた。肩よりすこし下まで伸ばしたきれいな黒髪に冷徹仮面と言っていいほどの冷徹な顔の少女が…。
マイクを手にとり「んんっ」と喉を整わせる。
「新入生代表、挨拶。私達は勉学に励み、友人をたくさん作り…」
透き通るような綺麗な声。聞き惚れているとその少女は挨拶を途中で辞めた。俺と目があった。いや、俺の一つ前を見ているのか?疑問に思っていると少女が小さくため息をするのがマイクを通じて聞こえた。そしてその少女は手になにか黒いものを持つと俺のほうへ向けた、いや、俺の一つ前のさっきからうるさいギャル男やギャル達に。
なにを向けたのか。ここでは遠すぎて分からない。いや、俺が目が弱いから見えないのか。目を凝らしていると会場にパンッと銃声が響きわたる。周りの人等はそれを聞いて大慌て。何かがきたのか…いや、違う。よく見てみると少女が持っているのは小さい銃。何で持ってんだ。考えていると一つ前の奴が倒れた。その横にいた女が悲鳴をあげる。男の肩からは出血が…。
キイィーン。
マイクの音がしてから少女がさっきの挨拶の続きを言い出す。なにが起こったのか、慌て出す人達。目の前…より少ししたでは肩から出血している男子がいってぇと顔をしかめながらもがいている。
「なにすんだよっっ!!───っ!」
血だらけの肩をおさえながら男が少女に問うと少女はまた挨拶を辞めた。そして今度は銃口を上、天井へ向けると何回も打ち出す
パンッパンッパンッパンッ…
銃声がやんだかと思うと少女はマイクを持った。
「銃声くらいでわーわーうるさいわよ。」
そして舞台から降りてきたかと思うとまっすぐにこちらへ来て肩から血を流してる男の前で止まった。マイクを静かに床に置きながら男の顔の近くまで自分の顔を持ってくと少女はさっきから変わらない冷徹な顔囁くように言う
「あなたさっきからうるさい。」
そしてもう一度マイクを持ち、舞台まで戻ると少女は言った。
「私は紘瀬 雪飴。…よろしくね?」
紘瀬雪飴…ひろせゆきめ。地域ランク9位の人物…。そして、今もなお、想界の人から崇められていて、想界の初代神で王である紘瀬蕗の曾孫…。不登校で今まで家から出ず世間一般の事をろくに知らない俺でも分かる程の実力者…。
それがなぜここに…?
─────────続く
-作中用語-
【地域ランク】
その名の通り地域でのランク。想界には数多の地域がありその中でつけられるランクの事。上位39の人は武器の所持、使用が許可されている。
【蕗薹高等学校】(ふきとうこうとうがっこう)
作中にもあったように、想界で一の底辺高校。