フェアリーテイル ー赤龍の魔道士ー   作:dekavitan

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FAIRY TAIL原作沿いの二次創作になります。
独自設定・オリジナル展開あり。
よろしくお願いします。


帰る場所

『ファントムロードギルド本部』

 

「ん...え?え?何これ...ここドコォ!!!」

 

 ルーシィが目を覚まし、自分が見知らぬ場所にいることに気がつく。

 

 するとドアの向こうから一人の人影が現れた。

 

「お目覚めですかな、ルーシィ・ハートフィリア様」

 

「誰!!?」

 

 ドアが開き、ファントムロードのマスター・ジョゼが入ってきた。

 

ジョゼ「私はファントムロードのギルドマスター ジョゼと申します」

 

ルーシィ「ファントム!!?」

 

(そうだ...あたしエレメント4に捕まって...)

 

ジョゼ「このような不潔な牢と拘束具、大変失礼だとは思いましたが、今はまだ捕虜の身であられる」

 

ジョゼ「理解の程をお願いしたい」

 

ルーシィ「何が捕虜よ!!よくもレビィちゃん達を!!!」

 

ジョゼ「あなたの態度次第では最高の客人としてもてなす用意もできてるんですよ」

 

 

 

ルーシィ「何それ...」

 

 

 

 ルーシィの足の上を虫が這う。

 

 

 

ルーシィ「ひゃあ!!」

 

 

 

ジョゼ「ね?こんな牢屋は嫌でしょう」

 

ジョゼ「大人しくしていればスイートルームに移してさしあげますからね」

 

 

 

ルーシィ「何でアタシ達を襲うのよ」

 

 

 

ジョゼ「ああ、フェアリーテイルのことですか」

 

 

 

 ジョゼはにたりと笑った。

 

 

 

ジョゼ「ついでですよついで」

 

ジョゼ「私たちの目的はある人物を手に入れることでしたが、その人物がたまたまフェアリーテイルにいたからついでに潰してしまおうとね」

 

 

 

ルーシィ「ある人物?」

 

 

 

ジョゼ「あのハートフィリア家のお嬢さんとは思えない鈍さですねぇ」

 

 

 

ジョゼ「あなたの事に決まっているでしょう」

 

ジョゼ「ハートフィリア財閥令嬢のルーシィ様」

 

 

 

ルーシィ「な...何でそれを知ってんの?」

 

 

 

ジョゼ「あなた、ギルド内では自分の身分を隠していたそうですねぇ」

 

 

 

ジョゼ「この国を代表する資産家の令嬢が、なぜ安く危険な仕事をしているかは知りませんがね」

 

 

 

ルーシィ「誘拐...ってこと?」

 

 

 

ジョゼ「いえいえ、滅相もございません」

 

ジョゼ「あなたを連れてくるように依頼したのは、他ならぬあなたの父上なのですから」

 

 

 

ルーシィ「そんな...ウソ...なんであの人が」

 

 

 

ジョゼ「それはもちろん、かわいい娘が家出したら普通探すでしょう」

 

 

 

ルーシィ「しない!!!」

 

 

 

ルーシィ「あの人はそんな事気にする人じゃない!!!」

 

 

 

ルーシィ「あたし帰らないから!!!」

 

ルーシィ「あんな家には絶対に!!!」

 

 

 

ジョゼ「おやおや困ったお嬢さんだ」

 

 

 

ルーシィ「今すぐあたしを解放して」

 

 

 

ジョゼ「それはできません」

 

 

 

ルーシィ「ってかトイレ行きたいんだけど」

 

 

 

ジョゼ「これはまたずいぶんと古典的な手を使いますねぇ」

 

 

 

ルーシィ「いや、マジで...助けて~~」

 

 

 

ジョゼ「どうぞ」

 

 

 

 ジョゼはボコボコにへこんだバケツを用意した。

 

 

 

ジョゼ「ホホホホ、古典的ゆえに対処法も多いのですよ」

 

 

 

 しかしルーシィはそのままバケツの上に立ち、下着を下ろそうとする。

 

 

 

ルーシィ「バケツかぁ」

 

 

 

ジョゼ「ってするんかい!!!」

 

 

 

ジョゼ「なんてはしたないお嬢様でしょう...しかし私はジェントルメン」

 

 

 

 ジョゼが後ろを振り返ったその時。

 

 

 

ルーシィ「えい!」

 

 

 

ジョゼ「ネパァーーーー!!!!」

 

 

 

 ルーシィがジョゼの股間を蹴り上げ、ジョゼはそのまま悶絶した。

 

 

 

ルーシィ「古典的な手もまだまだ捨てたもんじゃないわね」

 

 

ルーシィ「それじゃお大事に♪」

 

 

 

 ルーシィは反対側の扉を開ける。

 

 

 

ルーシィ「ウソ...」

 

 

 

 そこは高層タワーの外だった。

 

 フェンスも何もない。

 

 落ちれば助からない高さ。

 

 

 

ジョゼ「残念だったねぇ...ここは空の牢獄」

 

ジョゼ「よくもやってくれましたね」

 

 

 

 ジョゼがゆっくり近付いてくる。

 

 

 

ルーシィ「うっ...」

 

 

 

(声が...聞こえたんだ...絶対にいる!!!)

 

 

 

 ルーシィは迷わず飛び出した。

 

 

 

ルーシィ「ナツーーー!!!」

 

ナツ「ルーシィー!!」

 

 地面へ激突する寸前。

 

 ナツが飛び込み、ルーシィを抱き止める。

 

 

 

ルーシィ「ナツ……!」

 

ナツ「危ねぇだろバカ!!」

 

ルーシィ「ご、ごめん……」

 

 

 

ハッピー「あい!?ぶつかるーー!!」

 

 

 

 轟音。

 

 

 

 ナツ達のすぐ横へ、ゼノが着地した。

 

 地面が砕ける。

 

 

 

 ゼノは片手で壁へ触れ、衝撃を受け流していた。

 

 

 

ゼノ「……無茶をする」

 

 

 

ルーシィ「ゼノさんまで……?」

 

 

 

ハッピー「あい……ルーシィ落ちてきてびっくりしたよ……」

 

 

 

ノヴァ「だから言っただろう」

 

 

 

ゼノ「ナツだけだと不安だった」

 

 

 

ナツ「どういう意味だコラァ!!」

 

 

 

 そんな会話をしながらも、ゼノはルーシィを拘束していた縄を外す。

 

 

 

ゼノ「大丈夫か?」

 

 

 

ルーシィ「な、、なんとか」

 

 

 

ゼノ「なら、ギルドに戻るぞ」

 

 

 

ナツ「はぁ!?このまま帰れってのかよ!!」

 

 

 

ナツ「本部が目の前なんだぞ!!」

 

 

 

ゼノ「……ここは一旦引く」

 

 

 

ナツ「でもよ!!」

 

 

 

ゼノ「今のお前は熱くなりすぎてる」

 

 

 

ゼノ「このまま突っ込めば、また同じになる」

 

 

 

 その言葉に、ナツが悔しそうに歯を食いしばる。

 

 

 

ルーシィ「……ごめん」

 

 

 

ルーシィ「全部……あたしのせいなんだ……」

 

 

 

ルーシィ「フェアリーテイルがこんなことになったのも……」

 

 

 

 ルーシィの瞳から涙が零れる。

 

 

 

ルーシィ「でも……」

 

 

 

ルーシィ「それでも、あたし……」

 

 

 

ルーシィ「Fairy Tailに居たい……!」

 

 その言葉に、ナツが眉を寄せる。

 

 

 

ナツ「何言ってんだ?」

 

 

 

ルーシィ「え……?」

 

 

 

ナツ「今さらだろ」

 

 

 

ハッピー「あい」

 

 

 

ハッピー「ルーシィはもうFairy Tailだよ」

 

 

 

 ルーシィの目が大きく揺れる。

 

 

 その言葉を聞いた瞬間。

 

 ゼノは少しだけ目を細めた。

 

 

 

ゼノ「……なら、帰るぞ」

 

ルーシィ「……うんっ」

 

 

 

 涙を拭いながら、ルーシィは小さく頷いた。

 

 

 

 

その頃牢獄ではジョゼがルーシィが飛び降りたショックでまた悶絶していた

 

 

 

「やってくれましたねぇ小娘ぇ……」

 

 

 

・・・

 

『Fairy Tailギルド』

 

 ギルドへ戻った頃には、空気はさらに重くなっていた。

 

 負傷者。

 

 沈黙。

 

 誰も笑っていない。

 

 

 

カナ「……ダメ」

 

 

 

 カナがカードを机へ叩きつけた。

 

 

 

カナ「ミストガンの居場所が全然わからない」

 

 

 

ミラ「そう……」

 

 

 

ミラ「ルーシィが目的だとすると、奴らはまた来る」

 

 

 

ミラ「怪我人も多いし……ちょっとまずいわね」

 

 

 

 ミラは通信用ラクリマを取り出す。

 

 

 

ミラ「マスターは重症……ミストガンもいない……」

 

 

 

ミラ「だから……あなたにも戻ってきてほしいのよ、ラクサス」

 

 

 

ラクサス『あ?俺には関係ねぇ話だ。勝手にやってろ』

 

 

 

ミラ「フェアリーテイルのピンチなのよ!!」

 

 

 

ラクサス『知らねぇな』

 

 

 

ラクサス『ジジイの勝手に始めた喧嘩だろうが』

 

 

 

ミラ「ラクサス!!」

 

 

 

ラクサス『ルーシィ?』

 

 

 

ラクサス『あぁ、あの乳デケェ新人か』

 

 

 

ラクサス『俺の女になるなら助けてやってもいいって伝えとけ』

 

 

 

ラクサス『あとジジイはさっさと引退して、俺にマスターの席寄越せってな』

 

 

 

カナ「あんたって奴は!!」

 

 

 

ラクサス『おいおい、人に頼む態度かよ』

 

 

 

ラクサス『とりあえず脱いでみたらどうだ?俺は色気に――』

 

 

 

ミラ「っ……!!」

 

 

 

 ミラが怒りのままラクリマを握り潰そうとした、その時。

 

 

 

ゼノ「……待て」

 

 

 

 静かな声。

 

 

 

 ミラの手が止まる。

 

 

 

ゼノ「ラクサス」

 

 

 

ラクサス『……ゼノか』

 

 

 

ゼノ「帰ってこなくていい」

 

 

 

ゼノ「その代わり、ファントムの支部をいくつか潰してこい」

 

 

 

 ギルド内が静まり返る。

 

 

 

ラクサス『……は?』

 

 

 

ラクサス『面倒くせぇな』

 

 

 

ゼノ「これはFairy Tailとしての命令じゃない」

 

 

 

ゼノ「……私個人から、お前への頼みだ」

 

 

 

 短い沈黙。

 

 

 

ラクサス『……チッ』

 

 

 

ラクサス『貸し一つだぞ、ゼノ』

 

 

 

 通信が切れる。

 

ノヴァ「……潰す気か?」

 

 

 

ゼノ「……もう始まっている」

 

 

 

ゼノ「……私はポーリュシカの所へ行く」

 

 

 

ミラ「マスターの様子を?」

 

 

 

ゼノ「ああ」

 

 

 

ゼノ「……放っておけない」

 

・・・

 

 数十分後。

 

 

 

 ズウゥン、ズウゥン

 

 

 

いきなりギルド内が揺れ始める

 

 

 

「何だ!!?」

 

 

 

「外だーーー!!!」

 

 

 

フェアリーテイルのメンバーが全員外に出ると

 

 

 

「な...何だあれは...」

 

 

 

 六本の巨大な脚を生やしたファントムロードのギルドが、地響きを立てながらフェアリーテイルへ近付いてくる。

 

 

「ギルドが歩いて...」

 

 

 

「ファントムか!?」

 

 

 

「想定外だ...こんな方法で攻めてくるとは...」

 

 戦争は、まだ終わっていなかった。

 




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